0081Only the Children Cry
1993年、2度目の来日公演に合わせてリースされたプレイング・マンティスのミニ・アルバム。前作A Cry for the New World で見事にマンティスの専任ボーカリストを務めたコリン・ピールは、ミュージカルの仕事のために脱退、本作では新ボーカリストとしてマーク・トンプソン・スミスが録音に参加しています。彼はイギリスのマイナーなHR/HMバンドを転々としてきたボーカリストで、後にLionsheart(デニス・ストラットンのLionheartではない)を結成するOwers兄弟のいたFuryに在籍したこともあったようです。本作でも悪くない歌唱を披露していますが、結局来日公演後に脱退、ボーカリストが定着しないというプレイング・マンティスの歴史が繰り返されることになります。

このミニ・アルバムに収録されているのは全4曲。"Only The Children Cry"は新曲で、モロに日本人好みの甘く美しいイントロが印象的です。実質的に日本での人気がこのバンドを支えているわけですが、それにしてもチェッカーズや中森明菜が歌い出してもおかしくないような曲で、ほんとに80年代の日本の歌謡曲を研究してるのか?などと考えてしまいます。この曲はボーカルにゲイリー・バーデンを迎えた次作To The Power Of Ten でも再演されています。"Who's Life Is It Anyway"も新曲で、イントロはジューダス・プリーストの"Breaking the Law"のリフと同じメロディですが、マンティスらしい高揚感を味わえる佳曲です。"A Moment In Life"は前作にも収録されていた名曲。コリン・ピールの素直な歌唱に馴染んでしまっているせいか、このマーク・トンプソン・スミスのバージョンはやや感情表現が過剰に感じてしまいました。"Turn The Tables"は、バーニー・ショウがボーカルを担当していた1982年にリリースしたシングル曲のリメイク。マンティス・サウンドど真ん中の哀愁メロハー曲です。

全体として前作の流れをくむプレイング・マンティスならではのメロディアスさ、高揚感、哀愁がたっぷりで、ミニアルバムとはいえ彼らのファンなら外すことのできない傑作だと思います。なお、プロデュースに関わったノーマン・グッドマンは、80年代のマンティス解散後のストレイタス名義のアルバム、次作 To The Power Of Ten  のプロデューサーでもあります。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Only The Children Cry (Troy, Troy, Stratton)
02. Who's Life Is It Anyway (Troy, Troy, Stratton, Bisland, Thompson-Smith)
03. A Moment In Life (Troy, Troy, Peel)
04. Turn The Tables (Troy, Troy)

■Personnel
Chris Troy - Bass Guitar, Background Vocals
Dennis Stratton - Lead Guitar, Background Vocals
Mark Thompson-Smith - Lead & Background Vocals
Tino Troy - Lead Guitar, Acoustic Guitar, Keyboards, Background Vocals
Bruce Bisland - Drums, Background Vocals

Gary Flounders - Additional Keyboards

Producer - Norman Goodman & Praying Mantis