メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

L.A.グリーン

Fortune / Fortune (1985)

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Harlan Cageでメロハー・ファンにはお馴染みのL.A.グリーンとロジャー・スコット・クレイグのコンビが在籍したバンド、Fortuneが1枚だけ残したアルバム。バンド名はギターのリチャードとドラムのミックのフォーチュン兄弟に由来するようです。シンガーとソング・ライターが同じなので当たり前と言えば当たり前ですが、ほぼHarlan Cageと同じ哀愁メロハー/AOR路線が全面展開。パッと聴いただけではHarlan Cageと区別がつきません。Harlan Cageのアルバムでも何曲か本作収録曲をセルフ・カバーしていたのでなおさらです。

Harlan Cageの解散後、L.A.グリーンとロジャー・スコット・クレイグはフォーチュン兄弟と合流してFortuneでの活動を再開、2019年に34年振りとなる2ndアルバム II をリリースしています。ロジャー・スコット・クレイグはその後バンドを離れたようですが、2020年にライブ盤 The Gun's Still Smokin' Live 、2022年には3rd Level Ground と立て続けにリリース。しかし2022年末、残念ながらL.A.グリーンの訃報が伝えられています。

なお、本作のオリジナル・リリースはLPですが、今のところ発売された正規盤CDは2種類しかないようです。一つは2004年アメリカGypsy Rock Records盤で、LPの10曲に加えてボーナス・トラックを3曲追加収録。もう一つは2011年ドイツAOR Heaven盤で、こちらのボーナス・トラックは1曲。もちろん、両方ともデジタル・リマスターされています。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Thrill of It All (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
02. Smoke From a Gun (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
03. Stacy (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
04. Bad Blood (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
05. Dearborn Station (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
06. Lonely Hunter (L. A. Greene, Richard Fortune)
07. Deep in the Heart of the Night (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
08. Stormy Love (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
09. Out on the Streets (L. A. Greene, Roger Scott Craig, Richard Fortune)
10. 98° in the Shade (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
[Bonus Tracks]
11. Home Free (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
12. Breakin' Down the Door (L. A. Greene, Roger Scott Craig, Richard Fortune)
13. Heart of Stone (L. A. Greene, Roger Scott Craig, Richard Fortune)

■Personnel
L. A. Greene - Lead Vocals, Guitars
Bob Birch - Bass, Vocals, Saxophone
Richard Fortune - Guitars, Vocals
Mick Fortune - Drums
Roger Scott Craig - Keyboards, Vocals

Producer - Kevin Beamish

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Fortune

Temple of Tears / Harlan Cage (2002)

0395Temple Of Tears









L.A.グリーン(Vo, G)とロジャー・スコット・クレイグ(Key, Vo)によるメロハー・プロジェクトHarlan Cageの4thアルバム。この後アルバムのリリースは無く、古巣のFortuneの活動が再開しているので、現時点では本作がラスト・アルバムということになります。

Harlan Cageと言えば哀愁メロハー、過剰なまでの哀愁路線が特徴だったわけですが、本作では哀愁がやや抑え目になっていて、ちょうどいい塩梅だと感じました。それに、これまではどのアルバムもメロディが似通っていて曲の区別がつきにくい面がありましたが、今回は曲の個性がそれぞれはっきりしているし、出来も良いと思います。どうやら最終作にして最高傑作が生まれたようです。なお、前作と同じく今回もFortune時代のセルフ・カバー曲#7"Deep in the Heart of the Night"が収録されています。

歌メロの「泣き」が控えめになった一方で、ギターが泣きまくっているのも高ポイント。ギタリストはビリー・リースギャングとマイケル・ターナーがクレジットされていますが、日本盤ライナーノートによれば、今回メインはマイケル・ターナーだそうです。HR/HM的なフラッシーなソロを弾くタイプではなく、マイケル・トンプソンなどの系統のAOR/フュージョン系ギタリストですね。柔らかな音色、伸びやかなフレーズが素晴らしいです。総じて、哀愁メロハーや泣きのギターを好む向きにはおすすめのアルバムだと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Any Port in the Storm
02. Wooden Cross
03. Just a Face in the Rain
04. One New York Morning
05. On the Nickel
06. In My Neighborhood
07. Deep in the Heart of the Night
08. Sin City
09. As You Fly
10. Later Than You Know
11. We Belong
All songs by Roger Scott Craig & L. A. Greene

