メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

ヨルグ・ダイジンガー

Point Blank / Bonfire (1989)

0286Point Blank










ドイツ産HRバンドBonfire(ボンファイアー)の1989年リリースの3rdアルバム。一作ごとに同郷の先輩バンドScorpionsの影響が薄れ、Bon Jovi色というかアメリカ指向が強まってきています。前作に引き続き、ジャック・ポンティ、デズモンド・チャイルドといったBon Joviにつながるヒット・メーカーとの共作曲を入れ込み、楽曲面での充実度は更に向上。俗に言うアリーナ・ロック風なメジャー・バンド感が出てきました。メイン・ギターがハンス・ツィラーから新規加入のエンジェル・シュライファー(ex-Sinner)にチェンジしたことによって、インスト面も格段に強化されています。ただ、惜しむらくは決定的なキラー・チューンがないこと。うーん、あと一歩、あと半歩という感じです。一曲一曲はコンパクトでキャッチーなんですが、箸休め的な小品2曲を含めて全17曲収録というのも、さすがに詰め込みすぎな気がします。2009年Yesterrockの再発盤は更に7曲のライブ録音がボーナスで追加されており、嬉しいようなお腹一杯なような。。。

なお、前身バンドCacumen以来のギタリスト2人のうち、ホルスト・マイヤー・ソーンは録音前に脱退、ハンス・ツィラーはミックス中に脱退しています。ハンス・ツィラーのパートがどの程度残っているのか不明ですが、彼はAdditional Guitars、エンジェル・シュライファーはAll Guitarsとクレジットされています。ドラムは前作では助っ人のケン・メリーが叩いていましたが、本作では固定メンバーとしてエドガー・パトリック(ex-Sinner, Samson)が参加しています。クラウス・レスマン(vo)、ヨルグ・ダイジンガー(b)は変わらず、プロデュースも2ndと同じくマイケル・ワーグナーが手がけています。バッキング・ボーカルにフレディ・カーシ(ex-Sheriff, Alias)の名前があるのがちょっと意外。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Bang Down The Door
(Music & Lyrics: B. Halligan Jr./G. Schleifer/C. Lessmann/J. Ziller)
02. Waste No Time
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
03. Hard On Me
(Music & Lyrics: J. Ponti/S. Swirsky/C. Lessmann/G. Schleifer/J. Deisinger/E. P. Witzemann/J. Ziller)
04. Why Is It Never Enough
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)
05. Tony's Roulette
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)
06. Minestrone
(Music & Lyrics: H. Maier-Thorn/E. P. Witzemann)
07. You're Back
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
08. Look Of Love
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
09. The Price Of Loving You
(Music: D. Child, Lyrics: D. Child/C. Lessmann/G. Schleifer/J. Ziller)
10. Freedom Is My Belief
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)
11. Gimme Some
(Music & Lyrics: J. Ponti/K. Keeling/L. Bulen/M. Wagener/C. Lessmann/J. Deisinger/G. Schleifer/E. P. Witzemann/J. Ziller)
12. Say Goodbye
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)
13. Never Surrender
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
14. (20th Century) Youth Patrol
(Music: J. Ziller, Lyrics: C. Lessmann)
15. Jungle Call
(Music & Lyrics: H. Maier-Thorn)
16. Know Right Now
(Music: J. Deisinger/G. Schleifer, Lyrics: C. Lessmann)
17. Who's Foolin' Who
(Music & Lyrics: M. Ribler/C. Lessmann/G. Schleifer/J. Ziller)

■Personnel
Claus Lessmann - Lead & Backing Vocals, Acoustic Guitars
Jörg Deisinger - Bass, Backing Vocals, Mouth Drums
Edgar Patrik - Drums, Percussion, Backing Vocals
Angel Schleifer - All Guitars, Backing Vocals

Hans Ziller - Additional Guitars
Fred Curci - Additional Backing Vocals

Producer – Michael Wagener


Soul Doctor / Soul Doctor (2001)

