メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

トニー・ハーネル

Transistor / TNT (1999)

0336Transistor









1999年にリリースされたTNTの通算7作目、再結成後としてはFirefly に続く2作目のオリジナル・アルバム。前作発表後にトニー・ハーネルが一時脱退してRiotのマーク・リアリと組んだWestworldのレコーディングを行なっていたり、本作リリース後には再度活動停止(実質的に2度目の解散状態)に陥ったり、再結成はしたもののバンドは不安定な状態だったことが推測されます。

アルバムの内容としては前作同様に、大絶賛はできないけれど駄作と決め付けることもできないという感じ。#1"No Such Thing"、#2"Wide Awake"、#3"Because I Love You"とアタマ3曲はIntuition の頃を思わせる瑞々しいメロディとトニー・ハーネルの伸びやかな歌唱が堪能できます。バラードの2曲#5"Fantasía Española"、#6"Under My Pillow"は美しすぎてうっとりしてしまうほど。女性シンガーとのハイトーン・デュエットが聴ける"Under My Pillow"は特に見事で、TNTの隠れた名曲・名演と言っていいと思います。また、ラストの#11"Free Again"は、このバンドには珍しいゴスペル風のアーシーな曲で、これがまた素晴らしい出来。しかしながら他の5曲は、「ラウド」というのか「モダン」というのか、あまり好きになれないサウンドでした。がなるトニー・ハーネルというのにもイマイチ魅力が感じられません。さらに言うと、日本盤とノルウェー本国盤や米盤は曲順が異なっており、日本盤収録の"Free Again"はカットされて代わりに"Just Like God"というオルタナ風の曲が1曲目に入っています。日本盤は販売上多少でもメロディアスな印象を残したいとしいうことでしょう。どこかのバンドも同じような「小細工」してましたね。それからもう一つ残念なのは、ウリの一つであるロニー・ル・テクロのギターの変態度が下がり、ちょっと大人しくなってしまったこと。これは痛いかな。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. No Such Thing
02. Wide Awake
03. Because I Love You
04. Mousetrap
05. Fantasía Española
06. Under My Pillow
07. The Hole You're In
08. Crashing Down
09. Into Pieces
10. No Guarantees
11. Free Again
All songs written by Ronni Le Tekrø, Tony Harnell

■Personnel
Tony Harnell – vocals
Ronni Le Tekrø – guitars
Morty Black – bass

Dag Stokke - Keyboards
Frode Lamøy – drums, percussion
M.B. Normann – duet vocals on "Under My Pillow"
Eli Kristin Hagen – backing vocals on "Into Pieces"

Producer - Ken Ingwersen

Firefly / TNT (1997)

0312Firefly









1997年に発表された再結成TNTの1作目のアルバム。オリジナル・アルバムとしては通算6枚目となります。リリース当初から「グランジ化した」「暗すぎる」とファンの間では評判の芳しくなかった作品です。時代的な背景から言ってグランジ、オルタナティヴ・ロックの影響はもちろんあったのでしょうが、ロニー・ル・テクロのVagabondに似た雰囲気もあるし、トニー・ハーネルのMorning Woodを思わせるアコースティカルな曲も収録されていて、解散中のそれぞれの音楽活動の延長線ととらえることも出来ます。また、#9thコードと特徴的なリズムから明確なジミヘンへのオマージュを感じ取れる曲もあり、どうも単純にグランジ・ブームに乗っかっただけとは言い切れないような気がします。まあ、いずれにしてもTell No TalesやIntuitionで確立したバンドのイメージからはずいぶん遠くに来てしまったのは間違いありません。ただ、これまでのサウンドに拘らなければ、結構いいアルバムなのではないかと思います。リリースから20年以上経っても古臭さが一切感じられないのが凄い。特に#9"Moonflower"の幻想的な美しさは絶品です。演奏面では、なんと言ってもロニー・ル・テクロのぶっ飛び具合が凄まじいです。HR/HMギターの類型を飛び出て、もはやアバンギャルドの域に達した感がありますね。なお、#11"Soldier of the Light"はIntuition制作時のデモだそうで、ちょっと雰囲気が違って浮いてしまってるのがもったいない。無理してこのアルバムに入れなくても良かったんじゃないかなぁ。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Firefly (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Morty Black)
02. Angels Ride (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
03. Tripping (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
04. Daisy Jane (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
05. Somebody Told You (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
06. Month of Sundays (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
07. Only the Thief (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
08. Heaven's Gone (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
09. Moonflower (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, MB Normann)
10. Sunless Star (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Morty Black)
11. Soldier of the Light (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)

■Personnel
Tony Harnell – lead & harmony vocals
Ronni Le Tekrø – all guitars, vocals
Morty Black – bassguitars

