メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

トニー・フランクリン

L.A. Concession / AOR (2000)

0280LA Concession









フレデリック・スラマの主宰するプロジェクト・バンドAORの第一作。フレデリック・スラマはフランス生まれでジャーナリスト出身という変り種、「フランスにウェストコーストAORを普及させる」ことを目的に、80年代からFM番組やクラブ・イヴェントを行ったりしてきたそうです。1992年にプロモ盤としてL.A Rendez Vousを制作、そして2000年いよいよ1stアルバムL.A. Concessionをリリース。当初はFS Recordsという彼自身のレーベルから、しかもCD-Rでのリリースでした。2006年になってドイツのメロディック・ロック・レーベルMTM Musicにより、リマスターの上ボーナス・トラック4曲を追加したプレスCDが発売され、一般にはこのリイッシュー盤が流通しています。

さて中身はというと、本場L.A.のミュージシャンを中心に豪華としか言いようのないメンツを揃え、曲といい演奏といい完全なるウェストコーストAORがぎっしり詰まったアルバムです。AORというジャンルの音楽を、AORという名のプロジェクトでやってしまうという、スラマ氏のAORオタクっぷりには全く舌を巻きます。参加プレイヤーは、トミー・デナンダー、スティーヴ・ルカサー、マイケル・ランドウ、ピーター・フリーステット、マイケル・トンプソン、トニー・フランクリン、ヴィニー・カリウタ、ジェフ・ポーカロ、カルロス・ヴェガ、グレッグ・ビソネット、レニー・カストロ、リチャード・ペイジ等々。まあ、AORやAOR寄りのメロハーが好きな方なら間違いなく気に入るアルバムだと思います。筆者ももちろん楽しめましたが難点もありました。まず、ボーカル陣が弱いこと。演奏はオールスター・キャストで、ボーカルが二軍レベルはないでしょう。AORはなんだかんだ言っても歌モノなわけで、いくらバックが良くても歌がイマイチでは陶酔できないのです。それからバラード多過ぎ、サビの繰り返しがクド過ぎでややゲンナリします。

ブックレットにはレコーディングに関するデータも、リード・ボーカル以外の曲ごとの参加ミュージシャンも記されていないので、録音年月日や録音場所などの詳細は不明です。ただ、1992年に亡くなったジェフ・ポーカロがクレジットされているということは、少なくとも一部のトラックは92年以前に録られたものと思われます。また、唯一細かいパーソネル表記のあるボーナス・トラック#16"Never Gonna Let Her Go (New Instrumental Version)"には、フレデリック・スラマ自身は参加していません。トミー・デナンダーのプロジェクトであるRadioactiveのTaken(2005)に同じトラックが収録されており、後に本作リイッシュー盤に再収録されたと推測できます。とすると、クレジットのあるスティーヴ・ルカサーやピーター・フリーステットはこの曲だけの参加なのかもしれません。もうちょっと細かいこと書いておいて欲しいです、スラマさん。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks (All songs by Frédéric Slama)
01. Never Gonna Let Her Go (Lead Vocals : John Fluker)
02. On Dangerous Ground (Lead Vocals : Doug St John)
03. Caught Inside Your Heart (Lead Vocals : David Chamberlin)
04. Worlds Away (Lead Vocals : Doug St John)
05. In My Crystal Ball (Lead Vocals : David Chamberlin)
06. The Way of the Night (Lead Vocals : Doug St John)
07. Leave Her to Heaven (Lead Vocals : John Fluker)
08. Only in My Dreams (Lead Vocals : David Chamberlin)
09. From L.A to Tokyo (Lead Vocals : David Chamberlin)
10. Lost in Your Eyes (Lead Vocals : David Chamberlin)
11. Don’t Let Her Go (Lead Vocals : Doug St John)
12. Love Has Found Its Way (Lead Vocals : Doug St John)
Bonus Tracks
13. Can One of Your Kiss Do All This? (Lead Vocals : David Chamberlin)
14. Secrets in Her Heart (Lead Vocals : David Chamberlin)
15. The Spark of My Soul (Lead Vocals : Kristoffer Lagerström)
16. Never Gonna Let Her Go (New Instrumental Version)
Tommy Denander :  Lead Guitars, Steve Lukather : Guitars (Middle & end solo), Michael Landau : Rhythm Guitar, Peter Friestedt : Guitar Fills, David Diggs : Keyboards, Hussain Jiffry : Bass, Vinnie Colaiuta : Drums, Tom Saviano : Saxophone

■Personnel
Frédéric Slama - Guitars, Keyboards
David Chamberlin - Lead Vocals, Guitars
Kristoffer Lagerström - Lead Vocals
Doug St John - Lead Vocals
John Fluker - Lead Vocals
Tommy Denander - Guitars, Keyboards
Peter Hume - Guitars, Keyboards
Steve Lukather - Guitars
Michael Landau - Guitars
Peter Friestedt - Guitars
Michael Thompson - Guitars
David Diggs - Keyboards
Tony Franklin - Bass
Hussain Jiffry - Bass
Vinnie Colaiuta - Drums
Jeff Porcaro - Drums
Carlos Vega - Drums
Gregg Bissonette - Drums
Lenny Castro - Percussion
Tom Saviano - Saxophone
Dan Higgins - Saxophone
Richard Page - Backing Vocals
Steve George - Backing Vocals

Producer - Frédéric Slama, Tommy Denander(#15), David Diggs(#16)
 

Nothin' but Trouble / Blue Murder (1993)

