メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

ヘルゲ・エンゲルケ

Dreams for the Daring / Dreamtide (2003)

0069Dreams for the Daring
フェア・ウォーニングのギタリスト、ヘルゲ・エンゲルケ率いるドリームタイドの2ndアルバム。前作はヘルゲ・エンゲルケが書き溜めていた楽曲をとにかく形にするためにレコーディンクしたという経緯もあり、全体としてやや散漫な印象がありましたが、本作はドリームタイドというバンドならではのサウンドが提示されています。フェア・ウォーニングの特徴だった高揚感に加えて、勇壮なイメージを喚起する旋律・アレンジが目立つようになりました。またイントロなどに、フォーキーというのか民族音楽的というのか、ちょっと変わった味付けがされているのも印象的です。統一感あるサウンド・メロディ・曲調であるにも関わらず、金太郎飴にならずに一曲一曲を個性的に仕上げるという、中々難しい仕事を成功させていると感じました。曲にそれぞれのドラマを仕込むヘルゲのソングライティングの手腕には脱帽です。はっきり言って、やたらにバラードばかりになってしまった本家フェア・ウォーニングのアルバムより、こちらのほうがよほどいいと筆者は感じてしまいました。2作目ということでバンドの一体感は強固となり、オラフ・ゼンクバイルのボーカルも力強さと安定感を増しているのも好印象です。もちろんヘルゲ・エンゲルケのスカイ・ギターも、予定調和的と言いたくなるほど完璧に、泣きまくり飛翔しまくりです。#9"Out There"のラスト、ツェッペリンの"Stairway to Heaven"に似てるな~と思っていたら、ギターソロの最後の最後で、まんま"Stairway to Heaven"と同じフレーズが出てきてニヤリとさせられます。もちろんリスペクトの意図を込めたものだと想像します。

プロデュースは前作と同じくバンド自身がクレジットされていますが、音圧が高すぎるのが唯一難点かと思いました。特に楽器パートの低音にボリューム有り過ぎて、ヘッドホンで聴くとうるさいくらいです。元々フェア・ウォーニング時代も含めてヘルゲのギターは音量が必要以上にデカい傾向がありますが、これはちょっとやり過ぎでしょう。レコーディング・メンバーも前作と変わらず、ヘルゲ・エンゲルケ、オラフ・ゼンクバイルに加え、ドラムにフェア・ウォーニングのC.C.ベーレンス、キーボードにはフェア・ウォーニングのツアー・メンバーのトーステン・リューダーヴァルト、ベースに元サンダーヘッドのオーレ・ヘンペルマンとなっています。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。 

■Tracks
01. Dream Real
02. Live And Let Live
03. I'll Be Moving On
04. All Of My Dreams
05. I'm Not With Yoiu
06. Man On A Mission
07. Eden
08. Land Without Justice
09. Out There
10. Dreams Are Free
11. Along The Way [bonus]
12. Sweet Babylon
13. You Can't Burn My Heart Out 
All songs written by Helge Engelke

■Personnel
Olaf Senkbeil – vocals
Helge Engelke – guitar
Torsten Lüderwaldt – keyboards
Ole Hempelmann – bass
C.C. Behrens – drums

producer – Dreamtide

Zenology / Zeno (1995)

0063Zenology
1stアルバムZeno から9年経ってリリースされたジーノのアルバム。ただし、ジーノというバンドは1stリリース後の1989年に解散しており、Zenology と名づけられたこのアルバムは、解散以前にレコーディングしたもの、解散後に仲間を集めてレコーディングしたもの、このアルバム製作過程で新たにレコーディングしたものを収録した、録音時期がバラバラな未発表音源集という性格のものです。そういう意味でジーノの2ndアルバムは、バンド復活後に録音されたListen To The Light (1998)まで待たなければなりません。

1stのレビューでは「神々し過ぎて疲れる」的なことを書きましたが、本作では賛美歌みたいな曲やおかしな中華風メロディもなく、オーソドックスなメロディアス・ハードロックを聴くことができ、またサウンド・プロダクションの違いのせいか、ギターやボーカルがキンキンうるさくなくて好感度はぐっとアップしました。音を隙間なく詰め込んだような印象のある1stに比較して全体的にザックリしたサウンドで、メロディの良さとジーノ・ロートのギターのエモーショナルさが素直に伝わってきて筆者としては非常に聴きやすかったです。