Dag Stokke - Keyboards
Frode Hansen – drums, percussion
John Macaluso – drums on #11

Producer - TNT
except #11 produced by Bob Icon
 

Till Next Time / TNT (1996)

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バンド解散後の1996年に日本で企画・編集されたTNTのベスト・アルバム。2ndKnights of the New Thunder 、3rdTell No Tales、4thIntuition から選曲された16曲に加え、Intuition 国内初版(来日記念盤)ボーナストラックの"Electric Dancer"と、ライブビデオForever Shine On - Japan Live (1989年8月新宿厚生年金)から"Tonight I'm Falling"、"Take Me Down (Fallen Angel)"の2曲、合計19曲収録とかなりボリュームのあるベスト盤です。いわば黄金期の3作品の中から、日本人リスナーの好みをよく知る日本のレコード会社が選曲したわけですから、内容の面でも納得のいくアルバムとなっています。さらに、ライブ音源は音質もそれなりでオマケ的なものですが、レア・トラック"Electric Dancer"の収録はポイント高いです。腰の強いシャッフル・ビートとキラめくメロディが絶品で、メロハー・ファンにとっては聴かなきゃ損と思えるくらいの良い曲なのに、正規版Intuition になぜ入ってなかったか理解できません。総じて、今までこのバンドをあまり聴いたことがないけどちょっと興味がある、というようなリスナーには最適のアルバムだと思います。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. 10,000 Lovers (In One) (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Diesel Dahl)
02. Intuition (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
03. As Far as the Eye Can See (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
04. Tonight I'm Falling (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
05. Everyone's a Star (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
06. Take Me Down (Fallen Angel) (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
07. Seven Seas (TNT)
08. Tell No Tales (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Diesel Dahl)
09. Forever Shine On (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Morty Black)
10. Break the Ice (Diesel Dahl, Tony Harnell, Dag Ingebrigtsen)
11. Listen to Your Heart (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
12. Last Summer's Evil (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell, TNT)
13. Caught Between the Tigers (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
14. Knights of the Thunder (Diesel Dahl, Tony Harnell, TNT)
15. Sapphire (Ronni Le Tekrø)
16. End of the Line (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
17. Electric Dancer (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
18. Tonight I'm Falling [live] (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)
19. Take Me Down (Fallen Angel) [live] (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø)

■Personnel
Tony Harnell – vocals
Ronni Le Tekrø – guitars, guitar synthesizer, 1/4 stepper guitar
Morty Black – bass guitar, pedal synthesizer
Diesel Dahl – drums, percussion
Kenneth Odiin – drums, percussion

Producer - Bjørn Nessjø
 

Morning Wood / Morning Wood (1994)

0220Morning Wood









1992年のTNT解散後にトニー・ハーネルがリリースしたアルバム。実質ソロ作ですがMorning Woodというバンド名義になっています。メンバーはギターにアル・ピトレリ(Asia、Savatage、Megadeth etc)、ベースにダニー・ミランダ(Blue Öyster Cult 、Queen + Paul Rodgers ‎etc)、ドラムにチャック・ボンファンテ(Saraya etc)。TNTの僚友ロニー・ル・テクロは、当時アメリカ的なものが何もかも嫌になっていたようですが、トニー・ハーネルもノルウェー的なものに嫌気が差していたらしく、半分はアメリカのバンドのカバーで占められています。選曲がちっょとベタ過ぎる気がしないでもありませんが、TNTとは真逆でアルバム全体がとにかくリラックス・ムード。全編にわたってアコースティック・ギターがフィーチャーされ、聴いていると心地よくくつろいだ気分に浸れます。トニー・ハーネルの原点という意味でも興味深いし、演奏も歌唱もパーフェクトなので聴いて損はないです。

