メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

マイク・スラマー

Crimes In Mind / Streets (1985)

0257Crimes in Mind










元Kansasのスティーヴ・ウォルシュと元City Boyのマイク・スラマーが結成したStreets(ストリーツ)の2ndにしてラストのスタジオ・アルバムです。路線的には前作と変わらず、メロディアスなハードロック+隠し味的プログレ風味というもの。ただ、前作ではスティーヴ・ウォルシュ単独で書かれた曲の比率が高かったのに比べて、ほとんどマイク・スラマーとの共作曲となっています。また、70~80年代に売れっ子コンポーザーだったランディ・グッドラムが、いくつかの曲作りに参加しているのも前作と異なる点です。そのせいか曲はよりメロディアスに、よりキャッチーになっており、また平均して曲の長さが短くなっています。あえて言うなら、前作は演奏を聴かせる方に、本作は曲を聴かせる方に重点が置かれているような印象。リズム隊の見せ場が減ってしまったのは残念ですが、マイク・スラマーのギターは、スリリングさが増して非常にカッコいい。こんなギターを弾きたいと思わせるギタリストです。

プロデューサーは前作のニール・カーノンからボー・ヒルにチェンジしていますが、サウンドは前作と変わらず80年代の典型的な音。今でもこういうの好きな人は好きなんでしょうね。筆者は苦手なので、大浴場で叩いているようなドラム、特にトコトコトコトコとわざとらしいタムとか多少イラっとします。まあ、そういう時代だったんだから仕方ない。

なお、本作も前作同様CD化が遅く、2002年Wounded Bird Recordsが最初にCD化、次いで2013年Rock Candyからリマスター盤が再発されています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Don't Look Back (Slamer/Goodrum/Walsh)
02. The Nightmare Begins (Slamer/Goodrum/Walsh)
03. Broken Glass (Walsh/Slamer/Goodrum)
04. Hit 'N Run (Walsh/Slamer)
05. Crimes In Mind (Walsh/Slamer)
06. I Can't Wait (Walsh)
07. Gun Runner (Walsh/Slamer)
08. Desiree (Walsh/Slamer)
09. Rat Race (Slamer/Goodrum/Walsh)
10. Turn My Head (Walsh/Slamer)

■Personnel
Steve Walsh - vocals, keyboards
Mike Slamer - guitars
Billy Greer - bass guitar, vocals
Tim Gerht - drums, percussion, vocals

Producer - Beau Hill

Streets / 1st (1983)

0180First










元Kansasのスティーヴ・ウォルシュと元City Boyのマイク・スラマーが結成したStreets(ストリーツ)のデビュー・アルバム。曲調はポップでメロディアスかつハード、そこに風味付け程度のプログレ要素入れましたという感じ。音作りのほうは今となっては少々古めかしい80年代的ゴージャス・サウンドです。本作の主なカラーは、シングル・カットされた#1"If Love Should Go"や#2"Move On"のようなポップ・ロックですが、スティーヴ・ウォルシュのソウルフルでアクの強いボーカルは、むしろHumble Pie風の#3"One Way Street"ような曲でメロディをくずしながら歌うほうがイキイキしています。#8"Blue Town"なんかもそうだけど、まるでスティーヴ・マリオットみたいにカッコいいです。また、マイク・スラマーのギターは、この当時から粘りがあってキレもあり、さすがの職人技です。

ベースのビリー・グリアーは、Streets解散後スティーヴ・ウォルシュとともに再結成Kansasに参加、また後年マイク・スラマーとSeventh Keyを結成するなどしています。ドラムのティム・ゲルトはスティーヴ・ウォルシュの1stソロ・アルバムSchemer Dreamer (1980)に参加していたミュージシャン。Streets以降は、Joshua、Angry Anderson、Glenn Hughesのアルバムでプレイしています。プロデュースは、1970年代からYes、Hall & Oatesなどを手がけたニール・カーノン。このブログの対象とするバンドでは、Dokken、FM、Heavens Edge、Shyなどの数多くのアルバムをプロデュースしています。

なお、このCDは復刻・再発専門レーベルである米国Wounded Bird Recordsから2002年に出されており、おそらく他にはCD化されていないと思われます。
※追記2017年2月
英国の復刻専門レーベルRock Candyからも2013年に再発され、現在2種類のCD盤が出回っています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. If Love Should Go (Steve Walsh/Mike Slamer)
02. Move On (Steve Walsh)
03. One Way Street (Steve Walsh)
04. Lonely Woman's Cry (Steve Walsh)
05. Everything Is Changing (Steve Walsh)
06. Cold Hearted Woman (Marty Conn)
07. So Far Away (Steve Walsh)
08. Blue Town (Steve Walsh/Mike Slamer/Tim Gerht/Billy Greer)
09. Fire (Steve Walsh/Mike Slamer/Tim Gerht)

