UKメロディアスハードの老舗Praying Mantisの7thアルバムです。1990年の再結成以来のドラマーだったブルース・ビスランドと、5thと6th2作続けてボーカルを担当したトニー・オホーラは脱退しており、正規メンバーはティノ・トロイ(g)、クリス・トロイ(b)、デニス・ストラットン(g)の3人のみ。ボーカルはゲスト扱いでドギー・ホワイト(Rainbow, Cornerstone)が5曲、ジョン・スローマン(Lone Star, Uriah Heep)が3曲、残り2曲はバンド・メンバーが歌っています。ドラムも同じくゲストのマーティン・ジョンソンです。ボーカルの2人はもちろん実力はあるし、特にドギー・ホワイトは2ndリリース後にツアー・メンバーだったということもあり、その起用に問題はありませんが、この後デニス・ストラットンも脱退してバンドは活動休止、次作まで6年のブランクが開くことを考え合わせると、何かバンドの行き詰まりを感じさせます。The Journey Goes Onというタイトルも逆にそのことを象徴しているような気もしてしまいます。
アルバムの内容は、前作で感じた編曲の甘さが引き続き気になりました。メロディの一つ一つは叙情的で哀愁があり、加えて今回は特に「美しさ」も際立っていて、本作で多くの曲を書いているクリス・トロイのメロディ・メイカーとしての才能を感じさせます。しかしながら、せっかくの良いメロディを良い曲にまとめ上げられていない。キメやブレイクに違和感があったり冗長に感じてしまうし、曲の構成もなんとなくチグハグでどこに連れて行かれるかと不安になります。残念ながら名作A Cry for the New WorldやForever in Timeには遠く及ばないと言わざるを得ません。それでもこのバンドのファンにとっては聴き逃すことのできない愛すべき作品だとは思います。
蛇足ですが、#1"Tonight"は、クサいメロディといい裏声コーラスといい、まるでムード歌謡。ロス・プリモスとか東京ロマンチカのファンなら泣いて喜びそうですが、筆者は笑ってしまいました。
評価 ★★★★☆
アルバムの内容は、前作で感じた編曲の甘さが引き続き気になりました。メロディの一つ一つは叙情的で哀愁があり、加えて今回は特に「美しさ」も際立っていて、本作で多くの曲を書いているクリス・トロイのメロディ・メイカーとしての才能を感じさせます。しかしながら、せっかくの良いメロディを良い曲にまとめ上げられていない。キメやブレイクに違和感があったり冗長に感じてしまうし、曲の構成もなんとなくチグハグでどこに連れて行かれるかと不安になります。残念ながら名作A Cry for the New WorldやForever in Timeには遠く及ばないと言わざるを得ません。それでもこのバンドのファンにとっては聴き逃すことのできない愛すべき作品だとは思います。
蛇足ですが、#1"Tonight"は、クサいメロディといい裏声コーラスといい、まるでムード歌謡。ロス・プリモスとか東京ロマンチカのファンなら泣いて喜びそうですが、筆者は笑ってしまいました。
評価 ★★★★☆
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。
■Tracks
01. Tonight (words & music : C. Troy)
02. The Escape (words & music : C. Troy)
03. The Journey Goes On (words : C. Troy music : T. Troy, D. Stratton)
04. Silent War (words & music : C. Troy)
05. Beast Within (words & music : C. Troy)
06. Hold On for Love (words & music : D. Stratton)
07. If Tomorrow Never Comes (words & music : C. Troy)
08. Lost World (words & music : C. Troy)
09. The Voice (words & music : C. Troy)
10. Naked (Re-Recorded Version) (words & music : T. Troy)
10. Naked (Re-Recorded Version) (words & music : T. Troy)
■Personnel
Tino Troy - Guitars, Lead & Backing Vocals, Keyboards
Tino Troy - Guitars, Lead & Backing Vocals, Keyboards
Dennis Stratton - Guitars, Lead & Backing Vocals
Chris Troy - Bass, Lead & Backing Vocals, Keyboards
John Sloman - Lead & Backing Vocals
Doogie White - Lead & Backing Vocals
Martin Johnson - Drums, Percussion
John Sloman - Lead & Backing Vocals
Doogie White - Lead & Backing Vocals
Martin Johnson - Drums, Percussion