メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

ヨラン・エドマン

Transition / Street Talk (2000)

0491Transition









フレドリック・バーグ(key)が主宰するプロジェクトStreet Talkの2ndアルバム。1stも傑作でしたが、この2ndはそれを上回る大傑作です。北欧AORの代表的名盤の一つだと思います。ボーカルは本作ではヨラン・エドマン単独、ギターは当時まだ新人のスヴェン・ラーション、リズム隊は前作ではアディショナル・メンバーだったミカエル・ベルナー(b)、クリスチャン・ヨハンソン(ds)となっています。

サウンドは前作を継承した北欧AORならではの繊細さ、清涼感あふれるものですが、曲のほとんどがフレドリック・バーグ作で、ボーカルもヨラン・エドマン一人なので、前作より統一感がある印象です。まず、ヨラン・エドマンの声、歌唱がこのサウンドにぴったりはまっていて実に見事です。この人はやはりメタルっぽいバンドより、こういうAOR寄りのバンドのほうが合っているように思います。それから、スヴェン・ラーションのギターも非常に気に入りました。シングル・コイル(おそらくストラト)らしい涼しげな音で、ソロが素晴らしいのはもちろんのこと、リズムギターもほとんどアルペジオか単音バッキングなので、ハードロック的な「音の壁」とは対極的な風通しの良い爽快サウンドとなっています。これ以降のStreet Talkのアルバムにも参加しており、ソロ作も出しているようなので、ぜひ聴いてみたくなりました。主宰者のフレドリック・バーグは、「俺が俺が」と前に出てくるタイプではなく、控え目ながらセンスの良い音を鳴らしており、これまた好印象。と、ベタ褒めしたくなる内容なのですが、敢えて難を言えば、気持ちよすぎてなんとなくBGM的に聴き流してしまいそうになることくらいです。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Someday (I'll Get Over You) (Words & Music Fredrik Bergh)
02. Need Someone (Words & Music Fredrik Bergh)
03. If Anybody Breaks Your Heart (Words & Music Fredrik Bergh)
04. Let Me Be The One (Words & Music Fredrik Bergh)
05. Always Stand By You (Words & Music Fredrik Bergh)
06. Ye Gods And Little Fishes (Words : Göran Edman  Music : Fredrik Bergh)
07. Everything I Do Is Just For You (Words & Music Fredrik Bergh)
08. Energizer Bunny (Words : Göran Edman  Music : Fredrik Bergh)
09. Don't Give Up On This Love (Words & Music Fredrik Bergh)
10. When You Lose The One You Love (Words & Music Fredrik Bergh)
[Bonus Track]
11. I'll Always Remember (Instrumental)  (Music Sven Larsson)

■Personnel
Fredrik Bergh - Keyboards, Harmony Vocals
Göran Edman - Lead & Backing Vocals
Sven Larsson - Guitars
Mikael Berner – Bass
Christian Johansson – Drums, Percussion

Nina Söderquist - Backing Vocals
Mikael Karlsson - Tenor Saxophone on #4
Pierre Loven - Percussion on #4

Producer - Fredrik Bergh

Transition
Street Talk
Point
2000-06-12


MMVII / Voices of Rock (2007)

0463MMVII









ドイツのミュージシャン、マイケル・ヴォス(Mad Max, Casanova etc)とクリス・ラウスマン(Bonfire, Affair etc)の2人を中心とするプロジェクトVoices of Rockの1stアルバム。この2人とドイツのベテラン・ドラマーであるバートラム・エンゲルで基本オケを作り、そこに10人のボーカリストが歌を乗せるという趣向となっています。個別には曲ごとに触れますが、綺羅星のごとく豪華なメンバーがずらっと並んでいて、メロハー・ファンとしては実に魅力的です。更にゲスト・ギタリストとして、トミー・デナンダーとエンジェル・シュライファーがそれぞれ1曲がつ参加しています。これまた嬉しい限り!

01. Voodoo Woman
一番手のボーカリストはジェイムズ・クリスチャン(House of Lords )。ミドルテンポの歯切れのいいリフと重厚なサウンド、そしてジェイムズ・クリスチャンの風格あるボーカルが素晴らしいの一言。おまけにエンジェル・シュライファーのカッコいいギター・ソロまで!いきなりの名曲・名演です。

02. Wild Thing
ボーカルはジーン・ボーヴァー(Crown of Thorns)。メロディアスでスピード感あふれる曲にジーン・ボーヴァーの伸びのある歌声がピッタリです。Crown of Thornsより良いくらいですね、これは。

03. Nightingale
お次はテリー・ブロック(Strangeways, Giant)。一転してしっとりとしたAOR風バラード。この人もため息が出るほど上手いです。

04. Over and Done
ボーカルはダン・リード(Dan Reed Network)。ミドル・テンポのポップな曲で、本作の中ではやや軽めなサウンドです。昔のDan Reed Networkの頃より声が渋くなっていて味わい深いです。

05. Phoenix Rising
ボーカルはジョニー・ジョエリ(Hardline)です。ミドル・テンポのハードAORといった曲調で、これも歌い手に良く合っていると感じました。

06. Irresistible
ハリー・ヘス(Harem Scarem)登場!ザクザクとしたリフと切ないメロディが最高です。本作中で一、二を争う出来だと思います。

07. China in Your Hands
ヨラン・エドマンが担当するのは軽快でキャッチーなハード・ポップ。どこかにも書いたけれど、おじさんの歌う明るいポップスってのは実にいいもんですな。聴けば聴くほど大好きな曲になりました。

08. Underloved
唯一の女性ボーカル、ロビン・ベックが歌うハード・ポップ。うっすら漂うカントリー・フレイバーがいい感じです。ギター・ソロはトミー・デナンダーで、いつも通り弾きまくっております。

09. Slip Away
メジャー・キーのポップな曲が続きます。ボーカルはスティーヴ・オーヴァーランド(FM)。この人は何を歌わせても味わいがあるというか、曲の味わいを引き出してしまうというか、とにかく上手いですね。

10. Love Is Blind
締めくくりはなんとゲイリー・バーデン(MSG, Silver)です!1曲目と似た感じのリフが引っ張るミドル・テンポのハードロック。ゲイリー・バーデンは色々言われてきましたが、こうやって聴くと(少なくともスタジオ録音では)中々の名ボーカリストですね。