0256Soul Doctor










Fair Warning脱退後トミー・ハートが結成したSoul Doctorr(ソウル・ドクター)の1stアルバム。トミーのFair Warning脱退の経緯については本作ライナーノーツに詳述されていますが、簡単に言ってスタジオ録音がメインでライブに消極的なバンドの姿勢が不満だったということらしいです。Fair Warningの主導権はウレ・リトゲンとヘルゲ・エンゲルケが握っており、曲作りも独占されていることにもフラストレーションが溜まっていたのでしょう。2000年の来日公演を前にアンディ・マレツェクが一足先に脱退しており、公演後にトミーが抜けFair Warningは解散状態に陥ることになります。

さて、このトミー・ハートの新バンドSoul Doctor、トミー以外のメンバーですが、まずギターにクリス・ライン。トミーの幼馴染だそうで、1980年代にトミーと共にHeartlyneというバンドを組んでいました。ハートとラインでハートラインなわけですね。ベースはJ.D.ことBonfireのヨルグ・ダイジンガー。ドラムはザッキーことアタナシオス・ツォウカス(Athanasios Tsoukas)、なんだかビザンツ皇帝のようなスゴイ名前のこの人はドイツのメタル・バンドAttackの出身です。そして、プロデューサーのジム・ヴォックスはドイツのHRバンドSkew Siskinのギタリスト。ついでにAdditional musiciansですが、クラッシュ・クリックはSkew Siskinのドラマー、アレクサンダー・ストローチは元Heartlyneのキーボード奏者。イゴール・フラッハは故人ですがドイツのブルース・ハープ奏者。ちなみに、Skew Siskinのベーシストであるヨギー・ラウテンベルクは元Heartlyneのメンバーで、後にSoul Doctorにも参加します。こうして見てくると、Soul Doctor、Heartlyne、Skew Siskinは相互に関係が深く、Zeno~Fair Warning系のつながりとは別のトミーの人脈が伺えます。

そういう人脈を反映して本作のサウンドも、Zeno~Fair Warningに共通した叙情的なメロディアス・ハードロックとは異なり、ロックン・ロールとブルースをベースにした、オーソドックスなハードロックとなっています。Fair Warningにはその要素が全くなかった泥臭ささえ感じられるものの、乾いた感じは受けない音、たとえて言うなら初期Gotthardに類似しているかな。そんなわけで、Soul DoctorにFair Warningの面影を見出すのは難しいでしょう。もちろん、高揚感に満ちたトミー・ハートの声と歌いまわしは変わらないので、その点ではFair Warning同様に不安なく楽しめます。ロックン・ロール調の曲だとロバート・プラントを思わせるような歌いっぷりで、これはこれでまたカッコいいです。なお、Foreignerのカバー#1"Soul Doctor"以外は、収録曲は全てバンドとスティーヴ・プランケット(Autograph)によって書かれたもの。ストレートかつシンプルですが、ライブ映えしそうな曲ぞろいです。なるほどトミーはこういう音楽がやりたかったのかと納得できます。しかしまあ、これだけのテンションとパワー感を、スタジオ録音に詰め込んだこのバンドとプロデューサーの力量は大したもんだなぁと感心しました。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Soul Doctor
02. Shake 'Em On Down
03. Goodbye
04. Before The Night Is Over
05. Unspoken Words
06. What Do U Want
07. Who Will Be There
08. You're All That I Want
09. Down The Blvd.
10. Emotion In Motion
11. Does It Feel Like Love
12. Wild And On The Run [bonus track]
All songs written by T. Heart, C. Lyne, J. Deisinger, Zacky and Steve Plunkett
except "Soul Doctor" written by M. Jones/L. Gramm

■Personnel
Tommy Heart - Vocals
Chris Lyne - Guitar
J.D. - Bass
Zacky - Drums

Additional musicians - Crash Klick, Alexander Strauch, Andreas Kemper, Igor Flach

Producer - Soul Doctor
Co-producer - Jim Voxx

Fire Works / Bonfire (1987)

