メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

トミー・ファンダーバーク

Forbidden Colors / Harlan Cage (1999)

0326Forbidden Colors









アメリカのメロハー/AORバンドHarlan Cageの3rdアルバム。前2作ではL.A.グリーン(Vo, G)とロジャー・スコット・クレイグ(Key, Vo)の二人のユニットでしたが、本作ではこれまでサポート扱いだったビリー・リースギャング(G)がメンバーとしてクレジットされています。なお、ライナーノーツによるとベース担当としてクレジットのあるWilhelm Wannabe Remarkableはビリー・リースギャングの変名だそうです。プロデュースはロジャー・スコット・クレイグです。

本作もいつも通り、これでもかっていうほど哀愁たっぷりの路線です。楽曲が似通っていて「聴いたことある」感が半端じゃありません。もう、どの曲がどのアルバムに入っていたのか分からなくなるくらいです。褒め言葉にするなら、それだけ揺るぎない音楽性ということでしょう。前身バンドFortuneのセルフ・カバー#3"Thrill of It All"が収録されていますが、そのFortune時代から音楽性は一貫しています。今回ちょっと異色なのは、#8"Feel the Wheel"、#10"Late Night Escapades"、#13"What a Fool I've Been"とやけにハードな曲が3曲もあること。このバンドにこういう音は求めていないわけで。うるさいからやめてほしい。一方、#2"Chinatown"、#7"A Little Rain"、#11"Before the Night Is Gone"などは洗練されたライトAOR路線で、都会の夜景にピッタリのムードです。やっぱりこっちの方が魅力的。この路線メインで行ってくれたら嬉しいんだけどなぁ。

本作のバッキングを務めるサポート・ミュージシャンをざっと見ておくと、ギターに前2作にも参加していたマイケル・ターナー、ドラムはThe StormやGregg Rolie Bandでプレイしているロン・ウィクソ。それから、バック・ボーカルに前作に引き続きAOR系セッション・ボーカリストのトミー・ファンダーバークが加わっています。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. No Sunday Bride
02. Chinatown
03. Thrill of It All
04. Can't Tame the Raven
05. Hard Yellow Line (You Lied to Me)
06. Last Plane Out
07. A Little Rain
08. Feel the Wheel
09. Making My Way Back to You
10. Late Night Escapades
11. Before the Night Is Gone
12. Two Ships in the Night
13. What a Fool I've Been [Bonus Track]
All songs written by Roger Scott Craig & L. A. Greene

■Personnel
L. A. Greene - Vocals, Guitars
Roger Scott Craig - Keyboards, Vocals
Billy Liesegang - Guitar (except #2)

Ron Wikso - Drums
Wilhelm Wannabe Remarkable - Bass
Michael Turner - Guitar on #2
Tommy Funderburk - Backing Vocals
Chris Julian - Backing Vocals
Judy Mass - Violin on #4
Scott Joss - Fiddle on #4

Producer - Roger Scott Craig

Blood From Stone / Dare (1991)

0623Blood From Stone









イギリスのメロハー・バンドDare(デアー)の1991年にリリースされた2ndアルバムです。Dareはハードロックと呼ぶにはいささか静かでふんわりしたサウンドが特徴なわけですが、どういうわけかこのアルバムだけはギンギンのハードロックをやってます。それが災いしたのかどうか、本作リリース後DareはA&Mから切られて解散(活動休止?)となり、数年後に独立系レーベルで復活作を発表と、多くのHR/HM系バンドと同じ道を歩むことになります。

さてこのアルバムは、心に響くケルト風メロディと劇的な曲展開が印象的な#1"Wings of Fire"、#2"We Don't Need A Reason"で、まずガツンとやられます。続く、哀愁メロハーと言うには力強すぎる#3"Surrender"では、ヴィニー・バーンズのギターもマイケル・シェンカーばりに歌いまくり、泣きまくりです。ここまでハードなサウンドだと、ダレン・ウォートンのか細いボーカルではちょっとツライものがありますが、とにかく出だしの3曲は上出来です。ところが、ところが。。。その後はずっとヴァン・ヘイレン+ボン・ジョビ状態になります。アメリカン・ロック風のメロディと乾いたサウンドだったり、妙に明るく燥いだ感じだったりしてがっかりです。Dareにこういう音は求めていないんだよなぁ。なんか無理してる感じがつきまとってるし。頭3曲と残り7曲の差が有り過ぎです。