なお、日本国内盤には11曲目にボーナストラックとしてマイケル・ヴォス自身が歌う"Maniac"が収録されているようですが、未聴のため詳細は分かりません。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Voodoo Woman
02. Wild Thing
03. Nightingale
04. Over and Done
05. Phoenix Rising
06. Irresistible
07. China in Your Hands
08. Underloved
09. Slip Away
10. Love Is Blind
Words & Music By Chris Lausmann & Michael Voss

■Personnel
Michael Voss - Lead Guitars, Acoustic Guitars, Backing Vocals
Chris Lausmann - Guitars, Bass, Keyboards

James Christian - Vocals on #1
Jean Beauvoir - Vocals on #2
Terry Brock - Vocals on #3
Dan Reed - Vocals on #4
Johnny Gioeli - Vocals on #5
Harry Hess - Vocals on #6
Göran Edman - Vocals on #7
Robin Beck - Vocals on #8
Steve Overland - Vocals on #9
Gary Barden - Vocals on #10

Bertram Engel - Drums
Angel Schleifer - Lead Guitars on #1
Tommy Denander - Lead Guitars on #8

Producer - Chris Lausmann & Michael Voss

MMVII
ヴォイシズ・オヴ・ロック
マーキー・インコーポレイティド
2007-08-22





 

L.A Reflection / AOR (2002)

0426L.A Reflection









フレデリック・スラマの主宰するプロジェクトAORの3rdアルバム。これまで通りウェストコーストAOR一直線の作品となっています。しかしまあ、スラマさんは本当にAORという音楽が大好きなんですね。流行に振り回されることもなく、商業的成功を求めて音楽性を変えたりすることもなく、自分好みの音楽を自分好みのミュージシャン達と作っていくという、ある意味アマチュア的な姿勢は清々しいとさえ感じます。せめてせっせと購入して応援したい気持ちになるのです。

アルバム3枚目ともなると、メロディや曲展開のパターンも大体分かってきて、新鮮味という点では期待はできません。作っているほうもマンネリなんていうことは承知の上だと思うし、スラマさんの書くメロディ自体好きなので問題無しですが、1st、2ndと同様やはりボーカルの弱さはなんとかしてもらいたいところです。ただ、メインのデヴィッド・チェンバリンという人は相変わらずダメですが、今回はヨラン・エドマンその他実力派が何曲か歌っているのが一歩前進です。また、トミー・デナンダーが全面的に関与しているようで(All Instrumentsとクレジットされています)、前2作よりサウンドがグッとハードになってRadioactiveに近い感じになっています。このプロジェクトのアルバムは、参加ミュージシャンがずらっとクレジットされているのものの、ボーカルを除いて曲ごとの担当はごく一部しか記されていません。また、既発曲のバージョン違いが収録されていることも多く、その辺がちょっと分かりづらい。どうも、既発曲の一部または全パートを再録音して収録するパターンと、再発の際に既発アルバム収録曲の同一トラックをボーナスとして収録するパターンがあるようです。というわけで、自分自身の覚書も兼ねていくつかの曲について書いておきます。なお、筆者の持っているのは2012年ドイツYesterrockからの再発盤です。

#3"Never Gonna Let Her Go"
1stL.A. Concessionの本編にジョン・フルカーの歌うバージョン、ボーナス・トラックにインスト・バージョン、2ndNext Stop: L.A.ボーナス・トラックにジョン・フルカー・バージョン再収録、そして本作ではリック・リソの歌うバージョン収録。このトラックには、"Middle & End Guitar Solos by Steve Lukather"、"Rhythm Guitars by Michael Landau"という表記があります。

#14"Never Gonna Let Her Go (Michael Landau Mix)"
こちらには詳細なクレジットがあって、マイケル・ランドウ(G)、デヴィッド・ディッグス(Key)、トム・サヴィアーノ(Sax)、フセイン・ジフリー(B)、ヴィニー・カリウタ(Ds)がプレイしていることが分かります。つまり#3との違いは、ギター・ソロをスティーヴ・ルカサーが弾いているかマイケル・ランドウが弾いているかということです。1stL.A. Concessionボーナス・トラックかつRadioactiveのTakenにも収録されているインスト・バージョンは、ベーストラックはこの#14と同一で、更にトミー・デナンダーのリード&リズム・ギターが入りボーカルをカットしたものということになります。

#7"Worlds Away"
ボーカルはマイケル・ラフ。1stL.A. Concessionにダグ・セント・ジョンの歌うバージョンが入っていましたが、本作のトラックは全て新規録音だと思います。

#8"Leave Her to Heaven"
ボーカルはヨラン・エドマン。1stL.A. Concession本編と2ndNext Stop: L.A.ボーナス・トラックのジョン・フルカー・バージョンとはインスト・パートも異なっていて新規録音に聴こえます。

