メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

フィリップ・カンダス

4 / Fair Warning (2000)

0221Four










ドイツのメロハー・バンド、フェア・ウォーニングの4thアルバム。世間一般的に評価の高い前作Go! は筆者にとってはモヤモヤの残る作品でしたが、本作に関しては1stに並ぶ傑作だと思っています。どんだけトラック重ねて録ったんだって言いたくなるほど緻密でブ厚いボトム、そこから立ち昇り空を駆け巡るかのようなヘルゲ・エンゲルケのギター(正確にはスカイ・ギターじゃないらしい)、そのハイ・ポジションから繰り出される音色は、もう鈴虫か小鳥の鳴き声か、はたまたオカリナかと錯覚するくらいですが、とにかく心に響きます。そして、どこまでも高く、天に届かんばかりのトミー・ハートのボーカル。やはりこのバンドのサウンドとメロディがもたらす高揚感は半端じゃないです。中でも筆者のお気に入りは#1"Heart On The Run"、#2"Through The Fire"、#4"Forever"、#7"I Fight"、#10"Find My Way"、#12"Wait"。テンション上がりまくりますね。ただ、このアルバムにも瑕疵がないわけではなく、まずスネアがポコポコ軽いのが気になります。それから、またもやウレ・リトゲンが#11"Night Falls"で2ndRainmaker 収録曲"Rain Song"のメロディを使い回しています。本作の楽曲も平均点ではヘルゲ・エンゲルケのほうが上回っていると感じるし、無理してウレ・リトゲンの曲を入れなくてもいいんじゃないかなぁ。

原因不明の全身麻痺という病で、次第に存在感希薄となったアンディ・マレツェクは、本作をもってバンドを脱退、アンディと仲の良かったトミー・ハートもバンドを離れることになります。残ったウレ・リトゲンとヘルゲ・エンゲルケはバンドの活動休止を決断、実質的にここでフェア・ウォーニングは解散状態となるわけで、本作は第一期フェア・ウォーニングの最期を飾るアルバムとなってしまいます。なお、C.C.ベーレンスは既に脱退しているため、#7を除いてドラムはサポート・メンバーだったフィリップ・カンダスが叩いています。また、バック・ボーカルのアンドリュー・マクデルモット、この人はSargant FuryやThresholdのボーカリストで、1stでもクレジットされていましたが、2011年に亡くなっています。

本作の国内盤CDは、2000年オリジナル盤の他、2009年に紙ジャケSHM-CD仕様でリリースされた再発盤が存在します。こちらは2枚組みとなっており、Disc.2には、EPHeart On The RunStill I Believe に収録されていた10曲のうち、"Still I Believe"を除く9曲が収められています。その9曲中7曲はアルバム収録曲のバージョン違いで、"For The Lonely"、"Close Your Eyes"の2曲は未収録曲と、相変わらずの面倒臭さです。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Heart On The Run (Helge Engelke)
02. Through The Fire (Ule W. Ritgen)
03. Break Free (Ule W. Ritgen)
04. Forever (Helge Engelke)
05. Tell Me I'm Wrong (Ule W. Ritgen)
06. Dream (Ule W. Ritgen)
07. I Fight (Ule W. Ritgen)
08. Time Will Tell (Ule W. Ritgen)
09. Eyes Of Love (Ule W. Ritgen)
10. Find My Way (Helge Engelke)
11. Night Falls (Ule W. Ritgen)
12. Wait (Ule W. Ritgen)
13. Still I Believe [bonus track] (Helge Engelke)
14. For The Young [bonus track] (Helge Engelke)

■Personnel
Tommy Heart – vocals
Helge Engelke – guitars
Andy Malecek – guitars
Ule W. Ritgen – bass
Philip Candas – drums, percussion
C. C. Behrens – drums (Track 7)

Andrew McDermott - additional backing vocals
Anke Hansen - additional backing vocals
Jürgen Wulfes -  - additional backing vocals

Producer – Fair Warning



Live and More / Fair Warning (1998)

0151Live & More










フェア・ウォーニングの1998年の来日公演(渋谷公会堂)を収録したライヴ・アルバムに、未発表曲3曲(再発盤は7曲)入りディスクをカップリングした作品。当時C・C・ベーレンスは脱退しており、Live at HomeGo!でバンドをサポートしていたフィリップ・カンダスが代わりにドラムを叩いています。また、アンディ・マレツェクが病気でフルにステージをこなせないため、ショウの後半から登場するという変則的な形となり、代役としてヘニー・ウォルター(Thunderhead/Primal Fear)がサイド・ギターで参加しています。

