メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

ヨエル・スタランダー

Saturn Skyline / Last Autumn's Dream (2006)

0177Saturn Skyline










2007年にリリースされたLADの4作目。メンバーは前作と同じくミカエル・アーランドソン(Vo)、アンディ・マレツェク(Gt)、マルセル・ヤコブ(Ba)、ジェイミー・ボーガー(Dr)の4人です。アンディ・マレツェクは相変わらずギター・ソロのみの参加で、他のギター・パートはマルセル・ヤコブと ヨエル・スタランダーが担当しています。

ジェイミー・ボーガーとマッツ・レヴィン作の#2"After Tomorrow´s Gone"、ボーナストラックの日本のバンドBeagle Hatの書き下ろし作#12"Skyscraper"以外は、全てミカエル・アーランドソン、クラエス・アンドレアソン、トルビョルン・ヴァッセニウスのチームの楽曲。3rdで1曲にまで減ったドイツ側(アンディ・マレツェク、リック・ブライトマン)の曲は、この4thではとうとう無くなってしまいました。アーランドソン&マレツェクの2枚看板でスタートしたLADですが、実質ミカエル・アーランドソンのソロ・プロジェクト化したようです。彼のソロ・アルバムが、LADの1stと2ndの合間の2003年のThe Gift 以来リリースされていないことからもそれが伺えます。そんなわけで、ミカエル・アーランドソンの元々の好みらしいビートルズやELO、60~70年代ポップスからの影響が顕著なのは前作以上です。ただ、前作でやや鼻についた甘さが「微糖」程度に抑えられているのと、何より曲の出来が良いので、筆者としてはかなり好きなアルバムです。元々このバンドの楽曲は、メロハー/AOR界隈で主流的な位置を占めるJourney、TOTO、Survivor、Bostonといったバンドのフォロワー達とは異なるユニークなもので、その点を高く評価したいと思っています。

名曲・佳曲ぞろいの本作の中でも一番のお気に入りは、#9"American Girl"。初期から中期のビートルズ+ビーチ・ボーイズ+バブルガム・サウンド+ダンヒル・サウンド+ジャパニーズ歌謡曲+ハードロック÷6ですよ。筆者どストライク!こういう曲が聴きたかった!珠玉のメロディ、ミカエル・アーランドソンのロマンチックでセンチメンタルで爽やかで切ないボーカル、アンディ・マレツェクの歌心溢れるギター・ソロ、Talismanコンビの躍動するリズム、まさに完璧です!数あるメロハーの名曲の中でも屈指の名曲ですってば!!あ、曲を聴きながら書いていたらどんどん興奮してしまいますた。。。歌謡曲と言えば、クラエス・アンドレアソン&トルビョルン・ヴァッセニウスは、中山優馬というジャニーズ・タレントの曲なんかも書いているんですよね。リッチー・ズィトーやジョン・オバニオンと仕事をしてきたジョーイ・カーボーンも、少年隊、SMAPその他数多くの歌謡曲を手がけているし。このブログに時折書いていますが、やはりメロハーと日本の歌謡曲には相通じるものがあるようです。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. For The Young And The Wild (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
02. After Tomorrow´s Gone (J. Borger, M. Levén)
03. Pages (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
04. Rock´N´Roll Is Saving My Soul (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
05. I Know A Lot About Love (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
06. Critical (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
07. Supersonic (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
08. Frozen Heart (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
09. American Girl (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
10. Domino (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
11. Still On The Run (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
12. Skyscraper [bonus]  (H. Tanaka, T.Kurashina, C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)

■Personnel
Mikael Erlandsson – lead vocals, keyboards
Andy Malecek – guitars
Marcel Jacob – bass, additional instruments
Jamie Borger – drums

Joel Starander - additional instruments
Torbjörn Wassenius - additional instruments

Producer - Torbjörn Wassenius, Claes Andreasson
Executive Producer - Ulf Wahlberg

Winter In Paradise / Last Autumn's Dream (2005)