#12"5492 (instrumental)"
ジェフ・ポーカロ(Ds)、マイケル・ポーカロ(B)、スティーヴ・ポーカロ(Key)、デヴィッド・ペイチ(P)、トミー・デナンダー(G)のクレジットがあるインスト・ナンバー。つまりルカサー抜きのTOTOでデナンダーがギターを弾いている状態。フレデリック・スラマはプレイにも作曲にも関わっていないので、なんで収録されているのか謎。ジェフ・ポーカロは1992年に死去しているので相当古い録音だと思われます。

#13"Secrets in Her Heart"
ボーカルはデヴィッド・チェンバリン。1stL.A. Concessionのボーナスと同一トラックです。本作でも何故かボーナス・トラック。

#15"Listen to Your Heart"
#16"Mary Ann"
ボーカルはマイケル・キスール。サウンド的にも音質的にもデモ録音以下のクォリティ。おそらくスラマさんがメモ代わりに一人で制作した音源に仮ボーカルを入れただけではないかと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. If No One Cared (Lead Vocals : David Chamberlin)
02. Sensation (Lead Vocals : Göran Edman)
03. Never Gonna Let Her Go (Lead Vocals : Rick Riso)
04. So Young and Innocent (Lead Vocals : David Chamberlin)
05. A Quiet Storm (Lead Vocals : Chris Antblad)
06. How Will She Find Her Way Back? (Lead Vocals : David Chamberlin)
07. Worlds Away (Lead Vocals : Michael Ruff)
08. Leave Her to Heaven (Lead Vocals : Göran Edman)
09. Dream Them Away (Lead Vocals : David Chamberlin)
10. I Know You Too Well (Lead Vocals : David Chamberlin)
11. Far Away From the Storm (Lead Vocals : David Chamberlin)
12. 5492 (instrumental)
Bonus Tracks
13. Secrets in Her Heart (Lead Vocals : David Chamberlin)
14. Never Gonna Let Her Go (Michael Landau Mix)
15. Listen to Your Heart (Lead Vocals : Michael Kisur)
16. Mary Ann (Lead Vocals : Michael Kisur)
All songs by Frédéric Slama
except #12 by Tommy Denander, Jeff Porcaro, Mike Porcaro

■Personnel
Frédéric Slama - Guitars, Keyboards
Tommy Denander - All Instruments
Göran Edman - Lead Vocals
Michael Ruff - Lead Vocals
Rick Riso - Lead Vocals
Chris Antblad - Lead Vocals
Michael Kisur - Lead Vocals
David Chamberlin - Lead Vocals
Rachel Diggs - Backing Vocals
Tom Bailey - Backing Vocals
Kristoffer Lagerström - Backing Vocals
Steve Lukather - Guitars
Michael Landau - Guitars
Bruce Gaitsch - Guitars
James Harrah - Guitars
André Harold - Guitars
David Diggs - Keyboards
Steve Porcaro - Keyboards
David Paich - Keyboards
Tom Saviano - Saxophone
David Boruff - Saxophone
Mike Porcaro - Bass
Eddie Watkins Jr. - Bass
Hussain Jiffry - Bass
Vinnie Colaiuta - Drums
Ed Greene - Drums
Jeff Porcaro - Drums

Producer - Frédéric Slama

L.A. Reflection
AOR
Yesterrock
2012-11-05

 

ヨラン・エドマン(Göran Edman)のディスコグラフィ

ヨラン・エドマン(Göran Edman)のディスコグラフィ。原則として、実演者(客演含む)・製作者としてクレジットのあるオリジナル・スタジオ盤とライブ盤を時系列に沿ってリストアップ。場合によりEP・各種企画盤も掲載。このブログで取り上げたものはリンク表示。間違い・漏れの可能性が多分にあるので、訂正・追加のため随時更新予定。