録音時期がバラバラなため、曲によってジーノ・ロート以外のメンバーも微妙に異なりますが、ほとんどがジーノのオリジナル・メンバーと、後継バンドであるフェア・ウォーニングのメンバーで占められています。ボーカル・パートは、1stで歌っていたマイケル・フレクシグ、フェア・ウォーニングのボーカリストのトミー・ハート、ギタリストのヘルゲ・エンゲルケの3人が担当しています。マイケル・フレクシグのボーカルは、前述したように1stよりずっと聴きやすく、そのクリスタルボイスを十分堪能できました。トミー・ハートはもちろん大好きなボーカリストなので大満足です。心なしかフェア・ウォーニングよりテンションが高いように感じるほどの熱唱です。問題はヘルゲ・エンゲルケ。リード・ボーカルやるほどの歌唱力ないでしょ、どう考えても。明らかにアルバムのクォリティを下げてますよ。なんでマイケル・フレクシグかトミー・ハートに歌わせなかったのか。謎ですね。。。ドラムは全曲C.C.ベーレンス、ベースはウレ・リトゲン、ヘルゲ・エンゲルケ、ジーノ・ロートが担当しています。一部の曲でキーボードを弾いているライナー・プシュヴァーラは、ジーノの兄ウリ・ジョン・ロート率いるエレクトリック・サンのアルバムBeyond the Astral Skies (1985)に参加していたミュージシャンです。なお、同アルバムにはジーノ・ロート、マイケル・フレクシグ、ウレ・リトゲンも参加していました。

収録されている曲のうち、#1"Heat Of Emotion"は、フェア・ウォーニングのレパートリーとしておなじみだし、分派のラスト・オータムズ・ドリームの2ndにも収録されています。ただ、このアルバムとフェア・ウォーニングの1stではジーノ・ロート作曲となっているのに、ラスト・オータムズ・ドリームのアルバムではウレ・リトゲン作とされています。どっちが正しいのでしょうか??また、#7"Man On The Run"と#9"You Got Me Down"は、ドイツのバンドVictoryがアルバムで取り上げています。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Heat Of Emotion
02. Is It Love
03. Together
04. Surviving The Night
05. In The Dark
06. Let There Be Heaven
07. Man On The Run
08. Out In The Night
09. You Got Me Down
10. Ticket To Nowhere
11. In Love With An Angel
12. Crystal Dreams
All songs were written by Zeno Roth, except "In Love With An Angel"(Zeno Roth, Michael Flexig)


■Personnel
Zeno Roth - guitars, bass (8, 10), keyboards (5, 11, 12), backing vocals
Tommy Heart – vocals (2, 4, 8), backing vocals
Michael Flexig - vocals (1, 3, 5, 6, 11), backing vocals
Helge Engelke – vocals (7, 9, 10), backing vocals, guitars (6, 7, 9, 11), bass (5, 6, 7, 9, 11, 12), keyboards (5, 11, 12)
Ule Winsomie Ritgen - bass (1, 2, 3, 4), backing vocals
C. C. Behrens – drums
Rainer Przywara – keyboards (1, 2, 3, 4), backing vocals
Susanne Schätzle – backing vocals
Joal – backing vocals
Susann Ohlendolf – backing vocals
 

Producer - Zeno Roth, Helge Engelke

Live at Home / Fair Warning (1995)

