メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

ミック・ジョーンズ

Inside Information / Foreigner (1987)

0370Inside Information









1987年リリースのForeignerの6thアルバム。米国内での売り上げは100万枚、バンドにとってオリジナル・アルバムとしては最後のプラチナ・ディスクとなりました。シングル・カットされたいくつかの曲はそれなりにヒットしましたが、アルバム自体はBillboardチャートでのピークは15位と初めてトップ10入りを逃し、Foreignerの快進撃に陰りが見えてきたことを示しています。とは言っても、楽曲は多少のばらつきはあっても概ね出来は良く、もちろん演奏も歌唱もしっかりしていて、これまでのアルバムより見劣りすることは全くありません。まあ、永遠に売れ続けるなんてことはないし、良いものは必ず売れるとは限らないのは当然ですが。

お気に入りの曲をいくつかあげておくと、
#1"Heart Turns to Ston"
文字通りメロディアスでハード、これぞForeigner流メロハーの名曲。

#3"Say You Will"
歌謡曲的な哀愁メロディ、シンセ・ポップっぽいリズムが時代を感じさせますが良い曲です。

#4"I Don't Want to Live Without You"
ソフトなキーボードいかにも80年代らしいバラード。何気なく良いメロディです。アコースティカルで隙間のあるアンサンブルにしたらもっと良くなりそう。

#7"The Beat of My Heart"
初期のサウンドを思い起こさせるような緊迫感のあるハードな曲。

#8"Face to Face"
ヴァース、ブリッジ、コーラスと、流れるような哀愁メロディの展開が素晴らしい。1曲目と並び本作のハイライトとなる名曲。

このアルバムを最後にルー・グラムはForeignerを脱退します。本作がとりわけバラードに偏っているとは思えないけれど、今まで溜まった不満があふれ出してしまったんでしょうね。そしてバンドは商業的には更に失速していくことになります。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。 

 ■Tracks
01. Heart Turns to Ston (M. Jones, L. Gramm)
02. Can't Wait (M. Jones, L. Gramm)
03. Say You Will (M. Jones, L. Gramm)
04. I Don't Want to Live Without You (M. Jones)
05. Counting Every Minute (M. Jones, L. Gramm)
06. Inside Information (M. Jones)
07. The Beat of My Heart (M. Jones, L. Gramm)
08. Face to Face (M. Jones, L. Gramm)
09. Out of the Blue (D. Elliott, L. Gramm, M. Jones, R. Wills)
10. A Night to Remember (M. Jones, L. Gramm)

■Personnel
Lou Gramm - Lead Vocals
Mick Jones - Lead Guitar, Keyboards, Backing Vocals
Rick Wills - Bass, Backing Vocals
Dennis Elliott - Drums

Kevin Jones - Synclavier
Peter-John Vettese - Keyboards
Tom Bailey - Additional Keyboards (#4)
Hugh McCracken - Spanish Guitar (#7)
Sammy Merendino - Electronic Percussion
Ian Lloyd - Backing Vocals
Mark Rivera - Backing Vocals

Producer - Mick Jones
Co-producer - Frank Filipetti

Inside Information
Foreigner
Atlantic / Wea
1987-12-07

 

Agent Provocateur / Foreigner (1984)

0239Agent Provocateur









1984年にリリースされたフォリナーの5枚目のオリジナル・アルバム。米国で600万枚、全世界で1500万枚のセールスを記録した前作ほどではないにせよ、米国内だけでも300万枚売れたという相変わらずのヒット作となっています。シングル・カットされた#3"I Want to Know What Love Is"は、フォリナーとしては唯一アメリカとイギリスの両方のチャートで1位となるなど、これまた大ヒットとなりました。後半は聖歌隊をバックにゴスペル風に盛り上がるこの曲、ミュージック・ビデオも感動的で筆者も大好きです。しかし、またまたバラードが大ヒットしてしまったせいで、二匹目、三匹目のドジョウを狙うミック・ジョーンズと、バラード路線に反発するルー・グラムの亀裂はますます深まったようで、次作発表後にルー・グラムはバンドを脱退することになります。
 
