メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

ハル・ジョンストン

Push / Pete Sandberg (1999)

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このブログでまとめたピート・サンドべリのディスコグラフィを見ても分かるように、2000年をはさむ前後2~3年にこの人は様々なバンドやプロジェクトで結構な数のアルバムを発表しています。そんなピート・サンドべリの音楽活動の絶頂期に出された、彼の2枚目のソロ・アルバムが今回ご紹介するPush 。本作リリース時点ではまだMidnight Sunに在籍していたようです。

さてこのアルバム、彼のキャリアの中では異色の音となっており、モダン・ヘヴィネスの影響だとか、グランジ化したとかの評価を目にすることもあります。実際そうなのかもしれませんが、筆者には特にグランジっぽく聴こえません。むしろリズムが跳ねている点ではTalismanを思い起こさせるし、一番似てると思ったのは日本のPink Cloud(Johnny, Louis & Char)です。ギターとベースがユニゾンでグリグリ迫ってくるところなんかそっくりですし、テンション・コードの入れ方やアーミングのセンス、空間系エフェクターの使い方とか、なんとなくチャーに似てるんです、これがまた。とにかくカッコいいアルバムなので騙されたと思って聴いてみてください。ただラストの2曲、チェロとフレットレス・ベース(ヨナス・レインゴールド)によるインストと、中近東っぽい独唱曲はいらなかったなぁ。意味分かりません。

バックのプレイヤーは、ギターにスヴェン・サーンスキ(Bad Habit etc)、ドラムにハイメ・サラザール(Bad Habit etc)、ベースにイェンス・ルンダール。スヴェン・サーンスキはSnake Charmerで、ハイメ・サラザールはMidnight Sunで、それぞれピートと組んでいました。また、サーンスキ、サラザール、ルンダールの3人はかつてBlakk Totemというバンドのメンバーだった間柄。サーンスキのソロ・プロジェクトTruthでも同じメンツが揃っています。制作はBad Habitを手がけてきたビョルン・ダールベリ。ピートの1stソロ作Back in Business ではエンジニアを務めていた人です。共同制作者にはサーンスキとBad Habitの僚友ハル・ジョンストンが名を連ね、ハル・ジョンストンは本作の曲作りにも一部関与しています。また、収録全14曲中6曲がサーンスキの単独作、4曲がピートとの共作で、アレンジもほぼサーンスキの仕事。さらにブックレットでのサーンスキの扱いが別格となっており、本作での彼の存在は非常に大きいものがあります。これらを考え合わせると、ピート・サンドベリのソロ名義ではあるものの、実態としてはBad Habit側がバックアップしたサーンスキ&サンドべリのプロジェクト作品と言えるかもしれません。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Machine (S. Cirnski)
02. Save Our Souls (S. Cirnski)
03. Strong Out (P. Sandberg, S. Cirnski)
04. Believe (S. Cirnski)
05. Love Hurts (B. Bryant)
06. Enough Is Enough (P. Sandberg, S. Cirnski)
07. Taking Your Time (S. Cirnski)
08. Crying (P. Sandberg, S. Cirnski)
09. Self Control (S. Cirnski)
10. Respect (S. Cirnski)
11. Captured by Heart (P. Sandberg, S. Cirnski)
12. Dirty Dog (P. Sandberg, H. Johnston)
13. Push (P. Sandberg)
14. Love  (P. Sandberg) [Bonus Track]

■Personnel
Pete Sandberg - Vocals

Sven Cirnski - Guitars
Jaime Salazar - Drums
Jens Lundahl - Bass

Additional players
Jonas Reingold - Fretless bass
Sara Heurlin - Backing Vocals
Tommy Falk - Hammond
Berit Hessing - Cello

Producer - Björn Dahlberg
Co-producer - Sven Cirnski, Hal Johnston

Nemesis / Midnight Sun (1999)

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スウェーデンのメロディアスHR/HMバンド、ミッドナイト・サンの3rdアルバム。アルバムごとにメンバー・チェンジしているこのバンド、ピート・サンドベリ(vo)とヨナス・レインゴールド(ba)の双頭体制は変わっていませんが、本作では新ギタリストとしてマグナス・カールソンが迎えられています。現在では凄腕プレイヤーかつ優秀なメロディ・メイカーとしてすっかり有名になりましたが、このアルバムが彼のメジャー・デビュー作。後年ほどではないものの、その巧者ぶりは本作でもうかがえます。また、ドラムはハイメ・サラザール(Bad Habit/Reingold)にチェンジしています。

メロハー/AORとメロディック・メタルが混在していた1st、AOR色が一掃された2ndと来て、この3rdでは更にメタル寄り、ネオクラ寄りの音になりました。メロハー/AOR指向のピート・サンドベリと、メタル指向のヨナス・レインゴールドのせめぎ合いは臨界に達したようで、4th(最終作)レコーディング前にピート・サンドベリは脱退することになります。喧嘩別れではなかったようですが、それなりの確執はあったものと想像できます。そういった事情が音に反映したのか、本作は緊張感溢れる好盤に仕上がっています。特にタイトル曲#1"Nemesis"は疾走感と哀愁が両立していて、このバンドならではの味。いかにも北欧メロディック・メタルらしい名曲だと思います。また、前作でも客演していたジョン・ノーラムが再びギター・ソロを担当した#8"Dreams"は、ヘヴィなサウンドと切ない歌唱がなんとも言えない趣をかもし出しています。#14"Seven Doors Hotel"はEuropeの名曲のカヴァーですが、リード・ギターはジョン・ノーラムではなくマグナス・カールソン。思う存分弾きまくっています。というように良い曲がてんこ盛りなのですが、難を言えば曲数が多すぎるかな。筆者としては面白くなかった#12"Ave Maria"と#15"Innocent"をカットすれば、更に緩みのないアルバムになったんじゃないかと思ってしまいます。

プロデュースはヨナス・レインゴールドと初代ドラマーのアンダース・テオ・ティアンデルで、レコーディングはテオ・ティアンデルの経営するRoastinghouse Studio。なお、ゲスト・ギタリストとしてクレジットされているハル・ジョンストンは、ハイメ・サラザールと同じくBad Habitのメンバーです。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Nemesis
02. You and I
03. Mortal Man
04. Resurrection
05. King of Broken Hearts
06. Conqueror
07. Watch Out
08. Dreams
09. I Don't Know
10. Conceal
11. Living on the Edge
12. Ave Maria
13. Nightfall
14. Seven Doors Hotel
15. Innocent
All music by Reingold and words by Pete Sandberg
except "Nightfall" by Magnus Karlsson, "Seven Doors Hotel" by Joey Tempest

■Personnel
Pete Sandberg - Lead & Backing Vocal
Magnus Karlsson - Guitars, Backing Vocal
Jaime Salazar - Drums, Percussions, Backing Vocal
Reingold - Bass, Keyboards, Additional Guitar, Backing Vocal

Berit Hessing - Cello
Hal Johnston - Guitar
Jens Friis Hansen - Backing Vocals
Inger Ohlen - Backing Vocals
Henrik Hansson - Keyboard
John Norum - Guitar Solo on "Dreams"

Producer - Jonas Reingold, Anders "Theo" Theander
Executive Producer -  Anders "Theo" Theander 

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