0225Fire Works










ドイツのハードロック・グループ、Bonfireの2ndアルバム。Scorpionsの二番煎じ感とB級臭はずいぶん薄れました。要因の一つはDokken、Poison、White Lion、Alice CooperなどHR/HM系、特にLAメタル・バンドを数多く手がけて定評の高い、ドイツ出身のマイケル・ワーグナーによるゴージャスなプロダクション。それから、ジャック・ポンティ、ジョー・リン・ターナーなど外部ライター参加による楽曲の充実。さらに、ゲスト・ドラマーとして名手ケン・メリー(Fifth Angel、House Of Lords、Impellitteri etc)が全曲プレイしていること。この人が叩くと、途端に音がイキイキと躍動するんですよね。もちろんバンドの成長もあるのでしょうが、1stに比べて全体的にクォリティは向上しています。ただ、若気の至りな感じ、どことなく軽佻浮薄な感じが抜けていないのが気になるところ。それから、リード・ギタリストの技量がイマイチなのもHR/HMバンドとしては痛いかな。

楽曲の傾向は当時の耳で聴けばアメリカ指向なのでしょうが、叙情的なメロディはそれでも十分欧州っぽさ、ドイツっぽさが濃厚。#1"Ready 4 Reaction"、#2"Never Mind"、#4"Champion"、#11"Cold Days"など、パワー感と哀愁味が両立した佳曲が目白押しです。特に#6"Sweet Obsession"はキャッチーでメロディアス、文句なしの曲だと思います。この曲、ジョー・リン・ターナーもSecond Hand Life (2007)に収録しています。本作のクレジットはBonfireの4人とジャック・ポンティ、JLTの共作ということになっていますが、Second Hand Life のほうではジャック・ポンティとJLTしかクレジットされていません。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Ready 4 Reaction (H. Maier-Thorn/J. Deisinger/C. Lessmann)
02. Never Mind (H. Ziller/J. Deisinger/C. Lessmann)
03. Sleeping All Alone (J. Ponti/H. Ziller/H. Maier-Thorn/C. Lessmann)
04. Champion (H. Ziller/C. Lessmann)
05. Don't Get Me Wrong (H. Maier-Thorn/C. Lessmann)
06. Sweet Obsession (J. Ponti/J. Lynn-Turner/H. Ziller/C. Lessmann/H. Maier-Thorn/J. Deisinger)
07. Rock Me Now (H. Ziller/C. Lessmann)
08. American Nights (H. Ziller/H. Maier-Thorn/C. Lessmann/M. Ribler)
09. Fantasy (H. Maier-Thorn/C. Lessmann)
10. Give It A Try (H. Ziller/C. Lessmann)
11. Cold Days (H. Ziller/C. Lessmann)

■Personnel
Claus Lessmann - lead and backing vocals
Hans Ziller - lead and rhythm guitar, acoustic guitar, backing vocals
Horst Maier-Thorn - rhythm guitar, backing vocals
Jörg Deisinger - bass, backing vocals

Ken Mary - drums, percussion
Martin Ernst - keyboards

Producer – Michael Wagener



Don't Touch The Light / Bonfire (1986)

0171Don't Touch the Light










ドイツのハードロック・グループ、ボンファイアーの1stアルバム。Cacumen(カクメン?)というバンドの中心メンバーだったクラウス・レスマン(vo)、ハンス・ツィラー(gt)、ホルスト・マイヤー・ソーン(gt)の3人と、ヨルグ・ダイジンガー(b)、ドミニク・ヒュルスホルスト(ds)によってレコーディングされています。どこをどう聴いても、同じドイツのスコーピオンズの影響が濃厚。まず、ボーカルのクラウスさんの声と歌い回しがスコピのクラウスさんにそっくり。哀愁、ほの暗さ、湿り気を感じさせるメロディもよく似ています。スコーピオンズは初期はコク優先、ギターがマティアス・ヤプスに替わった後期はキレ優先となりますが、ボンファイアーはその後期に近いかな。ただし、困ったことにこのボンファイアーはコクが無いのにキレも無い。似てはいるけれど、楽曲、歌唱、演奏、あらゆる点でスコーピオンズには遠く及びません。このバンドを称して凡ファイアーと言った人がいるとか、いないとか。いや、上手いこと言いますな。少なくともこのアルバムに関しては凡作としか言い様がありません。

なお、現行CDは2000年版と2009年リマスター版があり、2009年版にはボーナス・トラックとしてライブ録音7曲が追加収録されています。また、1stDon't Touch The Light と2ndFire Works を1枚にまとめたものも発売されています。

