アメリカのメロハー/AORバンドHarlan Cageの3rdアルバム。前2作ではL.A.グリーン(Vo, G)とロジャー・スコット・クレイグ(Key, Vo)の二人のユニットでしたが、本作ではこれまでサポート扱いだったビリー・リースギャング(G)がメンバーとしてクレジットされています。なお、ライナーノーツによるとベース担当としてクレジットのあるWilhelm Wannabe Remarkableはビリー・リースギャングの変名だそうです。プロデュースはロジャー・スコット・クレイグです。
本作もいつも通り、これでもかっていうほど哀愁たっぷりの路線です。楽曲が似通っていて「聴いたことある」感が半端じゃありません。もう、どの曲がどのアルバムに入っていたのか分からなくなるくらいです。褒め言葉にするなら、それだけ揺るぎない音楽性ということでしょう。前身バンドFortuneのセルフ・カバー#3"Thrill of It All"が収録されていますが、そのFortune時代から音楽性は一貫しています。今回ちょっと異色なのは、#8"Feel the Wheel"、#10"Late Night Escapades"、#13"What a Fool I've Been"とやけにハードな曲が3曲もあること。このバンドにこういう音は求めていないわけで。うるさいからやめてほしい。一方、#2"Chinatown"、#7"A Little Rain"、#11"Before the Night Is Gone"などは洗練されたライトAOR路線で、都会の夜景にピッタリのムードです。やっぱりこっちの方が魅力的。この路線メインで行ってくれたら嬉しいんだけどなぁ。
本作のバッキングを務めるサポート・ミュージシャンをざっと見ておくと、ギターに前2作にも参加していたマイケル・ターナー、ドラムはThe StormやGregg Rolie Bandでプレイしているロン・ウィクソ。それから、バック・ボーカルに前作に引き続きAOR系セッション・ボーカリストのトミー・ファンダーバークが加わっています。
評価 ★★★☆☆
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。■Tracks
01. No Sunday Bride
02. Chinatown
03. Thrill of It All
04. Can't Tame the Raven
05. Hard Yellow Line (You Lied to Me)
06. Last Plane Out
07. A Little Rain
08. Feel the Wheel
09. Making My Way Back to You
10. Late Night Escapades
11. Before the Night Is Gone
12. Two Ships in the Night
13. What a Fool I've Been [Bonus Track]
All songs written by Roger Scott Craig & L. A. Greene
■Personnel
L. A. Greene - Vocals, Guitars
Roger Scott Craig - Keyboards, Vocals
Billy Liesegang - Guitar (except #2)
Ron Wikso - Drums
Wilhelm Wannabe Remarkable - Bass
Michael Turner - Guitar on #2
Tommy Funderburk - Backing Vocals
Chris Julian - Backing Vocals
Judy Mass - Violin on #4
Scott Joss - Fiddle on #4
Billy Liesegang - Guitar (except #2)
Ron Wikso - Drums
Wilhelm Wannabe Remarkable - Bass
Michael Turner - Guitar on #2
Tommy Funderburk - Backing Vocals
Chris Julian - Backing Vocals
Judy Mass - Violin on #4
Scott Joss - Fiddle on #4
Producer - Roger Scott Craig