メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

ヨラン・エドマン

Guilty as Sin / Brazen Abbot (2003)

0367Guilty as Sin









ブルガリア出身ギタリスト、ニコロ・コツェフが主宰するハードロック・プロジェクトBrazen Abbotの6年ぶりの第4作。今回起用されたボーカリストは、前作から引き続いての参加となるジョー・リン・ターナーとヨラン・エドマン、そして新たにヨルン・ランデというメンツとなっています。万能型のJLT、アグレッシヴ&パワフルなヨルン・ランデ、渋めの曲を歌わせたら天下一品のヨラン・エドマン、三者三様の歌唱が楽しめるという相変わらず贅沢な趣向ですね。インスト・パートはEuropeのジョン・レヴィン(B)、イアン・ホーグランド(Ds)、ミック・ミカエリ(Key)で、前作から変更無しの鉄壁の布陣です。

Deep Purple、Rainbowスタイルの「様式美ハードロック」を中心に、手を変え品を変え70年代ロックを蘇らせるポリシーはこれまで通り。当然目新しさは全くないものの、好き者には堪えられない企画ですな。今回は、ヨラン・エドマンの歌うバラード#3"I'll Be Free"が、地味ながらもしみじみした味わいがあって特に良かったです。また、不思議な雰囲気のアコースティック曲#10"Eve"は、ヨラン・エドマンの声がデヴィッド・ボウィみたいで強い印象が残ります。一方、ハード目の曲ではヨラン・エドマンが苦しそうだったり、タイトル曲#12"Guilty as Sin"の後半がちょっと冗長な感じだったりして、百点満点とは言えないかな。これまでのアルバムが良すぎた反動なのか、小さなことでも気になってしまいました。ニコロ・コツェフのギターはいつも通り音色もフレーズも完璧で言うことありません。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. One Life to Live (Lyrics : Joe Lynn Turner)
02. Eyes on the Horizon (Lyrics : Jörn Lande)
03. I'll Be Free (Lyrics : Nikolo Kotzev)
04. Slip Away (Lyrics : Joe Lynn Turner)
05. Mr. Earthman (Lyrics : Jörn Lande)
06. Like Jonah (Lyrics : Göran Edman)
07. Bring the Colors Home (Lyrics : Jörn Lande)
08. Fool's Confession (Lyrics : Göran Edman)
09. Supernatural (Lyrics : Joe Lynn Turner)
10. Eve (Lyrics : Nikolo Kotzev)
11. A Whole Lotta Woman (Lyrics : Jörn Lande)
12. Guilty as Sin (Lyrics : Joe Lynn Turner)
[bonus track for Japan]
13. Love Is on Our Side (Acoustic Version) (Lyrics : Joe Lynn Turner)
All music written by Nikolo Kotzev

■Personnel
Nikolo Kotzev - guitars, violin, piano, keyboards, percussion

Joe Lynn Turner - vocals (1, 4, 9, 12, 13)
Göran Edman -  vocals (3, 6, 8, 10)
Jörn Lande -  vocals (2, 5, 7, 11)

Ian Haugland - drums
Mic Michaeli - organ
John Levén - bass

Producer - Nikolo Kotzev 


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Collaboration / Street Talk (1997)

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スウェーデンのメロハー/AORバンドStreet Talkの1stアルバム。Shapeというバンドが前身で、フレドリック・バーグ(key)、ヨン・ペーション(ds)、トーマス・オルソン(g)の3人はそのメンバー、そこにアンドレアス・リドベリ(g, b, key)が加わりStreet Talkとなりました。ブックレットにはバンド・メンバーとアディショナル・ミュージシャンが別に表記されていますが、本作の実際の担当を見ても次作以降の編成を見ても、フレドリック・バーグの主宰するプロジェクトというのが実態と思われます。サウンドはいかにも北欧AORらしい繊細で涼しげなもの。好みにドンピシャで嬉しくなります。ゲストのボーカリストは「ミスター北欧ヴォイス」ヨラン・エドマン、クリスチャン・アンドレン、ダニエル・ヨンソンの3人で、それぞれの持ち味を発揮した歌唱が楽しめます。また、リード・ギターのアンドレアス・リドベリはテクニックとセンスが際立っていて、おまけにソング・ライターとしての高い才能も示しており、本作以外で名前を見かけないのがなんとも残念に思えるほどです。

