メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

マイク・スラマー

Self Defence / Ozone (2015)

0364Self Defence









FMのスティーヴ・オーヴァーランドと、Heartlandのクリス・ウーズィーという英国メロディック・ロックを代表するボーカリスト2人と、メロディック・ロック界のキーパーソンでもあるギタリストのマイク・スラマーとトミー・デナンダー、この4人がタッグを組んだハードロック・プロジェクトOzoneのアルバム。このメンツはすごい!ウーズィー、スラマー、デナンダーの組み合せは2011年のクリス・ウーズィーのソロ作Rhyme & Reasonで実現していましたが、そこにスティーヴ・オーヴァーランドが上乗せされてツイン・ボーカルですからね。昔の言い方だと文字通りの「スーパー・グループ」です。当然リリース後すぐに手に入れましたが、一聴して「ん?」となりました。繰り返して聴いても耳に馴染んできません。何種類もの具が乗った豪華な海鮮丼より、結局単品で食ったほうが旨いということでしょうか。

日本国内盤(Rubicon Music)に入っているマイク・スラマーとクリス・ウーズィーのインタビューには、ザックリしたアルバム制作の手順が示されています。それによると、マイク・スラマーとトミー・デナンダーがそれぞれカラオケ・トラックを作成、それをクリス・ウーズィーとスティーヴ・オーヴァーランドにネット送信、それぞれが歌詞と歌メロを作ってボーカル・トラックを録音、プロデューサーのマイク・スラマーがトラックの取捨選択をして曲にまとめるというものです。いかにもレコーディングだけのためのプロジェクトという感じです。パーマネントなバンド活動が難しいメロハーの分野では、今はこういう手法は普通なのでしょう。問題は、マイク・スラマーとトミー・デナンダーの作った曲がゴージャスかつスタイリッシュで泥臭さやブルース味は皆無、一方クリス・ウーズィーとスティーヴ・オーヴァーランドはその真逆の個性が売りであること。それは分かっていて敢えてチャレンジしたのでしょう。しかしながら結局いわゆる化学反応は起きなかったみたいです。そうは言ってもそこはトップクラスの実力者が結集しているわけで、決して駄作にはなっていないのが逆に凄いと思いました。このアルバムが売れたら次があるかも的なことがインタビューに乗っていましたが、どうやら2枚目は無さそうな気配です。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Shadow on the Sun
02. Visionary Man
03. Self Defence
04. Once in a Lifetime
05. Practice What You Preach
06. How Evolved Are We
07. Smile Before You Lie
08. Save My Soul
09. Destiny
10. Tiger by the Tail
11. Let the Good Will Out
12. So Blind
Bonus Track for Japan
13. Visionary Man
All songs written by Chris Ousey, Steve Overland, Mike Slamer, Tommy Denander
except  "How Evolved Are We" by Christian Wolff, Chris Ousey

■Personnel
Chris Ousey - Lead & Backing Vocals
Steve Overland - Lead & Backing Vocals
Mike Slamer - Guitars, B3 Organ, Keyboards, Bass
Tommy Denander - Guitars, Keyboards, Bass
Ronnie Platt - Backing Vocals
Billy Greer - Backing Vocals
Billy Trudel - Backing Vocals
Kerry Denton - Drums
Christian Wolff - Guitars, Keyboards on "How Evolved Are We"
Erik Sabo - B3 Organ

Producer - Mike Slamer
Executive Producer - Khalil Turk
 

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King Biscuit Flower Hour / Streets (1997)

0342King Biscuit Flower Hour









元Kansasのスティーヴ・ウォルシュと元City Boyのマイク・スラマーが結成したStreetsのライヴ盤。リリースはずいぶん遅く1997年になってからですが、1983年10月28日米国ピッツバーグでのコンサートを収録したもので、「King Biscuit Flower Hour」というラジオ番組で放送されています。この番組用に録音された数多くのアーティストのライヴ音源が「King Biscuit Flower Hour Records」レーベルからリリースされていて、本作もそのうちの1枚というわけです。収録されたコンサートはStreetsの1stアルバム発売に伴う最初のツアー時のもので、セットリストはは1st収録曲のみとなっています。ただし、#8"Shake Down"、#10"I'm Not Alone Anymore"、#11"Streets of Desire"の3曲はアルバム未収録です。

内容的には一言で言ってライヴらしいライヴ。ロック・コンサートの熱気、勢いを十二分に感じることができます。演奏も歌唱もいい意味で粗いのですが、この当時のスタジオ録音盤特有のわざとらしい音響的ギミックがない分、筆者としてはむしろこっちの方が好きですね。バンドの演奏力の高さがスタジオ盤以上に示されています。ソウルフルなスティーヴ・ウォルシュのボーカルはパワー全快、マイク・スラマーのギターもラフでワイルドで縦横無尽、リズム・セクションもダイナミックで、まさにバンドの本領発揮と言うほかありません。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. If Love Should Go (Steve Walsh/Mike Slamer)
02. Move On (Steve Walsh)
03. One Way Street (Steve Walsh)
04. Everything Is Changing (Steve Walsh)
05. Cold Hearted Woman (Marty Conn)
06. So Far Away (Steve Walsh)
07. Lonely Woman's Cry (Steve Walsh)
08. Shake Down (Steve Walsh)
09. Fire (Steve Walsh/Mike Slamer/Tim Gerht)
10. I'm Not Alone Anymore (Steve Walsh)
11. Streets of Desire (Steve Walsh)

