メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

ディーン・カストロノヴォ

Double Eclipse / Hardline (1992)

127Double Eclipse










バッド・イングリッシュを脱退したニール・ショーンとディーン・カストロノヴォが、ブルネット(Brunette)というバンドで活動していたジョニー・ジョエリとジョーイ・ジョエリの兄弟と合流して結成したバンド、ハードラインの1stアルバム。バッド・イングリッシュはスーパーグループとして注目を浴び、レコード・セールスも絶好調だったものの、ニール・ショーンはそのギター控えめ路線に不満を募らせていたらしく、本作では鬱憤を晴らすかのようにハードに弾きまくっています。こんなに溌剌としているニール・ショーンってそんなに無いんじゃないかと思うほどです。ディーン・カストロノヴォのドラムは相変わらずの凄さですし、ジョニー・ジョエリのボーカルがまたいい。故スティーヴ・リー(Gotthard)に通じるパワーと上手さを兼ね備えた名ボーカリストですね。

しかし何よりいいのは曲です。まさに粒選りって感じ。#2"Dr. Love"はマイク・スラマーの手になるもので、彼のスティールハウス・レーンのアルバムMetallic Blueにも収録されているへヴィなリフがカッコいい曲。そして#3"Love Leads the Way"はこのアルバムのハイライトとも言える叙情的なメロディが印象的な名曲。なぜこれがボーナス・トラックなのか分かりません。#5"Change of Heart"はサラっとしているもののどこか郷愁を誘う味がたまらない。#6"Everything"はマーク・タナー、エディ・マネー、ジョナサン・ケインだとか錚々たるメロディ・メイカーがクレジットに名を連ねていますが、いったい誰が書いたんだと。それはともかくメロハーのお手本のような素晴らしい曲です。#8"Hot Cherie"もメンバー以外の作曲ですが、これまたメロハー好きならイチコロのエキサイティングな曲です。#10"Can't Find My Way"はほんの少し東洋的なメロディが印象に残るバラード。

こんなにいいアルバム作ったのにニール・ショーンはツアーやってすぐ脱退。ポール・ロジャースのツアーに参加したあと1995年ジャーニーの再結成へと至ります。ニール・ショーン無しでバンドが続くわけもなくハードラインは解散状態に陥り、ジョニー・ジョエリはAxel Rudi Pell(!)のボーカリストに起用され、また日本人ギタリスト瀬上純と組んでCrush 40としてゲーム音楽をやったりなんかしていましたが、2002年に突如ハードラインを復活させているのは皆様ご存知のとおりでございます。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Life's a Bitch (Neal Schon/Johnny Gioeli/Joey Gioeli )
02. Dr. Love (Mark Baker/Mike Slamer) 
03. Love Leads the Way [bonus track] (Johnny Gioeli/Joey Gioeli/Neal Schon )
04. Rhythm from a Red Car (Neal Schon/Johnny Gioeli/Joey Gioeli )
05. Change of Heart (Johnny Gioeli/Joey Gioeli/Neal Schon )
06. Everything (Neal Schon/Mark Tanner/Eddie Money/Johnny Gioeli/Joey Gioeli/Tony Marty/Jonathan Cain) 
07. Takin' Me Down (Johnny Gioeli/Joey Gioeli/Neal Schon )
08. Hot Cherie (Randy Bishop/Daryl Gutheil/Jeffrey Neill/Kenneth Shields/Kenneth Sinnaeve) 
09. Bad Taste (Johnny Gioeli/Joey Gioeli/Neal Schon )
10. Can't Find My Way (Johnny Gioeli/Joey Gioeli/Neal Schon )
11. I'll Be There (Neal Schon/Johnny Gioeli/Joey Gioeli /Jonathan Cain)
12. 31-91 (Neal Schon) 
13. In the Hands of Time (Joey Gioeli/Johnny Gioeli/Neal Schon )

■Personnel
Johnny Gioeli - lead vocal, acoustic guitar, rhythm guitar, percussion
Neal Schon - lead guitar, rhythm guitar, catgut guitar, guitar synthesizer, backing vocals
Joey Gioeli - rhythm guitar, vocals
Todd Jensen - bass guitar, vocals
Deen Castronovo - drums, vocals

