メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

ヘンポ・ヒルデン

Face the Truth / John Norum (1992)

0278Face The Truth









1992年にリリースされたジョン・ノーラムの2ndソロ・アルバム。90年代初頭、彼はDon Dokkenのバンド・メンバーとなりアルバムUp From the Ashesの録音にも参加していました。その縁からか本作にはDon Dokkenで共にプレイしたミュージシャンが大挙参加しています。そしてボーカルはグレン・ヒューズ、ドラック中毒から抜け出して初の本格復帰作となりました。Dokken絡みのメンバーとグレン・ヒューズ(Up From the Ashesにもバック・コーラスで参加)、そしてプロデュースもUp From the Ashesと同じウィン・デイヴィスということで、スウェーデンのミュージシャンで固めた前作Total Controlと比べると、「北欧風」という要素はほとんどない図太いハードロック・アルバムに仕上がっています。楽曲・実演ともに完成度が高く、ジョン・ノーラムの最高傑作であり、名盤の名に恥じない作品でしょう。

#1"Face the Truth"
スリリングなリフ、縦横無尽なグレン・ヒューズのボーカル、水を得た魚のようなジョン・ノーラムのソロ、とにかく隅から隅までカッコいいスピード・チューン。本作のハイライトであると同時にジョンのベスト曲の一つです。

#2"Night Buzz"
ちょっと変わったギター・フレーズからスタートするミドル・テンポのヘヴィなナンバー。ボーカルはジョン・ノーラム自身。

#3"In Your Eyes"
叙情的なメロディが印象的なバラード。廃人寸前だったとされるグレン・ヒューズの歌唱は、そんなことを全く感じさせないほどに見事です。

#4"Opium Trail"
お約束のThin Lizzyカバー。Bad Reputation収録曲です。歌うのはもちろんジョン・ノーラムで、フィル・リノットになりきったボーカル・スタイルが微笑ましい。

#5"We Will Be Strong"
いきなりジョーイ・テンペストの声が聴こえたときは、Europeかと思いました。Out of This Worldに入っていてもおかしくないような、ポップでゴージャスなハードロック。ジョン・ノーラムの歌うパートもあって、ケンカ別れしたはずが意外に仲良しな感じ。

#6"Good Man Shining"
ブリティッシュ・バンドのようなブルージーで粘っこいナンバー。近年のジョン・ノーラムの路線に近いかな。グレン・ヒューズのボーカルも、ジョンのギター・ソロも圧巻です。

#7"Time Will Find the Answer"
ゲイリー・ムーアのような泣きのギター・ソロから始まる、王道の哀愁ハードロックです。ボーカルはグレン・ヒューズ。曲も歌唱も演奏も完璧。#1と並ぶ本作のベスト曲。

#8"Counting on Your Love"
変則的なリフが印象的で、ほんのりクラシカル。クレジットを見るとヨラン・エドマンとピーター・ハーマンソンの名前があるので、もしかしたら1st用のマテリアルだったのかもしれません。ボーカルはグレン・ヒューズですが、ヨラン・エドマンが歌ってもイケるような曲です。

#9"Endica"
ミドル・テンポのギター・インスト。もう止まらないぜっ!て感じでジョン・ノーラム氏が弾きまくり倒しています。

#10"Still the Night"
グレン・ヒューズとパット・スロールが書いた曲。ハードロック・プロジェクトPhenomenaの第1作に収録されており、グレン・ヒューズからするとセルフ・カバーということになります。

#11"Distant Voices"
ややメタル寄りの猛烈な勢いのあるスピード・チューン。ボーカルはグレン・ヒューズ。ここではジョン・ノーラムのギターがとにかく凄まじい。アルバム全体に言えることですが、本作でのプレイは、Europe時代も含め彼のキャリアを通してベストではないかと思います。

なお、日本盤・ヨーロッパ盤とアメリカ盤は曲順・収録曲が異なっています。アメリカ盤には"We Will Be Strong"と"Still the Night"が省かれ、代わりにEPLive in Stockholm収録曲"Don't Believe a Word"、"Free Birds in Flight"が入っています。
 
評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Face the Truth (J. Norum/G. Hughes)
02. Night Buzz (J. Norum/H. Hildén/M. Meldrum)
03. In Your Eyes (J. Norum/P. Baltes/G. Hughes)
04. Opium Trail (S. Gorham/P. Lynott/B. Downey)
05. We Will Be Strong (J. Norum/J. Tempest/B. Haggerty)
06. Good Man Shining (J. Norum/G. Hughes/M. Höglund/M. Attaque/T. Broman)
07. Time Will Find the Answer (J. Norum/B. White/G. Hughes)
08. Counting on Your Love (J. Norum/G. Hughes/J. Tempest/G. Edman/P. Hermansson)
09. Endica (J. Norum/P. Baltes)
10. Still the Night (G. Hughes/P. Thrall)
11. Distant Voices (J. Norum/G. Hughes/P. Baltes/B. White)

■Personnel
John Norum - Guitar, Vocals
Glenn Hughes - Vocals
Peter Baltes - Bass Guitar
Hempo - Drums

Joey Tempest - Vocals on "We Will Be Strong"
Billy White - Rhythm Guitar on "Time Will Find the Answer"
John Schreiner - Keyboards
Andy Lorber - Additional Backing Vocals
Mikkey Dee - Drums on "Distant Voices"

Producer - John Norum, Wyn Davis
 

Live in Stockholm / John Norum (1990)

