メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

マイク・ストーン

The Name of The Rose / Ten (1996)

0029The Name of The Rose

イギリスのメロディアス・ハードロック・バンドTenの2ndアルバム。Tenのアルバムの中でも、名盤と評価する人が多いように見受けられます。筆者も、タイトル曲"The Name of the Rose"をはじめとして好きな曲が何曲も入っているのですが、評価はちと微妙です。前作と比べるとポップス的要素が減退し、よりハードロック色が強まったこと以外は、メロディアスで湿り気のあるブリティッシュ・ハードという基本路線は変わっていません。ゲイリー・ヒューズは相変わらず覇気のないカヴァー デイル状態だし、ヴィニー・バーンズも張り切りすぎのマイケル・シェンカーよろしく弾きまくっています。むしろ、その変わらなさ過ぎが微妙です。同じシンガーですから、歌いまわしが各曲似ているのは致し方ないとしても、歌メロそのものが1stと似ていて、まるで2枚組のアルバムを分割してリリースしたような印象を受けるのです。ポップさが薄くなった分曲調がますます似通った結果、通しで聴くと正直後半ダレてしまう。前作から1年も経たずに同じ年に2ndを リリースする必要があったのでしようか。それから、前作でもその兆しが見られた大作主義が、いよいよこのバンドの特徴となったようです。全13曲中、8分台の曲が2曲、7分台が2曲、6分台が2曲あります。複雑な構成で変化を持たせる訳でもなく、ただ無駄に曲が長い。筆者のようなコンパクトな楽曲を好むリ スナーにとっては、これはキツいです。

前作では正式メンバーは、ヒューズ、バーンズ、ベースのグレッグ・モーガンの3人でしたが、このアルバムではバンドメンバーとしてジョン・ハリウェル(Gt)、ジェド・ライランズ(Key)、シェリー(Ba)の3人が付け加えてクレジットされていま す。シェリー、ゲスト・キーボード奏者のブライアン・コックスは、バーンズ、モーガンとともにデアー(Dare)の元メンバーです。バック・ボーカルで1 曲参加しているジェイソン・サノスは、このアルバムの後もテンのアルバム、ゲイリー・ヒューズのソロ作品に度々登場しています。プロデュースは前作と同じ くマイク・ストーンとゲイリー・ヒューズとなっています。なお、1stと2ndにそれぞれボーナス・トラックを加えて2枚組としたものも発売されています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Name of the Rose (Gary Hughes)
02. Wildest Dreams (Gary Hughes)
03. Don't Cry (Gary Hughes)
04. Turn Around (Gary Hughes)
05. Pharaoh's Prelude : Ascension to the Afterlife (Gary Hughes)
06. Wait For You (Gary Hughes)
07. The Rainbow (Gary Hughes, Zoe Hughes)
08. Through the Fire (Gary Hughes)
09. Goodnight Saigon (Gary Hughes)
10. Wings of the Storm (Gary Hughes)
11. Standing In Your Light (Gary Hughes)
12. The Quest (Gary Hughes)
13. You're My Religion (Gary Hughes)

■Personnel
Gary Hughes – vocals
Vinny Burns – guitars
John Halliwell – guitars
Ged Rylands – keyboards
Shelley – bass guitar
Greg Morgan – drums

Mark Harrison – bass guitar
Brian Cox – keyboards
Howard Smith – keyboards
Andy Thompson – keyboards
Jason Thanos – backing vocals on "Goodnight Saigon"
Jee Jacquet – backing vocals on "Standing In Your Light"
Thierey Cardinet – backing vocals on "Standing In Your Light"
Oliver Bowden – backing vocals on "Standing In Your Light"
Damien Guasp – backing vocals on "Standing In Your Light"

Producer - Gary Hughes, Mike Stone
Executive Producer - Mark Ashton, Vinny Burns




Ten / Ten (1996)

0009Ten

テンは、ソロ・シンガーとしてデビューしていたゲイリー・ヒューズと、元デアー(Dare)のギタリストであったヴィニー・バーンズが中心となって1995年に結成され、グループ名をタイトルとしたこの1stアルバムを1996年にリリースします。メロディアスで哀愁を帯びたブリティッシュ・ハードそのものの音楽性は、本国イギリスよりむしろ日本での評価が先行したようです。テンの音楽を特徴づけるのは何よりゲイリー・ヒューズのボーカルでしょう。中低音域を中心にして声を張り上げないスタイルは、HR/HMの世界では異色のものです。対照的にヴィニー・バーンズのギターはちょっとくどいほど派手に泣き叫んでます。曲調はホワイトスネイク的なブルージーでオーソドックスなハードロックが中心で、ゲイリー・ヒューズの歌い回しは脂っ気の抜けたデビッド・カヴァーデイルといった感じです。加えて、ハード・ポップ的要素もあり、"Can't Slow Down"などは70年代初頭のポップスを思わせるメロディが楽しめます。難点と言えば、曲が比較的長めなこと。次作以降はさらに大作主義が顕著となってくるわけですが、個人的にはもう少しコンパクトにまとまっていたらと感じてしまいます。

なお、メンバーとしてクレジットされているのはヒューズ、バーンズと、ドラムのグレッグ・モーガン(元デアー)の3人のみで、あとはサポート・メンバーのようです。また、このアルバムのプロデュースとミックスにはマイク・ストーン(1951–2002)の名前がクレジットされています。1970年代から膨大なアルバム制作にエンジニア、プロデューサーとして携わり、QueenのNews of the World、JourneyのFrontiers、Whitesnakeの1987など、数多くのメガヒット・アルバムを生み出すことに貢献してきた超大物です。なお、1stと2ndにそれぞれボーナス・トラックを加えて2枚組としたものも発売されています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Crusades / It's All About Love (G. Hughes, V. Burns)
02. After the Love Has Gone (G. Hughes)
03. Yesterday Lies In the Flames (G. Hughes)
04. The Torch (G. Hughes)
05. Stay With Me (G. Hughes)
06. Close Your Eyes and Dream (G. Hughes)
07. Eyes of a Child (G. Hughes)
08. Can't Slow Down (G. Hughes)
09. Lamb to the Slaughter (G. Hughes)
10. Soliloquy/The Loneliest Place In the World (G. Hughes)

■Personnel
Gary Hughes – lead and backing vocals
Vinny Burns – guitars
Greg Morgan – drums and percussion

Mark Harrison – bass guitar
Lee Goulding – keyboards
Howard Smith – keyboards
Andy Thompson – keyboards
Francis Cummings – first violin
Peter Leighton-Jones – first violin
John Wade – first violin
Fiona Payne – second violin
Julia Parsons – second violin
Jean Ambrose – viola
Anne Morrison – viola
Anna Frazer – cello

Producer - Gary Hughes, Mike Stone
Executive Producer - Mark Ashton, Vinny Burns



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