#1. Walk Away From Love
JourneyをAORに寄せたような爽快系の曲です。ボーカルはクリスチャン・アンドレン。元々メタル畑のボーカリストでTad MoroseやWuthering Heightsなどで歌っているようですが、本作では力みの無いソフトでナチュラルな歌唱に徹しています。

#2. If You Say It's Over
ボーカルはヨラン・エドマン。メロディアスでライトなAORナンバーです。こういう曲を歌わせたらこの人はピカイチですな。

#3. Standing in the Rain
引き続きヨラン・エドマンが歌うライトAORで、本作のハイライトの一つと言える名曲。同じくボーカルを担当しているCrossfadeを思わせる極上のメロディとサウンドです。うーん、涼しい。

#4. Brand New Start
再びクリスチャン・アンドレンが歌う曲。#1と同傾向の爽やかなメロハーです。ギター・ソロがまた素晴らしい。

#5. Among Friends
アンドレアス・リドベリ大活躍のゆったりとしたギター・インスト。インスト曲に魅力を感じることが少ないのですが、これはいいです。ギターをガンガン弾き倒すというより、独特の空気感のあるサウンド作りが秀逸。

#6. Could You Be the Only One
クリスチャン・アンドレンの歌うポップなAOR。これも名曲認定!ちょっと切ないメロディに胸キュンです。メタルよりもメロハー/AORの方が似合っているんじゃないの、この人。

#7. Where Does Love Go
ヨラン・エドマンの歌うスローでメロウなAORナンバー。メランコリックな雰囲気がたまりません。サビのメロディが非常に印象的。終盤に入ってくるギター・ソロもゾクゾクするほど美しい。またまた名曲でしょう。

#8. In the Eyes of a Woman
このアルバムの中ではちょっと異色な歌入りフュージョンといった趣きの曲。ボーカルはダニエル・ヨンソン

#9. If You Say It's Over (Acoustic)
#2のアコースティック・バージョン。箸休め的な小品ですがとても気持ちよく聴けます。

#10. Borrowed Time
本編の最後はスローで静かなインストゥルメンタル。短い曲ですがアンドレアス・リドベリの上手さが光ります。

#11. Separate Ways (Worlds Apart)
日本盤ボーナス・トラック1曲目はJourneyの超有名曲のカバーというかコピー。好きなのは分かるけれどこれは無いな。アマチュア・バンドじゃないんだから。サウンド的にもハードでアルバム全体のカラーから外れているし、本編に入っていたら減点対象。

#12. Conclusion
ボートラ2曲目はインストのごく短い曲。

というわけで、このアルバムは北欧メロハー/AOR好きならぜひおさえておきたい傑作なのですが、廃盤になって久しく、中古市場で高値がついてしまって入手しづらいのが難点です。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Walk Away From Love (Words : Fredrik Bergh  Music : Andreas Lidberg / Fredrik Bergh)
02. If You Say It's Over (Words & Music Fredrik Bergh)
03. Standing in the Rain (Words & Music Fredrik Bergh)
04. Brand New Start (Words : Fredrik Bergh  Music : Andreas Lidberg / Fredrik Bergh)
05. Among Friends (Instrumental) (Music Andreas Lidberg)
06. Could You Be the Only One (Words & Music Fredrik Bergh)
07. Where Does Love Go (Words : Fredrik Bergh  Music : Fredrik Bergh / Andreas Lidberg)
08. In the Eyes of a Woman (Words : Daniel Jonsson  Music : Andreas Lidberg / Daniel Jonsson)
09. If You Say It's Over (Acoustic) (Words & Music Fredrik Bergh)
10. Borrowed Time (Instrumental) (Music Andreas Lidberg)
Bonus Tracks
11. Separate Ways (Worlds Apart) (Words & Music Steve Perry / Jonathan Cain)
12. Conclusion (Instrumental) (Music Andreas Lidberg)

