メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

ボブ・バーチ

Leaving the End Open / Hardline (2009)

0428Leaving the End Open









USメロディアスハード・バンドHardlineの3rdアルバム。2ndアルバムから7年ぶりのリリースとなっています。実質的にはジョニー・ジョエリ(Vo)とジョシュ・ラモス(G)のプロジェクトのようで、ブックレットには2人の写真しか載っていません。他のメンバーは、2ndにも参加したマイケル・T・ロス(Key)に加えてジェイミー・ブラウン(B)、アトマ・アナー(Ds)というラインナップです。ジェイミー・ブラウンはRamos - HugoのThe Dreamでベースを弾いており、アトマ・アナーはリッチー・コッツェンやトニー・マカパインといったシュラプネル系ギタリスト御用達のドラマーですが、Two FiresのIgnitionでもドラムを叩いており、それぞれにジョシュ・ラモスとの繋がりがあるミュージシャン。また一曲だけソロを担当している瀬上純は、Crush 40でジョニー・ジョエリと共演しているギタリストです。プロデューサーは2ndと同じくボブ・バーチとなっています。

楽曲は決定的な名曲というものはないものの、概ね良い曲ばかりで平均点はかなり高いです。ヘヴィなヴァースとそこから解放されるように華麗に舞い上がるコーラスが対照的な#1"Voices"、軽やかで明るいメロディが魅力の#2"Falling Free"、畳み掛けるようなリフとボーカルがスリリングな#8"Give in to This Love"、ほのかに寂寞感漂うメロディが心に残る#9"Before This"などは特にお気に入りです。ジョニー・ジョエリのボーカルとジョシュ・ラモスのギターは相変わらず巧みで安定感抜群ですが、今回の注目はドラム。思えば、1stのディーン・カストロノヴォ、2ndのボビー・ロックと、ドラマーは腕達者が続きました。本作のアトマ・アナー、この人もツワモノですね~。グルーヴ感が凄いし、オカズなんかもフュージョンぽいのを叩き込んできたりして、思わず聴き惚れてしまいます。そんなわけで、傑作Double Eclipseには及びませんが、今回も聴き応えのアルバムであることは間違いありません。

 評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Voices
02. Falling Free
03. Start Again
04. Pieces of Puzzles
05. Bittersweet
06. She Sleeps in Madness
07. In This Moment
08. Give in to This Love
09. Before This
10. Hole in My Head
11. Leaving the End Open
All songs by Johnny Gioeli/Josh Ramos
except #7 by Johnny Gioeli, #10 by by Johnny Gioeli/Johnny Montgomery

■Personnel
Johnny Gioeli - Vocals
Josh Ramos - Guitars
Jamie Browne - Bass
Michael T. Ross - Keys
Atma Anur - Drums

Jun Senoue - Solo on #9

Producer - Bob Burch

リーヴィング・ジ・エンド・オープン
ハードライン
キングレコード
2009-05-27

Live at The Gods Festival 2002 / Hardline (2003)

0372Live At The Gods Festival 2002









USメロディアスハード・バンドHardlineのライブ盤。2002年6月英国ブラッドフォードで開催されたメロハー系のロック・フェスThe Gods Festivalでのステージを収録したものです。メンバーは、ジョニー・ジョエリ(Vo)、ジョーイ・ジョエリ(G)、ジョシュ・ラモス(G)、マイケル・T・ロス(Key)、ボビー・ロック(Ds)、ボブ・バーチ(B)。プロデューサーだったボブ・バーチがベースにまわった以外は2002年のスタジオ盤と同じメンツです。また、ライブ映像を収録したDVDも出ています。

どうやらこのライブ盤はいわく付きのアルバムのようです。英語版Wikipedia「Live at the Gods Festival 2002」によると、Hardlineがフェスのヘッドライナーとしてステージに上がったのは午前2時。長時間のコンサートのためマイクその他の機材にガタがきていて、ライブ演奏に影響を与えたらしいのです。DVDを見ると、ジョニー・ジョエリがマイクかモニターについてPAスタッフにジェスチャーで指示をしている様子が何度も映っています。明らかに苛立っているのが丸分かりで、見ているこちらもいたたまれなくなって楽しめません。CDはCDで各パートのバランスの悪さや歌唱・演奏の粗さが目立ち、トラブルが生じているのが分かってしまいます。更に英語版Wikipedia「Hardline (band)」によれば、ジョニー・ジョエリは当然このパフォーマンスに不満があったものの、レーベル側(Frontiers)の要求によりCDとDVDのリリースを止めることが出来なかったそうです。おまけに、2ndアルバムのアウト・テイク"Hypnotized"と"Mercy"を、許諾なしにボーナス・トラックとして収録されてしまったらしい。もう1曲のボーナス"Only a Night (Acoustic)"は元々2ndの日本盤ボーナス・トラックだったものです。なんだかちょっとバンドが可哀相ですね。

