メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

ローリー・ワイズフィールド

Second Skin / Snakecharmer (2017)

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ブリティッシュ・ロック歴戦のツワモノ達が結集したバンドSnakecharmerの2ndアルバムです。メンバーは、クリス・ウーズィー(Vo)、ローリー・ワイズフィールド(G)、ニール・マーレイ(B)、アダム・ウェイクマン(Key)、ハリー・ジェイムズ(Ds)は前作と同じ、そしてミッキー・ムーディが抜けて替わりに北アイルランド出身のギタリスト、サイモン・マクブライドが参加しています。

さてこの2ndアルバムも、やはり1st同様にFree、Bad Company、初期Whitesnake、あるいはFM、Thunderといった伝統的なブリティッシュ・ブルース・ロックの系譜に連なるものとなっています。ただ、ミッキー・ムーディがいない影響なのか、1stより若干渋みが抜けてよりメロディアスさが増した印象を受けました。ソングライティングのクレジットを見ても、相対的にローリー・ワイズフィールドの存在感が強まっているようです。考えてみれば彼は英国メロディック・ロックの源流の一つたるWishbone Ash出身なわけで、メロディアス度増強は当然と言えば当然かも知れません。派手さもケレン味もありませんが歌唱も演奏もパーフェクト。ブルージーなメロディアスハード、あるいはメロディアスなブルース・ロックを好む向きには最高の一枚だと思います。

楽曲はどれも素晴らしいのですが、とりわけスロー・ナンバー#7"Fade Away"は鳥肌もの。Freeの"Be My Friend"やBad Company(オリジナルはMott the Hoople)の"Ready for Love"タイプの哀愁溢れるメロディが胸に沁みます。終盤に差し掛かって、クリス・ウーズィーの搾り出すようなボーカルとローリー・ワイズフィールドの泣きのギターが絡み合い響き合う様は、まさしくロックの醍醐味でしょう。Heartlandでは、クリス・ウーズィーとスティーヴ・モリスの間に結局こういう共振は起きなかったんだよなぁ。クリスさん、もうHeartlandやらなくていいからSnakecharmer続けてください!

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Sounds Like a Plan (Ousey, Wisefield, Wakeman, Murray)
02. That Kind of Love (Ousey, Wisefield)
03. Are You Ready to Fly (Ousey, McBride, Wisefield)
04. Follow Me Under (Ousey, Wisefield)
05. I'll Take You As You Are (Ousey, Wisefield)
06. Hell of a Way to Live (Ousey, Wisefield)
07. Fade Away (Ousey, Wisefield)
08. Dress It Up (Ousey, Wisefield)
09. Punching Above My Weight (Ousey, James)
10. Forgive & Forget (Ousey, Wisefield)
11. Where Do We Go From Here (Ousey, James)
[Bonus Track]
12. On My Way (Ousey, Wisefield)

■Personnel
Chris Ousey - Vocals
Laurie Wisefield - Electric, Acoustic & 12-String Guitars
Simon McBride - Electric Guitar
Adam Wakeman - Hammond Organ, Keyboards
Neil Murray - Bass Guitar
Harry James - Drums

Producer - Gary Stevenson 
セカンド・スキン
スネイク・チャーマー
マーキー・インコーポレイティド
2017-05-24

Snakecharmer / Snakecharmer (2013)

0321Snakecharmer









元Whitesnakeのミッキー・ムーディ(Gt)、ニール・マーレイ(Ba)、元Wishbone Ashのローリー・ワイズフィールド(Gt)、Heartlandのクリス・ウーズィー(Vo)、Thunderのハリー・ジェイムズ(Ds)、そしてリック・ウェイクマンの息子でBlack Sabbathなどでプレイしているアダム・ウェイクマン(Key)という、錚々たる顔ぶれによって結成されたSnakecharmerの1stアルバム。バンド名から分かるように、初期Whitesnakeを支えたメンバーがやってきた一連の「スネイクなんちゃら」というバンドの最新版ですね。もういい加減「スネイク」は卒業すればいいのにと思いますが、いかがなものでしょうか。あと、ローリー・ワイズフィールドがまだ現役だったのには驚きました(失礼)。音のほうは、初期WhitesnakeやBad Companyなどを髣髴とさせるもの。つまりブルース、R&Bに根ざした伝統的なブリティッシュ・ハードロック以外の何物でもありません。1970年代にはブリティッシュ・ブルース出身のミュージシャンがワンサカいて、こういうサウンドはありふれていたわけですが、今となっては逆に新鮮に感じてしまいます。まあとにかく嬉しい作品です。

まず、クリス・ウーズィーが素晴らしい。奇をてらったところが全くないシンプルでナチュラルなブルース・ロックこそがやはりこの人にはピッタリで、水を得た魚のように伸び伸びとした歌唱を披露しています。いや~、Heartlandを聴くたびに感じていたモヤモヤが嘘のよう。渋くてブルージーなのに何故かHeartlandよりメロディアスに感じられるのが不思議です。もっと早くこのメンツでやって欲しかったなぁ。ミッキー・ムーディとローリー・ワイズフィールドのギターもいい感じです。ほとんどペンタトニック一発勝負。タッピングでピロピロとかアーミングとかも一切やってません。リズム・セクションもキーボードもさすがに安定感抜群で文句の付けようがないです。メンバーの皆さんは結構高齢者も多いので、もう余計なことはしないでこのバンドに集中してアルバム制作してほしいし、できればツアーもやってもらいたいですね。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. My Angel (Moody, Ousey, Wisefield)
02. Accident Prone (Wisefield, Ousey)
03. To the Rescue (Wisefield, Ousey)
04. Falling Leaves (Wisefield, Ousey)
05. A Little Rock & Roll (Ousey, Moody, Wherry, Moody)
06. Turn of the Screw (James, Moody, Murray, Ousey, Wakeman, Wisefield)
07. Smoking Gun (Moody, Ousey)
08. Stand Up (James, Ousey)
09. Guilty as Charged (Wisefield, Ousey)
10. Nothing to Lose (James, Moody, Murray, Ousey, Wakeman, Wisefield)
11. Cover Me in You (Ousey, Moody, Wherry, Moody)
12. White Boy Blues [Bonus Track] (Moody, Ousey)

■Personnel
Chris Ousey - Lead Vocals
Micky Moody - Guitars, Vocals
Laurie Wisefield - Guitars, Vocals
Adam Wakeman - Hammond Organ, Keyboards
Neil Murray - Bass
Harry James - Drums

Gareth Roberts - Additional Percussion

Producer - Snakecharmer

Snakecharmer
SNAKECHARMER
FRONTIERS RECORDS
2013-01-28

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