メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

バート・ヒーリンク

Heading for a Storm / Vandenberg (1983)


0447Heading for a Storm









オランダのハードロック・バンドVandenbergの2ndアルバム。邦題は「誘惑の炎」。ラインナップは、エイドリアン・ヴァンデンバーグ(G)、バート・ヒーリンク(Vo)、ディック・ケンパー(B)、ジョス・ズーマー(Ds)で1stと変更なし、プロデュースもバンド自身とスチュアート・エップスでこれも変更なしです。

基本的には前作と同様のメロディアスなハードロックなんですが、よりポップでアメリカンな方向にシフトしており、ロックン・ロール色も強くなりました。1stより少しばかり哀愁味が減じたのが気になるところです。ただ、エイドリアン・ヴァンデンバーグの作曲・編曲の能力はやはり光るものがあって、特にアコギの使い方なんかはセンスがいいと思います。一番のお気に入りは#9"Waiting for the Night"。アルバム全体の中では異色ですが、叙情的でドラマチックなメロディと流麗なギター・ソロが、同時期のEuropeを思わせる北欧メタル風スピード・チューンです。こういう曲がもっと多かったら良かったんだけどなあ。歌唱・演奏の面では、前作でも感じられた生硬さがまだ残っていて、全体にドタバタと落ち着かないのがマイナス・ポイント。特にボーカルはもうちょっとこなれて欲しいと感じました。ドラムのタム回しがうるさいのも相変わらずで、これも印象良くないです。

なお、2013年に英国Rock Candyから再発されたリマスター盤には、1983年3月3日のヒューストンでのライブ音源"Ready for You"、"Lost in a City"、"Too Late"の3曲が収録されています。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Friday Night
02. Welcome to the Club
03. Time Will Tell
04. Different Worlds
05. This Is War
06. I'm on Fire
07. Heading for a Storm
08. Rock On
09. Waiting for the Night
All music & lyrics by Adrian Vandenberg

■Personnel
Bert Heerink - Lead & Harmony Vocals
Adrian Vandenberg - Guitar, Keyboards, Harmony Vocals
Dick “Motorhome” Kemper - Bass, Bass Pedals, Harmony Vocals
Jos Zoomer - Drums, Harmony Vocals

Producer - Stuart Epps, Vandenberg


Vandenberg / Vandenberg (1982)

0379Vandenberg









エイドリアン・ヴァンデンバーグが率いるオランダのハードロック・バンドVandenbergの1stアルバム。他のメンバーは、バート・ヒーリンク(Vo)、ディック・ケンパー(B)、ジョス・ズーマー(Ds)、プロデュースはバンド自身と、Wishbone Ashなどを手がけたスチュアート・エップスとなっています。70年代から地元オランダでTeaserというバンドで活動していたエイドリアン・ヴァンデンバーグは、81年にThin Lizzyのオーディションを受けて落選、一方Whitesnake加入の話もあったものの結局は地元で自らの名を冠したバンドVandenbergを結成し、本作の録音・リリースに至りました。この時Thin Lizzyにはジョン・サイクスが加入しており、また後年Whitesnakeにジョン・サイクスの後釜として彼が参加することになります。なんだか因縁めいていますね。それはともかく、本作はビルボード・チャートで65位、シングル"Burning Heart"も39位とそこそこのヒット作となりました。日本でも「ネザーランドの神話」という邦題でリリースされ結構売れたようです。

このアルバムは、前半4曲(LPだとA面)はスロー~ミドル・テンポ、後半5曲(B面)はスピード・チューンとはっきり分かれているのが特徴です。全曲とも佳曲で、エイドリアン・ヴァンデンバーグの作曲能力の高さを示しています。筆者としてはメロディアスな前半の方が好み。特に、哀愁メロディが秀逸な#3"Wait"、シングルカットされた#4"Burning Heart"は出色の出来だと思います。

プレイの面では、ジョン・サイクスがゲイリー・ムーアに傾倒しているのに比べ、エイドリアン・ヴァンデンバーグはマイケル・シェンカーの影響が強いようです。本作でもリリカルなフレージングや、鼻づまりトーンにそれが見て取れます。好きなタイプなんですが、まだちょっと粗い印象が否めません。バート・ヒーリンクのボーカルは、ロブ・ハルフォードを意識したような歌い方にニヤリとさせられます。しかしこちらも粗く少し線が細いかな。あと細かいことを言えば、ドラムはオカズのタム回しの音だけデカくてうっとうしい。総じて、全体に演奏がバタバタしていて落ち着かないのが難点と感じました。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Your Love Is in Vain
02. Back on My Feet
03. Wait
04. Burning Heart
05. Ready for You
06. Too Late
07. Nothing to Lose
08. Lost in a City
09. Out in the Streets
All music & lyrics by Adrian Vandenberg

■Personnel
Bert Heerink - Lead Vocals
Adrian Vandenberg - Guitar, Keyboards, Backing Vocals
Dick Kemper - Bass, Taurus Bass Pedals, Backing Vocals
Jos Zoomer - Drums, Backing Vocals

Producer - Stuart Epps, Vandenberg

Vandenberg
Vandenberg
Rock Candy
2011-09-26

 
記事検索
カテゴリ別アーカイブ
読者登録
LINE読者登録QRコード
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