■Personnel
Fredrik Bergh - Keyboards, Harmony Vocals (#1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9, 11, 12)
Andreas Lidberg - Lead & Rhythm Guitars, Bass (#3,4, 5, 8, 10, 12), Keyboards (#2, 3, 4, 5, 8, 10, 12), Bass Vocals (#4)
Jon Persson - Drums (#1, 2, 3, 6, 7, 11)
Tomas Olsson - Additional Rhythm Guitars (#6)

Göran Edman - Lead Vocals (#2, 3, 7, 9) Harmony Vocals (#2, 3, 4, 7, 9, 12)
Kristian Andrèn - Lead Vocals (#1, 4, 6, 11)
Daniel Jonsson - Lead Vocals (#8)
Conny Törnell - Harmony Vocals (#1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9, 11, 12)
Christian Johansson – Drums (#4, 5, 8, 10)
Mikael Berner – Bass (#2, 7)
Jörgen Andersson – Bass (#1, 6, 11, 12)
Ulf Pettersson - Drum Loop (#12)

Producer - Fredrik Bergh, Andreas Lidberg


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Secret Love / Crossfade (2011)

0309Secret Love









スウェーデンのAORプロジェクトCrossfadeの7年ぶりの2ndアルバムです。参加者は、サポート・メンバーの一部が異なるだけで前作とほとんど変わらず、中心人物のラース・ホールバック(gt)とリチャード・ステンストロム(key)に加え、ペール(ds)&スヴェン(ba)のリンドヴァル兄弟、ヨラン・エドマン(vo)という布陣。いずれも数多くの仕事をこなしてきた腕利きのセッション・ミュージシャンです。曲作りは前作同様ラース・ホールバックとリチャード・ステンストロムが中心となり、それにヨラン・エドマンが加わっているようです。

1曲目のイントロがジョー・ヘンリーっぽく気だるい雰囲気で、おや、今度はそういう趣向かと思わせます。しかし、曲が展開すると結局前作と同様のSteely DanやTOTOをお手本にしたようなAORでした。凝ったアレンジ、神経の行き届いたアンサンブルは相変わらず。派手さは無いものの高い技術とセンスに裏打ちされたプレイ、丁寧で味わい深い歌唱、とにかく全て絶品です。前作に比べポジティヴな明るさをより感じさせるのが本作の特徴でしょうか。筆者としては何度聴いても味わいが増す名作だと思いました。HR/HM要素は皆無ですが、高品質なメロディック・ロックであることは間違いないので、メロハー・ファンが聴いて損することはないでしょう。なお、本作はCDとDVDの2枚組みで発売されていますが、DVDに映像は無くCDと同じ音源がDVD-Audioで収録されています。

蛇足ですが、YouTubeにあったThe making of Secret loveというビデオで、このアルバムのレコーディング風景が紹介されていて、これが中々興味深いです。今はハードディスクに録音しているものと思ったら、オープンリールのテープを使っていたのが意外でした。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. A Wonderful Illusion
02. Secret Love
03. Brave New World
04. Closer to the Fire
05. Don't Ask Me Why
06. Heart of a Hero
07. Waiting for a Miracle
08. Seconds and Eons
09. Borrowdale
10. In My Mind
11. Borrowdale (Reprise)
Music : Lars Hallbäck, Richard Stenström, Göran Edman
except "Borrowdale"  Lars Hallbäck, Richard Stenström
Lyrics : Eva Olsson

■Personnel
Göran Edman - vocals, backing vocals
Sara Lindvall - backing vocals
Hanna Andersson - backing vocals
Per Lindvall - drums, percussion
Sven Lindvall - bass
Richard Stenström - keyboards
Lars Hallbäck - guitars
Pablo Cepeda - congas, bongos
Wojtek Goral - saxophone
Leif Lindvall - trumpet
Hans Dyvik - Trumpet
Magnus Johansson - Trumpet
Urban Wiborg - trombone
Peter Johansson - trombone
Kalle Moraeus - Violin
Mats Ronander - Harmonica

Producer - Lars Hallbäck, Richard Stenström 


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Shiftin' Gear / Alien (1990)

