メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

工藤義弘

Midnight Flight / Earthshaker (1984)


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日本のHR/HMバンド、Earthshaker(アースシェイカー)の3rdアルバム。前作Fugitiveのメロディアスハード/ハードポップ路線を更に推し進めて、キャッチーで一度聴いたら忘れられないような楽曲が揃った名作となっています。「ジャパメタ」と一括りにされるけれど、ヘヴィ・メタル的要素はもうほとんどないですね。冒頭から#1"T-O-K-Y-O"、#2"Midnight Flight"、#3"Radio Magic"と代表曲3連発!中でも"Radio Magic"は、メロディはもちろん歌詞の情感も心に残る、まさに日本のハードポップ最良の曲の一つだと思います。これかけると必ず一緒に歌ってしまいます。やはり日本語歌詞ってのがいいですね。まあ、なまじ日本語で歌われるとその薄っぺらさが丸分かりになって、聴きたくなくなるバンドってのもまたあるわけですが。しかし、毎回書いてますが、このバンドはボーカルの上手さ、表現力がダントツだなぁ。筆者にとっては、西田氏ほどに心をわしづかみにされる日本人HR/HM系ボーカリストはいまだ出てきてないんですよね。残念ながら。

あちこちで言われてることですが、本作の唯一の欠点はドラムの音。特に#1"T-O-K-Y-O"のスネアは、なんでこんな音になってしまったんだろうっていうくらい冗談のような音です。プロデュースは誰だっけ?

蛇足ですが、当時新宿からの中央線下り電車の中で、偶然メンバー4人と乗り合わせたことがありました。西田氏とか思った以上に小柄で、しかも特に目立つこともなく皆フツーのお兄さん達で。筆者は黙ってましたが、連れ合いが「頑張ってください!」と声かけたら、シャイな感じでモジモジしてたのが印象的でした。遠い思い出です。。。あと、井の頭線でBlizzardに会ったのは別の機会に。

なお、2010年に発売されたリマスタリング&紙ジャケのSHM-CDは、シングル盤ありがとう君にから"ありがとう君に(ロング・ヴァージョン) "、"Earthshaker(リミックス・ヴァージョン)"の2曲がボーナス・トラックとして収録されています。
 
評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. T-O-K-Y-O (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
02. Midnight Flight (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
03. Radio Magic (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
04. Family (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
05. ざわめく時へと (作詞:西田昌史/作曲:西田昌史)
06. 失われた7224 (作詞:西田昌史/作曲:西田昌史)
07. Money (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
08. ただ悲しく (作詞:西田昌史/作曲:西田昌史)

■Personnel
西田昌史 - Vocals
石原慎一郎 - Guitar
甲斐貴之 - Bass
工藤義弘 - Drums

Mitchell Froom - Synthesizer
Ray Pyle - Backing Vocals

Producer – 伊藤政則


Fugitive / Earthshaker (1984)

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日本のHR/HMバンド、Earthshaker(アースシェイカー)の2ndアルバム。1stが83年6月、本作が84年3月、続く3rdMidnight Flightは84年10月と矢継ぎ早のリリースでしかも名作ぞろいと、まるでデビュー当時のツェッペリンのようです。80年代前半の「ジャパメタ」の勢いというものをつくづく感じます。ただのブームではなくムーヴメントだったんでしょうね。Earthshakerは86年には「ジャパメタ」バンドとしては初の武道館単独公演を成功させるわけで、そのムーヴメントの中でも最先頭を走っていたバンドでした。

さて、1stはEarthshakerとしてはメタル寄りの作風でしたが、本作は彼らの持ち味であるキャッチーでメロディアスなHRが全面開花しています。前作はメロディック・メタル、本作はメロハー/ハード・ポップ。一部では歌謡曲ロックなどという批判もあったような、キャッチーで親しみやすく、ついメロディを口ずさんでしまう曲がそろっています。中でも、歴史的な名曲#5"More"の素晴らしさは、どんなに言葉を尽くしても足りません。ただ曲がいい、メロディがいいというのではなく、西田昌史の歌唱だからこそこの曲に生命が吹き込まれたのだと思います。極端な話、この一曲を残してくれたことだけでもEarthshakerの価値があるというものです。