0093Winter in Paradise
2005年リリースのラスト・オータムズ・ドリーム3枚目のアルバム。ミカエル・アーランドソンの甘く切ない歌声と、アンディ・マレツェクの緩急のある巧みなギターが、互いに絡み合い優美なメロディを綴っていくという、このバンドのウリは何一つ変わっていません。また、曲は悪くないものの、厚みのないサウンド・プロダクションのため今一つ勢いの無かった前作に比べ、本作ではリズム隊(マルセル・ヤコブとジェイミー・ボーガーのTalismanコンビ)がものすごい音圧で迫ってきます。タイトル曲#7"Winter In Paradise"の出だしのドラムなどは、心臓がバクバクするほどの迫力です。

1st、2ndは、ミカエル・アーランドソンを中心にしたスウェーデン勢の曲と、アンディ・マレツェク、リック・ブライトマンのドイツ側の曲が大体半々のバランスを保っていましたが、本作では全11曲中リック・ブライトマンの曲はわずか1曲にまで減りました。自身のソロ・アルバム収録曲#4"It's Alright"を含めてミカエルの曲は7曲。後はジェイミー・ボーガーがAlfonzettiに提供していた#2"Don't Let Our Love Go Down"、日本のバンドBeagle Hatのカバー#6"Echoes From The Past"(原題"小高い丘の上")、Final Frontierのムラデン・ヘイズ&ロブ・モラッティ作のボーナス・トラック#11"'Till The End Of Time"となっています。また、アンディ・マレツェクは本作ではギター・ソロのみの参加で、リズム・ギターはマルセル・ヤコブが担当しています。元々バンドの主導権はミカエル側にあったのだろうと想像できますが、楽曲面、演奏面共にアンディ側の関与はかなり縮小してしまった印象です。そのせいか、筆者にはこのアルバムの「甘さ」がやや鼻に付きました。ミカエルの甘く切ない声とメロディは魅力的なのですが、度を越すといけません。中でも、日本のバンドの曲#6"Echoes From The Past"は虫歯になりそうなくらい甘くソフトで、筆者にはどうしても受け付けられませんでした。ミカエルのソロならともかく、ラスト・オータムズ・ドリームではあくまでハードな音像の中に甘さを忍ばせる程度にやってほしいなと。

なお、additional instrumentsとクレジットされているヨエル・スタランダーは、スウェーデンのメロハー・バンドKharmaのベーシスト。ヨラン・エドマンがボーカルを務めるKharmaの唯一のアルバムWonderland には、ミカエル・アーランドソンがバッキング・ボーカルでゲスト参加しています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01 Love To Go (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
02 Don't Let Our Love Go Down (J. Borger)
03 The Way You Smile (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
04 It's Alright (M. Erlandsson, A. Desombre)
05 My Heart Keep Stalling (R. Brightman)
06 Echoes From The Past (H. Tanaka, T.Kurashina, C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
07 Winter In Paradise (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
08 I Don't Want To Hurt You (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
09 All I Want Is Rock N' Roll (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
10 If You're The One (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
11 'Till The End Of Time [Bonus Track] (M. Haze, R. Moratti)

■Personnel
Mikael Erlandsson – lead vocals, keyboards
Andy Malecek – guitars
Marcel Jacob – bass, rhythm guitars
Jamie Borger – drums

Joel Starander - additional instruments
Torbjörn Wassenius - additional instruments

Producer - Torbjörn Wassenius, Claes Andreasson
Executive Producer - Ulf Wahlberg 


Wonderland / Kharma (2000)