Diamond Mistress / Madison (1984)
Give a Helpin' Hand / Swedish Metal Aid (Single) (1985)
Best in Show /  Madison (1986)
Like a Dream / Von Rosen (Single) (1986)
Someone Like You / Von Rosen (Single) (1987)
Total Control / John Norum (1987)
Danger in This Game / Glory (1989)
Shiftin' Gear / Alien (1990)
Eclipse / Yngwie Malmsteen (1990)
Live in Stockholm / John Norum (1990)
Fire & Ice / Yngwie Malmsteen (1992)
Positive Buoyant / Glory (1993)
Crisis vs. Crisis / Glory (1994)
Calling Spirits / Fortune (1994)
Live and Learn / Brazen Abbot (1995)
Stenhårda Låtar 1 / Flintstens Med Stanley (1995)
Eye of the Storm / Brazen Abbot (1996)
Freeride / Thomas Larsson (1996)
Collaboration / Street Talk (1997)
Bad Religion / Brazen Abbot (1997)
Wintergreen / Glory (1998)
Backyard Boogaloo / Snake Charmer (1998)
The Last Viking / Johansson (1999)
Universe / Reingold (1999)
Wonderland / Kharma (2000)
Transition / Street Talk (2000)
Entrance / Lion's Share (2001)
Nostradamus / Nikolo Kotzev (2001)
Entering the Spectra / Karmakanic (2002)
L.A Reflection / AOR (2002)
Save the World / Benny Jansson (2002)
Restoration / Street Talk (2002)
Ignition / Ignition (2003)
Dreaming of L.A. / AOR (2003)
Talisman (reissue) / Talisman (2003)
Guilty as Sin / Brazen Abbot (2003)
Destination / Street Talk (2004)
Wheel of Life / Karmakanic (2004)
White on Blue / Crossfade (2004)
Enter the Woods / Minstrel Spirit (2004)
Caleidoscope / Xsavior (2005)
Horror Makers / Gutter Sirens (2005)
Revenge / Vitalij Kuprij (2005)
The Call / Heed (2005)
The Ultimate Andersson Collection / Richard Andersson (2005)
My Resurrection / Brazen Abbot (2005)
Too Daze Gone / Swedish Erotica (2005)
Optical Illusion / Time Requiem (2006)
V / Street Talk (2006)
Roc De Light / Corin & Edman (2006)
MMVII / Voices of Rock (2007)
Sweet Trade / The Poodles (2007)
Temporal / Shadrane (2008)
Creations From a Chosen Path / Silent Call (2008)
Vindictiv / Vindictiv (2008)
Signum Regis / Signum Regis (2008)
Break the Spell / Jayce Landberg (2008)
Who's the Boss In The Factory? / Karmakanic (2008)
Ground Zero / Vindictiv (2009)
Land of the Free / Geff (2009)
The Crowning / Crash the System (2009)
The Genesis of the Prophecy / Arthur Falcone' Stargazer (2009)
Good Sleepless Night / Jayce Landberg (2009)
The Eyes of Power / Signum Regis (2010)
The Power of Two / Karmakanic & Agents of Mercy (2010)
Fire Flight / Stratosphere (2010)
Blood of the Prophets / Boguslaw Balcerak's Crylord (2011)
Secret Love / Crossfade (2011)
In a Perfect World / Karmakanic (2011)
Strange Ang3ls / David Mark Pearce (2011)
Black as Death / Iron Mask (2011)
Mårran / Mårran (2012)
Three Wise Monkeys / Alberto Rigoni (2012)
Outside Heaven / Chasing Violets (2012)
Live in the US / Karmakanic (2012)
L.A. Temptation / AOR (2012)
The Mystic Technocracy - Season 1: The Age of Ignorance / Docker's Guild (2012)
Vid Liv / Mårran (EP) (2012)
Bad Mad Man / Sven Larsson (2012)
Exodus / Signum Regis (2013)
Growing Apart / Headless (2013)
Master of the Sea / Minotauro (2013)
Jade Hearts / Chasing Violets (2013)
Strange Nostalgia / The Theander Expression (2013)
Memorial for a Wish / Nergard (2013)
Impact / Covered Call (2013)
The Secrets of L.A. / AOR (2013)
Cry Wolf / Wolfpakk (2013)
Mårran 2 / Mårran (2013)
Memories / Michael Jessen (2014)
3/4 / Mårran (2014)
The Thundermaker / Thundermaker (2014)
Gates of Valhalla / Boguslaw Balcerak's Crylord (2014)
Heaven on Earth / Devil's Heaven (2014)
Perseverance / Stamina (2014)
Only Want The Best / Refurbished (2014)
IV / Forces United (2015)
The Last Marks of Prophecy / Clairvoyant (2015)
Black Moon / Paco Ventura (2015)
Melt the Ice Away / Headless (2016)
Dot / Karmakanic (2016)
Cry of Dawn / Cry of Dawn (2016)
Passion Dreams / Sammy Berell (2017)
Next Station / Marco De Angelis (2017)
Flood / Amoriello (Single) (2018)
Proxy / The Tangent (2018)
Hotel Cantaffordit / Tangekanic (2018)
Age of Discovery / Johan Kihlberg's Impera (2018)
Memorial for a Wish (2018 Version) / Nergard (2018)
Heart & Soul / The Senior Management (2018)
Carousel / Crossfade (EP) (2018)
Heavenly Demos / AOR (2019)
Bulletproof / Michael Jessen (2019)
The Voice Within / Luca Sellitto (2019)
At Last / Backman Johanson and the Others (2019)
Dragonfire / Bleckhorn (EP) (2019)
Lynze / Roxx (2019)
Rise / Ron Coolen (2020)
Camelot / Ancient Knights (2020)
Flag of Hope / Signum Regis (EP) (2020)
The Forbidden World / Jayce Landberg (2020)
Angel's Touch / Jordan Jordanov Featuring Göran Edman (2021)
Crazy Game of Love / Backman Johanson and the Others (2021)
Square One / Headless (2021)
Now Is the Time / Perpetual Etude (2021)
Straight to the Stars / Arthur Falcone' Stargazer (2021)
Human Heredity / Boguslaw Balcerak's Crylord (2022)
Hellbound Train / Nordic Hard Rock For Peace (Single) (2022)
Anthropocene / Cry of Dawn  (2023)
Innocent Days / Crossfade  (2023)

Impact / Covered Call (2013)

0420Impact









スウェーデンのメロハー・バンドCovered Callの2ndアルバム。中心メンバーのヨエル・カールソン(G)、ロニー・スヴァンストロマー(Ds)、モルガン・ローゼンクイスト(G)は前作と変わらず、新しくベースにアンディ・ルース(Glory, Lion's Share)が加わっています。ボーカルは実質ゲストと思われますが、前作のトーマス・ヴィクストロムからヨラン・エドマンに交代しています。失礼ながらほとんど無名のバンドにも関わらず、トーマス・ヴィクストロムやヨラン・エドマンといった大物ボーカリストが歌っているのがちょっと不思議です。更にアディショナル・ミュージシャンとして、キーボードにクリストファー・フォン・ワッケンフェルト(Seven Tears, Care of Night)、ギターにピーター・ランディン(CC-Rock)とラーズ・クリス(Lion's Share, Impera)が参加しています。

