メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

マーク・スピロ

III / Giant (2001)

0218III









ダン・ハフ(Gt, Vo)を中心に腕利きセッション・ミュージシャンが結集した、アメリカのハードロック・バンド、ジャイアントの3rdアルバム。前作から9年も経過しており、その間バンドは活動停止状態で、それぞれスタジオ・ワークなどに専念していたようです。とりわけダン・ハフはプレイヤーとしての仕事の他、メガデスからフェイス・ヒルに至るまで幅広いジャンルのプロデュース業でも活躍しています。本作はダンの弟のデヴィッド・タフ(Ds)の呼びかけで制作されたようで、彼がエグゼクティヴ・プロデューサーとしてクレジットされています。なお、アラン・パスクァ(Key)は2ndアルバムのリリース後に脱退しており、本作の時点でバンドはハフ兄弟とマイク・ブリグナーデロ(ba)のトリオとなっています。リリースはイタリアのメロディック・ロック専門レーベルFrontiers Recordsから。信じ難いことに、メロディック・ロックに冷淡なアメリカ本国では本作はリリースされておらず、ヨーロッパ盤と日本盤しかありません。

アルバムはダン・ハフの弾くギターの掛け合いで幕を開けます。エレクトリック・ギターってのは、ほんとにいい音がするなぁと実感させてくれる素晴らしいオープニング。一発でジャイアントの世界に引きずり込まれます。1stも2ndも楽曲、演奏ともにまさに鉄壁でしたが、9年ものブランクにも関わらず、本作も同様にパーフェクト。どの曲もメロディアスでドラマチック、そしてアメリカのバンドらしい明るさが印象に残ります。共作者には、おなじみのヴァン・スティーヴンソン、マーク・スピロなどが名を連ねています。マーク・スピロはバック・ボーカルでも参加していますが、そもそも彼がジャイアントのメイン・ボーカリストになる予定だったらしく、メンバーとの関係の深さが伺えます。なお、#10"Bad Case of Loving You (Doctor, Doctor)"はアメリカのシンガー・ソングライター、ジョン・ムーン・マーティンによって書かれ、1979年にロバート・パーマーがカバーしてヒットさせた曲です。

日本盤にはボーナス・トラックが4曲収録されています。どうでもいいボーナス・トラックというのも多い中、本作のそれは貴重なライブ音源。さすがにダン・ハフのボーカルがちょっとキツそうですが、ライブの生々しさがストレートに伝わってきます。特にジェフ・ベック(オリジナルはスティーヴィー・ワンダー)の"Cause We Ended as Lovers"(「哀しみの恋人たち」)は、ベックのプレイとは全くニュアンスは異なりますがダン・ハフならではの名演です。このライブ音源は、後にLive and Acoustic - Official Bootleg というタイトルでリリースされたライブ・アルバムに収録されているのものの、これが中々入手しずらい状況なので、買うならせめて4曲だけでも聴ける日本盤でしょう。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Combustion (Dann Huff)
02. You Will Be Mine (Dann Huff, David Lyndon Huff, Mike Brignardello)
03. Over You (Dann Huff, Mike Brignardello)
04. Don't Leave Me in Love (Dann Huff, Mark Spiro)
05. Love Can't Help You Now (Dann Huff, Mark Spiro)
06. The Sky Is the Limit (Dann Huff, Van Stephenson)
07. It's Not the End of the World (Dann Huff, Van Stephenson, Bob Farrell)
08. Oh Yeah (Dann Huff, David Lyndon Huff, Mike Brignardello)
09. Can't Let Go (Dann Huff, David Lyndon Huff)
10. Bad Case of Loving You (Doctor, Doctor) (John Moon Martin)
[Japanese bonus track] 
11. I'm a Believer (live) (Dann Huff, David Lyndon Huff, Alan Pasqua, Mark Spiro, Phil Naish)
12. Chained (live) (Dann Huff, Alan Pasqua, Michael Brignardello)
13. Big Pitch (live) (Dann Huff, Terry Thomas, Alan Pasqua)
14. Cause We Ended as Lovers (live) (Stevie Wonder)

■Personnel
Dann Huff - all guitars, keyboards, lead & backgound vocals
David Lyndon Huff - drums, percussion, backgound vocals
Mike Brignardello – bass, backgound vocals

Mark Spiro – extra backgound vocals
Robert White Johnson – extra backgound vocals
Terry Thomas – extra backgound vocals
Larry Hall - extra keyboards