ライブ盤収録曲は2ndアルバムRainmakerと3rdGo!からそれぞれ5曲ずつ。それから、シングルSave Meに収められていた"Come On"、新曲のギター・インスト"We Used To Be Friends"、計12曲となっています。1st収録曲は93年初来日公演を収録したLive in Japanに入っているので、本作では採られていないということです。こういうライブ盤を聴いて思うのは、やはり安定した演奏力・歌唱力にプラスして、ショウを盛り上げるパフォーマンスができるバンドは強いということ。いわゆるライブ・バンドってやつです。ライブ録音ならではの魅力がなければライブ盤を出す意味がない。その点このバンドはさすがに凄いです。特にラスト近くにアンディ・マレツェクが登場して会場を沸かせ、"Burning Heart"から"Get a Little Closer"へ怒涛のようになだれ込んでいく流れが素晴らしい。ただ、正直なところ1stの名曲を取り混ぜたほうが、このアルバム単体としてはもっと良くなったんじゃないかとは思いました。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
Disk 1
01. Angels of Heaven (Helge Engelke)
02. I'll Be There (Ule W. Ritgen)
03. Man On the Moon (Helge Engelke)
04. Don't Give Up (Helge Engelke)
05. Desert Song (Ule W. Ritgen)
06. We Used To Be Friends (Helge Engelke)
07. Follow My Heart (Ule W. Ritgen)
08. Intro Bach For More ~ Come On (Ule W. Ritgen)
09. Keyboard Solo ~ Save Me (Helge Engelke)
10. Burning Heart (Ule W. Ritgen)
11. Get a Little Closer (Ule W. Ritgen)
12. Stars and the Moon (Helge Engelke)
Disk 2
01. Like A Rock (Ule W. Ritgen)
02. Meant To Be (Ule W. Ritgen)
03. Out Of The Night (Helge Engelke)
以上はオリジナルZero盤収録曲
以下は再発Avalon盤収録曲
04. All On Your Own (Different Version)  (Ule W. Ritgen)
05. Give In To Love  (Ule W. Ritgen)
06. Come On  (Ule W. Ritgen)
07. Rivers Of Love (Diffrent Version)  (Ule W. Ritgen)

■Personnel
Tommy Heart – vocals
Ule W. Ritgen – bass
Helge Engelke – guitars
Andy Malecek – guitars

Philip Candas – drums
Torsten Lüderwaldt – keyboards
Henny Wolter - guitar, vocals

Producer – Fair Warning 



Go! / Fair Warning (1997)

0093Go!
ドイツのメロハー・バンド、フェア・ウォーニングの3rdアルバム。日本では押しも押されぬメロディアスハードの第一人者であり、本作も名盤の誉れ高い作品です。しかしながら、世間での高評価とは異なり筆者のこのアルバムに対する印象は前2作より良くありません。1stや2ndで感じられた狂おしいまでの高揚感が薄れ、全体的にテンポもゆったりとして妙に落ち着いた感じになってしまっています。メイン・ソングライターで、本作でも全13曲中9曲を書いているウレ・リトゲンの曲は特にテンションが低くなっているように思います。1stの"Out on the Run"や2ndの"Burning Heart"といった彼の超名曲に匹敵するような曲がこのアルバムには1曲もありません。そして最悪なのは、#10"Eyes of a Stranger"と#13"The Love Song"、この2曲の歌いだしのメロディが過去作"Children's Eyes"(2ndRainmaker ボーナス・トラック)とあまりにも似通っていること。こんな露骨にメロディ使い回すってあんた、アルバム3枚でもう才能が枯渇したんかい!と、ツッコミ入れたくなってしまいます。一方、もう一人のソングライターであるヘルゲ・エンゲルケの曲作りはむしろ充実傾向にあるようで、シングル・カットされたのもヘルゲの書いた2曲、#1"Angels of Heaven"と#2"Save Me"となっています。#11"Sailing Home"も彼の曲ですが、いずれも後年のドリームタイドを思わせるドラマチックなメロディが冴え渡っています。

なお、このアルバムの日本国内盤は3種類のバージョンが出回っていますので、購入には注意が必要です。

(1)1997年にZero Corporationから発売されたもの。13曲入り。

(2)Zeroレーベル閉鎖後、契約の移ったAvalonから2000年に再発されたもの。オリジナル13曲に、以下の4曲のボーナス・トラックが追加されています。
Without You (Different version)
Light In The Dark (For EP Only)
Angels Of Heaven (Karaoke Version)
Follow My Heart (Different version)