Producer - Neal Schon 

Backlash / Bad English (1991)

0076Backlash
ジャーニーとザ・ベイビーズが合体して生まれたスーパー・グループ、バッド・イングリッシュの2ndにしてラストのアルバム。レコーディング・メンバーは1stと同じく、ニール・ショーン(gt)、ジョナサン・ケイン(key)、ジョン・ウェイト(vo)、リッキー・フィリップス(ba)、ディーン・カストロノヴォ(dr)。プロデュースはSurvivor、Heart、Kissなどのアルバム制作で著名な売れっ子プロデューサー、ロン・ネヴィソンが担当しています。ロン・ネヴィソンはザ・ベイビーズでも2枚のアルバムをプロデュースしており、彼の起用はジョン・ウェイトにとっては旧知の間柄という事情もあったのでしょう。

楽曲については、前作に引き続いてジョン・ウェイトとジョナサン・ケインがライティングの中心となり、加えてまたもやキラ星のごとく名だたるヒットメーカーが共作者として名を連ねています。前作でも参加していたダイアン・ウォーレン(Diane Warren)、マーク・スピロ(Mark Spiro)の2人のほか、ラス・バラード(Russ Ballard)、ジェシー・ハームス(Jesse Harms)、ティム・ピアース(Tim Pierce)がクレジットされています。バッキング・ボーカルにはマーク・スピロ自身と、Airplayなどで有名なAOR系シンガーのトミー・ファンダーバークが加わっています。

このように、大ヒットした前作をさらに上回るべくプロダクション、ソング・ライティング両面において万全のラインナップで制作され、メジャー感バリバリのアルバムなのですが、なんとなく勢いのないサウンドとなってしまっている印象が否めません。セールス的にも前作に遠く及ばず、チャートの動きもアルバム、シングル共に鈍く、バンドにとって不本意な結果となってしまいました。このアルバムのレコーディング時期にはメンバー間の軋轢、とくにジョン・ウェイトとニール・ショーンの確執が相当深刻なものとなっていたようで、そのことが完成したアルバムに悪い形で影響を与えているのかもしれません。このバンドはやはりザ・ベイビーズの形を変えた再始動という色合いが濃く、ニール・ショーンは脇役に甘んじることができなかったのでしょう。アルバムがリリースされた頃にはすでに、ニール・ショーンとディーン・カストロノヴォはバンドを脱退しており、ほどなくバッド・イングリッシュは解散してしまうことになります。

リリースから20年以上経過し、バッド・イングリッシュ解散後のメンバーそれぞれの行く末を知った上で、改めてこのアルバムを聴きなおしてみると、それなりに佳曲揃いだし、ジョン・ウェイトの歌唱も悪くはありません。華やかな80年代の終わりに登場し、混沌とした90年代に突入する時代の渦の中で消え去ったスーパー・グループ、バッド・イングリッシュ。「つわものどもが ゆめのあと」というフレーズを何故か思い出してしまう、そんなアルバムです。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. So This Is Eden (John Waite, Jonathan Cain, Russ Ballard)
02. Straight to Your Heart (John Waite, Neal Schon, Jonathan Cain, Mark Spiro)
03. Time Stood Still (John Waite, Ricky Phillips, Jesse Harms)
04. The Time Alone with You (John Waite, Diane Warren, Jonathan Cain)
05. Dancing Off the Edge of the World (John Waite, Jonathan Cain, Neal Schon)
06. Rebel Say a Prayer (John Waite, Jonathan Cain, Russ Ballard)
07. Savage Blue (John Waite, Jonathan Cain, Neal Schon)
08. Pray for Rain (John Waite, Mark Spiro, Jonathan Cain)
09. Make Love Last (John Waite, Jonathan Cain)
10. Life at the Top (John Waite, Jonathan Cain, Mark Spiro, Tim Pierce)

■Personnel
John Waite - lead vocals
Neal Schon - guitars
Jonathan Cain - keyboards, background vocals
Ricky Phillips - bass, background vocals
Deen Castronovo - drums, background vocals

Mark Spiro - background vocals
Tommy Funderburk - background vocals

Producer - Ron Nevison

 

Bad English / Bad English (1989)

