メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

ロニー・ル・テクロ

Tell No Tales / TNT (1987)

0073Tell No Tales
ノルウェーのHR/HMグループTNTの3rdアルバムTell No Tales 。これは名盤以外の何物でもありません。続く4thIntuition もまた名盤の呼び声が高く筆者も異論はありませんが、あちらは超名曲が入っている代わりに「?」な曲もまたあり、アルバムのトータルとしては、全曲名曲のTell No Tales のほうが好みです。いずれにしても、この3rdと4thがTNTの絶頂期の双璧をなす作品であることは衆目の一致するところとなっているようです。チャート的にはノルウェー本国で1位、アメリカで100位と、Intuition をしのいで彼らのアルバムの中ではもっとも上位を記録しています。レコーディング・メンバーは前作Knights Of The New Thunder と変わらず、トニー・ハーネル(vo)、ロニー・ル・テクロ(gt)、モーティ・ブラック(ba)、ディーゼル・ダール(dr)、プロデュースも1st、2ndに引き続きビョルン・ネーショ(Bjørn Nessjø 発音が正しいか不明)となっています。

同じメロハーと言っても、前作がヘヴィ・メタル色が強く、またいまだに垢抜けなかったのに比べ、本作はすっきりとしたハードポップ的な曲調がメインとなっています。サウンドを反映してジャケットもポップ。みんなどこかの王子様のようです。前作のアレとはえらい違いです。それはともかく、このアルバムは全編とにかく美しい。メロディも、トニー・ハーネルのハイトーン・ボーカルも、ロニー・ル・テクロのテクニカルなギター・ソロも、全てがうっとりするほど美しいのです。そしてビョルン・ネーショのサウンド・プロダクションも(Intuition には及ばないものの)良好で、このアルバムを北欧クリスタル・サウンドを代表する1枚たらしめるのに大きく貢献しています。

ハードなリフとキャッチーなメロディの#1"Everyone's a Star"でツカミはOK、続く#2"10,000 Lovers"はノルウェーのシングル・チャート2位となったロマンチックなポップ・ソング。#3"As Far as the Eye Can See"は歌メロもギターソロも完璧なまでに美しいスピード・チューン。ここまで一気に息をつかせぬ展開の後、驚異的なロニー・ル・テクロのギター・インストゥルメンタルの小品#4"Sapphire"を挟んで、クラシカルなメロディが美し過ぎる至高のスロー・バラード#5"Child's Play"で一息つきます。再びアコギによるインストゥルメンタル曲#6"Smooth Syncopation"に続き、爽やかなハード・ポップ#7"Listen to Your Heart"。ここでのロニーのキテレツなギター・ソロも聴き所です。#8"Desperate Night"はややヘヴィなミドル・テンポの哀愁系ナンバー。#9"Northern Lights"はタイトル通り冷涼なノルウェーの空気感を漂わせる美しいバラード。クライマックスへの緊張感を掻き立てるインスト#10"Incipits"に続いて、ラストを飾る#11"Tell No Tales"は意表をつく完璧なまでにヘヴィ・メタリックな疾走曲。トータル・タイムは30分そこそこと短いのですが、曲の配置も完璧で、ダレずに至福の時間を過ごせるアルバムに仕上がっています。 

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Everyone's a Star (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
02. 10,000 Lovers (In One) (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Morten "Diesel" Dahl)
03. As Far as the Eye Can See (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
04. Sapphire (Ronni Le Tekrø)
05. Child's Play (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
06. Smooth Syncopation (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
07. Listen to Your Heart (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
08. Desperate Night (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
09. Northern Lights (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Bjørn Nessjø)
10. Incipits (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
11. Tell No Tales (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Morten "Diesel" Dahl)

■Personnel
Tony Harnell – vocals
Ronni Le Tekrø – guitars, guitar synthesizer
Morty Black – bass guitar, pedal synthesizer
Morten "Diesel" Dahl – drums, percussion

Håkon Iversen – background vocals
Bård Svendsen – keyboards and programming
Bjørn Nessjø – keyboards and programming
Carlos Waadeland – keyboards and programming

Producer - Bjørn Nessjø


Knights Of The New Thunder / TNT (1984)

0054Knights of the New Thunder

ノルウェーのHR/HMグループTNTの2ndアルバム。あまりと言えばあまりなジャケットなので、少し大きめでアップしてみました。音のほうはジャケと打って変わって素晴らしい出来栄えです。このアルバムからボーカルがアメリカ人のトニー・ハーネルに交代し、前作のドロっとしたB級メタル然としたサウンドから、ぐっと透明感のあるサウンドにチェンジしました。このアルバムも依然としてどこかイモ臭い印象は拭いきれない音ですが、同じバンドとは思えないほどのグレードアップぶりです。しかしそれにしても、このアルバムをリリースした1984年時点で、ロニー・ル・テクロもトニー・ハーネルもまだ21歳前後なわけで、サウンドに若々しさが漲ってるのがとてもいいです。

