0075Wild Obsession
ドイツのHR/HMバンドSteelerのギタリストだったアクセル・ルディ・ペルが、バンドを離れて開始したソロ・プロジェクトによるアルバム第一弾。彼はこの後現在に至るまでほぼ年に1枚ずつアルバムを発表し続けています。この一作目のレコーディングに集められたメンバーはいずれもドイツのミュージシャンで、ベースにBonfireのヨルグ・ダイジンガー、U.D.O.のトーマス・ズムズンスキー、そしてSteeler時代の同僚フォルカー・クラウツァックの3人。ドラムには元Rage、後にStratovariusに加入するヨルグ・マイケル。キーボードにジョージ・ハーンとルトガー・ケーニッヒ。そしてボーカルには、Ted Nugent、Gary Mooreのボーカリストを務めたチャーリー・ハーン。彼はアメリカ人ですが、80年代の後半はドイツのバンドVictoryに在籍していたので、ドイツのロック・シーンに縁があったのかも知れません。プロデューサーは、ドイツのHR/HMバンドのアルバムを多く手がけているウリ・ポッセルトです。

筆者はこのアルバムを初めて聴いたとき、アクセル・ルディ・ペルのリード・ギターに心底驚きました。思いつくまま指を動かしているだけの早弾きは不正確だし、フレーズは起承転結もなくとっ散らかっていて、失礼ながらアマチュア以下の技術とセンス。彼の作る楽曲もありきたりで、どこかで聴いたことのあるようなものばかり。よくこれでソロ・アルバムを出せたものだと思いました。チャーリー・ハーンはヘタなボーカリストではないし、バンドはそれなりの演奏をしているはずなのに、B級イメージばかり残ってしまいます。ところが、ときたまハッとするほど叙情的な歌メロが出てくるのです。アクセル・ルディ・ペル、何かのきっかけでとんでもない名曲が飛び出してくる可能性があるかもと期待させる何かがあります。

評価 ★★☆☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
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■Tracks
01. Wild Cat (Axel Rudi Pell)
02. Call of the Wild Dogs (Axel Rudi Pell, Charlie Huhn)
03. Slave of Love (Axel Rudi Pell, Charlie Huhn)
04. Cold as Ice (Axel Rudi Pell)
05. Broken Heart (Axel Rudi Pell)
06. Call Her Princess (Axel Rudi Pell)
07. Snake Eyes (Axel Rudi Pell, Charlie Huhn)
08. Hear You Calling Me (Axel Rudi Pell, Charlie Huhn)
09. Return of the Calyph from the Apocalypse of Babylon (Axel Rudi Pell)
10. (Don't Trust the) Promised Dreams (Axel Rudi Pell)

■Personnel
Axel Rudi Pell - guitars

Charlie Huhn - vocals, acoustic guitar on 3
Jörg Deisinger - bass on 3, 4, 5, 8
Thomas "Bodo" Smuczynski - bass on 1, 2, 7, 10
Volker Krawczak - bass on 6
Jörg Michael - drums
George Hahn - keyboards
Rüdiger König – additional keyboards

Producer - Ulli Pösselt

Wild Obsessions
Pell, Axel Rudi
Spv
1989-11-24

Wild Obsession: Nasty Reputation
Pell, Axel Rudi
Steamhammer Europe
2003-01-01