さて、"I Want to Know What Love Is"の印象が強いので、このアルバム全体になんとなくソフトなイメージを持ってしまいますが、意外にアグレッシブな曲が多く、良く出来たハードロック・アルバムとも言えます。ちょっとツェッペリン風な#5"Reaction to Action"、#6"Stranger in My Own House"、哀愁系メロハーそのものの#7"A Love In Vain"などは特に筆者のお気に入りです。曲は粒選りだし、ミック・ジョーンズのギターも今まで一番カッコいいし、ルー・グラムのボーカルもソウルフルそのもので、このアルバムあたりがやはりフォリナーのピークだったのかなと。プロデュースは故アレックス・サドキン。グレース・ジョーンズや、トンプソン・ツインズ、デュラン・デュランを手がけた80年代の売れっ子プロデューサーで、フォリナーはやや畑違いな気もしますが、今となってもあまり古臭さを感じさせない音になっています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。 

 ■Tracks
01. Tooth and Nail (M. Jones, L. Gramm)
02. That Was Yesterday (M. Jones, L. Gramm)
03. I Want to Know What Love Is (M. Jones)
04. Growing Up the Hard Way (M. Jones, L. Gramm)
05. Reaction to Action (M. Jones, L. Gramm)
06. Stranger in My Own House (M. Jones)
07. A Love in Vain (M. Jones, L. Gramm)
08. Down on Love (M. Jones, L. Gramm)
09. Two Different Worlds (L. Gramm)
10. She's Too Tough (M. Jones, L. Gramm)

■Personnel
Lou Gramm - Lead Vocals, Percussion
Mick Jones - Lead Guitar, Bass, Keyboards, Synthesizer, Backing Vocals
Rick Wills - Bass, Backing Vocals
Dennis Elliott - Drums

Wally Badarou - Analogue & Digital Synthesizer
Brian Eddolls - Additional Synthesizer
Larry Fast - Additional Synthesizer
Dave Lebolt - Additional Synthesizer
Jack Waldman - Additional Synthesizer
Bob Mayo - Piano, Additional Synthesizer, Backing Vocals
Mark Rivera - Saxophone, Backing Vocals
Tom Bailey - Vocals
Donnie Harper - Vocals
Jennifer Holliday - Vocals
Ian Lloyd - Backing Vocals
The New Jersey Mass Choir - Choir

Producer -  Alex Sadkin, Mick Jones

Agent Provacateur
Foreigner
Atlantic / Wea
1989-09-21

4 / Foreigner (1981)

0159four









フォリナーの4thアルバム。出すアルバムを全て大ヒットさせてきた彼らですが、本作も例外でなくアメリカだけで600万枚売れ、チャート10週1位を記録したメガヒット作であり、フォリナーの代表作と評価されるアルバムです。アルバム収録全10曲のうちシングルカットされたのはなんと6曲、そのいずれもヒットするという、もう訳が分からない状態。特に"Waiting for a Girl Like You"は全米チャート2位を記録し、その後様々なミュージシャンにカヴァーされて、もはやロックのスタンダード・ナンバーと言ってもいいほど有名曲となっています。なお、このアルバム制作直前にイアン・マクドナルドとアル・グリーンウッドが脱退し、バンドはルー・グラム、ミック・ジョーンズ、デニス・エリオット、リック・ウィルスの4人編成となりました。

アルバムごとに次々とプロデューサーを変えてきたフォリナーが本作で選んだのは、ロバート・ジョン“マット”ランジ。それまでにDef Leppard、AC/DCなどを手がけており、近年ではNickelbackやMaroon 5のアルバムを制作している人物です。何人ものプレイヤーを動員したキーボードの使い方や、サウンド・プロダクションに、80年代の入り口という時代性が感じられてその点も興味深いです。トーマス・ドルビーのシンセなんかは当時としては「新しさ」を感じさせるものでした。

さすがに楽曲は粒ぞろいで唸らされます。#2"Juke Box Hero"や#6"Urgent"は文句なしにカッコよく、それからやはり#4"Waiting for a Girl Like You"は不朽の名曲だと思います。しかし、この曲の大ヒットでモンスター・バンドとなったことが皮肉にもバンドを苦しめることになります。ソフィスティケート路線を推し進めようとするミック・ジョーンズと、あくまでロックのパッションにこだわるルー・グラムの確執は、この頃から抜き差しならないものとなっていったようです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Night Life (Jones/Gramm)
02. Juke Box Hero (Gramm/Jones)
03. Break It Up (Jones)
04. Waiting for a Girl Like You (Jones/Gramm)
05. Luanne (Gramm/Jones)
06. Urgent (Jones)
07. I'm Gonna Win (Jones)
08. Woman in Black (Jones)
09. Girl on the Moon (Jones/Gramm)
10. Don't Let Go (Jones/Gramm)

