Fair Warningの再結成後2作目、通算6枚目のオリジナル・アルバムです。前作Brother's Keeperもまあまあの出来だったわけですが、今回は前作はもちろん解散前の傑作を凌ぐような作品を期待していました。そして#1"Fighting for Your Love"も、#2"Here Comes the Heartache"も、ドラマチックで高揚感溢れるメロディが素晴らしく、Fair Warningにまた新たな名曲が加わったと大喜びしました。「これはいける!」と思ったのに、ところがどっこい3曲目でもうバラード?しかもクサさばかりが鼻につきます。ほめ言葉ではなく悪い意味で臭いのです。この後もやけにバラードが多く、なんと全12曲中6曲がバラード。悪くない曲もあるけれど、いくらなんでもアルバム半分バラードってのはないでしょう。バラード以外の曲は佳曲だと思いますが冒頭の2曲ほどではありません。前作と同じく既発曲と似たようなフレーズやメロディ展開が散見されるのも気になります。また、ヘルゲのハイ・フレットからの高音を活かしたギター・ソロはこのバンドに無くてはならない要素であることは確かですが、そろそろやり過ぎ感が出てきました。なんでもかんでもハイ・フレットに持っていかなくてもいいんじゃない?フレーズもマンネリ気味だし。まあ、そうは言っても全体として見れば、凡百のバンドには作り出すことの出来ない高品質なアルバムであることに間違いはないのです。筆者にとってFair Warningはメロハーに目覚めさせてくれたバンドの一つであり、思い入れが深いだけに求めるものが大きいのかもしれません。
01. Station to Station
02. Just as She Smiles
03. Hey Girl (Alternative Version)
04. Fighting for Your Love (Alternative Version)
05. Station to Station (Alternative Version)
06. Falling Reprise (Alternative Version)
Producer – Fair Warning