トミー・デナンダーのメロハー/AORプロジェクトRadioactiveの3rdアルバム。これまで通りTOTOの影響下にあるAORハード路線を中心に、多彩な楽曲が詰め込まれています。ただ、楽曲の平均点は前作の方が上かもしれません。今回も多数のボーカリスト、プレイヤーを動員していますが、それにしても実に豪華な顔ぶれですね~。人数が多すぎてタグ数が間に合わないので、曲順を追って簡単に記しておきます。なお、本作オリジナル盤はドイツのMTMから2005年にリリースされていますが、2013年になってRadioactiveの1st~3rdにそれぞれボーナス・トラック2曲(1曲は日本盤ボーナス・トラックだったもの、1曲は未発表曲)ずつを追加したリイッシュー3枚組Legacyが英国Escape Musicから発売されています。一部の曲のパートが差し替えられてリミックスも行なわれているようですが、レビューはこのLegacyのバージョンについてのものです。
01. C.O.W. (Tommy Denander)
オープニングのギター・インスト。曲というより景気づけにギター弾きまくってるという感じです。
02. Taken (Tommy Denander, Bobby Kimball)
タイトル曲はいかにもT.デナンダーらしいAORハード。ボーカルはボビー・キンボールです。
03. Stronger Than Yesterday (Tommy Denander)
温か味のあるしっとりしたAORナンバー。ボーカルはスウェーデン出身で現在は米国でソングライター&プロデューサーとして活躍しているアンドレアス・カールソン。他の曲と異なり、ジェフ・ポーカロ(Ds)、ディーン・パークス(G)、グレッグ・フィリンゲインズ(Key)、スティーヴ・ポーカロ(Key)がバックを固めています。ジェフ・ポーカロが92年に亡くなっていることも考え合わせると、元々の録音は相当古いと推測されます。
04. Hit Her Where It Hurts (Tommy Denander, Björn Lindbom)
キャッチーなメロディが印象的なAORナンバーで、リード・ボーカルはゲイリー・バーデン、バック・ボーカルはマイケル・ヴォス。色々言われることの多いG.バーデンですが、ここでは問題無いどころか貫禄さえ感じさせる歌いっぷりです。
05. Easy's Gettin' Harder (Tommy Denander, Björn Lindbom)
M7thコードの響きがオシャレな雰囲気を醸し出すシティ・ポップス風の曲。ボーカルはジェイムズ・クリスチャン&ロビン・ベック、夫婦で気持ち良さそうに歌っております。
06. This I Promise You (Tommy Denander, Björn Lindbom)
ミカエル・アーランドソンがボーカルを担当した甘く切ない系バラードです。
07. Forgivness (Tommy Denander, Christian Ingebrigtsen, Marjorie Maye)
ノルウェー出身のシンガー、クリスチャン・インゲブリグトセンが歌う、ポップでメロディアスな哀愁系AORナンバーです。アコースティック・ギターでブルース・ガイチが加わっています。
08. Shattered (Tommy Denander, Marjorie Maye)
跳ねるリズムがカッコいいメロハー/AORで、ボーカルはフィリップ・バードウェル。ギター・ソロはなんとイングヴェイ・マルムスティーンなんですが、無理やり入れ込んだ感が否めません。
09. Premonition (Tommy Denander, Fergie Frederiksen, Jim Peterik)
ハードロック寄りのスピーディな曲。ボーカルはファーギー・フレデリクセン、ギター・ソロはブルース・キューリックです。
10. Carry On (Frédéric Slama, Tommy Denander)
クレジットにはリード・ボーカルとしてミカエル・アーランドソンとケリー・ケイギーの2人が記されていますが、ミカエル・アーランドソンの声しか聴こえません。また、ギターにニール・ショーン(イントロのトーク・ボックス)、マイケル・ランドウ、マイケル・トンプソン、フレデリック・スラマ、他にもジョン・ロビンソン(Ds)、エイブラハム・ラボリエル(B)、トム・キーン(Key)など数多くのプレイヤーの記載があります。
ハードロック寄りのスピーディな曲。ボーカルはファーギー・フレデリクセン、ギター・ソロはブルース・キューリックです。
10. Carry On (Frédéric Slama, Tommy Denander)
クレジットにはリード・ボーカルとしてミカエル・アーランドソンとケリー・ケイギーの2人が記されていますが、ミカエル・アーランドソンの声しか聴こえません。また、ギターにニール・ショーン(イントロのトーク・ボックス)、マイケル・ランドウ、マイケル・トンプソン、フレデリック・スラマ、他にもジョン・ロビンソン(Ds)、エイブラハム・ラボリエル(B)、トム・キーン(Key)など数多くのプレイヤーの記載があります。
11. Love Is on Your Mind (Tommy Denander, Kristoffer Lagerström)
本作の中ではもっともハードロック的な曲。メロディアスな佳曲です。これもクレジット上のリード・ボーカルがハリー・ヘス、バック・ボーカルがトーマス・ヴィクストロムとなっていますが、リード・ボーカルはトーマス・ヴィクストロムに聴こえます。うーむ、オレの耳がおかしいのか?クレジットが間違っているのか?謎です。
12. Sinner (Tommy Denander, Björn Lindbom)