(3)2009年、同じくAvalonから紙ジャケット&SHM-CD仕様の2枚組で再発されたもの。2000年盤の4曲を含む全9曲のボーナス・トラックが収録されています。追加された5曲は以下の通りです。
Angels Of Heaven (EP version)
I'll Be There (EP version)
All On Your Own (EP version)
Give in to Love (For EP Only)
Come on (For EP Only) 

これらのボーナス・トラックのうち、"Angels Of Heaven"の2バージョン、"I'll Be There"、"Without You"、"Light In The Dark"計5曲はEPAngels Of Heaven に収録されています。また、"All On Your Own"、"Give in to Love"、"Come on"の3曲はEPSave Me に収録されています。この3曲はLive and More のAvalon再発盤にも追加ボーナスとして収録されていますが、そこにはGo! の2種類の再発盤には入っていない"Rivers of Love (Different version)"も収録されています。"Follow My Heart (Different version)"は Go!   の2種類の再発盤にのみ収録されています。

このグチャグチャぶりはリスナーには全くもって迷惑です。Zeroレーベルの事業撤退という事情もあるのですが、これ以降のアルバム全て同じような複雑な状況となっています。ハーレム・スキャーレムなどもそうですが、フェア・ウォーニングは特にオリジナル盤、再発盤、企画盤、ベスト盤、EPが入り乱れ、どの曲がどのディスクに収録されているかチェックするのが一苦労です。おそらくバンドのメンバーでさえ、全貌は分からないのではないでしょうか。。。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Angels of Heaven (Helge Engelke)
02. Save Me (Helge Engelke)
03. All On Your Own (Ule W. Ritgen)
04. I'll Be There (Ule W. Ritgen)
05. Man On the Moon (Helge Engelke)
06. Without You (Ule W. Ritgen)
07. Follow My Heart (Ule W. Ritgen)
08. Rivers of Love (Ule W. Ritgen)
09. Somewhere (Ule W. Ritgen)
10. Eyes of a Stranger (Ule W. Ritgen)
11. Sailing Home (Helge Engelke)
12. The Way You Want It (Ule W. Ritgen)
13. The Love Song (Ule W. Ritgen)

■Personnel
Tommy Heart – vocals
Ule W. Ritgen – bass
Helge Engelke – guitars
Andy Malecek – guitars
C. C. Behrens – drums

Philip Candas – percussion, additional drum inspiration 

Producer – Fair Warning 



Live at Home / Fair Warning (1995)

0055Live at Home

フェア・ウォーニングの2ndアルバムRainmaker リリースに合わせて行われた、1995年6月母国ドイツでのアコースティック・ライブ・ツアーから6曲、Rainmaker 収録曲の別バージョンを2曲、計8曲が収められたミニ・アルバム。ライブの曲目は、1曲目の"Hang On"は1stのFair Warning 収録曲、それ以外はRainmaker 収録曲です。元バージョンがヘヴィな#4"Desert Song"もなんだかあっさりしていて、トミー・ハートがロバート・プラント風なのが意外。アコースティック・バージョンというのは曲メロの良さがよく分かって、これはこれでいいのですが、フェア・ウォーニングの場合やはり元曲が聴きたくなってしまいます。筆者は、続けてオリジナル・アルバムを聴いてしまうというパターンが毎度です。レコーディングのメンバーは、トミー・ハート(Vo)、ヘルゲ・エンゲルケ(Gt)、アンディ・マレツェク(Gt)、C.C.ベーレンス(Dr)、ウレ・リトゲン(Ba)の5人に加え、4thアルバム4 でドラムを担当することになるフィリップ・カンダスがパーカッションでクレジットされています。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Hang On (U. W. Ritgen)
02. Angel of Dawn (U. W. Ritgen)
03. Don't Give Up (H. Engelke)
04. Desert Song (U. W. Ritgen)
05. Burning Heart (U. W. Ritgen)
06. Rain Song (U. W. Ritgen)
07. What Did You Find [acoustic studio mix] (H. Engelke)
08. Rain Song [rain dance mix] (U. W. Ritgen)

■Personnel
Tommy Heart – lead vocals
Helge Engelke – guitars
Andy Malecek – guitars
Ule W. Ritgen – bass
C. C. Behrens – drums

Philip Candas – percussion

Producer – Fair Warning

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