■Personnel
Mick Jones – lead guitar, keyboards, backing vocals
Lou Gramm – lead vocals, percussion
Dennis Elliott – drums, backing vocals
Rick Wills – bass guitar, backing vocals

Tom Dolby – main synthesizers
Mark Rivera – saxophone on tracks 6 (except solo) and 3, backing vocals
Hugh McCracken – slide guitar on track 9
Jr. Walker – saxophone solo on track 6
Larry Fast – sequential synthesizer on tracks 2, 3, and 10
Michael Fonfara – keyboard textures on tracks 6 and 9
Bob Mayo – additional keyboard textures on track 3 and 4
Ian Lloyd – backing vocals
Robert John "Mutt" Lange – backing vocals

Producer - Robert John "Mutt" Lange and Mick Jones 

4
Foreigner
Atlantic / Wea
2002-04-01

   

Head Games / Foreigner (1979)

145Head Games










フォリナーの3rdアルバム。このアルバムもまたもや全米500万枚の大ヒット、アルバム・チャートも5位を記録しています。シングルカットされた"Dirty White Boy"は12位、"Head Games"は14位、"Women"は41位にチャートインしました。メンバー6人中5人はこれまでと同じですが、ベースはエド・ガリアルディからリック・ウィルス(ex-Peter Frampton/Small Faces)に交代しています。本作のプロデュースにはクイーン、ジャーニーなど大物のヒット作を手がけてきたロイ・トーマス・ベイカーが起用されています。

この作品は良い曲とそうでない曲との差が激しい印象を受けました。マイナー・キーの曲は全般に出来がよく、ルー・グラムの歌唱も切迫感や哀感が伝わってきます。#2"Love on the Telephone"、#6"Head Games"、#8"Blinded by Science"、#10"Rev on the Red Line"などは特に素晴らしいです。しかし、アルバム全体としてはバカ売れするほど凄いとは思えない。まあ、現在メインストリームから外れた音楽ばかり聴いている立場からすれば、売れたから優秀、売れなかったから劣悪ということはなく、バンドが時代の波に乗れたか乗れなかったかの結果だとは思いますが。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Dirty White Boy (Jones/Gramm)
02. Love on the Telephone (Jones/Gramm)
03. Women (Jones)
04. I'll Get Even with You (Jones)
05. Seventeen (Jones/Gramm)
06. Head Games (Gramm/Jones)
07. The Modern Day (Jones)
08. Blinded by Science (Jones)
09. Do What You Like (McDonald/Gramm)
10. Rev on the Red Line (Greenwood/Gramm)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, piano, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizer
Dennis Elliott – drums
Rick Wills – bass, vocals

Producer - Roy Thomas Baker, Mick Jones, Ian McDonald 

Head Games
Foreigner
Atlantic / Wea
2002-08-12

 

Mick Jones / Mick Jones (1989)

0124Mick Jones









Spooky Tooth、Foreignerのミック・ジョーンズの2014年現在唯一のソロ・アルバム。発表されたのは1988年ですから、コマーシャル路線を突き進むミック・ジョーンズと、それに反発するルー・グラムの対立が深刻化してForeignerの活動が停滞していた時期にあたります。せっかくのソロ・アルバムなんだから、自分の思い通りにForeigner以上にキャッチーな音にするか、Foreignerとは全然違うテイストの音にするかどちらかだと思うのですが、このアルバムなんだか中途半端な仕上がりになってしまいました。煮え切らないForeignerって感じ。まず楽曲がね、よく言えば渋い、ありていに言えばイマイチのものが多い。それからミック・ジョーンズのボーカルがダメ。リード・ボーカルとれるほど上手くないし味もないんだから、何も自分で歌わなくたっていいのに。なんだかな~。。。