0055Live at Home

フェア・ウォーニングの2ndアルバムRainmaker リリースに合わせて行われた、1995年6月母国ドイツでのアコースティック・ライブ・ツアーから6曲、Rainmaker 収録曲の別バージョンを2曲、計8曲が収められたミニ・アルバム。ライブの曲目は、1曲目の"Hang On"は1stのFair Warning 収録曲、それ以外はRainmaker 収録曲です。元バージョンがヘヴィな#4"Desert Song"もなんだかあっさりしていて、トミー・ハートがロバート・プラント風なのが意外。アコースティック・バージョンというのは曲メロの良さがよく分かって、これはこれでいいのですが、フェア・ウォーニングの場合やはり元曲が聴きたくなってしまいます。筆者は、続けてオリジナル・アルバムを聴いてしまうというパターンが毎度です。レコーディングのメンバーは、トミー・ハート(Vo)、ヘルゲ・エンゲルケ(Gt)、アンディ・マレツェク(Gt)、C.C.ベーレンス(Dr)、ウレ・リトゲン(Ba)の5人に加え、4thアルバム4 でドラムを担当することになるフィリップ・カンダスがパーカッションでクレジットされています。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Hang On (U. W. Ritgen)
02. Angel of Dawn (U. W. Ritgen)
03. Don't Give Up (H. Engelke)
04. Desert Song (U. W. Ritgen)
05. Burning Heart (U. W. Ritgen)
06. Rain Song (U. W. Ritgen)
07. What Did You Find [acoustic studio mix] (H. Engelke)
08. Rain Song [rain dance mix] (U. W. Ritgen)

■Personnel
Tommy Heart – lead vocals
Helge Engelke – guitars
Andy Malecek – guitars
Ule W. Ritgen – bass
C. C. Behrens – drums

Philip Candas – percussion

Producer – Fair Warning

Here Comes the Flood / Dreamtide (2001)

0038Here Comes the Flood

2000年に一度解散したフェア・ウォーニング、そのギタリストだったヘルゲ・エンゲルケがリーダーとなって結成されたバンドがドリーム・タイドです。メンバーは、ボーカルに、ドイツのいくつかのバンドやスタジオ・ミュージシャンとしてのキャリアのあるオラフ・ゼンクバイル、ベースに元サンダーヘッドのオーレ・ヘンペルマン、ドラムはフェア・ウォーニングのメンバーだったC.C.ベーレンス、キーボードにはフェア・ウォーニングのツアー・メンバーのトーステン・リューダーヴァルトという布陣です。フェア・ウォーニングから派生した3つのグループ(アンディ・マレツェクのラスト・オータムズ・ドリーム、トミー・ハートのソウル・ドクター、ドリーム・タイド)の中では、もっとも色濃くフェア・ウォーニングのサウンドを継承しています。ヘルゲ・エンゲルケはフェア・ウォーニングの曲も書き、彼のスカイ・ギターがバンドのウリの一つになっていたし、メンバーのうち3人がフェア・ウォーニングの関係者ですから、まあそれは当然なわけですが。

曲とサウンドのほうは、前述の通りフェア・ウォーニングに近いメロディアスハードですが、エンゲルケのスカイ・ギターがより大きくフューチャーされ、更にウリ・ロートやジーノ・ロートを思わせるような荘厳な雰囲気を持つ曲も収められています。全体として、フェア・ウォーニングのファンの期待を裏切らない内容ではないでしょうか。ボーカルのオラフ・ゼンクバイルの鼻にかかったような声は少しクセがありますが、ドイツの田舎のオジさん風で、筆者としてはなんとなく親しみを感じました。面白かったのは、#2"Your Life"。サーフィン・サウンド(ベンチャーズを想像すると分かりやすい)に乗せて、モット・ザ・フープルの"All The Young Dudes"そっくりのメロディが歌われ、サビはアメリカン・オールディーズ・ポップスになるという、キテレツな曲です。フェア・ウォーニング・サウンドの継承ということにいつまでも捉われず、こういう変なことをどんどんやってくれたらいいなと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. What You Believe In (Helge Engelke)
02. Your Life (Helge Engelke)
03. Come with Me (Helge Engelke)
04. Dreamers (Helge Engelke)
05. Fighter (Helge Engelke)
06. Ten Years Blind (Helge Engelke)
07. Sundance (Helge Engelke)
08. Moment of Truth (Helge Engelke)
09. I Take the Weight Off Your Shoulders (Helge Engelke)
10. Crashed (Helge Engelke)
11. Phoenix Tears (Helge Engelke)
12. Promised Land (Helge Engelke)
13. Heaven Knows (Helge Engelke)