1stアルバムは、ロックン・ロール・スタイルの曲や、マイナー・キーでドラマチックな曲が多く、トーマス・ヴィクストロムの歌唱がピッタリという感じでしたが、本作はメジャー・キーのハード・ポップが中心です。メロディは明るくポジティヴ、かといって能天気なイメージは全くありません。ヨラン・エドマンは1956年生まれなので、この当時は56か57歳くらいでしょう。その歌唱は円熟味が増し、まさにいぶし銀のようです。ポップなのに弾けてない。これはいわば大人のハード・ポップですね。楽曲はそれほど似ていませんが、Blanc Facesと共通するものを感じました。聴いている自分自身も若くはないからか、おじさんの歌うハード・ポップになんだか胸が熱くなります。もっと昔に聴いていたら印象は違ったかもしれませんが、自分にとっては大事な一枚、隠れ名盤の一つです。

蛇足ですが、#5"Hold On"はブリティッシュ・ヘヴィ・メタルの代表的なバンドの一つSaxonのカヴァー。ゴリゴリの硬派イメージのSaxonですが、この曲は意外にもキャッチーでメロディアス。他のオリジナル曲との違和感はありません。最初聴いたとき、ヨラン・エドマンとエリック・モーテンソンがデュエットしているのかと思ったけど、全部ヨラン・エドマンでした。この人色んな声が出せるので実際一人でデュエットできそうです。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Lorraine
(Music & Lyrics : Svanströmer, Carlsson)
02. When The Lights Are Out
(Music : Svanströmer, Carlsson, Thulin  Lyrics : Svanströmer, Carlsson)
03. Think About Old Times
(Music : Svanströmer, Carlsson, Rosenquist  Lyrics : Svanströmer, Carlsson)
04. Look Into Your Mind
(Music : Svanströmer, Carlsson, Palmberg  Lyrics : Svanströmer, Carlsson)
05. Hold On
(Music : Saxon  Lyrics : Biff Byford, Nigel Glockler)
06. Make A Wish
(Music & Lyrics : Svanströmer, Carlsson)
07. Nothing Lasts Forever
(Music & Lyrics : Svanströmer, Carlsson)
08. Wake Up
(Music & Lyrics : Svanströmer, Carlsson)
09. When I'm Gone
(Music & Lyrics : Svanströmer, Carlsson)
10. Live It Up
(Music : Svanströmer, Carlsson, Rosenquist  Lyrics : Svanströmer, Carlsson)
11. Last Goodbye
(Music & Lyrics : Svanströmer, Carlsson)

■Personnel
Göran Edman - vocals
Joel Carlsson - guitars
Morgan Rosenquist - guitars
Andy Loos - bass
Ronny Svanströmer - drums

Kristofer Von Wachenfeldt - keyboards
Peter Lundin - guitars
Lars Chriss - guitars on #5

Producer - Covered Call
 

Carousel / Crossfade (2018)

0383Carousel









スウェーデンのセッション・ミュージシャン、ラース・ホールバック(gt)とリチャード・ステンストロム(key)、そしてヨラン・エドマン(vo)によるAORプロジェクトCrossfadeの3枚目のアルバム。前作から7年ぶりで、今回は5曲入りのミニ・アルバムです。バックを務めるリズム・セクションはヨハン・グランストロム(b)、フェリックス・レーマン(ds)、アンドレアス・エクステッド(per)に入れ替わり、ホーン・セクションのメンツもかなり変更されています。

内容はこれまで同様のSteely DanやTOTOを下敷きにしたAORですが、ひんやりとした空気感がやはり北欧を感じさせます。今回は過去のアルバムに比べて少しジャズっぽさが増した印象です。相変わらずの色彩感覚に溢れた極上の楽曲、繊細なアンサンブル、ため息が出るほどの見事な演奏、そして円熟の境地に達したヨラン・エドマンの歌唱、すべてが絶品!今回はピアノがフィーチャーされる場面が多く、これがまた洒落ていて心地良いことこの上ありません。このバンドには珍しくブルージーな#5"Love of Mine"は「いぶし銀」という言葉そのままで、とりわけ心に深い印象を残します。ちなみにCarousel(カルーセル)というのはメリー・ゴーラウンド(回天木馬)のこと。ジャケットに描かれた幻想的な回天木馬のイラストが音楽にぴったりだと思いました。

唯一残念なのは曲数の少ないミニ・アルバムであること。リリースの間隔が開いているので出来ればフル・アルバムで出して欲しかったな。ただ、インナー・スリーヴの最後に、このアルバムは三部作の最初の作品で、Innocent DaysFalling Upwardsというアルバムが続くと告知されているのが嬉しかったです。あんまり待たせないで早く出してね!