普段ならこれで終わってしまうのですが、どっかのレビューでミック・ジョーンズとケヴィン・ジョーンズの二人で作ったとか、打ち込みで作ったとか、イアン・ハンターがリード・ボーカルをとってる曲があるとか、不正確なことを書いてあるのを見かけてしまったので、一念発起して色々書いてみますよ。このアルバム、実演(ミック・ジョーンズの歌以外)とサウンド的には悪くないんです。だって超一流のミュージシャンが惜しげもなく動員されているんですから。このブログは自分の感想を綴るのが目的の第一ですが、第二は縁あってたまたま読んでくれた人が、「あー、このアルバムでこのミュージシャンがこんな演奏してるのか、じゃ、その人が参加しているあのアルバムも聴いてみよう」っていう風に、新しい音と出会えることがあったら望外の喜びって密かに思っているのです。自分自身もそうやってどこかの誰かのおかげで耳を肥やしてきたので。音楽っつーのは一期一会だよ皆の衆!

曲ごとの詳しい参加メンバーはトラック・リストを見ていただくとして、ここではパートごとに主なミュージシャンについて触れておきます。まずリードボーカルですが、2曲を除いてミック・ジョーンズ自身が担当しています。#2"Save Me Tonight"はジョー・リン・ターナー、#5"4 Wheels Turnin' "はフォリナーのバックボーカルの常連イアン・ロイドです。ギターは当然ミック・ジョーンズですが、一部の曲ではセッション・ギタリストのケヴィン・ジョーンズとヒュー・マクラッケンもプレイしています。ヒュー・マクラッケンはジョン・レノンやポール・マッカトニー、ボブ・ディランなど超大物のレコーディング・セッションに参加してきた著名なプレイヤーですが、2013年に亡くなっています。キーボードは1991~2007までフォリナーのメンバーとなるジェフ・ジェイコブス、さらにセッション・ミュージシャンのジェフ・ボーヴァがプレイしています。#1"Just Wanna Hold"のピアノはMott the Hoopleのイアン・ハンターで、この曲のソング・ライティングにもクレジットされています。#6"Everything That Comes Around"のピアノは、60年代からピアニスト、ソングライター、プロデューサーとして活躍している レオン・ペンダーヴィスです。ベースには、セッション・ミュージシャンのシャイラー・ディール、ロブ・サビーノ、そしてフォリナーのリック・ウィルス。ドラムには、セッション・ミュージシャンのリバティ・デヴィート、スティーヴ・フェロー二、フォリナーのデニス・エリオット、それからなんと、Sly & the Family Stoneのドラマーであり、ベースのウィリー・ウィークスとの鉄壁のリズム・コンビで数々のレコーディング・セッションで活躍したアンディ・ニューマークまで参加しています(#7"You Are My Friend")。それからそれから、#8"Danielle"はサイモン・カーク(Free、Bad Company、Wildlife)ですよ!また何曲かスペシャル・ゲストとしてビリー・ジョエルとカーリー・サイモンがクレジットされています。これだけのメンバーが参加しているのですから、演奏自体はつまらない訳はないですよね~。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Just Wanna Hold (I. Hunter / M. Phillips / M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Guitar, Bass – Mick Jones
   Bass – Schuyler Deale
   Drums – Dennis Elliott
   Keyboards – Jeff Jacobs
   Percussion, Backing Vocals – Crystal Taliefero
   Piano, Backing Vocals – Ian Hunter
   Featuring Special Guest – Billy Joel
02. Save Me Tonight (D. Warren / J. Brooks / M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Keyboards – Mick Jones
   Bass, Keyboards, Guitar, Percussion – Kevin Jones
   Drums – Liberty DeVitto
   Keyboards – Jeff Jacobs
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Lead Vocals, Backing Vocals – Joe Lynn Turner
03. That's the Way My Love Is (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Keyboards, Bass, Percussion – Mick Jones
   Drums – Steve Ferrone
   Acoustic Guitar – Hugh McCracken
   Guitar, Percussion – Kevin Jones
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Featuring Special Guest – Carly Simon
04. The Wrong Side of the Law (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Guitar, Bass – Mick Jones
   Drums – Dennis Elliott
   Keyboards, Percussion – Kevin Jones
   Additional Programming – John Mahoney
05. 4 Wheels Turnin' (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Rhythm Guitar – Mick Jones
   Drums – Dennis Elliott
   Guitar, Percussion – Kevin Jones
   Lead Vocals, Backing Vocals – Ian Lloyd
06. Everything That Comes Around (J. Brooks / M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Guitar, Piano, Keyboards, Bass – Mick Jones
   Drums, Percussion – Kevin Jones
   Piano – Leon Pendarvis
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Choir – Timothy Wright Concert Choir
   Additional Programming – John Mahoney
07. You Are My Friend (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Guitar, Keyboards – Mick Jones
   Bass – Rob Sabino
   Drums – Andy Newmark
   Additional Keyboards – Jeff Bova
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Percussion – Kevin Jones
08. Danielle (J. Brooks / M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Acoustic Guitar, Keyboards – Mick Jones
   Bass – Rick Wills
   Drums – Simon Kirke
   Keyboards – Kevin Jones
   Slide Guitar – Hugh McCracken
   Backing Vocals – Ian Lloyd
09. Write Tonight (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Acoustic Guitar, Bass, Keyboards – Mick Jones
   Drums, Guitar, Percussion – Kevin Jones
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Saxophone – Lenny Pickett
   Featuring Special Guest – Carly Simon
10. Johnny (Part 1) (M. Jones)
   Lead Vocals, Keyboards – Mick Jones