■Personnel
L. A. Greene - Vocals, Guitars
Roger Scott Craig - Keyboards, Vocals

Michael Turner - Guitar
Billy Liesegang - Guitar
Hans Fleder - Drums
Uri Yamato - Bass

Producer - Roger Scott Craig

Temple of Tears
Harlan Cage
Atenzia
2002-06-17

Forbidden Colors / Harlan Cage (1999)

0326Forbidden Colors









アメリカのメロハー/AORバンドHarlan Cageの3rdアルバム。前2作ではL.A.グリーン(Vo, G)とロジャー・スコット・クレイグ(Key, Vo)の二人のユニットでしたが、本作ではこれまでサポート扱いだったビリー・リースギャング(G)がメンバーとしてクレジットされています。なお、ライナーノーツによるとベース担当としてクレジットのあるWilhelm Wannabe Remarkableはビリー・リースギャングの変名だそうです。プロデュースはロジャー・スコット・クレイグです。

本作もいつも通り、これでもかっていうほど哀愁たっぷりの路線です。楽曲が似通っていて「聴いたことある」感が半端じゃありません。もう、どの曲がどのアルバムに入っていたのか分からなくなるくらいです。褒め言葉にするなら、それだけ揺るぎない音楽性ということでしょう。前身バンドFortuneのセルフ・カバー#3"Thrill of It All"が収録されていますが、そのFortune時代から音楽性は一貫しています。今回ちょっと異色なのは、#8"Feel the Wheel"、#10"Late Night Escapades"、#13"What a Fool I've Been"とやけにハードな曲が3曲もあること。このバンドにこういう音は求めていないわけで。うるさいからやめてほしい。一方、#2"Chinatown"、#7"A Little Rain"、#11"Before the Night Is Gone"などは洗練されたライトAOR路線で、都会の夜景にピッタリのムードです。やっぱりこっちの方が魅力的。この路線メインで行ってくれたら嬉しいんだけどなぁ。

本作のバッキングを務めるサポート・ミュージシャンをざっと見ておくと、ギターに前2作にも参加していたマイケル・ターナー、ドラムはThe StormやGregg Rolie Bandでプレイしているロン・ウィクソ。それから、バック・ボーカルに前作に引き続きAOR系セッション・ボーカリストのトミー・ファンダーバークが加わっています。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. No Sunday Bride
02. Chinatown
03. Thrill of It All
04. Can't Tame the Raven
05. Hard Yellow Line (You Lied to Me)
06. Last Plane Out
07. A Little Rain
08. Feel the Wheel
09. Making My Way Back to You
10. Late Night Escapades
11. Before the Night Is Gone
12. Two Ships in the Night
13. What a Fool I've Been [Bonus Track]
All songs written by Roger Scott Craig & L. A. Greene

■Personnel
L. A. Greene - Vocals, Guitars
Roger Scott Craig - Keyboards, Vocals
Billy Liesegang - Guitar (except #2)

Ron Wikso - Drums
Wilhelm Wannabe Remarkable - Bass
Michael Turner - Guitar on #2
Tommy Funderburk - Backing Vocals
Chris Julian - Backing Vocals
Judy Mass - Violin on #4
Scott Joss - Fiddle on #4

Producer - Roger Scott Craig

Forbidden Colours
Harlan Cage
Mtm
2009-06-01

Double Medication Tuesday / Harlan Cage (1998)

135Double Medication Tuesday









L.A.グリーンとロジャー・スコット・クレイグによるアメリカの哀愁メロハー/AORユニットの第二作。リリースは1998年。前作は哀愁指数100%、あまりに度を越した哀愁っぷりにややげんなりしましたが、本作は哀愁路線に変わりないものの曲調、テンポともに多少バリエーションがあって聴きやすく感じました。でもこの人たちの音楽、どうも筆者にはしっくりこない。ボーカルが今一つ好きじゃないのと、メロディが微妙に好みからずれているのと、キーボード多用でサウンドのエッジが立っていないのと、その辺りが理由かもしれません。ただ#10"As You Are"という曲は文句なしに良かったです。サックス入りの落ち着いたサウンドで、メロディもとても洗練されています。それと#4"Solitary Dance"も好き。変にハードに迫らずに、この2曲のような都会的でオサレなライトAOR路線の方がこの人たちに合ってるんじゃないかと思うんですけどね~。