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Carousel
02. Taking Me Home
03. Let the Sunshine In
04. Dancing in the Moonlight
05. Love of Mine
Music : Lars Hallbäck, Richard Stenström, Göran Edman
Lyrics : Eva Olsson

■Personnel
Göran Edman - vocals, background vocals
Richard Stenström - all keyboards
Lars Hallbäck - all guitars
Anneli Axon - background vocals
Felix Lehmann - drums, percussion
Andreas Ekstedt - percussion
Johan Granström - all bass guitars

Wojtek Goral - saxophone
Magnus Wiklund - trombone
Peter "noos" Johansson - trombone
Stefan Persson - trumpet
Magnus Johansson - trumpet
Fat Cat Strings, UK - strings

Producer - Lars Hallbäck, Richard Stenström
Executive Producer - Lars Hallbäck

Carousel
Crossfade
Sound Pollution
2019-03-21

Guilty as Sin / Brazen Abbot (2003)

0367Guilty as Sin









ブルガリア出身ギタリスト、ニコロ・コツェフが主宰するハードロック・プロジェクトBrazen Abbotの6年ぶりの第4作。今回起用されたボーカリストは、前作から引き続いての参加となるジョー・リン・ターナーとヨラン・エドマン、そして新たにヨルン・ランデというメンツとなっています。万能型のJLT、アグレッシヴ&パワフルなヨルン・ランデ、渋めの曲を歌わせたら天下一品のヨラン・エドマン、三者三様の歌唱が楽しめるという相変わらず贅沢な趣向ですね。インスト・パートはEuropeのジョン・レヴィン(B)、イアン・ホーグランド(Ds)、ミック・ミカエリ(Key)で、前作から変更無しの鉄壁の布陣です。

Deep Purple、Rainbowスタイルの「様式美ハードロック」を中心に、手を変え品を変え70年代ロックを蘇らせるポリシーはこれまで通り。当然目新しさは全くないものの、好き者には堪えられない企画ですな。今回は、ヨラン・エドマンの歌うバラード#3"I'll Be Free"が、地味ながらもしみじみした味わいがあって特に良かったです。また、不思議な雰囲気のアコースティック曲#10"Eve"は、ヨラン・エドマンの声がデヴィッド・ボウィみたいで強い印象が残ります。一方、ハード目の曲ではヨラン・エドマンが苦しそうだったり、タイトル曲#12"Guilty as Sin"の後半がちょっと冗長な感じだったりして、百点満点とは言えないかな。これまでのアルバムが良すぎた反動なのか、小さなことでも気になってしまいました。ニコロ・コツェフのギターはいつも通り音色もフレーズも完璧で言うことありません。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. One Life to Live (Lyrics : Joe Lynn Turner)
02. Eyes on the Horizon (Lyrics : Jörn Lande)
03. I'll Be Free (Lyrics : Nikolo Kotzev)
04. Slip Away (Lyrics : Joe Lynn Turner)
05. Mr. Earthman (Lyrics : Jörn Lande)
06. Like Jonah (Lyrics : Göran Edman)
07. Bring the Colors Home (Lyrics : Jörn Lande)
08. Fool's Confession (Lyrics : Göran Edman)
09. Supernatural (Lyrics : Joe Lynn Turner)
10. Eve (Lyrics : Nikolo Kotzev)
11. A Whole Lotta Woman (Lyrics : Jörn Lande)
12. Guilty as Sin (Lyrics : Joe Lynn Turner)
[bonus track for Japan]
13. Love Is on Our Side (Acoustic Version) (Lyrics : Joe Lynn Turner)
All music written by Nikolo Kotzev

■Personnel
Nikolo Kotzev - guitars, violin, piano, keyboards, percussion

Joe Lynn Turner - vocals (1, 4, 9, 12, 13)
Göran Edman -  vocals (3, 6, 8, 10)
Jörn Lande -  vocals (2, 5, 7, 11)

Ian Haugland - drums
Mic Michaeli - organ
John Levén - bass

Producer - Nikolo Kotzev 

Guilty As Sin
Brazen Abbot
Steamhammer Us
2003-08-12

 

Collaboration / Street Talk (1997)

0356Collaboration









スウェーデンのメロハー/AORバンドStreet Talkの1stアルバム。Shapeというバンドが前身で、フレドリック・バーグ(key)、ヨン・ペーション(ds)、トーマス・オルソン(g)の3人はそのメンバー、そこにアンドレアス・リドベリ(g, b, key)が加わりStreet Talkとなりました。ブックレットにはバンド・メンバーとアディショナル・ミュージシャンが別に表記されていますが、本作の実際の担当を見ても次作以降の編成を見ても、フレドリック・バーグの主宰するプロジェクトというのが実態と思われます。サウンドはいかにも北欧AORらしい繊細で涼しげなもの。好みにドンピシャで嬉しくなります。ゲストのボーカリストは「ミスター北欧ヴォイス」ヨラン・エドマン、クリスチャン・アンドレン、ダニエル・ヨンソンの3人で、それぞれの持ち味を発揮した歌唱が楽しめます。また、リード・ギターのアンドレアス・リドベリはテクニックとセンスが際立っていて、おまけにソング・ライターとしての高い才能も示しており、本作以外で名前を見かけないのがなんとも残念に思えるほどです。

#1. Walk Away From Love
JourneyをAORに寄せたような爽快系の曲です。ボーカルはクリスチャン・アンドレン。元々メタル畑のボーカリストでTad MoroseやWuthering Heightsなどで歌っているようですが、本作では力みの無いソフトでナチュラルな歌唱に徹しています。

#2. If You Say It's Over
ボーカルはヨラン・エドマン。メロディアスでライトなAORナンバーです。こういう曲を歌わせたらこの人はピカイチですな。

#3. Standing in the Rain
引き続きヨラン・エドマンが歌うライトAORで、本作のハイライトの一つと言える名曲。同じくボーカルを担当しているCrossfadeを思わせる極上のメロディとサウンドです。うーん、涼しい。

#4. Brand New Start
再びクリスチャン・アンドレンが歌う曲。#1と同傾向の爽やかなメロハーです。ギター・ソロがまた素晴らしい。

#5. Among Friends
アンドレアス・リドベリ大活躍のゆったりとしたギター・インスト。インスト曲に魅力を感じることが少ないのですが、これはいいです。ギターをガンガン弾き倒すというより、独特の空気感のあるサウンド作りが秀逸。