0040Wonderland

スウェーデンのメロハー・グループ、カーマ(Kharma)のデビュー・アルバム。メンバーはヨラン・エドマン(vo)、ドラガン・タナスコヴィック(gt)、アティラ・サーボ(key)、ヨエル・スタランダー(ba)、イムレ・ダウン(dr)。ライナーノーツによれば、Kharmaはエドマン、タナスコヴィック、サーボの3人が1980年代の中ごろに組んでいたVanessaというグループが前身となっています。Vanessaはデモ作りまではいったもののレーベルとの契約には至らず、エドマンがジョン・ノーラム、イングヴェイ・マルムスティーンといった大物に抜擢されて以降は活動が停滞。自然消滅状態だったKharmaですが、ドイツのメロハー・レーベルMTM Musicからタナスコヴィックに声がかかり、エドマン、サーボもKharma再始動に同意、長いブランクを経てついにデビュー・アルバムが完成したという、なんだか泣ける話です。せっかくの初アルバムなのに、アティラ・サーボは個人的事情で中々レコーディングに参加できなかったそうで、ほとんどのキーボード・パートを元インギー・バンドのマッツ・オラウソンが弾いています。ドラムのイムレ・ダウンは最近ミカエル・アーランドソンのSaluteでも叩いていますが、そのミカエル・アーランドソンがこのアルバムにバッキング・ボーカルで2曲参加しています。ヨラン・エドマンは、Kharmaは自分にとってもっとも情熱を傾けるバンドで、他のプロジェクトに参加するのはKharmaに注ぎ込む資金を得るためとまで言っていたそうですが、今のところこのアルバムが唯一の作品となっています。

オープニングの"Free Yourself"は、ホーンの入ったイントロ、ポール・ロジャース風のブルージーなヨラン・エドマンの歌唱、愁いを帯びたメロディ、全て筆者好みで「おおーっ」となりました。しかし。。。サビの転調でガクっと。。。なんでそのまま行かない?アルバム全体がそんな不完全燃焼の繰り返しで、非常に欲求不満に陥ります。明らかにクイーンの影響を感じさせる煌びやかなコーラス、ビートルズ的くすぐり、大げさすぎるキーボード、曲の勢いを殺すキメと転調、いらないものばかりです。良いメロディと良い演奏がそこかしこにあるのに、実にもったいない。ただし、#7"Part Time Lovers"だけは、最後までフリーかバドカンかと思うほど重厚で、オルガンもギター・ソロもそれ風でとことんかっこいい!

ヨラン・エドマンのボーカルは、あるときはポール・ロジャース、またあるときはグレン・ヒューズ、フレディ・マーキュリーみたいに聴こえます。様々な歌い方ができるのは良いことですが、1枚のアルバムの中でコロコロ変わるのはいかがなものか。モノマネばかりやって自分本来の歌唱を磨いていかないと、あちこちのプロジェクトで重宝されるだけの「器用貧乏」で終わってしまうよ、などと説教の一つもしたくなります。ドラガン・タナスコヴィックの野太くて歌心のあるギターは1970年代の名ギタリストたちを思い起こさせ、非常に筆者好みなのですが、このKharma以外にはギタリストとしての活動はなく、もっぱらマスタリングやレコーディング・エンジニアとして裏方で働いているようです。もったいないことだらけで悲しくなってしまいます。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Free Yourself
02. Wonderland
03. Knowing You
04. Burn Forever
05. In Chains
06. Standing Alone
07. Part Time Lovers
08. Angel Eyes
09. Ray Of Sunshine
10. Spell on You
11. Don't Close Your Eyes
12. Hold On
13. Wings of History
※日本盤ボーナストラック
14. Cold As Ice

All sogs written by Atilla Szabo, Dragan Tanaskovic, Göran Edman

■Personnel
Göran Edman – lead and backing vocals
Dragan Tanaskovic – guitars
Atilla Szabo – keyboards, piano, organ, backing vocals
Joel Starander – bass
Imre Daun – drums, percussion

Mats Olausson – keyboards, piano, organ
Mikael Erlandsson – backing vocals on 11, 12
Jonas Simonsson – flute on 2, 9
Eleanore Andersson – backing vocals on 6, 13
Jan Anders Bjerger – trumpet on 1, 9
Peter Johansson - trombon on 1, 9
Anders Börjesson - sax on 1, 9
David & Mathias Szabu - vocals on 10

Producer - Dragan Tanaskovic & Kharma

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