 評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Intro
02. Hot Cherie (Bishop/Gutheil/Neill/Shields/Sinnaeve)
03. Life's a Bitch (Schon/Gioeli/Gioeli )
04. Everything (Schon/Tanner/Money/Gioeli/Gioeli/Marty/Cain)
05. Face the Night (Gioeli/Gioeli)
06. Takin' Me Down (Gioeli/Gioeli/Schon )
07. Weight (Tafolla/Gioeli)
08. In the Hands of Time (Gioeli/Gioeli/Schon )
09. Only a Night (Gioeli/Gioeli)
10. I'll Be There (Schon/Gioeli/Gioeli /Cain)
11. Drums Solo
12. Rhythm From a Red Car (Schon/Gioeli/Gioeli )
13. Keyboards Solo
14. Dr. Love (Baker/Slamer)
[Bonus Studio Tracks]
15. Hypnotized
16. Only a Night (Acoustic)
17. Mercy

■Personnel
Johnny Gioeli - Vocals
Joey Gioeli - Guitars
Josh Ramos - Lead Guitars
Bob Burch -  Bass Guitar
Michael T. Ross - Keyboards
Bobby Rock - Drums
 

II / Hardline (2002)

0277HardlineⅡ









1992年にアルバム1枚残して消滅したHardline(ハードライン)の、10年ぶりの復活作。結成時のメンバーはジョエリ兄弟以外は全員いなくなっています。元々ジョエリ兄弟のバンドBrunetteに、Bad Englishを脱けたニール・ショーンとディーン・カストロノヴォが合流してHardline結成となったわけで、看板だったニール・ショーン抜きなら実際はBrunette再結成なんじゃないか?などと考えてしまいますが、Hardlineのほうがネーム・バリューもあるだろうし、堅いこと言うのは野暮でしょう。

この再結成Hardlineのメンバーですが、ジョニー・ジョエリ(Vo)とジョーイ・ジョエリ(Gt)の他には、まずリード・ギターにジョシュ・ラモス。The Storm、Two Firesなどで何故かニール・ショーンの代替要員的扱いの多い人。収録曲のクレジットに名前があるシュラプネル系ギタリストのジョーイ・タフォーラが元々は加入予定でしたが、都合がつかずにジョシュ・ラモスにバトン・タッチしたようです。リズム・セクションは、ドラムにVinnie Vincent Invasion、Nelsonのボビー・ロック、彼は一時期Brunetteでドラムを叩いたこともあったようです。ベースにはセッション・ベーシストのクリストファー・マロニー。キーボードは後にAngelに加入するマイケル・T・ロス。ジョニー・ジョエリのボーカルはもちろん素晴らしく、新たなメンバーも腕達者ばかり揃っており、演奏面ではこの2ndアルバムも1srに全くひけをとりません。特に筆者のフェイバリット・ドラマー、ボビー・ロックの小気味良いプレイは最高です。

演奏面での充実振りの一方、楽曲面では前作より平均点は下回る印象ですが、それでも良い曲はたくさんあります。ヘヴィなリフがカッコいい#1"Hold Me Down"、リリカルなサビ・メロが印象的な#2"Y"、Nelsonでおなじみのマーク・タナー、ポール・マーコビッチが作曲に加わった#3"Paralyzed"、Gotthard風バラード#4"Face the Night"、Brunette時代のレパートリーでメロハーど真ん中、各パートの名演が聴き応えのある#5"Do or Die"、レトロなポップ感溢れる#7"Only a Night"といったところは名曲・佳曲といって差し支えないでしょう。ニール・ショーンがゲストで参加している#11"This Gift"は、ギター弾きまくりというわけではなく、夢幻的な小品ですがこれも中々に良いです。
 
評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Hold Me Down (Gioeli/Burch)
02. Y (Gioeli/Burch)
03. Paralyzed (Tanner/Mirkovich/Gioeli)
04. Face the Night (Gioeli/Gioeli)
05. Do or Die (Gioeli/Gioeli/Burch)
06. Hey Girl (Gioeli/Gioeli/Burch)
07. Only a Night (Gioeli/Gioeli)
08. Your Eyes (Gioeli/Gioeli/Burch)
09. Weight (Tafolla/Gioeli)
10. Way It Is, Way It Goes (Gioeli/Burch/Tafolla)
11. This Gift (Schon/Gioeli)
12. Only a Night (acoustic version) [Japanese bonus track]

■Personnel
Johnny Gioeli - Vocals
Joey Gioeli - Guitars
Josh Ramos - Lead Guitars
Christopher Maloney -  Bass Guitar
Michael T. Ross - Keyboards
Bob Rock - Drums

Neal Schon - Guitar on "This Gift"

Producer - Bob Burch
Executive Producer - Johnny Gioeli, Michael S. Robinson

II
ハードライン
マーキー・インコーポレイティド
2002-08-21

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