0364Self Defence









FMのスティーヴ・オーヴァーランドと、Heartlandのクリス・ウーズィーという英国メロディック・ロックを代表するボーカリスト2人と、メロディック・ロック界のキーパーソンでもあるギタリストのマイク・スラマーとトミー・デナンダー、この4人がタッグを組んだハードロック・プロジェクトOzoneのアルバム。このメンツはすごい!ウーズィー、スラマー、デナンダーの組み合せは2011年のクリス・ウーズィーのソロ作Rhyme & Reasonで実現していましたが、そこにスティーヴ・オーヴァーランドが上乗せされてツイン・ボーカルですからね。昔の言い方だと文字通りの「スーパー・グループ」です。当然リリース後すぐに手に入れましたが、一聴して「ん?」となりました。繰り返して聴いても耳に馴染んできません。何種類もの具が乗った豪華な海鮮丼より、結局単品で食ったほうが旨いということでしょうか。

日本国内盤(Rubicon Music)に入っているマイク・スラマーとクリス・ウーズィーのインタビューには、ザックリしたアルバム制作の手順が示されています。それによると、マイク・スラマーとトミー・デナンダーがそれぞれカラオケ・トラックを作成、それをクリス・ウーズィーとスティーヴ・オーヴァーランドにネット送信、それぞれが歌詞と歌メロを作ってボーカル・トラックを録音、プロデューサーのマイク・スラマーがトラックの取捨選択をして曲にまとめるというものです。いかにもレコーディングだけのためのプロジェクトという感じです。パーマネントなバンド活動が難しいメロハーの分野では、今はこういう手法は普通なのでしょう。問題は、マイク・スラマーとトミー・デナンダーの作った曲がゴージャスかつスタイリッシュで泥臭さやブルース味は皆無、一方クリス・ウーズィーとスティーヴ・オーヴァーランドはその真逆の個性が売りであること。それは分かっていて敢えてチャレンジしたのでしょう。しかしながら結局いわゆる化学反応は起きなかったみたいです。そうは言ってもそこはトップクラスの実力者が結集しているわけで、決して駄作にはなっていないのが逆に凄いと思いました。このアルバムが売れたら次があるかも的なことがインタビューに乗っていましたが、どうやら2枚目は無さそうな気配です。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Shadow on the Sun
02. Visionary Man
03. Self Defence
04. Once in a Lifetime
05. Practice What You Preach
06. How Evolved Are We
07. Smile Before You Lie
08. Save My Soul
09. Destiny
10. Tiger by the Tail
11. Let the Good Will Out
12. So Blind
Bonus Track for Japan
13. Visionary Man
All songs written by Chris Ousey, Steve Overland, Mike Slamer, Tommy Denander
except  "How Evolved Are We" by Christian Wolff, Chris Ousey

■Personnel
Chris Ousey - Lead & Backing Vocals
Steve Overland - Lead & Backing Vocals
Mike Slamer - Guitars, B3 Organ, Keyboards, Bass
Tommy Denander - Guitars, Keyboards, Bass
Ronnie Platt - Backing Vocals
Billy Greer - Backing Vocals
Billy Trudel - Backing Vocals
Kerry Denton - Drums
Christian Wolff - Guitars, Keyboards on "How Evolved Are We"
Erik Sabo - B3 Organ

Producer - Mike Slamer
Executive Producer - Khalil Turk

Self Defence
OZONE
ルビコン・ミュージック
2015-09-23