■01. Not Scared Anymore (Tony Harnell, Danny Miranda)
優しいメロディが印象的なオリジナル曲。さりげないけれどバックの演奏がめちゃくちゃ渋い!
■02. Love the One You're With (Stephen Stills)
元々はスティーヴン・スティルスのソロ・アルバム収録曲ですが、CSN&Yでもやっていた曲。典型的なアメリカン・ロックという感じ。ギター・ソロがAllman Brothersの"Jessica"だったりして、なんとも憎いアレンジです。
■03. Tonight I'm Falling (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø) / Crazy on You  (Ann Wilson, Nancy Wilson)
言わずと知れたTNTの名曲とHeartのヒット曲のメドレー。スローでアコースティカルな"Tonight I'm Falling"、美しくて切なくて泣けるなぁ。ピトレリのギターもゾクゾクするほどカッコいい。
■04. Desperado (Don Henley, Glenn Frey)
これまた知らない人はいないであろうEaglesの超名曲。当たり前にいいです。
■05. More Now Than Ever (Al Pitrelli)
アル・ピトレリのオリジナル。地味だけど、聴けば聴くほど味わいの増す曲ですね。
■06. Give a Little Bit (Richard Davies, Roger Hodgson)
これはアメリカじゃなくてブリティッシュ・ロック・バンドSupertrampのカバー。Supertrampあんまり聴いたことないし、ちょっと筆者としては印象薄いかな。
■07. What's Going On (Marvin Gaye, Alfred Cleveland)
これもあまりに有名なマーヴィン・ゲイの名曲。リズム隊の巧みさ、ピトレリの職人的ギターが際立っています。いや~素晴らしい!!
■08. Midnight Rider (Gregg Allman)
Allman Brothers Bandの渋いナンバー。Allman Brothersもいいけれど、Whitesnakeにいたミッキー・ムーディが昔やってたJuicy Lucyのカバーが気だるくて良かったな。このトニー・ハーネルのバージョンもむしろそっちに近い感じ。
■09. Silence (Tony Harnell, Danny Miranda)
TNTのアルバムの真ん中あたりに入っていてもおかしくないような、繊細で静かな曲。トニー・ハーネルならではの歌唱だと思います。
■10. One of These Nights (Don Henley, Glenn Frey)
再びEaglesの大ヒット曲。リズムが跳ねるアレンジが新鮮です。ギター・ソロがまたまた絶品。上手いな~、ピトレリ!
■11. Love Hurts (Boudleaux Bryant)
ブリティッシュ・ロック・バンドNazarethのバラードのカバー。Nazarethは70年代に何枚かアルバム買ったけど、B級イメージが抜けないバンドだったし、この曲もどこがいいのかよくわからない。
■12. Sun in Your Sky (Tony Harnell, Danny Miranda)
トニー・ハーネルの書く曲は、やっぱりどれも優しくて繊細だな。この人、いい人なんじゃないかと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Personnel
Tony Harnell - All vocals
Al Pitrelli - All guitars
Danny Miranda - Bass guitar, keyboards
Chuck Bonfante - Drums,  percussion

Three Nights in Tokyo / TNT (1992)

0156Three Nights in Tokyo









1992年8月日本公演を収めたTNT初のライブ・アルバム。日本国内のみのリリースとなっています。当時すでに解散が決定しており、集金ツアーだとか悪口を言われ、公演自体も観客の盛り上がりに欠けるなど、ネガティヴな評価がつきまとうライブでしたが、アルバムを聴く限りそんなに酷いものではありません。演奏・歌唱とも非常にハイ・レベルで、特にロニー・ル・テクロのギターが冴えまくっています。「ライブなのに凄い」と考えがちですが、本物は「ライブだから凄い、ライブの方が凄い」のが当たり前ですよね。トニー・ハーネルの天を突くようなハイトーンにも圧倒されます。ボーカリストとしてはこのころがピークだったんだろうと思います。

メンバー自身が収録曲を選んだということですが、直近のアルバムRealized Fantasiesから多く採られているのは当然としても、日本で特に人気の高い4thIntuitionから1曲も選ばれていないのが不思議です。あえて外したとしか思えませんが、理由は分かりません。収録されているのは、2ndKnights of the New Thunderから1曲、3rdTell No Talesから3曲、5thRealized Fantasiesから6曲、それにロニー・ル・テクロのギター・ソロが1曲扱いで計11曲です。評判の良くない5th中心の選曲ですが、ライブだと意外に他のレパートリーともなじんでいて、違和感はまったくありません。

前述したとおり、このアルバムを最後にTNTは解散。本国ノルウェーと日本では売れたものの、アメリカでの成功に手が届かないことから、トニー・ハーネルとロニー・ル・テクロの間に確執が生じていたと伝えられています。後に再結成しますが、音楽性はかなり変わってしまいます。本作は選曲に難はあるものの、全盛期TNTの唯一のライブ盤として貴重なものでしょう。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Purple Mountain's Majesty (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell, Dag Stokke)
02. Hard to Say Goodbye (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell)
03. Downhill Racer (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Morty Black)
04. As Far as the Eye Can See (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell)
05. 10,000 Lovers (In One) (Tony Harnell, Ronni Le Tekrø, Diesel Dahl)
06. Guitar Solo (Ronni Le Tekrø)
07. Indian Summer (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell)
08. Lionheart (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell, Del James)
09. Seven Seas (TNT)
10. Mother Warned Me (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell, Del James)
11. Everyone's a Star (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell)

■Personnel
Morty Black – bass
John Macaluso – drums
Ronni Le Tekrø – guitars
Tony Harnell – vocals

Dag Stokke – keyboards 

 
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