評価 ★★☆☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Intro (C. Lessmann/H. Ziller/H. Maier-Thorn/J. Deisinger/D. Huelshorst)
02. Starin' Eyes (H. Maier-Thorn/C. Lessmann)
03. Hot To Rock (H. Ziller/J. Deisinger/C. Lessmann)
04. You Make Me Feel (H. Ziller/C. Lessmann)
05. Longing For You (C. Lessmann/H. Ziller/H. Maier-Thorn)
06. Don't Touch The Light (H. Ziller/H. Maier-Thorn/C. Lessmann)
07. S.D.I. (C. Lessmann/H. Ziller/H. Maier-Thorn)
08. No More (H. Ziller/C. Lessmann)
09. L.A. (H. Ziller/C. Lessmann)

■Personnel
Claus Lessmann - lead & backing vocals
Hans Ziller - lead & acoustic guitars, backing vocals
Horst Maier-Thorn - lead guitar, backing vocals
Joerg Deisinger - bass, backing vocals
Dominik Huelshorst - drums, percussion, backing vocals

Producer - Bonfire, Dave Hutchins



Wild Obsession / Axel Rudi Pell (1989)

0075Wild Obsession
ドイツのHR/HMバンドSteelerのギタリストだったアクセル・ルディ・ペルが、バンドを離れて開始したソロ・プロジェクトによるアルバム第一弾。彼はこの後現在に至るまでほぼ年に1枚ずつアルバムを発表し続けています。この一作目のレコーディングに集められたメンバーはいずれもドイツのミュージシャンで、ベースにBonfireのヨルグ・ダイジンガー、U.D.O.のトーマス・ズムズンスキー、そしてSteeler時代の同僚フォルカー・クラウツァックの3人。ドラムには元Rage、後にStratovariusに加入するヨルグ・マイケル。キーボードにジョージ・ハーンとルトガー・コーニッヒ。そしてボーカルには、Ted Nugent、Gary Mooreのボーカリストを務めたチャーリー・ハーン。彼はアメリカ人ですが、80年代の後半はドイツのバンドVictoryに在籍していたので、ドイツのロック・シーンに縁があったのかも知れません。プロデューサーは、ドイツのHR/HMバンドのアルバムを多く手がけているウリ・ポッセルトです。

筆者はこのアルバムを初めて聴いたとき、アクセル・ルディ・ペルのリード・ギターに心底驚きました。思いつくまま指を動かしているだけの早弾きは不正確だし、フレーズは起承転結もなくとっ散らかっていて、失礼ながらアマチュア以下の技術とセンス。彼の作る楽曲もありきたりで、どこかで聴いたことのあるようなものばかり。よくこれでソロ・アルバムを出せたものだと思いました。チャーリー・ハーンはヘタなボーカリストではないし、バンドはそれなりの演奏をしているはずなのに、B級イメージばかり残ってしまいます。ところが、ときたまハッとするほど叙情的な歌メロが出てくるのです。アクセル・ルディ・ペル、何かのきっかけでとんでもない名曲が飛び出してくる可能性があるかもと期待させる何かがあります。

評価 ★★☆☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
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■Tracks
01. Wild Cat (Axel Rudi Pell)
02. Call of the Wild Dogs (Axel Rudi Pell, Charlie Huhn)
03. Slave of Love (Axel Rudi Pell, Charlie Huhn)
04. Cold as Ice (Axel Rudi Pell)
05. Broken Heart (Axel Rudi Pell)
06. Call Her Princess (Axel Rudi Pell)
07. Snake Eyes (Axel Rudi Pell, Charlie Huhn)
08. Hear You Calling Me (Axel Rudi Pell, Charlie Huhn)
09. Return of the Calyph from the Apocalypse of Babylon (Axel Rudi Pell)
10. (Don't Trust the) Promised Dreams (Axel Rudi Pell)

■Personnel
Axel Rudi Pell - guitars

Charlie Huhn - vocals, acoustic guitar on 3
Jörg Deisinger - bass on 3, 4, 5, 8
Thomas "Bodo" Smuczynski - bass on 1, 2, 7, 10
Volker Krawczak - bass on 6
Jörg Michael - drums
George Hahn - keyboards
Rüdiger König – additional keyboards

Producer - Ulli Pösselt

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