バンドのメンバーは、リーダーのダレン・ウォートン(Vo)、ヴィニー・バーンズ(Gt)、ブライアン・コックス(Key)の3人は1stと変わらず。ベースはナイジェル・クラッターバックに、ドラムはグレッグ・モーガンにチェンジしています。また、Additional musicianとして、ドラムにジェイムス・コタック、ベースにジェフ・ピルソン、バック・ボーカルにトミー・ファンダーバークとジョン・レヴェックがクレジットされています。プロデューサーはキース・オルセン、エンジニアはシャイ・ベイビー。ダレン・ウォートンは1991年Wild Horsesというバンドで、コタック、ピルソン、レヴェックと共にアルバムを1枚出しており、こちらもプロデューサーはオルセン、エンジニアはシャイ・ベイビー。まんま横すべりのメンツです。

蛇足ながら、このブログ記事を書くに当たって初めてyoutubeにある当時のビデオを見たのですが、ナリもフリもまるでヘア・メタル・バンドのようではありませんか!Dareってこうだったの?気恥ずかしいことこの上ない。今はウォートン氏をはじめ皆さんデブっちょのオッサンと化しているので、この落差に軽く眩暈がします。。。
 
評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Wings of Fire (Darren Wharton)
02. We Don't Need a Reason (Darren Wharton)
03. Surrender (Darren Wharton)
04. Chains (Darren Wharton/Vinny Burns)
05. Lies (Darren Wharton/Vinny Burns)
06. Live to Fight Another Day (Darren Wharton/Vinny Burns)
07. Cry Wolf (Darren Wharton/Vinny Burns)
08. Break Out (Darren Wharton/Vinny Burns)
09. Wild Heart (Darren Wharton/Vinny Burns)
10. Real Love (Darren Wharton)

■Personnel
Darren Wharton - Vocals
Vinny Burns - Guitars
Brian Cox - Keyboards
Nigel Clutterbuck - Bass
Greg Morgan - Drums

James Kottak - Drums
Jeff Pilson - Bass
Tommy Funderburk
John Levesque

Producer - Keith Olsen

Anything for You / Tommy Funderburk (2005)

143Anything For You









エアプレイ(Airplay)、キング・オブ・ハーツ(King of Hearts)のボーカリストとして、また裏方セッション・ボーカリストとして、AORの世界では名の知れたトミー・ファンダーバークの2014年現在唯一のソロ・アルバム。キーボーディストであるグレッグ・マティソンと共に進めていたアルバム作りが、AORやメロディック・ロックの旗色が悪い現在のアメリカ音楽事情ゆえに頓挫し、書き溜めた曲も発表の機会が失われそうになったところに、イタリアのFrontiers Recordsから声がかかり陽の目を見たという作品です。Frontiersはヨーロッパや日本向けにメロハー/AOR作品を数多くリリースしているレーベルで、ヴァーディゴ(ジョセフ・ウィリアムス)や、ロサンゼルス(ミケーレ・ルッピ)のような、楽曲とオケを用意してシンガーに歌わせるプロジェクト企画が得意技。ただし、本作は前述のような事情であくまでトミー・ファンダーバークのソロ・アルバムとして制作されたものです。