ジェフ・パリスが歌うAORハードで、これも佳曲だと思います。
13. Never Gonna Let Her Go (Frédéric Slama)
典型的なウェスト・コースト風ライトAOR曲。これは元々フレデリック・スラマ(AOR)の曲でオリジナルは歌入りですが、ボーカル・パートをカットしてギター・インスト曲に仕立てています。ギターはもちろんT.デナンダー、ただし元曲の間奏部分はスティーヴ・ルカサーが弾いていてこれもそのまま残っています。他のインスト・パートは、マイケル・ランドウ(G)、デヴィッド・ディッグス(Key)、トム・サヴィアーノ(Sax)、フセイン・ジフリー(B)、ヴィニー・カリウタ(Ds)と豪華です。
ジェフ・パリスが歌うAORハードで、これも佳曲だと思います。
13. Never Gonna Let Her Go (Frédéric Slama)
典型的なウェスト・コースト風ライトAOR曲。これは元々フレデリック・スラマ(AOR)の曲でオリジナルは歌入りですが、ボーカル・パートをカットしてギター・インスト曲に仕立てています。ギターはもちろんT.デナンダー、ただし元曲の間奏部分はスティーヴ・ルカサーが弾いていてこれもそのまま残っています。他のインスト・パートは、マイケル・ランドウ(G)、デヴィッド・ディッグス(Key)、トム・サヴィアーノ(Sax)、フセイン・ジフリー(B)、ヴィニー・カリウタ(Ds)と豪華です。
14. The Darkness Inside (Tommy Denander, Björn Lindbom)
オリジナル日本盤ボーナス・トラックで、ボーカルはジェフ・パリス。タイトル通りちょっとダークな雰囲気の曲です。
15. Feel My Heart Again (Tommy Denander)
Legacyのボーナス・トラックとして収録された未発表曲。歌は上手いしナチュラルなメロディが心地良く、えらく気に入ってしまいました。ボーカルはVic Heartと表記がありますが、知らない人なので調べてみるとスウェーデンのシンガー、ヴィクトル・クロネという人でした。1992年生まれと若いので、Legacy用に録音された新曲か、はたまたお蔵入り曲のボーカルを差し替えたのかどちらかでしょう。Legacyのクレジットでは、この曲に至っては2ndYeahのボーナス・トラック"Juliet"と取り違えられています。せっかくのクレジットなのになんだか当てになりません。
評価 ★★★★★
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。■Personnel
Tommy Denander - Guitars,Keyboards, Piano, Loops, Bass
Bobby Kimball - Lead Vocals (2)
Andreas Carlsson - Lead Vocals (3)
Gary Barden - Lead Vocals (4)
Robin Beck - Lead Vocals (5)
James Christian - Lead Vocals (5)
Mikael Erlandsson - Lead & Backing Vocals (6, 10)
Christian Ingebrigtsen - Lead Vocals (7)
Philip Bardowell - Lead & Backing Vocals (8)
Fergie Frederiksen - Lead Vocals (9)
Kelly Keagy - Lead Vocals (10)
Harry Hess - Lead Vocals (11)
Jeff Paris - Lead Vocals (12, 14)
Vic Heart - Lead Vocals (15)
Thomas Vikström - Backing Vocals (2, 5, 7, 9, 11, 12, 14)
Michael Voss - Backing Vocals (4)
Steve George - Backing Vocals (10)
Hank Erix - Backing Vocals (15)
Dean Parks - Guitars (3)
Bruce Gaitsch - Acoustic Guitars (7)
Yngwie Malmsteen - Guitar Solo (8)
Bruce Kulick - Guitar Solo (9)
Neal Schon - Talk Box Intro (10)
Michael Landau - Guitars (10, 13)
Michael Thompson - Guitars (10)
Frédéric Slama - Guitars (10)
Steve Lukather - Solos (13)
Steve Porcaro - Keyboards, Strings (3)
Greg Phillinganes - Keyboard Fills (3)
Tom Keane- Keyboards (10)
David Diggs- Keyboards (13)
Abraham Laboriel - Bass (10)
Husaain Jiffry - Bass (13)
Vinny Heter - Drums (2, 4, 5, 6, 7, 8, 11, 12, 14)
Jeff Porcaro - Drums (3)
John Robinson - Drums (10)
Vinnie Colaiuta - Drums (13)
Pat Thern- Drums (15)
Tom Saviano - Sax (13)
Producer - Tommy Denander
except #13 David Diggs