Producer - Mick Jones

Mick Jones
Jones, Mick
Atlantic / Wea
1989-08-02

 

Double Vision / Foreigner (1978)

0097Double Vision
70~80年代のスーパー・グループだった英米混成バンド、フォリナーの2ndアルバム。大ヒットした前作に引き続いて売れに売れ、全米で累計700万枚という驚異的な数字になっています。アルバムはビルボード・チャート3位、シングル"Hot Blooded"は3位、"Double Vision"は2位、"Blue Morning, Blue Day"は15位という記録も残しています。曲調は1stの延長線上の極めてオーソドックスなアメリカン・ロック。ただ、そこはかとないプログレの薫りと英国的メランコリーがサウンドに陰影を与えているのが特徴でしょうか。いずれにしても、「産業ロック」などとおちょくられるような、売れ線狙いのあざとさといったものは感じられません。どちらかと言えばむしろ地味な印象さえあるアルバムです。

#1"Hot Blooded"は途中のリフがフリーの"All Right Now"だし、ところどころバドカンみたいだし、ルー・グラムのまるっきりポール・ロジャースになりきったような歌いまわしと、ミック・ジョーンズのポール・コゾフとミック・ラルフスを意識したギターには思わずニヤニヤしてしまいます。しかし、こんないい意味でフツーのロックン・ロールがヒット・チャート3位なんて、ほんといい時代です。シャープなリフと哀愁を湛えたメロディの#2"Blue Morning, Blue Day"、ピアノをバックに淡々と歌われる美しいバラード#3"You're All I Am"、このアルバムで一番フリーっぽく渋いロックンロール#5"Love Has Taken Its Toll"、緊張感みなぎるハードなタイトル曲#6"Double Vision"、フォリナー唯一のインスト曲でプログレ色がもっとも強い#7"Tramontane"、フォーキーでリラックス・ムード漂う#8"I Have Waited So Long"、ルー・グラムの切々とした歌唱が素晴らしいラストの#10"Spellbinder"などなど、どの楽曲も水準が高い上にバラエティに富んでいます。

メンバーは1作目と変わらず、ルー・グラム、ミック・ジョーンズ、イアン・マクドナルド、アル・グリーンウッド、エド・ガリアルディ、デニス・エリオットの6人。そしてバッキング・ボーカルに常連イアン・ロイド。プロデュースはキース・オルセン。70年代はFleetwood Macなど、80年代はWhitesnakeやPat Benatarをはじめ数多くのヒット作を生み出している名プロデューサーです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Hot Blooded (Lou Gramm, Mick Jones)
02. Blue Morning, Blue Day (Lou Gramm, Mick Jones)
03. You're All I Am (Mick Jones)
04. Back Where You Belong (Mick Jones)
05. Love Has Taken Its Toll (Lou Gramm, Ian McDonald)
06. Double Vision (Lou Gramm, Mick Jones)
07. Tramontane (Al Greenwood, Ian McDonald, Mick Jones) 
08. I Have Waited So Long (Mick Jones)
09. Lonely Children (Mick Jones)
10. Spellbinder (Lou Gramm, Mick Jones)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, piano, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, reeds, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizer
Ed Gagliardi – bass, vocals
Dennis Elliott – drums