#6. Could You Be the Only One
クリスチャン・アンドレンの歌うポップなAOR。これも名曲認定!ちょっと切ないメロディに胸キュンです。メタルよりもメロハー/AORの方が似合っているんじゃないの、この人。

#7. Where Does Love Go
ヨラン・エドマンの歌うスローでメロウなAORナンバー。メランコリックな雰囲気がたまりません。サビのメロディが非常に印象的。終盤に入ってくるギター・ソロもゾクゾクするほど美しい。またまた名曲でしょう。

#8. In the Eyes of a Woman
このアルバムの中ではちょっと異色な歌入りフュージョンといった趣きの曲。ボーカルはダニエル・ヨンソン

#9. If You Say It's Over (Acoustic)
#2のアコースティック・バージョン。箸休め的な小品ですがとても気持ちよく聴けます。

#10. Borrowed Time
本編の最後はスローで静かなインストゥルメンタル。短い曲ですがアンドレアス・リドベリの上手さが光ります。

#11. Separate Ways (Worlds Apart)
日本盤ボーナス・トラック1曲目はJourneyの超有名曲のカバーというかコピー。好きなのは分かるけれどこれは無いな。アマチュア・バンドじゃないんだから。サウンド的にもハードでアルバム全体のカラーから外れているし、本編に入っていたら減点対象。

#12. Conclusion
ボートラ2曲目はインストのごく短い曲。

というわけで、このアルバムは北欧メロハー/AOR好きならぜひおさえておきたい傑作なのですが、廃盤になって久しく、中古市場で高値がついてしまって入手しづらいのが難点です。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Walk Away From Love (Words : Fredrik Bergh  Music : Andreas Lidberg / Fredrik Bergh)
02. If You Say It's Over (Words & Music Fredrik Bergh)
03. Standing in the Rain (Words & Music Fredrik Bergh)
04. Brand New Start (Words : Fredrik Bergh  Music : Andreas Lidberg / Fredrik Bergh)
05. Among Friends (Instrumental) (Music Andreas Lidberg)
06. Could You Be the Only One (Words & Music Fredrik Bergh)
07. Where Does Love Go (Words : Fredrik Bergh  Music : Fredrik Bergh / Andreas Lidberg)
08. In the Eyes of a Woman (Words : Daniel Jonsson  Music : Andreas Lidberg / Daniel Jonsson)
09. If You Say It's Over (Acoustic) (Words & Music Fredrik Bergh)
10. Borrowed Time (Instrumental) (Music Andreas Lidberg)
Bonus Tracks
11. Separate Ways (Worlds Apart) (Words & Music Steve Perry / Jonathan Cain)
12. Conclusion (Instrumental) (Music Andreas Lidberg)

■Personnel
Fredrik Bergh - Keyboards, Harmony Vocals (#1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9, 11, 12)
Andreas Lidberg - Lead & Rhythm Guitars, Bass (#3,4, 5, 8, 10, 12), Keyboards (#2, 3, 4, 5, 8, 10, 12), Bass Vocals (#4)
Jon Persson - Drums (#1, 2, 3, 6, 7, 11)
Tomas Olsson - Additional Rhythm Guitars (#6)

Göran Edman - Lead Vocals (#2, 3, 7, 9) Harmony Vocals (#2, 3, 4, 7, 9, 12)
Kristian Andrèn - Lead Vocals (#1, 4, 6, 11)
Daniel Jonsson - Lead Vocals (#8)
Conny Törnell - Harmony Vocals (#1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9, 11, 12)
Christian Johansson – Drums (#4, 5, 8, 10)
Mikael Berner – Bass (#2, 7)
Jörgen Andersson – Bass (#1, 6, 11, 12)
Ulf Pettersson - Drum Loop (#12)

Producer - Fredrik Bergh, Andreas Lidberg

Collaboration
Street Talk
Pidm
2000-08-01

 

Secret Love / Crossfade (2011)

0309Secret Love









スウェーデンのAORプロジェクトCrossfadeの7年ぶりの2ndアルバムです。参加者は、サポート・メンバーの一部が異なるだけで前作とほとんど変わらず、中心人物のラース・ホールバック(gt)とリチャード・ステンストロム(key)に加え、ペール(ds)&スヴェン(ba)のリンドヴァル兄弟、ヨラン・エドマン(vo)という布陣。いずれも数多くの仕事をこなしてきた腕利きのセッション・ミュージシャンです。曲作りは前作同様ラース・ホールバックとリチャード・ステンストロムが中心となり、それにヨラン・エドマンが加わっているようです。

1曲目のイントロがジョー・ヘンリーっぽく気だるい雰囲気で、おや、今度はそういう趣向かと思わせます。しかし、曲が展開すると結局前作と同様のSteely DanやTOTOをお手本にしたようなAORでした。凝ったアレンジ、神経の行き届いたアンサンブルは相変わらず。派手さは無いものの高い技術とセンスに裏打ちされたプレイ、丁寧で味わい深い歌唱、とにかく全て絶品です。前作に比べポジティヴな明るさをより感じさせるのが本作の特徴でしょうか。筆者としては何度聴いても味わいが増す名作だと思いました。HR/HM要素は皆無ですが、高品質なメロディック・ロックであることは間違いないので、メロハー・ファンが聴いて損することはないでしょう。なお、本作はCDとDVDの2枚組みで発売されていますが、DVDに映像は無くCDと同じ音源がDVD-Audioで収録されています。

