0383Carousel









スウェーデンのセッション・ミュージシャン、ラース・ホールバック(gt)とリチャード・ステンストロム(key)、そしてヨラン・エドマン(vo)によるAORプロジェクトCrossfadeの3枚目のアルバム。前作から7年ぶりで、今回は5曲入りのミニ・アルバムです。バックを務めるリズム・セクションはヨハン・グランストロム(b)、フェリックス・レーマン(ds)、アンドレアス・エクステッド(per)に入れ替わり、ホーン・セクションのメンツもかなり変更されています。

内容はこれまで同様のSteely DanやTOTOを下敷きにしたAORですが、ひんやりとした空気感がやはり北欧を感じさせます。今回は過去のアルバムに比べて少しジャズっぽさが増した印象です。相変わらずの色彩感覚に溢れた極上の楽曲、繊細なアンサンブル、ため息が出るほどの見事な演奏、そして円熟の境地に達したヨラン・エドマンの歌唱、すべてが絶品!今回はピアノがフィーチャーされる場面が多く、これがまた洒落ていて心地良いことこの上ありません。このバンドには珍しくブルージーな#5"Love of Mine"は「いぶし銀」という言葉そのままで、とりわけ心に深い印象を残します。ちなみにCarousel(カルーセル)というのはメリー・ゴーラウンド(回天木馬)のこと。ジャケットに描かれた幻想的な回天木馬のイラストが音楽にぴったりだと思いました。

唯一残念なのは曲数の少ないミニ・アルバムであること。リリースの間隔が開いているので出来ればフル・アルバムで出して欲しかったな。ただ、インナー・スリーヴの最後に、このアルバムは三部作の最初の作品で、Innocent DaysFalling Upwardsというアルバムが続くと告知されているのが嬉しかったです。あんまり待たせないで早く出してね!

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Carousel
02. Taking Me Home
03. Let the Sunshine In
04. Dancing in the Moonlight
05. Love of Mine
Music : Lars Hallbäck, Richard Stenström, Göran Edman
Lyrics : Eva Olsson

■Personnel
Göran Edman - vocals, background vocals
Richard Stenström - all keyboards
Lars Hallbäck - all guitars
Anneli Axon - background vocals
Felix Lehmann - drums, percussion
Andreas Ekstedt - percussion
Johan Granström - all bass guitars

Wojtek Goral - saxophone
Magnus Wiklund - trombone
Peter "noos" Johansson - trombone
Stefan Persson - trumpet
Magnus Johansson - trumpet
Fat Cat Strings, UK - strings

Producer - Lars Hallbäck, Richard Stenström
Executive Producer - Lars Hallbäck

Carousel
Crossfade
Sound Pollution
2019-03-21