■Personnel
Steve Walsh - vocals, keyboards
Mike Slamer - guitars
Billy Greer - bass, lead vocals on "Cold Hearted Woman"
Tim Gerht - drums


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Crimes in Mind / Streets (1985)

0257Crimes in Mind









元Kansasのスティーヴ・ウォルシュと元City Boyのマイク・スラマーが結成したStreets(ストリーツ)の2ndにしてラストのスタジオ・アルバムです。路線的には前作と変わらず、メロディアスなハードロック+隠し味的プログレ風味というもの。ただ、前作ではスティーヴ・ウォルシュ単独で書かれた曲の比率が高かったのに比べて、ほとんどマイク・スラマーとの共作曲となっています。また、70~80年代に売れっ子コンポーザーだったランディ・グッドラムが、いくつかの曲作りに参加しているのも前作と異なる点です。そのせいか曲はよりメロディアスに、よりキャッチーになっており、また平均して曲の長さが短くなっています。あえて言うなら、前作は演奏を聴かせる方に、本作は曲を聴かせる方に重点が置かれているような印象。リズム隊の見せ場が減ってしまったのは残念ですが、マイク・スラマーのギターは、スリリングさが増して非常にカッコいい。こんなギターを弾きたいと思わせるギタリストです。

プロデューサーは前作のニール・カーノンからボー・ヒルにチェンジしていますが、サウンドは前作と変わらず80年代の典型的な音。今でもこういうの好きな人は好きなんでしょうね。筆者は苦手なので、大浴場で叩いているようなドラム、特にトコトコトコトコとわざとらしいタムとか多少イラっとします。まあ、そういう時代だったんだから仕方ない。

なお、本作も前作同様CD化が遅く、2002年Wounded Bird Recordsが最初にCD化、次いで2013年Rock Candyからリマスター盤が再発されています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Don't Look Back (Slamer/Goodrum/Walsh)
02. The Nightmare Begins (Slamer/Goodrum/Walsh)
03. Broken Glass (Walsh/Slamer/Goodrum)
04. Hit 'N Run (Walsh/Slamer)
05. Crimes in Mind (Walsh/Slamer)
06. I Can't Wait (Walsh)
07. Gun Runner (Walsh/Slamer)
08. Desiree (Walsh/Slamer)
09. Rat Race (Slamer/Goodrum/Walsh)
10. Turn My Head (Walsh/Slamer)

■Personnel
Steve Walsh - vocals, keyboards
Mike Slamer - guitars
Billy Greer - bass guitar, vocals
Tim Gerht - drums, percussion, vocals

Producer - Beau Hill

Streets / 1st (1983)

0180First









元Kansasのスティーヴ・ウォルシュと元City Boyのマイク・スラマーが結成したStreets(ストリーツ)のデビュー・アルバム。曲調はポップでメロディアスかつハード、そこに風味付け程度のプログレ要素入れましたという感じ。音作りのほうは今となっては少々古めかしい80年代的ゴージャス・サウンドです。本作の主なカラーは、シングル・カットされた#1"If Love Should Go"や#2"Move On"のようなポップ・ロックですが、スティーヴ・ウォルシュのソウルフルでアクの強いボーカルは、むしろHumble Pie風の#3"One Way Street"ような曲でメロディをくずしながら歌うほうがイキイキしています。#8"Blue Town"なんかもそうだけど、まるでスティーヴ・マリオットみたいにカッコいいです。また、マイク・スラマーのギターは、この当時から粘りがあってキレもあり、さすがの職人技です。

ベースのビリー・グリアーは、Streets解散後スティーヴ・ウォルシュとともに再結成Kansasに参加、また後年マイク・スラマーとSeventh Keyを結成するなどしています。ドラムのティム・ゲルトはスティーヴ・ウォルシュの1stソロ・アルバムSchemer Dreamer (1980)に参加していたミュージシャン。Streets以降は、Joshua、Angry Anderson、Glenn Hughesのアルバムでプレイしています。プロデュースは、1970年代からYes、Hall & Oatesなどを手がけたニール・カーノン。このブログの対象とするバンドでは、Dokken、FM、Heavens Edge、SHYなどの数多くのアルバムをプロデュースしています。