■Personnel
Olaf Senkbeil – vocals
Helge Engelke – guitar, backing vocals
Torsten Lüderwaldt – keyboards
Ole Hempelmann – bass
C.C. Behrens – drums

Britta Riedmiller – violin
Anja Gabriel – violin
Cornelia Schwarzenberg – viola
Katharina Bernds – cello
Karen Engelke – backing vocals
Günther Helmke – backing vocals
Anke Hansen – backing vocals

Producer – Dreamtide


Rainmaker / Fair Warning (1995)

0021Rainmaker

ドイツのメロディアス・ハードロック・バンド、フェア・ウォーニングの1995年発表の2ndスタジオ・アルバム。ファンからは、1stに比べてダークになった、へヴィになった、あるいは試行錯誤の産物だ、そのように言われることも少なからずあるようです。そんな意見にも一理あると筆者も思います。1stのような高揚感が前面に出ていないという印象は確かにあります。しかし、だからといってこのアルバムが彼らの作品の中で特に劣っているものだとは思っていません。ダーク、へヴィという評価は、おそらくこのアルバムの収録曲"Desert Song"の印象が大きいのではないかと想像しています。「哀愁」というより「陰鬱」という言葉がふさわしいような"Desert Song"は、筆者も最初はフェア・ウォーニングのスタイルと違う、とっつきづらい曲だと感じました。しかし、何度も聴くうちに、表面的な暗さとは逆に、人間の「祈り」とか「希求」とか、そういうポジティブなイメージが湧いてくるようになりました。この曲のエモーショナルなギター・ソロには毎度ゾクゾクするし。そう思ってアルバム全体を聴くと、装飾的なキーボード音を控え気味にし、即効的な高揚感も抑えたサウンドが次第に耳に馴染んできました。バンドのセルフ・プロデュースということからも、彼らは実はこういうサウンドを作りたかったんだなと改めて思うのです。日向の明るさをイメージさせる1stに比べて、陰影があり、奥行きを感じさせるこのアルバムも、このバンドの力量を遺憾なく示した傑作だと今は思っています。"Desert Song"以外では、前作の高揚感をさらに強化した"Burning Heart"、アンディ・マレツェクがフェア・ウォーニング脱退後にラスト・オータムズ・ドリームでカバーした"Pictures of Love"などもこのバンドの名に恥じない名曲です。レコーディング・メンバーは1stと変化はなく、トミー・ハート(Vo)、ヘルゲ・エンゲルケ(Gt)、アンディ・マレツェク(Gt)、C.C.ベーレンス(Dr)、ウレ・リトゲン(Ba)の5人です。

ところで、Rainmakerというのはネイティブ・アメリカン(いわゆるインディアン)の雨乞いの呪術に使う楽器だそうで、このアルバムはそこらへんをテーマにしているらしいです。前から思っていたのですが、トミー・ハートの容貌が金髪碧眼の生粋のドイツ人ではなく、どことなくインディアン風なのは何か関係があるのでしょうか。また、ヘルゲ・エンゲルケのドリーム・タイドでも繰り返しネイティブ・アメリカン的なメロディが出てくるのも気になるところです。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Stars and the Moon (H. Engelke)
02. One Way Up (U. W. Ritgen)
03. Too Late For Love (U. W. Ritgen)
04. The Heart of Summer (U. W. Ritgen)
05. Don't Give Up (H. Engelke)
06. Lonely Rooms (H. Engelke)
07. Desert Song (U. W. Ritgen)
08. Pictures of Love (U. W. Ritgen)
09. Desolation Angels (U. W. Ritgen)
10. Angel of Dawn (U. W. Ritgen)
11. Burning Heart (U. W. Ritgen)
12. What Did You Find (H. Engelke)
13. Get a Little Closer (U. W. Ritgen)
14. Rain Song (U. W. Ritgen)
※日本盤ボーナス・トラック
15. The Call of the Wild (U. W. Ritgen)
16.Children's Eyes(Live) (U. W. Ritgen)
17.Over You (U. W. Ritgen)

■Personnel
Tommy Heart – lead vocals
Helge Engelke – guitars
Andy Malecek – guitars
Ule W. Ritgen – bass
C. C. Behrens – drums

Producer – Fair Warning

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