Producer - Dann Huff, David Lyndon Huff, Mike Brignardello
(Tracks 2, 3, 4 produced by Terry Thomas, Dann Huff, David Lyndon Huff, Mike Brignardello)
Executive-Producer – David Lyndon Huff

Backlash / Bad English (1991)

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ジャーニーとザ・ベイビーズが合体して生まれたスーパー・グループ、バッド・イングリッシュの2ndにしてラストのアルバム。レコーディング・メンバーは1stと同じく、ニール・ショーン(gt)、ジョナサン・ケイン(key)、ジョン・ウェイト(vo)、リッキー・フィリップス(ba)、ディーン・カストロノヴォ(ds)。プロデュースはSurvivor、Heart、Kissなどのアルバム制作で著名な売れっ子プロデューサー、ロン・ネヴィソンが担当しています。ロン・ネヴィソンはザ・ベイビーズでも2枚のアルバムをプロデュースしており、彼の起用はジョン・ウェイトにとっては旧知の間柄という事情もあったのでしょう。

楽曲については、前作に引き続いてジョン・ウェイトとジョナサン・ケインがライティングの中心となり、加えてまたもやキラ星のごとく名だたるヒットメーカーが共作者として名を連ねています。前作でも参加していたダイアン・ウォーレン(Diane Warren)、マーク・スピロ(Mark Spiro)の2人のほか、ラス・バラード(Russ Ballard)、ジェシー・ハームス(Jesse Harms)、ティム・ピアース(Tim Pierce)がクレジットされています。バッキング・ボーカルにはマーク・スピロ自身と、Airplayなどで有名なAOR系シンガーのトミー・ファンダーバークが加わっています。

このように、大ヒットした前作をさらに上回るべくプロダクション、ソング・ライティング両面において万全のラインナップで制作され、メジャー感バリバリのアルバムなのですが、なんとなく勢いのないサウンドとなってしまっている印象が否めません。セールス的にも前作に遠く及ばず、チャートの動きもアルバム、シングル共に鈍く、バンドにとって不本意な結果となってしまいました。このアルバムのレコーディング時期にはメンバー間の軋轢、とくにジョン・ウェイトとニール・ショーンの確執が相当深刻なものとなっていたようで、そのことが完成したアルバムに悪い形で影響を与えているのかもしれません。このバンドはやはりザ・ベイビーズの形を変えた再始動という色合いが濃く、ニール・ショーンは脇役に甘んじることができなかったのでしょう。アルバムがリリースされた頃にはすでに、ニール・ショーンとディーン・カストロノヴォはバンドを脱退しており、ほどなくバッド・イングリッシュは解散してしまうことになります。

リリースから20年以上経過し、バッド・イングリッシュ解散後のメンバーそれぞれの行く末を知った上で、改めてこのアルバムを聴きなおしてみると、それなりに佳曲揃いだし、ジョン・ウェイトの歌唱も悪くはありません。華やかな80年代の終わりに登場し、混沌とした90年代に突入する時代の渦の中で消え去ったスーパー・グループ、バッド・イングリッシュ。「つわものどもが ゆめのあと」というフレーズを何故か思い出してしまう、そんなアルバムです。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. So This Is Eden (John Waite, Jonathan Cain, Russ Ballard)
02. Straight to Your Heart (John Waite, Neal Schon, Jonathan Cain, Mark Spiro)
03. Time Stood Still (John Waite, Ricky Phillips, Jesse Harms)
04. The Time Alone With You (John Waite, Diane Warren, Jonathan Cain)
05. Dancing off the Edge of the World (John Waite, Jonathan Cain, Neal Schon)
06. Rebel Say a Prayer (John Waite, Jonathan Cain, Russ Ballard)
07. Savage Blue (John Waite, Jonathan Cain, Neal Schon)
08. Pray for Rain (John Waite, Mark Spiro, Jonathan Cain)
09. Make Love Last (John Waite, Jonathan Cain)
10. Life at the Top (John Waite, Jonathan Cain, Mark Spiro, Tim Pierce)

■Personnel
John Waite - lead vocals
Neal Schon - guitars
Jonathan Cain - keyboards, background vocals
Ricky Phillips - bass, background vocals
Deen Castronovo - drums, background vocals

Mark Spiro - background vocals
Tommy Funderburk - background vocals

Producer - Ron Nevison

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