蛇足ですが、YouTubeにあったThe making of Secret loveというビデオで、このアルバムのレコーディング風景が紹介されていて、これが中々興味深いです。今はハードディスクに録音しているものと思ったら、オープンリールのテープを使っていたのが意外でした。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. A Wonderful Illusion
02. Secret Love
03. Brave New World
04. Closer to the Fire
05. Don't Ask Me Why
06. Heart of a Hero
07. Waiting for a Miracle
08. Seconds and Eons
09. Borrowdale
10. In My Mind
11. Borrowdale (Reprise)
Music : Lars Hallbäck, Richard Stenström, Göran Edman
except "Borrowdale"  Lars Hallbäck, Richard Stenström
Lyrics : Eva Olsson

■Personnel
Göran Edman - vocals, backing vocals
Sara Lindvall - backing vocals
Hanna Andersson - backing vocals
Per Lindvall - drums, percussion
Sven Lindvall - bass
Richard Stenström - keyboards
Lars Hallbäck - guitars
Pablo Cepeda - congas, bongos
Wojtek Goral - saxophone
Leif Lindvall - trumpet
Hans Dyvik - Trumpet
Magnus Johansson - Trumpet
Urban Wiborg - trombone
Peter Johansson - trombone
Kalle Moraeus - Violin
Mats Ronander - Harmonica

Producer - Lars Hallbäck, Richard Stenström

Secret Love [CD+DVD Audio]
Crossfade
SONGWORK MUSIC
2011-12-10




Shiftin' Gear / Alien (1990)

0292Shiftin' Gear









スウェーデンのメロディアス・ハードロック・バンドAlien(エイリアン)の2ndアルバム。1stと同じく大手のVirginからのリリースですが、メンバーはリーダーのトニー・ボルグ(Gt)と ピート・サンドべリ(Vo)の二人だけに減ってしまっています。トニー・ボルグがベースも兼任、足りないパートは助っ人ミュージシャンと打ち込みで間に合わせています。助っ人メンバーは、キーボードにベルント・アンダーソン、ドラムにイムレ・ダウン、プログラミングはプロデューサーのラース・ディドリクソン。ディドリクソンはSnowstorm、Don Patrolといったバンドのボーカリストでもありましたが、2017年の3月に亡くなっているようです。バック・ボーカルには、旧メンバーのジム・ジッドヘッド、加えて ヨラン・エドマンも参加しています。

本作は2013年にドイツのAOR Heavenによってリマスター・リイッシューされています。そのライナーを見ると、1stリリース後Virginレーベルからのツアーや新作制作へのプレッシャーに疲れてメンバーは次々離脱。トニー・ボルグはバンドを休止してソロ作品を作りたかったのに、レーベル側の強い要請でピート・サンドべリと二人だけで2ndのレコーディングを余儀なくされたらしいのです。そんな状態で制作された割には、楽曲の出来も良く聴き応えのあるアルバムとなっています。大名盤である1stに比肩するとまでは言えないものの、スロー~ミドル・テンポを主体としたマイルドな曲調、対照的にリッチー風にとんがったトニー・ボルグのギター、そしてピート・サンドべリの切なくエモーショナルな歌唱は、1stで焼き付けられたバンドのイメージを損なっていません。数々の名作を復刻しているAOR Heaven Classixシリーズのラインナップに取り上げられたのも納得です。なお、AOR Heaven盤にはデモ・バージョン4曲が追加収録されています。タイトルやアレンジが一部異なりますが3曲は本編収録曲、#13"Name of Love"のみ本編未収録で、なんで外されたのか分からないくらい良い曲です。

オリジナルの他にカバー曲が2曲入っていますので、最後に簡単に触れておきます。#9"Don't Turn Me Away"はサザン・ロック・バンドWet WillieのアルバムManorisms (1977)収録曲。オリジナルを歌っているのはこのところジェフ・ベックと行動を共にすることの多いジミー・ホールです。#11"Hello How Are You"はオーストラリアのバンドThe Easybeatsの1968年のヒット曲。作曲はThe Easybeatsのメンバーで後に作曲チームとなるハリー・ヴァンダ&ジョージ・ヤングで、ちなみにこのジョージさんは、AC/DCのヤング兄弟のお兄さんです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Hold On Move On (Borg, Sandberg)
02. Give It Up (Borg, Sandberg)
03. Desperate Dreams (Borg, Sandberg)
04. Angel Eyes (Borg, Sandberg)
05. In the Dead of Night (Borg, Sandberg)
06. Intro - Midnight Jam
07. Turn on the Radio (Borg, Sandberg)
08. Strangers in a No-Man's-Land (Borg, Sandberg)
09. Don't Turn Me Away (Duke)
10. Neon Lights (Borg, Sandberg)
11. Hello How Are You (Vanda, Young)
12. Desperate Dreams (Studio Bonus Demo)
13. Name of Love (Studio Bonus Demo)
14. Dead of Night (Studio Bonus Demo)
15. Hold On (Studio Bonus Demo)

■Personnel
Tony Borg - All Guitars, Bass
Pete Sandberg - Lead Vocals

Berndt Andersson - Hammond, Keyboards, Melodica
Imre Daun - Drums
Göran Edman - Backing Vocals
Jim Jidhed - Backing Vocals
Lars "Dille" Diedriksson - Drums & Keyboards Programming

Producer - Tony Borg, Lars "Dille" Diedriksson
Executive Producer - Karl Onsbacke


 
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