Ian Lloyd – backing vocals

Producer - Keith Olsen, Mick Jones, Ian McDonald 

Double Vision
Foreigner
Atlantic / Wea
2002-08-12

 

Foreigner / Foreigner (1977)

0074Foreigner
元Spooky Toothのミック・ジョーンズ、元King Crimsonのイアン・マクドナルド、元IFのデニス・エリオットの英国勢と、エド・ガリアルディ、アル・グリーンウッド、そして元Black Sheepのルー・グラムの米国勢が結集して作られた英米混成バンド、フォリナーのデビュー・アルバム。このバンド、当時は「スーパーグループ」として喧伝されました。しかしメンバーの出身バンドを見ても、King Crimsonは確かに超有名グループですが、Spooky Tooth、IFはそれほど知名度は高くないし、Black Sheepに至ってはほとんど無名と言ってもいいぐらいでしょう。筆者はなんでこれで「スーパーグループ?」という感想を抱いたこと覚えています。

フォリナーの楽曲やサウンドについてはいまさら多く語ることはないと思いますが、適度にハードで適度にポップ、そして耳にすぐ馴染むメロディが特徴のメロディアス・ハードロック(当時そういう言葉は使われていなかったと思いますが)。超絶プレイヤーのインプロヴィゼイションを看板にするのではなく、あくまで楽曲の良さと歌唱の確かさで勝負するタイプの音です。現在英米のロックシーンではこういった音が大衆性を持つことができない奇妙な時代ですが、当時は当たり前のようにバカ売れしました。全米で300万枚(現在までの累計500万枚)を売り上げ、アルバム・チャートは4位を記録しています。

筆者にとっては、このバンドの最大の魅力はルー・グラムのボーカルにあります。彼の出身バンドBlack SheepのLPを2枚とも持っていたのでルー・グラムの歌の上手さを知っており、フォリナーは彼つながりで聴くことになったからです。Black SheepはFreeの影響をモロに受けたバンドで、英米のサウンドの違いが大きかった当時、ちょっとアメリカのバンドとは思えないサウンドでした。もちろん、ルー・グラムのボーカルはポール・ロジャースの模倣からスタートしたことが窺えるもので、若いのにすでにいぶし銀のごとく味わい深いものでした。フォリナーでのルー・グラムの歌唱は、FreeよりもBad Companyでのポール・ロジャースを思わせるものですが、やはり一級品の素晴らしさだと思います。

なお、プロデューサーの一人ゲイリー・ライオンズは、特にハードロック系のアルバムのプロダクションで頻繁にクレジットされている仕事人です。このアルバムに近い時期では、Lone StarのFiring on All Six(1977)のプロデューサー兼エンジニア、TrillionのTrillion(1978)のプロデューサー、AerosmithのNight in the Ruts(1979)のプロデューサー兼エンジニアといったところです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Feels Like the First Time (Mick Jones)
02. Cold as Ice (Mick Jones, Lou Gramm)
03. Starrider (Mick Jones, Al Greenwood)
04. Headknocker (Lou Gramm, Mick Jones)
05. The Damage Is Done (Mick Jones, Lou Gramm)
06. Long, Long Way from Home (Mick Jones, Lou Gramm, Ian McDonald)
07. Woman Oh Woman (Mick Jones)
08. At War With the World (Mick Jones)
09. Fool for You Anyway (Mick Jones)
10. I Need You (Lou Gramm, Mick Jones)

■Personnel
Lou Gramm – lead vocals
Mick Jones – lead guitar, vocals
Ian McDonald – guitars, keyboards, horns, vocals
Al Greenwood – keyboards, synthesizers
Ed Gagliardi – bass, vocals
Dennis Elliott – drums

Ian Lloyd – backing vocals

Producer - Gary Lyons, John Sinclair (collaboration with Mick Jones, Ian McDonald)

Foreigner
Foreigner
Atlantic / Wea
2002-04-01

 
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