0292Shiftin' Gear









スウェーデンのメロディアス・ハードロック・バンドAlien(エイリアン)の2ndアルバム。1stと同じく大手のVirginからのリリースですが、メンバーはリーダーのトニー・ボルグ(Gt)と ピート・サンドべリ(Vo)の二人だけに減ってしまっています。トニー・ボルグがベースも兼任、足りないパートは助っ人ミュージシャンと打ち込みで間に合わせています。助っ人メンバーは、キーボードにベルント・アンダーソン、ドラムにイムレ・ダウン、プログラミングはプロデューサーのラース・ディドリクソン。ディドリクソンはSnowstorm、Don Patrolといったバンドのボーカリストでもありましたが、2017年の3月に亡くなっているようです。バック・ボーカルには、旧メンバーのジム・ジッドヘッド、加えて ヨラン・エドマンも参加しています。

本作は2013年にドイツのAOR Heavenによってリマスター・リイッシューされています。そのライナーを見ると、1stリリース後Virginレーベルからのツアーや新作制作へのプレッシャーに疲れてメンバーは次々離脱。トニー・ボルグはバンドを休止してソロ作品を作りたかったのに、レーベル側の強い要請でピート・サンドべリと二人だけで2ndのレコーディングを余儀なくされたらしいのです。そんな状態で制作された割には、楽曲の出来も良く聴き応えのあるアルバムとなっています。大名盤である1stに比肩するとまでは言えないものの、スロー~ミドル・テンポを主体としたマイルドな曲調、対照的にリッチー風にとんがったトニー・ボルグのギター、そしてピート・サンドべリの切なくエモーショナルな歌唱は、1stで焼き付けられたバンドのイメージを損なっていません。数々の名作を復刻しているAOR Heaven Classixシリーズのラインナップに取り上げられたのも納得です。なお、AOR Heaven盤にはデモ・バージョン4曲が追加収録されています。タイトルやアレンジが一部異なりますが3曲は本編収録曲、#13"Name of Love"のみ本編未収録で、なんで外されたのか分からないくらい良い曲です。

オリジナルの他にカバー曲が2曲入っていますので、最後に簡単に触れておきます。#9"Don't Turn Me Away"はサザン・ロック・バンドWet WillieのアルバムManorisms (1977)収録曲。オリジナルを歌っているのはこのところジェフ・ベックと行動を共にすることの多いジミー・ホールです。#11"Hello How Are You"はオーストラリアのバンドThe Easybeatsの1968年のヒット曲。作曲はThe Easybeatsのメンバーで後に作曲チームとなるハリー・ヴァンダ&ジョージ・ヤングで、ちなみにこのジョージさんは、AC/DCのヤング兄弟のお兄さんです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Hold On Move On (Borg, Sandberg)
02. Give It Up (Borg, Sandberg)
03. Desperate Dreams (Borg, Sandberg)
04. Angel Eyes (Borg, Sandberg)
05. In the Dead of Night (Borg, Sandberg)
06. Intro - Midnight Jam
07. Turn on the Radio (Borg, Sandberg)
08. Strangers in a No-Man's-Land (Borg, Sandberg)
09. Don't Turn Me Away (Duke)
10. Neon Lights (Borg, Sandberg)
11. Hello How Are You (Vanda, Young)
12. Desperate Dreams (Studio Bonus Demo)
13. Name of Love (Studio Bonus Demo)
14. Dead of Night (Studio Bonus Demo)
15. Hold On (Studio Bonus Demo)

■Personnel
Tony Borg - All Guitars, Bass
Pete Sandberg - Lead Vocals

Berndt Andersson - Hammond, Keyboards, Melodica
Imre Daun - Drums
Göran Edman - Backing Vocals
Jim Jidhed - Backing Vocals
Lars "Dille" Diedriksson - Drums & Keyboards Programming

Producer - Tony Borg, Lars "Dille" Diedriksson
Executive Producer - Karl Onsbacke


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Nostradamus / Nikolo Kotzev (2001)

