0290Big Life









アメリカのハードロック・バンドNight Ranger(ナイト・レンジャー)の4thアルバムです。前2作がプラチナ・ディスクを獲得してきたのと比べゴールド止まりで、チャートではアルバム自体もシングル・カット曲も苦戦。彼らの爆発的な人気にも陰りが見えてきた時期の作品であり、最後のヒット作となったアルバムということになります。

しかしまあ、当時「ポッブだ」「売れ線狙いだ」「キーボードが前面に出すぎ」とか言われたらしいのですが、そんなの最初っからじゃん。元々ゴリゴリのHR/HMバンドじゃないから。歌ものだし、バラード多いし、キーボード鳴ってるし、シングルいっぱい出してるし。何を今さらって感じです。マイケル・J・フォックスの映画「The Secret Of My Success(摩天楼はバラ色に)」のサントラとして作られた#5のイメージが強いからでしょうか。デヴィッド・フォスターやマイケル・ランドウが曲作りに参加しているこの曲、確かにNight Rangerとしてはやや異色なハネものですが、バンドのカラーと全然違うとは思えません。それにとても良い曲ですよね、これ。他の曲もインスト・パートはかなりハードだし、ギター・ソロも過去作に比べてよりエキサイティング。ケヴィン・エルソンのプロデュースということで、全盛期JourneyやEuropeのThe Final Countdown に通じる80年代風のゴージャス感溢れるサウンド・プロダクションなわけですが、好みは別として仕上がりは極めてハイクォリティ。筆者としてはむしろ過去3作よりこのアルバムの方が好きだなぁ。

どんな世界でも栄枯盛衰は常のこと。人気が下降線をたどった理由は後付的に色々言われますが、メロハー目線で見れば本作は秀逸なメロディアス・ロック・アルバムであることは間違いありません。目まぐるしく変わる流行だとか、移ろいやすい人気だとかは横目で眺めて、それぞれが自分のお気に入りの音楽を見つけていけばいいのだと思います。

最後にゲスト・ミュージシャンについて。"The Secret Of My Success"にはデヴィッド・フォスターがキーボードで、ビル・チャンプリンがバッキング・ボーカルで参加しています。ビル・チャンプリンは80年代以降のChicagoのボーカルですね。デヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドンとの関係が深いのでその人脈からの参加と思われます。また、どの曲で歌っているのかは分かりませんが、ケヴィン・チャルファント、マックス・ハスケットもバッキング・ボーカルとしてクレジットされています。ケヴィン・チャルファントはThe Storm 、Two Firesのあの人ですね。マックス・ハスケットは、ジャック・ブレイズ、ブラッド・ギルス、ケリー・ケイギーが在籍していたRubiconのメンバー。いわば友情出演でしょう。
 
評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

01. Big Life (Brad Gillis, Jack Blades)
02. Color Of Your Smile (Jack Blades)
03. Love Is Standing Near (Alan Fitzgerald, Jack Blades, Kelly Keagy)
04. Rain Comes Crashing Down (Jack Blades)
05. The Secret Of My Success (David Foster, Jack Blades, Michael Landau, Tom Keane)
06. Carry On (Jack Blades, Kelly Keagy)
07. Better Let It Go (Jack Blades, Kelly Keagy)
08. I Know Tonight (Jack Blades)
09. Hearts Away (Jack Blades)

■Personnel
Jack Blades - Bass, Lead & Backing Vocals
Jeff Watson - Lead & Rhythm Guitars
Brad Gillis - Lead & Rhythm Guitars, Backing Vocals
Alan Fitzgerald - Keyboards, Piano
Kelly Keagy - Drums, Percussion, Lead Vocals

Kevin Chalfant - Additional Backing Vocals
Max Haskett - Additional Backing Vocals
David Foster - Keyboards on #5
Bill Champlin - Backing Vocals on #5

Producer – Night Ranger, Kevin Elson
except #5 produced by David Foster