■Personnel
Steve Walsh - vocals, keyboard
Mike Slamer - guitars
Billy Greer - bass, vocals
Tim Gerht - drums, percussion

Producer - Neil Kernon

Slaves of the New World / Steelhouse Lane (1999)

0108Slaves of the New World
アメリカのメロディアス・ハードロック・グループ、スティールハウス・レーンの2ndアルバム。仕切っているのは、イギリスのロック・グループCity Boy出身で、スティーヴ・ウォルシュと組んだStreetsをはじめ数々のバンドやプロジェクトでの活躍で名高いマイク・スラマー。1stアルバムは言わばマイク・スラマーのセルフ・カバー集でしたが、本作はこのバンドのための書き下ろし曲が多数収録されています。また、前作では何故かバンド・メンバーに入っていなかったマイク・スラマー本人もメンバーとしてクレジットされています。他のメンバーにも変化ありません。セルフ・カバーのための一時的なプロジェクトからパーマネントなバンドとなり、3枚目も期待されたのですが、残念ながらこのアルバム以降はスティールハウス・レーンの新作は発表されていません。

前作はハード・ポップ色の強い作風でしたが、このアルバムはよりオーソドックスなハードロックに近づきました。1曲目のZepスタイルの"Give it All to Me"に典型的なように、バンドとしての一体感が増して非常にタイトなサウンドとなっています。マイク・スラマーのギターは相変わらずの職人技。美しい音色、痒い所に手が届くソロ、絶妙なバッキング、どれも絶品です。ボーカルのキース・スラックもソング・ライティングに加わっていることもあってか、前作以上に伸びやかに歌っていて気持ちよく聴けます。なお、彼はこの後マイケル・シェンカー・グループのボーカルに抜擢されます。スタジオ・アルバムはありませんが、Unforgiven World Tour - Live でケリー・キーリングとの素晴らしいダブル・ボーカルを聴くことができます。

さて、本作はどの曲も聴き応えがありますが、筆者としてはウエスタン映画を想起させる#3"Son of a Loaded Gun"の、アメリカのバンドならではの乾いた叙情性が秀逸だと感じました。この曲は、元々どのような形で発表されていたのかは不明ですが、マイク・スラマーのDemo's (1990-2000) には収録されているようなので書下ろしではありません。ちなみにジェフ・スコット・ソートが在籍したEyesもこの曲をカバーしています。他には、#2"Find What We're Lookin' For"がBostonのために書いて未発表だった曲に手を入れたもの、#8"The Nightmare Begins"はStreetsの2ndアルバム収録曲、#11"If Love Should Go"は同じくStreetsの1stに収められていたもの、計4曲がマイク・スラマーのセルフ・カバーとなっています。それ以外は新曲ですが、前作に引き続いてバッキング・ボーカルで参加しているクリス・トンプソン(Manfred Mann's Earth Band)がソング・ライティングに大きく貢献しているのが目を引きます。

1stアルバムMetallic Blue とこの2ndアルバムSlaves of the New World は、ドイツのメロハー・レーベルMTM Musicからリリースされていましたが、最近イギリスのメロハー・レーベルであるEscape Musicから1stと2ndをカップリングしたものが再発されています。輸入盤しかないようですが、2ndの国内盤ボーナス・トラックだった"If Love Should Go"もぬかりなく収録され、おまけにデジタル・リマスターということで、2枚揃えるならこちらがお買い得かと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Give it All to Me (Mike Slamer, Keith Slack)
02. Find What We're Lookin' For (Mike Slamer, Keith Slack, Chris Thompson)
03. Son of a Loaded Gun (Mike Slamer, Billy Trudel)
04. Turn Around (Mike Slamer, Keith Slack, Chris Thompson)
05. Slaves of the New World (Mike Slamer, Chris Thompson)
06. All I Believe In (Mike Slamer, Keith Slack)
07. In To Deep (Mike Slamer, Chris Thompson)
08. The Nightmare Begins (Mike Slamer, Steve Walsh, Randy Goodrum)
09. All or Nothin' (Mike Slamer, Chris Thompson)
10. Seven Seas (Mike Slamer, Chris Thompson)
11. If Love Should Go [bonus] (Steve Walsh, Mike Slamer)
11. Where Are You Now (Mike Slamer, Tony Fields)

■Personnel
Mike Slamer - Guitars
Keith Slack - Vocals
Alan Hearn - Bass
Barron DeWayne - Drums
Chris Lane - Guitars

Tony Fields - Backing Vocals
Chris Thompson - Backing Vocals

Producer - Mike Slamer 



Metallic Blue / Steelhouse Lane (1998)

