ノルウェーのHR/HMグループTNTの3rdアルバムTell No Tales。これは名盤以外の何物でもありません。続く4thIntuitionもまた名盤の呼び声が高く筆者も異論はありませんが、あちらは超名曲が入っている代わりに「?」な曲もまたあり、アルバムのトータルとしては、全曲名曲のTell No Talesのほうが好みです。いずれにしても、この3rdと4thがTNTの絶頂期の双璧をなす作品であることは衆目の一致するところとなっているようです。チャート的にはノルウェー本国で1位、アメリカで100位と、Intuitionをしのいで彼らのアルバムの中ではもっとも上位を記録しています。レコーディング・メンバーは前作Knights of the New Thunderと変わらず、トニー・ハーネル(vo)、ロニー・ル・テクロ(gt)、モーティ・ブラック(ba)、ディーゼル・ダール(ds)、プロデュースも1st、2ndに引き続きビョルン・ネーショ(Bjørn Nessjø 発音が正しいか不明)となっています。
ハードなリフとキャッチーなメロディの#1"Everyone's a Star"でツカミはOK、続く#2"10,000 Lovers"はノルウェーのシングル・チャート2位となったロマンチックなポップ・ソング。#3"As Far as the Eye Can See"は歌メロもギターソロも完璧なまでに美しいスピード・チューン。ここまで一気に息をつかせぬ展開の後、驚異的なロニー・ル・テクロのギター・インストゥルメンタルの小品#4"Sapphire"を挟んで、クラシカルなメロディが美し過ぎる至高のスロー・バラード#5"Child's Play"で一息つきます。再びアコギによるインストゥルメンタル曲#6"Smooth Syncopation"に続き、爽やかなハード・ポップ#7"Listen to Your Heart"。ここでのロニーのキテレツなギター・ソロも聴き所です。#8"Desperate Night"はややヘヴィなミドル・テンポの哀愁系ナンバー。#9"Northern Lights"はタイトル通り冷涼なノルウェーの空気感を漂わせる美しいバラード。クライマックスへの緊張感を掻き立てるインスト#10"Incipits"に続いて、ラストを飾る#11"Tell No Tales"は意表をつく完璧なまでにヘヴィ・メタリックな疾走曲。トータル・タイムは30分そこそこと短いのですが、曲の配置も完璧で、ダレずに至福の時間を過ごせるアルバムに仕上がっています。
同じメロハーと言っても、前作がヘヴィ・メタル色が強く、またいまだに垢抜けなかったのに比べ、本作はすっきりとしたハードポップ的な曲調がメインとなっています。サウンドを反映してジャケットもポップ。みんなどこかの王子様のようです。前作のアレとはえらい違いです。それはともかく、このアルバムは全編とにかく美しい。メロディも、トニー・ハーネルのハイトーン・ボーカルも、ロニー・ル・テクロのテクニカルなギター・ソロも、全てがうっとりするほど美しいのです。そしてビョルン・ネーショのサウンド・プロダクションも(Intuitionには及ばないものの)良好で、このアルバムを北欧クリスタル・サウンドを代表する1枚たらしめるのに大きく貢献しています。
ハードなリフとキャッチーなメロディの#1"Everyone's a Star"でツカミはOK、続く#2"10,000 Lovers"はノルウェーのシングル・チャート2位となったロマンチックなポップ・ソング。#3"As Far as the Eye Can See"は歌メロもギターソロも完璧なまでに美しいスピード・チューン。ここまで一気に息をつかせぬ展開の後、驚異的なロニー・ル・テクロのギター・インストゥルメンタルの小品#4"Sapphire"を挟んで、クラシカルなメロディが美し過ぎる至高のスロー・バラード#5"Child's Play"で一息つきます。再びアコギによるインストゥルメンタル曲#6"Smooth Syncopation"に続き、爽やかなハード・ポップ#7"Listen to Your Heart"。ここでのロニーのキテレツなギター・ソロも聴き所です。#8"Desperate Night"はややヘヴィなミドル・テンポの哀愁系ナンバー。#9"Northern Lights"はタイトル通り冷涼なノルウェーの空気感を漂わせる美しいバラード。クライマックスへの緊張感を掻き立てるインスト#10"Incipits"に続いて、ラストを飾る#11"Tell No Tales"は意表をつく完璧なまでにヘヴィ・メタリックな疾走曲。トータル・タイムは30分そこそこと短いのですが、曲の配置も完璧で、ダレずに至福の時間を過ごせるアルバムに仕上がっています。
評価 ★★★★★
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。■Tracks
01. Everyone's a Star (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
02. 10,000 Lovers (In One) (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Morten "Diesel" Dahl)
03. As Far as the Eye Can See (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
04. Sapphire (Ronni Le Tekrø)
05. Child's Play (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
06. Smooth Syncopation (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
07. Listen to Your Heart (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
08. Desperate Night (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
09. Northern Lights (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Bjørn Nessjø)
10. Incipits (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
11. Tell No Tales (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Morten "Diesel" Dahl)
■Personnel
Tony Harnell – vocals
Ronni Le Tekrø – guitars, guitar synthesizer
Morty Black – bass guitar, pedal synthesizer
Morten "Diesel" Dahl – drums, percussion
Håkon Iversen – background vocals
Bård Svendsen – keyboards and programming
Bjørn Nessjø – keyboards and programming
Carlos Waadeland – keyboards and programming
Producer - Bjørn Nessjø