Frontiers御用達のファブリツィオ・グロッシがプロデュースとベース等を担当。その他のレコーディング参加ミュージシャンもFrontiersレーベルのアルバムでよく見かける面々で、キーボードにアーニー・ロススタイン、ギターにジム・スカットリン、ロブ・ヴァンニ、フィル・ブラウン、ドラムにホアキン・カンナイウオロ(?)、ビッグス・ブライス。音の方はいかにもFrontiersらしいハード系AOR。AORリスナーからはうるさいと言われそうだし、ハードロック・ファンからはヌルいと言われそう。でもメロハー好きならど真ん中です。トミー・ファンダーバークのボーカルも独特の味わいがあります。曲も高水準なのですが一撃必殺のメロディが無いのが残念。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Learning How to Love (G. Mathieson/T. Funderburk)
02. Remermber Our Love (B. Gaitsch/T. Funderburk)
03. Anything for You (G. Mathieson/T. Funderburk)
04. Only You Can Give Me (G. Mathieson/T. Funderburk)
05. To Say You Love Me (G. Mathieson/T. Funderburk)
06. You Got the Love (G. Mathieson/T. Funderburk)
07. Skin (T. Watson/T. Wild/J. Singh)
08. The Garden (G. Mathieson/T. Funderburk)
09. Second Chance (G. Merrill/S. Rubicam/K. Sultan)
10. Say a Little Prayer (M. Thompson/T. Funderburk)
11. Dig a Little Deeper [Bonus Track]

■Personnel
Tommy Funderburk - all lead and backing vocals
Fabrizio V. Zee Grossi - bass, keyboards, samples and loops
Arny Rothstein - keyboards
JM Scattolin - guitars
Rob Vanni - lead guitars
Phil Brown - additional guitars
Joachin Cannaiuolo - drums
Biggs Brice - drums

Producer - Fabrizio V. Zee Grossi 

 

Double Medication Tuesday / Harlan Cage (1998)

135Double Medication Tuesday









L.A.グリーンとロジャー・スコット・クレイグによるアメリカの哀愁メロハー/AORユニットの第二作。リリースは1998年。前作は哀愁指数100%、あまりに度を越した哀愁っぷりにややげんなりしましたが、本作は哀愁路線に変わりないものの曲調、テンポともに多少バリエーションがあって聴きやすく感じました。でもこの人たちの音楽、どうも筆者にはしっくりこない。ボーカルが今一つ好きじゃないのと、メロディが微妙に好みからずれているのと、キーボード多用でサウンドのエッジが立っていないのと、その辺りが理由かもしれません。ただ#10"As You Are"という曲は文句なしに良かったです。サックス入りの落ち着いたサウンドで、メロディもとても洗練されています。それと#4"Solitary Dance"も好き。変にハードに迫らずに、この2曲のような都会的でオサレなライトAOR路線の方がこの人たちに合ってるんじゃないかと思うんですけどね~。

バックを固めるミュージシャンは、前作に引き続きギターにビリー・リースギャング(ライスギャング)、マイケル・ターナー。ベースのジャミー・カーターはGraham Bonnetのアルバムなどに参加しているミュージシャン、同じくベースのドン・クロムウェルはEddie Money、Lynx、Ransomなどに参加しています。バック・ボーカルのトミー・ファンダーバークはAirplay、King of Heartsで有名なAORシンガーです。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Blow Wind Blow
02. Halfway Home
03. Lola's in Love
04. Solitary Dance
05. My Mama Said
06. Dearborn Station
07. Defend This Heart of Mine
08. Restless Hearts
09. Lights Out for Losers
10. As You Are
11. Turn up the Radio
12. Joker on the King's Highway
13. No Turnin' Back [Bonus Track]
All songs written by Roger Scott Craig & L. A. Greene

■Personnel
L. A. Greene - Vocals, Guitars
Roger Scott Craig - Keyboards, Vocals

Billy Liesegang - Guitar
Jamie Carter - Bass
Michael Lawrence - Drums
Michael Turner - Additional guitars
Don Cromwell - Bass on track 8. 12
Lenny Goldsmith - Backing vocals
Tommy Funderburk - Backing vocals
Larry Dow - Harmonica on track 6
Robert Kyle - Tenor sax solo on track 10

Producer - Roger Scott Craig

Backlash / Bad English (1991)