バックを固めるミュージシャンは、前作に引き続きギターにビリー・リースギャング(ライスギャング)、マイケル・ターナー。ベースのジャミー・カーターはGraham Bonnetのアルバムなどに参加しているミュージシャン、同じくベースのドン・クロムウェルはEddie Money、Lynx、Ransomなどに参加しています。バック・ボーカルのトミー・ファンダーバークはAirplay、King of Heartsで有名なAORシンガーです。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Blow Wind Blow
02. Halfway Home
03. Lola's in Love
04. Solitary Dance
05. My Mama Said
06. Dearborn Station
07. Defend This Heart of Mine
08. Restless Hearts
09. Lights Out for Losers
10. As You Are
11. Turn up the Radio
12. Joker on the King's Highway
13. No Turnin' Back [Bonus Track]
All songs written by Roger Scott Craig & L. A. Greene

■Personnel
L. A. Greene - Vocals, Guitars
Roger Scott Craig - Keyboards, Vocals

Billy Liesegang - Guitar
Jamie Carter - Bass
Michael Lawrence - Drums
Michael Turner - Additional guitars
Don Cromwell - Bass on track 8. 12
Lenny Goldsmith - Backing vocals
Tommy Funderburk - Backing vocals
Larry Dow - Harmonica on track 6
Robert Kyle - Tenor sax solo on track 10

Producer - Roger Scott Craig

Double Medication Tuesday
Harlan Cage
Mtm Music
2009-06-01

Harlan Cage / Harlan Cage (1996)

0025Harlan Cage

1985年にアルバムを1枚残して消えたフォーチュンというメロハー/AORグループがいました。何故かメロハー業界には「フォーチュン」と名乗るバンド が多いのですが、アメリカのバンドで、やや有名なほうのフォーチュンです。そのフォーチュンのメンバーだったL.A.グリーンとロジャー・スコット・クレイグの2人が再び組んだユニットがハーラン・ケイジで、これは彼らの第一作のセルフタイトル・アルバム。曲調は「哀愁」一色です。誇張でもなんてもなく、 最初から最後まで全曲がセンチメンタルな声で歌われる哀愁のメロディです。哀愁のメロディ、もちろん大好きなのですが、多少のテンポやアレンジの違いはあってもここまで同じカラーの曲が詰め込まれるとさすがにお腹一杯になります。一曲一曲はいいのですが、アルバム通しはキツイ。。。全然OKという方ももちろんいるでしょうが、筆者としては、もう少しバリエーションが欲しいというのが正直なところです。

このアルバムは、ゲスト・ギタリストが参加して素晴らしいプレイで彩を添えているのがうれしい聴き所です。ネルソンやデレク・シェリニアンのアルバムでプレイしていたブレット・ガースド、それからビリー・リースギャング(ライスギャング)とマイケル・ターナー、この2人はロジャー・スコット・クレイグとともに101 Southでもプレイしています。またビリー・リースギャングとロジャー・スコット・クレイグは、80年代にNina Hagenのバックを勤めていたこともあり旧知の間柄のようです。ギタリストではありませんが、ピアノでスティーヴ・ポーカロなんていう名前もクレジットされています。ところで、ゲスト・ギタリストの一人Ron Anielloというのは、あの有名なプロデューサーのロン・アニエロ本人?同名異人?

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Pay the Devil His Due (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
02. 98 in the Shade (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
03. One Naked Kiss (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
04. Three Nights Running (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
05. Wires and Chains (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
06. Kiss of Fools (Tom Whitlock)
07. Destiny (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
08. Run Rebel Run (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
09. Too Much (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
10. Sweet Salvation (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
11. Takin' Out the Trash (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
12. Silver Wings (L. A. Greene, Roger Scott Craig)
13. Let It Rain (L. A. Greene, Steve Porcaro)

■Personnel
L. A. Greene - Lead Vocals, Guitars
Roger Scott Craig - Keyboards, Vocals

Richie Onori - Drums
Brian Peters - Bass, Vocals
Michael Langlan - Lead Guitars

Ron Aniello - Guitars on "Sweet Salvation", "Kiss of Fools"
Bobby Robles - Guitars on "Run Rebel Run"
Brett Garsed - Guitars on "Let It Rain", "Wires and Chains"
Mike Turner - Guitars on "Three Nights Running", "Takin' Out the Trash"
Billy Liesegang - Guitars on "Destiny", "Silver Wings"
Steve Porcaro - Piano on "Let It Rain"

Producer - Harlan Cage

Harlan Cage
Harlan Cage
Mtm
2009-06-01

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