0061Bad English

ジャーニー(Journey)活動休止後のニール・ショーン(gt)とジョナサン・ケイン(key)、元ザ・ベイビーズ(The Babys)のジョン・ウェイト(vo)とリッキー・フィリップス(ba)、さらにニール・ショーンのソロ・アルバムで起用されていたディーン・カストロノヴォ(dr)の5人が結成したバッド・イングリッシュ(Bad English)の1stアルバム。80年代に絶大な人気を誇ったジャーニーと、70年代末に活躍した有名バンドであるベイビーズの合体ということで、スーパーグループとして鳴り物入りでのデビューでした。ジョナサン・ケインはジャーニーに引き抜かれる前はベイビーズのメンバーだったわけだし、ソング・ライティングの面でも、出来上がったサウンドの面でも、実態としてはベイビーズ組が主導するバンドだったことは明らかだと思います。著名度から見ればジャーニーのニール・ショーンの新バンドと喧伝されるだろうし、本人もそのつもりだったのでしょうが、悲しいかなニール・ショーンは脇役でしかありません。意地の悪い見方をすると、ベイビーズの再結成にニール・ショーンが利用されたと言えなくもありません。

曲調としては、ジョン・ウェイトのブルージーで渋いボーカルを前面に押し出した、ポップでメロディアスなハードロック。まさにベイビーズの延長線上にあるサウンドです。バラード好きのアメリカ市場を十分意識して、全13曲中バラードが4曲入っています。収録曲の多くがジョン・ウェイトとジョナサン・ケイン主導で書かれていますが、外部ライターが大量に起用されているのも注目です。全米1位に輝いたバラード#5"When I See You Smile"は、大ヒットを量産しているダイアン・ウォーレン(Diane Warren)の作品。彼女の他にも、マーク・スピロ(Mark Spiro)、デヴィッド・ロバーツ(David Roberts)、マーティン・ペイジ(Martin Page)、トッド・サーニー(Todd Cerney)、アンディ・ヒル&ピーター・シンフィールド(Andy Hill & Peter Sinfield)がクレジットされていますが、いずれも数多くのアーティストに楽曲を提供している名うてのソング・ライターばかりです。バラエティに富んだ水準の高い楽曲を揃えたことで、アルバム全体として非常に高品質な仕上がりとなっています。筆者のお気に入りは、ハードなサウンドとドラマチックなメロディが魅力的な#4"Forget Me Not"、隙間の多いサラッとした風合いがラストにふさわしい#13"Don't Walk Away"。この曲を書いたコンビの片割れのピーター・シンフィールドって、キング・クリムゾンの「作詞担当メンバー」だったあのピート・シンフィールドなんですよね。

プロデューサーは、チープ・トリック、ラット、ポイズンなどのプロデュースで知られるリッチー・ズィトー(Richie Zito)。シングルカットされた5曲ともBillboard Hot 100にチャート・イン、うち3曲がTop40入りし、アルバム自体もアルバム・チャート21位まで到達するヒット作品となっています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Best of What I Got (John Waite, Jonathan Cain, Neal Schon)
02. Heaven is a 4 Letter Word (Neal Schon, Jonathan Cain, John Waite, Mark Spiro)
03. Possession (John Waite, Jonathan Cain, Ricky Phillips)
04. Forget Me Not (John Waite, Jonathan Cain, Mark Spiro)
05. When I See You Smile (Diane Warren)
06. Tough Times Don't Last (Jonathan Cain, David Roberts, John Waite)
07. Ghost in Your Heart (John Waite, Martin Page, Jonathan Cain)
08. Price of Love (John Waite, Jonathan Cain)
09. Ready When You Are (Jonathan Cain, John Waite, Neal Schon, Todd Cerney)
10. Lay Down (John Waite, Neal Schon, Jonathan Cain)
11. The Restless Ones (John Waite, Jonathan Cain, Ricky Phillips)
12. Rockin' Horse (Neal Schon, John Waite, Jonathan Cain)
13. Don't Walk Away (Andy Hill, Peter Sinfield)

■Personnel
John Waite - vocals
Neal Schon - guitars, vocals
Jonathan Cain - keyboards, vocals
Ricky Phillips - bass, vocals
Deen Castronovo - drums, vocals