0281Nostradamus









ブルガリア出身のギタリスト、ニコロ・コツェフによるロック・オペラ「Nostradamus(ノストラダムス)」を収録した2枚組アルバムです。ノストラダムスと聞くと、日本では随分前にブームになった「ノストラダムスの大予言」を思い出しますが、まさにそのノストラダムスに関するストーリーをロック・オペラに仕立てた作品です。改めてググってみたところ、「ノストラダムス」とは「ノートルダム」のラテン語読みだそうで、「ノートルダム」は「我らの貴婦人」という意味のフランス語でで聖母マリアを指すのだそうです。「ノストラダムス」という響きに禍々しさを感じていましたが、なんだか普通で拍子抜けしました。

ニコロ・コツェフと言えばハードロック・プロジェクトBrazen Abbotで知られており、ニコロ・コツェフ名義の本作にもBrazen Abbotの常連ミュージシャンが多数参加しています。ロック・オペラということで、ボーカル陣にはそれぞれ役が振られていて、クレジットにはその配役が記されています。ジョー・リン・ターナーはノストラダムス、グレン・ヒューズはフランス王アンリ2世、ヨラン・エドマンが幽霊、ドゥギー・ホワイトが語り部、ヨルン・ランデが宗教裁判官、アランナ・マイルズがノストラダムスの妻アンヌ、サス・ジョーダンがフランス王妃カトリーヌ・ド・メディシスといった具合です。女性ボーカリスト二人は畑違いで筆者は知らない人でした。バンドはミック・ミカエリ(Key)、ジョン・レヴィン(B)、イアン・ホーグランド(Ds)のEurope組とニコロ・コツェフ自身です。

さて音のほうですが、基本的にはBrazen Abbot同様の、Deep PurpleやRainbowスタイルのオーソドックスなハード・ロックです。ただ、オーケストラや合唱団が加わったことによって、シンフォニック・メタルのような荘重なサウンドとなっているのが特徴。また、1曲の中で複数のボーカリストと合唱団が歌い分けているのも、ロック・オペラならでは面白みだと思います。筆者の耳に残ったのは宗教裁判官役ヨルン・ランデの圧倒的な歌唱。もともとこの役にはロニー・ジェイムス・ディオを予定していたらしいのですが、ヨルン・ランデはその代役を見事に務めています。それから、グレン・ヒューズの変幻自在のボーカルもやはり凄い。バンドの演奏はBrazen Abbotと同じくパーフェクト。というわけで完成度は恐ろしく高いです。ロック・オペラというものを、ライブやビデオではなくCDで音だけ聴くのは物足りないし、また全編通しで聴くのはちっょとしんどいのですが、たまにじっくり腰を据えて聴く価値のあるニコロ・コツェフ渾身の作品だと思います。

※youtubeにNostradamus2017年ブルガリア公演のトレイラー映像がありました。配役はCDとは違っていて、トーマス・ヴィクストロムやビョルン・ローディンが出ているようです。映像化されればCDよりよっぽど面白いと思います。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
CD1
Act I
01. Overture (Instrumental)
02. Pieces of a Dream
03. Desecration
04. Introduction
05. Home Again (Instrumental)
06. Henriette
07. Caught Up in a Rush
08. The Eagle
09. Plague
10. Inquisition
Act II
11. The King Will Die
12. I Don't Believe
13. Try to Live Again

CD2
01. War of Religions
02. The Inquisitor's Rage
03. Chosen Man
Act III
04. World War II
05. World War III
06. Because of You
07. The End of the World, 3797
08. I'll Remember You
All music written by Nikolo Kotzev

■Personnel
[Cast of Characters]
Anne Gemelle - Alannah Myles
Catherine, Queen of France - Sass Jordan
Ghost - Göran Edman
Henry II, King of France - Glenn Hughes
Inquisitor - Jørn Lande
Nostradamus - Joe Lynn Turner
Story Teller - Doogie White
The People - Choir
The Inquisition - Choir

Nikolo Kotzev - Guitars, Synths, Violin Solo on "Henriette", Percussion
Ian Haugland - Drums
John Levén - Bass
Mic Michaeli - Organ

Producer - Nikolo Kotzev

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