0058Metallic Blue

スティールハウス・レーンは、イギリスのちょっとひねくれたポップ・ロック・グループCity Boyを皮切りに、Streets、Seventh Keyなど数多くのグループ、プロジェクトで、コンポーザー、ギタリストとして活躍しているメロハー職人マイク・スラマー(Mike Slamer)が結成したグループです。メンバーはマイクの友人であるHouse of Lordsのジェイムズ・クリスチャン(James Christian)の人脈に繋がるアメリカのミュージシャンたちで、キース・スラック(vo)、クリス・レーン(gt)、アラン・ハーン(ba)、バロン・デウェイン(dr)、いずれもほとんど無名と言っていいメンツばかり。ちょっと不思議なのは、マイク自身が何故かメンバーとしてクレジットされていないことです。プロデュース、ソングライティングはもちろん、全てのギターとキーボードを担当しているにも関わらずです。しかしそれにしても、全てのギターをマイクが弾いているとしたら、ギターのクリス・レーンはどういう立場なのか?うーん、謎です。。。いずれにしてもこのグループは、要するにマイクのやりたい音楽を形にするために、無名のミュージシャンを集めたプロジェクトということなのでしょう。バッキング・ボーカルのクリス・トンプソンだけは、Manfred Mann's Earth Band出身の有名人で、数え切れないほど多くのアーティストのレコーディング・セッションに参加しているベテランです。

Metallic Blue は1998年に発表されたスティールハウス・レーンの1stアルバムです。マイクが様々なアーティストに提供した楽曲が数多く収録されているのが目を引きます。タイトル曲の#1"Metallic Blue"と#8"Can't Fight Love"の2曲はHouse of LordsのDemons Down (1992)に収録されていたもの。#2"Surrender"、#9"Feel My Love"、#10"Fire With Fire"、この3曲はTower Cityのメンバーとの共作で、"Surrender"と"Fire With Fire"は彼らのAll Or Nothing (1998)に収録されています("Surrender"は"I Won't Surrender"というタイトルになっています)が、"Feel My Love"は未収録のようです。#3"Addicted"はマイクがプロデュースしたWall Of SilenceのShock To The System (1992)、#5"Dr. Love"はHardlineのDouble Eclipse (1992)、#12"Brighter Day"はJames ChristianのソロアルバムRude Awakening (1994)にそれぞれ収録されている曲です。マイク・スラマーのキャリアの中から選んだ名曲集みたいなもので、当然のように楽曲の水準は高く、メロディアス・ハードロックという言葉がしっくり来るメロディとサウンドを楽しむことができます。バンドも手堅い演奏で、特にキース・スラックはハード・ポップ向きの声で大変よろしい。それから、マイク・スラマーの歌心のあるギターはやっぱり素晴らしいです。裏方ばかりじゃもったいないので、この人にはもっともっとギターを弾いてほしいな。音には関係ありませんが、トーンを抑えたメタリック・ブルーが美しいジャケットもオシャレで秀逸だと思います。

なお本作と2ndアルバムSlaves of the New World は、ドイツのメロハー・レーベルMTM Musicからリリースされていましたが、イギリスのメロハー・レーベルであるEscape Musicから1stと2ndをカップリングしたものが再発されています。輸入盤しかないようですが、2ndの国内盤ボーナス・トラックも収録され、おまけにデジタル・リマスターということで、2枚揃えるならこちらがお買い得かと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Metallic Blue (Mike Slamer, Mark Baker, James Christian)
02. Surrender (Mike Slamer, Larry Saltis, Heath Saltis, Tim Paul)
03. Addicted (Mike Slamer, Brain Malone, Jim Huff, Stewart Zoltz)
04. Find Your Way Home (Mike Slamer, Billy Trudel)
05. Dr. Love (Mike Slamer, Mark Baker)
06. Still (Mike Slamer, Mark Baker)
07. Best Years Of My Life (Mike Slamer, Harry Paress)
08. Can't Fight Love (Mike Slamer, Mark Baker, James Christian)
09. Feel My Love (Mike Slamer, Larry Saltis, Heath Saltis)
10. Fire With Fire (Mike Slamer, Larry Saltis, Heath Saltis, Tim Paul)
11. Can't Stop (Mike Slamer, Tom DeLuca)
12. Brighter Day (Mike Slamer, Mark Baker, Tom DeLuca)

■Personnel
Keith Slack - Lead & Backing Vocals
Chris Lane - Guitars
Alan Hearn - Bass
Barron DeWayne - Drums

Mike Slamer - All Guitars, Keyboards
Chris Thompson - Backing Vocals
Tony Fields - Backing Vocals

Producer - Mike Slamer



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