Producer - Richie Zito

Von Groove / Von Groove (1992)

0037Von Groove

カナダのトロントから出てきたメロディアス・ハードロック・バンド、ヴォン・グルーヴの1stアルバム。「メロハー」と言い切ってしまうより、ハードロックの中ではメロディアスな音というのしっくり来るのかな。その辺は実は微妙な感覚なわけですが。ヴォン・グルーヴは、トロント生まれのトロント育ちのマ シュー・ジェラード(Ba)、イギリスはニューキャッスル生まれのトロント育ちマイケル・ショットン(Vo, Dr)、旧ユーゴスラヴィアのクロアチア生まれでトロントに移住したムラデン(Gt)のトリオ編成。いずれもカナダのロック・シーンで数多くのスタジオ・ ワークをこなしてきたセッション・ミュージシャンです。スタジオ・ミュージシャンが集まって作ったバンドというと、ダン・ハフのジャイアントを思い浮かべますが、出てくる音に違いはあれ、音楽的な技量という面では同じく安心して聴いていられます。演奏・歌唱に不安定さのカケラもありません。

出だしが下品ですが、#1"Once Is Not Enough"から骨太なロックン・ロール全開でうれしくなります。ただし、ストレートなようでいてちょっとひねくれた感じもあり、一筋縄ではいかないバ ンドという印象です。筆者のお気に入りは#6"House Of Dreams"、一発でガツンとくる名曲です。ハードなサウンドに哀愁メロディが乗っかって、これぞメロディアス・ハード!リフが#13"Sweet Pain"と似すぎなんですが。。。切ないバラード#4"Once In A Lifetime"、これもとても良い曲です。ボーナス・トラックの#15"King Of Your World"も、ライブの熱さが伝わってきて素晴らしい。このバンド最近音沙汰ありませんが、ライブ・アルバムを出したらいいのにと思います。

なお、いくつかの曲ではマイケル・ショットンではなく、バッド・イングリッシュ~ハード・ライン~ジャーニーと、ニール・ショーンと行動をともにしているディーン・カストロノヴォがドラムを叩いています。プロデュースはバンド自身で行っていますが、ディーン・カストロノヴォが参加している曲のプロデュースには、リッチー・ズィトーの名前がクレジットされています。このアルバムの前にバッド・イングリッシュのプロデュースを担当した縁かもしれません。元々は セッション・ギタリストでしたが、バッド・イングリッシュのほかにも幅広いジャンルのアーティスト、たとえばチープ・トリック、ラット、ジョー・コッ カー、エリック・カルメンなどのアルバム制作に携わってきたベテラン・プロデューサーです。そのほか、後にマシュー・ジェラードがプロデュースするTotal Strangerのアル・ラングレイドもバッキング・ボーカルでクレジットされています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Once Is Not Enough (Von Groove)
02. Better Than Ever (Von Groove)
03. Can’t Get Too Much (Von Groove)
04. Once In A Lifetime (Von Groove)
05. Every Beat Of My Heart (Von Groove)
06. House Of Dreams (Von Groove)
07. C’mon, C’mon (Von Groove)
08. All The Way Down (Von Groove)
09. Arianne (Von Groove)
10. Slave To Sin (Von Groove)
11. Love Keeps Bringing Me Home (Von Groove)
12. Smaug (Von Groove)
13. Sweet Pain (Von Groove)
※日本盤ボーナストラック
14. Soldier Of Fortune (Von Groove)
15. King Of Your World (Live) (Von Groove)

■Personnel
Matthew Gerrard - bass guitar, backing vocals, keyboards, all programming and sequencing
Michael Shotton - lead and backing vocals, drums
Mladen - all guitars, mandolin, backing vocals

Deen Castronovo - drums on 1, 4, 5, 6
Tommy Funderburke - backing vocals
Al Langlade - backing vocals
Grant Cummings - backing vocals
John Metherell - backing vocals
Steve McPhail - backing vocals
Norm Arnold - percussion
Scott Humphrey - keyboards, digital sound editing
Ivana - girl's voice on 1
Rhonda - girl's voice on 13

Producer - Von Groove
Except Tracks 1, 4, 5, 6 Produced by Richie Zito

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