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1988年ストックホルムでのライヴ演奏を収録したジョン・ノーラムのEP。前年にリリースされた1stソロ・アルバムTotal Control から、"Eternal Flame"と"Blind"、シン・リジィのナンバー"Don't Believe a Word"と"Bad Reputation"、そして未発表インスト曲(1stのアウトテイク)"Free Birds in Flight"、計5曲入りとなっています。ただし、"Bad Reputation"は日本国内盤ボーナストラックとなっており、海外盤は4曲のみの収録なので購入する場合注意が必要です。

しかしまあ、ライブではスタジオ盤以上にジョン・ノーラムが弾きまくり倒していますね。惚れ惚れするほど見事なプレイです。たった4曲だけじゃなくてフル・アルバムで聴かせてもらいたかったなあ。逆に、スタジオ録音のインスト"Free Birds in Flight"はいらなかったかも。ギター・インストっていうのは、ジェフ・ベックなど極少数の特別なギタリスト以外は、どうしても2~3回聴くと飽きちゃうんですよね。あくまで筆者個人の感じ方ですが。それにしても、最近の落ち着いたプレイも悪くないけれど、ギンギンのジョン・ノーラムはやっぱり魅力的です。対照的にこのライブEPでのヨラン・エドマンのボーカルは、スタジオ以上に線が細くて頼りないです。思うに、この人は声を張り上げてHR/HM歌うより、ちょい渋めなバンドでじっくり歌うほうが味があるんじゃないかなぁと。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Eternal Flame (John Norum, Marcel Jacob)
02. Don't Believe a Word (Phil Lynott)
03. Bad Reputation (Brian Downey, Scott Gorham, Phil Lynott) (Japanese bonus track)
04. Blind (John Norum, Marcel Jacob)
05. Free Birds in Flight (John Norum)

■Personnel
John Norum – guitars, lead vocals, backing vocals
Göran Edman – lead vocals
Henrik Hildén – drums, percussion
Peter Hermansson – drums
Mats Lindfors – rhythm guitar, keyboards, backing vocals
Per Blom – keyboards
Marcel Jacob – bass

Producer - John Norum

Above & Beyond / Midnight Sun (1998)

0117Above & Beyond
スウェーデンのメロディアス・ハードロック・バンド、ミッドナイト・サンの2ndアルバム。ラインナップは、ピート・サンドベリ(vo)、ヨナス・レインゴールド(ba)、クリス・パルム(gt)の3人は前作と同じですが、ドラムはアンダース・テオ・ティアンデルから、ヘンポ・ヒルデン(ex-Mandrake Root, John Norum, Don Dokken)に交代しています。アンダース・テオ・ティアンデルはスタジオ経営、プロデュース業のほうを本職に選んだようで、本作も彼のRoastinghouse Studioで録音、彼自身はエグゼクティヴ・プロデューサーとしてクレジットされています。

ネオクラ風の疾走曲を頭に持ってきてド肝を抜いてから、悲哀に満ちたミッドナイト・サンの世界になだれ込むというのは前作と同じ趣向ですが、前作と違うのはピート・サンドベリお得意のAOR風味の曲がないことです。徹頭徹尾ミディアム~スロー・テンポのメロディアスなハードロックが詰まっています。インストを除いて全てヨナス・レインゴールドの作曲。この人ベース・プレイも凄まじいのですが、作曲家としても実に素晴らしいメロディ書きますね。それをハスキーで繊細なピート・サンドベリの声で歌い上げられると、ほんとに切なくなってきます。全曲にそれぞれのドラマがあり、北欧的哀愁メロハーを代表するような傑作だと思います。

特筆すべきはギターのクリス・パルム。どのトラックでもその曲の表情に合った情感豊かなメロディを紡ぎ出しています。緩急をわきまえたフレーズの組み立てに秀でていて、一本調子な速弾きばかりで退屈させるようなことがありません。本作にはギター・インスト曲#12"Eye of the Beholder"も収録されており、ここでも彼のギタリストとしての才能が遺憾なく発揮されています。さらに、スペシャルなゲストとしてヨーロッパのジョン・ノーラムが参加しているのも嬉しいポイントです。#10"Bad Blood"では全面的にリード・ギターを担当、ここぞとばかりに弾きまくり倒しています。#11"Endlessly"ではクリス・パルムとのギター・バトルを展開。元々クリス・パルムはジョン・ノーラムに似たタイプのギタリストだし、お互いを煽り立てるような激しい応酬にもう嬉しい悲鳴を上げるしかありません。このクリス・パルム、本作を最後にミッドナイト・サンを脱退、その後の活動がよく分からなくなってしまったのがなんとも残念です。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Above & Beyond (intro)
02. Reality
03. Keep on Pushing
04. Deception of Evil
05. I Believe
06. Don't Get Me Wrong
07. Tears in my Eyes
08. Kissed by an Angel
09. Scream & Shout [bonus]
10. Bad Blood
11. Endlessly
12. Eye of the Beholder
13. Hey
All music by Jonas Reingold and words by Pete Sandberg
except "Eye of the Beholder" by Chris Palm

■Personnel
Pete Sandberg - Lead Vocal
Chris Palm - Guitar, Keyboard
Jonas Reingold - Bass
Hempo Hildén - Drums

John Norum - Guitar war on "Endlessly", guitar solo on "Bad Blood"
Mike Dee - Keyboard
Anders "Theo" Theander - Drums on "Eye of the Beholder"
Thomas Wallèn - Backing vocals
Inger Ohlén - Backing vocals
Sara Hurlin - Backing vocals

Producer - Jonas Reingold
Executive Producer -  Anders "Theo" Theander 

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