その他にも、叙情メロハーそのものの#1"記憶の中"、Y&TやMSGを想起させる#2"Young Girls"、タイトル通りの青空系ハードポップでちょっとUFOっぽい#3"Shiny Day"、壮大なバラード#4"Love Destiny"、青臭くてセンチメンタルな歌詞とコーラスが胸を熱くする#6"22時"、ドラマティックでメロディアスなタイトル曲#8"Fugitive"と、名曲・佳曲が目白押しです。筆者の好みからやや外れますが、LAメタル的かつY&T的なR&R曲#7"Drive Me Crazy"も悪くないです。Earthshakerのアルバムの中では、やっぱりこのFugitive がイチオシですね。

なお、2011年に発売されたリマスタリング&紙ジャケ仕様盤は、1984年のミニ・アルバムExciting Miniに収録されていたライヴ・バージョンの"記憶の中"と"Fugitive"の2曲がボーナス・トラックとして追加されています。
 
評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. 記憶の中 (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
02. Young Girls (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
03. Shiny Day (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
04. Love Destiny (作詞:西田昌史/作曲:西田昌史)
05. More (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
06. 22時 (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
07. Drive Me Crazy (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
08. Fugitive (作詞:西田昌史/作曲:西田昌史)

■Personnel
西田昌史 - Vocals
石原慎一郎 - Guitar
甲斐貴之 - Bass
工藤義弘 - Drums

Mitchell Froom - Synthesizer 

Producer – 伊藤政則


Earthshaker / Earthshaker (1983)

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日本のHR/HMバンド、Earthshaker(アースシェイカー)の1stアルバム。1983年ですからもう30数年も昔のことになるんですね。当時いわゆる「ジャパメタ」ブームの中でデビューしたバンドの中ではもっとも好きなバンドでした。何よりMARCYこと西田昌史のボーカルが素晴らしい。歌唱力の点で他から抜きん出ています。筆者は「ジャパメタ」を聴いていると、どうもこそばゆく落ち着かない感覚に襲われるのですが、Earthshakerだとイケるのは、ボーカルが安心だからだと思います。ワールドワイドとか考えずドメスティックな活動のみを前提としていたのかどうか、そのあたり詳しく知りませんが、もっぱら日本語詞なのもいい。それからとにかくメロディがいい。これも他のバンドには見られない特長でした。ギター・ソロも無機質的早弾きより「歌う」ことに重きをおいているようで、これも好ましかった点。総じてヘヴィ・メタルというより、UFO、MSG、Y&Tといったところを想起させるハードロック・バンドだと思います。

そんなEarthshakerですが、このデビュー作は彼らとしてはメタル色が強く、今で言えばメロディック・メタルといった印象です。この1枚目で既にメロディの良さは一級品。バンドのテーマ・ソングとも言える壮大な#1"Earthshaker"、プリミティヴな衝動と狂おしいまでの哀愁が胸に突き刺さる#2"Wall"、強烈な「泣き」を放つバラード#4."I Feel All Sadness"、Iron Maidenのエイドリアン・スミスが提供したモロにブリティッシュな#5"Dark Angel (Animals)"、以下略ですが、聴き飽きないどころか聴く度に味わいの増す楽曲ばかりです。後に続くアルバム群と比べればまだ荒削りな感じは否めないし、なんだか音がスカスカ気味ですが、それが逆にNWOBHM初期のバンドのような勢いを感じさせてくれて、これはこれで十分OKです。洋楽メインで日本のバンドを敬遠している方(筆者もそうなんですが)にもぜひ聴いてもらいたい1枚だと思います。

なお、2017年現在出回っているCDは2007年の再発盤ですが、2011年にリマスタリング&紙ジャケ仕様で発売されたものもあります。2011年盤は、1983年のミニ・アルバムBlondie Girl収録曲4曲も入っていて魅力的なアイテムなんですが、既にプレミアム価格が付いてしまっているのが残念です。
 
評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Earthshaker (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
02. Wall (作詞:西田昌史/作曲:甲斐貴之)
03. 412 (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
04. I Feel All Sadness (作詞:西田昌史/作曲:西田昌史)
05. Dark Angel (Animals) (作詞:Adrian Smith/日本語詞:西田昌史/作曲:Adrian Smith)
06. Marionette (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
07. Children's Dream (作詞:西田昌史/作曲:西田昌史)
08. Time Is Going (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)
09. 夢の果てを (作詞:西田昌史/作曲:石原慎一郎)

