0388Shakra









スイスのハードロック・バンドShakraの1stアルバムです。メンバーは、ピート・ウィードマー(vo)、トム・ブルニエ(g)、トーマス・ムスター(g)、ロジャー・バーダチャー(b)、ロジャー・タナー(ds)の5人。スイスのハードロック・バンドというとGotthardをすぐに思い起こしますが、ShakraはそのGotthardの初期のサウンド、あるいはAC/DCあたりと共通したロックン・ロール・ベースのハードロックです。いわゆるタテノリというやつですね。本作の時点ではGotthardと比較して叙情性や哀愁味といった要素は薄く、よりハードでドライな印象を受けます。キーボードレスということもあって、ひたすら攻撃的なギター・リフがアンサンブルのメインとなるスタイルで、非常にタイトなサウンドが特徴です。押し寄せるリフに身を任せて幸せな気分に浸るという、ハードロックの醍醐味を味わうにはうってつけのアルバムと言えます。

ボーカルはドスの効いた低音でこれがまたカッコいいのですが、#6"The Devil in Me"ではAC/DCのブライアン・ジョンソン張りの金切り声を聴かせてくれるのが異色です。異色と言えばバラードの#7"Welcome Home Again"、この曲はクサいくらいに哀愁たっぷり。ギターも他の曲ではペンタ主体のブルージーなソロを弾いているのに、ここではリッチー・ブラックモア風な美麗なソロで盛り上げています。ラストのアコースティカルなバラード#11"I Do It My Way"も甚だしくクサい!Gotthardのバラードのクサさといい勝負です。飛びぬけた名曲は無いものの捨て曲など無いし、演奏は非常にしっかりしているし、全体としてとても良く出来たハードロック作品で大満足です。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Hands on the Trigger (Muster, Blunier, Wiedmer)
02. Sweet Perfume (Muster, Wiedmer, Blunier)
03. Who's Got the Rhythm (Muster, Wiedmer, Blunier)
04. Lovers on the Run (Blunier, Wiedmer, Fahlbusch)
05. Sally Is Gone (Blunier, Wiedmer, Fahlbusch)
06. The Devil in Me (Muster, Blunier)
07. Welcome Home Again (Muster, Blunier, Wiedmer)
08. Don't Confuse It (Blunier, Wiedmer, Muster)
09. I Let the Sun Go Down (Blunier, Wiedmer, Muster)
10. Down'n Dirty (Blunier, Wiedmer)
11. I Do It My Way (Muster)

■Personnel
Pete Wiedmer - Vocals
Thom Blunier - Lead Guitar
Thomas Muster - Rhythm Guitar
Roger Badertscher - Bass
Roger Tanner - Drums

Producer - Thom Blunier

Shakra
Shakra
Afm
2005-11-11