ライナーノートでは、前任者ダグ・インガーブリッツェンのレコーディング途中での解雇とトニー・ハーネル加入のいきさつ、ノルウェー国内に限られた活動からワールドワイドな活動(実質的にはアメリカ市場を意識したもの)へのステップアップについて書かれています。詳細は省略しますが、MSGを脱退したばかりのゲイリー・バーデンが新ボーカリストに決まりかけたところに、トニー・ハーネルのデモ・テープが届き、迷った末にバンドはトニーを選択したということのようです。その後の彼らのサウンドを考えると、透明感・清涼感に満ちたハイトーン・ボイスを持ち、音程も完璧なトニーを選んだことは、全く正しい選択だったと言えると思います。#8"U.S.A"とボーナス・トラックの#11"Eddie"は前作に収録されていた曲を再レコーディングしたもの。"U.S.A"のダサさはトニーが歌ってもあまり変わりませんが、"Eddie"は断然いい曲に聴こえます。おもしろいもんです。

ベースも交代しモーティ・ブラックが新たに参加しています。この後長年にわたってドラムのディーゼル・ダールと共にTNTのボトムを支えていくことになります。メンバー以外では、キーボードとバック・ボーカルでボード・スヴェンセン(Bård Svendsen)が参加しています。次作Tell No Tales の録音にも加わっているノルウェーのセッション・ミュージシャンです。プロデュースは前作に引き続きビョルン・ネーショ(Bjørn Nessjø 発音が正しいか不明)が担当しています。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Seven Seas (TNT)
02. Ready to Leave (Ronni Le Tekrø)
03. Klassisk Romance (Ronni Le Tekrø)
04. Last Summer's Evil (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell, TNT)
05. Without Your Love (Tony Harnell, Dag Ingebrigtsen, Ronni Le Tekrø)
06. Tor with the Hammer (Dag Ingebrigtsen, Tony Harnell)
07. Break the Ice (Morten "Diesel" Dahl, Tony Harnell, Dag Ingebrigtsen)
08. U.S.A. (Gustav Alfheim, Tony Harnell, Dag Ingebrigtsen, Ronni Le Tekrø)
09. Deadly Metal (Gustav Alfheim, Ronni Le Tekrø, Tony Harnell)
10. Knights of the Thunder (Morten "Diesel" Dahl, Tony Harnell, TNT)
11. Eddie [Bonus] (Gustav Alfheim, Dag Ingebrigtsen)

■Personnel
Tony Hansen (Tony Harnell) – Lead & Harmony Vocals
Ronni Le Tekrø – All guitars
Morty Black – Bass & synthesizer
Diesel Scan-Dahl (Morten "Diesel" Dahl) – Drums & Percussion

Bård Svendsen – Keyboards & Harmony vocals

Producer - Bjørn Nessjø

TNT / TNT (1982)

0020TNT

ノルウェーのハードロック・バンドTNTの1st。TNTというとT.ハーネル加入後の3枚目のTell No Tales や4枚目のIntuition が有名ですが、透明感とリリシズムに満ちた「あの音」はここにはありません。ドタバタした耳障りなB級メタル全開。このアルバムでのTNTは、Intuition のTNTとは別のバンドととらえたほうがよいと思います。ボーカルはDag Ingebrigtsenという人ですが、音程も怪しく、妙にささやいたり突然叫んだりして、なんというか、お手上げです。曲もほとんどこの人が書いてい て、メロディアスでないどころか、えー、、、お手上げです。おまけに、歌詞がノルウェー語で耳に馴染みがないせいか、いっそう聴きづらい印象を持ってしま うのです。

さんざん貶してしまいましたが、ロニー・ル・テクロのギターだけはこの1stでも既にその変幻自在ぶりをチラリと覗かせていますので、全く聴く価値のない アルバムとは言えないとは思います。ドラムのディーゼル・ダールは、この1stからTNTのオリジナル・メンバーで、一時的にバンドを離れる時期はありま すが、TNTのドラマーと言えばやはりこの人でしょう。プロデュースはビョルン・ネーショ(Bjørn Nessjø 発音が正しいか不明)、同じノルウェーのStage Dollsなども手がけている人です。TNTは4作目のIntuition までこの人をプロデューサーとしてアルバムを制作することになります。

評価 ★☆☆☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Harley-Davidson (Dag Ingebrigtsen, Gustav Alfheim)
02. U.S.A. (Dag Ingebrigtsen, Ronni Le Tekrø, Gustav Alfheim)
03. Bakgårdsrotter (Dag Ingebrigtsen, Gustav Alfheim)
04. Etyde i fuzz-mål (Ronni Le Tekrø)
05. Eddie (Dag Ingebrigtsen, Gustav Alfheim)
06. Showet er i gang (Dag Ingebrigtsen, Gustav Alfheim)
07. Pirrende Irene (Dag Ingebrigtsen, Gustav Alfheim)
08. Mafia (Dag Ingebrigtsen, Ronni Le Tekrø, Gustav Alfheim)
09. Eventyr (Dag Ingebrigtsen, Gustav Alfheim)
10. Varmt & Hardt (Dag Ingebrigtsen, Gustav Alfheim)

■Personnel
Dag Ingebrigtsen – lead vocals and rhythm guitars
Ronni Le Tekrø – lead guitars
Steinar Eikum – bass guitar
Morten "Diesel" Dahl – drums, percussion

Producer - Bjørn Nessjø

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