オランダのハードロック・バンドVandenbergの2ndアルバム。邦題は「誘惑の炎」。ラインナップは、エイドリアン・ヴァンデンバーグ(G)、バート・ヒーリンク(Vo)、ディック・ケンパー(B)、ジョス・ズーマー(Ds)で1stと変更なし、プロデュースもバンド自身とスチュアート・エップスでこれも変更なしです。
基本的には前作と同様のメロディアスなハードロックなんですが、よりポップでアメリカンな方向にシフトしており、ロックン・ロール色も強くなりました。1stより少しばかり哀愁味が減じたのが気になるところです。ただ、エイドリアン・ヴァンデンバーグの作曲・編曲の能力はやはり光るものがあって、特にアコギの使い方なんかはセンスがいいと思います。一番のお気に入りは#9"Waiting for the Night"。アルバム全体の中では異色ですが、叙情的でドラマチックなメロディと流麗なギター・ソロが、同時期のEuropeを思わせる北欧メタル風スピード・チューンです。こういう曲がもっと多かったら良かったんだけどなあ。歌唱・演奏の面では、前作でも感じられた生硬さがまだ残っていて、全体にドタバタと落ち着かないのがマイナス・ポイント。特にボーカルはもうちょっとこなれて欲しいと感じました。ドラムのタム回しがうるさいのも相変わらずで、これも印象良くないです。
なお、2013年に英国Rock Candyから再発されたリマスター盤には、1983年3月3日のヒューストンでのライブ音源"Ready for You"、"Lost in a City"、"Too Late"の3曲が収録されています。
評価 ★★★☆☆
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。
■Tracks
01. Friday Night
02. Welcome to the Club
03. Time Will Tell
04. Different Worlds
05. This Is War
06. I'm on Fire
07. Heading for a Storm
08. Rock On
09. Waiting for the Night
All music & lyrics by Adrian Vandenberg■Personnel
Bert Heerink - Lead & Harmony Vocals
Adrian Vandenberg - Guitar, Keyboards, Harmony Vocals
Dick “Motorhome” Kemper - Bass, Bass Pedals, Harmony Vocals
Jos Zoomer - Drums, Harmony Vocals
Producer - Stuart Epps, VandenbergBert Heerink - Lead & Harmony Vocals
Adrian Vandenberg - Guitar, Keyboards, Harmony Vocals
Dick “Motorhome” Kemper - Bass, Bass Pedals, Harmony Vocals
Jos Zoomer - Drums, Harmony Vocals