なお、このCDは復刻・再発専門レーベルである米国Wounded Bird Recordsから2002年に出されており、おそらく他にはCD化されていないと思われます。
※追記2017年2月
英国の復刻専門レーベルRock Candyからも2013年に再発され、現在2種類のCD盤が出回っています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. If Love Should Go (Steve Walsh/Mike Slamer)
02. Move On (Steve Walsh)
03. One Way Street (Steve Walsh)
04. Lonely Woman's Cry (Steve Walsh)
05. Everything Is Changing (Steve Walsh)
06. Cold Hearted Woman (Marty Conn)
07. So Far Away (Steve Walsh)
08. Blue Town (Steve Walsh/Mike Slamer/Tim Gerht/Billy Greer)
09. Fire (Steve Walsh/Mike Slamer/Tim Gerht)

■Personnel
Steve Walsh - vocals, keyboard
Mike Slamer - guitars
Billy Greer - bass, vocals
Tim Gerht - drums, percussion

Producer - Neil Kernon

Slaves of the New World / Steelhouse Lane (1999)

0108Slaves of the New World
アメリカのメロディアス・ハードロック・グループ、スティールハウス・レーンの2ndアルバム。仕切っているのは、イギリスのロック・グループCity Boy出身で、スティーヴ・ウォルシュと組んだStreetsをはじめ数々のバンドやプロジェクトでの活躍で名高いマイク・スラマー。1stアルバムは言わばマイク・スラマーのセルフ・カバー集でしたが、本作はこのバンドのための書き下ろし曲が多数収録されています。また、前作では何故かバンド・メンバーに入っていなかったマイク・スラマー本人もメンバーとしてクレジットされています。他のメンバーにも変化ありません。セルフ・カバーのための一時的なプロジェクトからパーマネントなバンドとなり、3枚目も期待されたのですが、残念ながらこのアルバム以降はスティールハウス・レーンの新作は発表されていません。

前作はハード・ポップ色の強い作風でしたが、このアルバムはよりオーソドックスなハードロックに近づきました。1曲目のZepスタイルの"Give It All to Me"に典型的なように、バンドとしての一体感が増して非常にタイトなサウンドとなっています。マイク・スラマーのギターは相変わらずの職人技。美しい音色、痒い所に手が届くソロ、絶妙なバッキング、どれも絶品です。ボーカルのキース・スラックもソング・ライティングに加わっていることもあってか、前作以上に伸びやかに歌っていて気持ちよく聴けます。なお、彼はこの後マイケル・シェンカー・グループのボーカルに抜擢されます。スタジオ・アルバムはありませんが、Unforgiven World Tour - Live でケリー・キーリングとの素晴らしいダブル・ボーカルを聴くことができます。

さて、本作はどの曲も聴き応えがありますが、筆者としてはウエスタン映画を想起させる#3"Son of a Loaded Gun"の、アメリカのバンドならではの乾いた叙情性が秀逸だと感じました。この曲は、元々どのような形で発表されていたのかは不明ですが、マイク・スラマーのDemo's (1990-2000) には収録されているようなので書下ろしではありません。ちなみにジェフ・スコット・ソートが在籍したEyesもこの曲をカバーしています。他には、#2"Find What We're Lookin' For"がBostonのために書いて未発表だった曲に手を入れたもの、#8"The Nightmare Begins"はStreetsの2ndアルバム収録曲、#11"If Love Should Go"は同じくStreetsの1stに収められていたもの、計4曲がマイク・スラマーのセルフ・カバーとなっています。それ以外は新曲ですが、前作に引き続いてバッキング・ボーカルで参加しているクリス・トンプソン(Manfred Mann's Earth Band)がソング・ライティングに大きく貢献しているのが目を引きます。

1stアルバムMetallic Blue とこの2ndアルバムSlaves of the New World は、ドイツのメロハー・レーベルMTM Musicからリリースされていましたが、最近イギリスのメロハー・レーベルであるEscape Musicから1stと2ndをカップリングしたものが再発されています。輸入盤しかないようですが、2ndの国内盤ボーナス・トラックだった"If Love Should Go"もぬかりなく収録され、おまけにデジタル・リマスターということで、2枚揃えるならこちらがお買い得かと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Give It All to Me (Mike Slamer, Keith Slack)
02. Find What We're Lookin' For (Mike Slamer, Keith Slack, Chris Thompson)
03. Son of a Loaded Gun (Mike Slamer, Billy Trudel)
04. Turn Around (Mike Slamer, Keith Slack, Chris Thompson)
05. Slaves of the New World (Mike Slamer, Chris Thompson)
06. All I Believe In (Mike Slamer, Keith Slack)
07. In to Deep (Mike Slamer, Chris Thompson)
08. The Nightmare Begins (Mike Slamer, Steve Walsh, Randy Goodrum)
09. All or Nothin' (Mike Slamer, Chris Thompson)
10. Seven Seas (Mike Slamer, Chris Thompson)
11. If Love Should Go [bonus] (Steve Walsh, Mike Slamer)
11. Where Are You Now (Mike Slamer, Tony Fields)

■Personnel
Mike Slamer - Guitars
Keith Slack - Vocals
Alan Hearn - Bass
Barron DeWayne - Drums
Chris Lane - Guitars

Tony Fields - Backing Vocals
Chris Thompson - Backing Vocals

Producer - Mike Slamer 



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