0076Backlash
ジャーニーとザ・ベイビーズが合体して生まれたスーパー・グループ、バッド・イングリッシュの2ndにしてラストのアルバム。レコーディング・メンバーは1stと同じく、ニール・ショーン(gt)、ジョナサン・ケイン(key)、ジョン・ウェイト(vo)、リッキー・フィリップス(ba)、ディーン・カストロノヴォ(ds)。プロデュースはSurvivor、Heart、Kissなどのアルバム制作で著名な売れっ子プロデューサー、ロン・ネヴィソンが担当しています。ロン・ネヴィソンはザ・ベイビーズでも2枚のアルバムをプロデュースしており、彼の起用はジョン・ウェイトにとっては旧知の間柄という事情もあったのでしょう。

楽曲については、前作に引き続いてジョン・ウェイトとジョナサン・ケインがライティングの中心となり、加えてまたもやキラ星のごとく名だたるヒットメーカーが共作者として名を連ねています。前作でも参加していたダイアン・ウォーレン(Diane Warren)、マーク・スピロ(Mark Spiro)の2人のほか、ラス・バラード(Russ Ballard)、ジェシー・ハームス(Jesse Harms)、ティム・ピアース(Tim Pierce)がクレジットされています。バッキング・ボーカルにはマーク・スピロ自身と、Airplayなどで有名なAOR系シンガーのトミー・ファンダーバークが加わっています。

このように、大ヒットした前作をさらに上回るべくプロダクション、ソング・ライティング両面において万全のラインナップで制作され、メジャー感バリバリのアルバムなのですが、なんとなく勢いのないサウンドとなってしまっている印象が否めません。セールス的にも前作に遠く及ばず、チャートの動きもアルバム、シングル共に鈍く、バンドにとって不本意な結果となってしまいました。このアルバムのレコーディング時期にはメンバー間の軋轢、とくにジョン・ウェイトとニール・ショーンの確執が相当深刻なものとなっていたようで、そのことが完成したアルバムに悪い形で影響を与えているのかもしれません。このバンドはやはりザ・ベイビーズの形を変えた再始動という色合いが濃く、ニール・ショーンは脇役に甘んじることができなかったのでしょう。アルバムがリリースされた頃にはすでに、ニール・ショーンとディーン・カストロノヴォはバンドを脱退しており、ほどなくバッド・イングリッシュは解散してしまうことになります。

リリースから20年以上経過し、バッド・イングリッシュ解散後のメンバーそれぞれの行く末を知った上で、改めてこのアルバムを聴きなおしてみると、それなりに佳曲揃いだし、ジョン・ウェイトの歌唱も悪くはありません。華やかな80年代の終わりに登場し、混沌とした90年代に突入する時代の渦の中で消え去ったスーパー・グループ、バッド・イングリッシュ。「つわものどもが ゆめのあと」というフレーズを何故か思い出してしまう、そんなアルバムです。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. So This Is Eden (John Waite, Jonathan Cain, Russ Ballard)
02. Straight to Your Heart (John Waite, Neal Schon, Jonathan Cain, Mark Spiro)
03. Time Stood Still (John Waite, Ricky Phillips, Jesse Harms)
04. The Time Alone With You (John Waite, Diane Warren, Jonathan Cain)
05. Dancing off the Edge of the World (John Waite, Jonathan Cain, Neal Schon)
06. Rebel Say a Prayer (John Waite, Jonathan Cain, Russ Ballard)
07. Savage Blue (John Waite, Jonathan Cain, Neal Schon)
08. Pray for Rain (John Waite, Mark Spiro, Jonathan Cain)
09. Make Love Last (John Waite, Jonathan Cain)
10. Life at the Top (John Waite, Jonathan Cain, Mark Spiro, Tim Pierce)

■Personnel
John Waite - lead vocals
Neal Schon - guitars
Jonathan Cain - keyboards, background vocals
Ricky Phillips - bass, background vocals
Deen Castronovo - drums, background vocals

Mark Spiro - background vocals
Tommy Funderburk - background vocals

Producer - Ron Nevison

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