0224Nothin' But Trouble









1993年にリリースされたジョン・サイクス率いるBlue Murderの2ndアルバム。前作から4年が経過してのリリースで、その間にカーマイン・アピスとトニー・フランクリンは脱退しており、「スーパー・トリオ」としてのブルー・マーダーは既に崩壊。本作では、当時無名だったマルコ・メンドーサ(Ba)とトミー・オスティーン(Ds)がバンドの新メンバーとなっています。まあこのバンドは実質的にはジョン・サイクスのソロ・プロジェクトなわけで、リズム・セクションの交代によって路線やサウンドに大幅な変化がもたらされてはいません。しかも音を聴く限り、ほとんどの曲はカーマイン・アピスとトニー・フランクリンがプレイしているようで、少なくともリズム・トラックはかなり早い段階でレコーディングされたものと思われます。

本作も1stと同じようにThin LizzyとWhitesnakeをニコイチにしたようなサウンドが基本となっています。しかし、Small Facesのカバー#2"Itchycoo Park"や、明るめなロックン・ロール#5"Dance"、60~70年代っぽい#11"She Knows"、16ビートの#12"Bye Bye"などのため、ひたすらハードで重く暗い1stに比べるとやや印象は異なります。アメリカン過ぎるとか、散漫という声もあるようですが、ハードロックの金字塔とも言える1stと比べてしまえば、どうしても評価は厳しくなってしまいますよね。でも1曲1曲のクォリティは1stと遜色ありません。筆者としては、1stより良いとは言えないにせよ、それでもこのアルバムも十分聴き応えのある作品だと思います。特に、ジョン・サイクスのソング・ライターとしての才能を遺憾なく発揮した名曲、甘く切なく美しいソウル・バラード#7"Save My Love"の素晴らしさといったらありません。それから、1曲だけケリー・キーリング(ex-Baton Rouge)が歌っている#6"I'm on Fire"も、ハードロックのカッコよさと熱さが詰まった名曲、名パフォーマンス。いや~、いいアルバムですよ、やっぱり。中古CD屋で投売りされているのを見ると悲しくなりますが、誰でもこの名作を手に入れやすいってことでポジティヴに考えることにします。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. We All Fall Down (John Sykes)
02. Itchycoo Park (Ronnie Lane, Steve Marriott)
03. Cry for Love (John Sykes)
04. Runaway (John Sykes)
05. Dance (John Sykes)
06. I'm on Fire (John Sykes)
07. Save My Love (John Sykes)
08. Love Child (John Sykes)
09. Shouldn't Have Let You Go (John Sykes)
10. I Need an Angel (John Sykes)
11. She Knows (John Sykes)
12. Bye Bye [Japanese Bonus Track] (John Sykes)

■Personnel
John Sykes - vocals, guitars
Marco Mendoza - bass
Tommy O'Steen - drums, backing vocals
Nik Green - keyboards

Kelly Keeling - lead vocals on track 6, backing vocals
Tony Franklin - bass
Carmine Appice - drums
Jim Sitterly - violin

Producer - John Sykes

Blue Murder / Blue Murder (1989)

0179Blue Murder









ジョン・サイクスがホワイトスネイク脱退後に結成したブルー・マーダーの1stアルバムです。このバンド、HR/HMを聴く人なら知らない人は少ないだろうし、今さら感はありますが、メンバーはジョン・サイクスの他、ヴァニラ・ファッジ、カクタス、BBA、キング・コブラなど1960年代から豊富なキャリアを持つドラマーのカーマイン・アピス、ジミー・ペイジとポール・ロジャースのザ・ファームに在籍したトニー・フランクリン。当初ドラムにはコージー・パウエルが参加予定だったものの、ボーカリスト選定に手間取っている間に離脱、結局ドラムはカーマイン・アピス、ボーカルはジョン・サイクス自身が担当し本作はレコーディングされました。アディショナル・ミュージシャンは、キーボードにニック・グリーン、ジョン・ウェブスター、バック・ボーカルに、マーク・ラフランス、デヴィッド・スティール。プロデューサーは、本作以前だとキングダム・カム、以降だとモトリー・クルー、メタリカ、スキッド・ロウなどを手がけているボブ・ロックです。

サウンドはホワイトスネイク+シン・リジィ。ジョン・サイクスのキャリアそのまんまやんけ、という感じなのですが、これは古今東西数あるハードロック・アルバムの中でも屈指の名盤だと思います。雷鳴のごときカーマイン・アピスのドラム、ウネリまくりハネまくる暴風のようなトニー・フランクリンのフレットレス・ベース、そしてジョン・サイクスの集中豪雨的ギター・ソロ。これはまさにハリケーンです。タイフーンです。大変なことになっています。当初誰もが一抹の不安を抱いたジョン・サイクスのボーカルも完璧。なによ、歌すげー上手いじゃん!曲調はどれもブルージーでメロディアス、そして男が言うのもなんですがセクシーですな。音がややこもっているのですが、聴きなれると気になりませんし、ピッキング・ハーモニクスが厚雲の中で光る稲妻みたいで逆に雰囲気いいです。ちなみに筆者が聴いているのはオリジナル盤。リマスター盤だと音は良くなっているのかもしれませんが未確認です。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Riot (John Sykes)
02. Sex Child (John Sykes)
03. Valley of the Kings (John Sykes/Tony Martin)
04. Jelly Roll (John Sykes)
05. Blue Murder (John Sykes/Tony Franklin/Carmine Appice)
06. Out of Love (John Sykes)
07. Billy (John Sykes)
08. Ptolemy (John Sykes)
09. Black-Hearted Woman (John Sykes/Tony Franklin/Carmine Appice)

■Personnel
John Sykes - guitars, lead & background vocals
Tony Franklin - bass guitar, background vocals
Carmine Appice - drums, background vocals

Nik Green - keyboards
John Webster - additional keyboard progrmming
Mark LaFrance - additional background vocals
David Steele - additional background vocals

Producer - Bob Rock

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