■Personnel
西田昌史 - Vocals
石原慎一郎 - Guitar
甲斐貴之 - Bass
工藤義弘 - Drums

Producer – 伊藤政則

 

虹伝説 - 虹を継ぐ覇者 (1998)

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森川之雄(Vo - Anthem, Goldbrick)、梶山章(Gt - Precious, Goldbrick)を中心とする日本人HR/HM系ミュージシャンによる、1998年リリースのレインボー・トリビュート・アルバム。この手のトリビュート盤の中でも屈指のクォリティを誇るアルバムです。森川、梶山以外のバンド・メンバーは、ドラムに工藤義弘(Earthshaker, Gracias)、キーボードに永川敏郎(Gerard, Earthshaker)と岡垣正志(Terra Rosa, Jill's Project)、ベースに加瀬竜哉と内田雄一郎(筋肉少女帯)というラインナップとなっています。またゲストとして、レインボーに在籍したジョー・リン・ターナー、デヴィッド・ローゼンタールが加わっているのもすごいです。

本作ではなんと言っても梶山章のギターの巧みさが際立っています。リッチーのニュアンスを再現しながら、より現代的なテクニックをプラスしてメリハリのあるドラマチックなソロを組み立てています。もちろんバッキングも完璧だし、トーン・コントロールもニヤリとさせるし、全くもって脱帽です。いや~、ストラトってほんとうにいい音だな~って感じさせてくれます。本作をきっかけに、ジョー・リン・ターナーのプロジェクトに度々抜擢されるのも頷ける充実したプレイですね。やはり問題はボーカル。抜群に上手いんですよ、もちろん。しかし、これは森川氏に限った話ではないのですが、自分が日本人だからか、どうしても日本人HR/HMシンガーの声の出し方や歌いまわしに厳しくなってしまう。JLTとのデュエット曲などに顕著ですが、やっぱりなんか違うなぁという感じが拭えないのです。ラストの"Rainbow Eyes"のような静かな歌い方はいいのですが、力んだ歌唱にどうも不自然さとか、気恥ずかしさすら感じてしまいます。これは一種のアレルギーみたいなものかもしれません。その辺に目をつぶれば、全体として演奏の水準も高く、レインボーの曲の良さを改めて認識できる好盤だと思います。え?レインボーの方がいい?それを言っちゃお終いです。
 
評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Over the Rainbow (E.Y. Harburg/Harold Arlen)~Kill the King (R. Blackmore/R. J. Dio/C. Powell)
02. Spotlight Kid (R. Blackmore/R. Glover)
03. Eyes of the World (R. Blackmore/R. Glover)
04. Man on the Silver Mountain (R. Blackmore/R. J. Dio)~Mistreated (R. Blackmore/D. Coverdale)
05 Road to Babylon (D. Rosenthal)~Gates of Babylon (R. Blackmore/R. J. Dio)
06. All Night Long (R. Blackmore/R. Glover)
07. Starstruck (R. Blackmore/R. J. Dio)
08. Street of Dreams (R. Blackmore/J. L. Turner)
09. Drinking With the Devil (R. Blackmore/J. L. Turner)
10. Lost in Hollywood (R. Blackmore/R. Glover/C. Powell)
11. Light in the Black (R. Blackmore/R. J. Dio/R. Padavona)
12. Over the Rainbow (Reprise)
13. Rainbow Eyes (R. Blackmore/R. J. Dio)

■Personnel
森川之雄 - Lead & Backing Vocals
梶山章 - Electric & Accoustic Guitars
工藤義弘 - Drums, Percussion
永川敏郎 - Keyboards (3, 6, 8, 9, 10, 11)
岡垣正志 - Keyboards (1, 4, 7, 11)
加瀬竜哉 - Bass (2, 3, 5, 6, 8, 9, 10, 11), Accoustic Guitar (8)
内田雄一郎 - Bass (1, 4, 7)

Joe Lynn Turner - Lead & Backing Vocals (2, 9)
David Rosenthal - Keyboards (2, 5)

Producer - 梶山章、森川之雄

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