プレマンことPraying Mantisのオリジナル・スタジオ・アルバムとしては8枚目の作品です。前作 The Journey Goes On から6年のブランクがあり、トロイ兄弟以外のメンバーは一新されました。新メンバーは、マイク・フリーランド(Vo)、アンディ・バージェス(G)、ベンジイ・レイド(Ds)の3人。また、プロデューサーにはFMやSkinなどのアルバム・プロデュースの実績を持つアンディ・ライリーが起用されています。
嬉しいことに、The Journey Goes On に漂っていた行き詰まり感は完全に払拭されて、3rd A Cry for the New World、4th Forever in Time に迫る久々の傑作アルバムとなっています。叙情的なマンティスの持ち味はそのままに、1st Time Tells No Lies を髣髴とさせる若々しく硬質な音が蘇っているのは、トロイ兄弟よりかなり年下であろう新メンバーの参加が効を奏したということでしょう。特にボーカルのマイク・フリーランドがいいですね。ソリッド感のある声質、よく伸びる高域が特徴的で、マンティスのボーカリストとしては今までにないタイプで、とても新鮮に感じます。ドラムのベンジイ・レイドはブルース・ビスランドよりずっとキビキビした叩きっぷりでこれまた好印象です。ギターのアンディ・バージェスは、、、基本ツインリード(懐かしい言葉)でハモりのフレーズを弾いているのでよく分かりません。
"Fly Again!"という叫びから始まる#1"In Time"は、まさに復活の狼煙にふさわしいオープニング曲。ファンにとっては特別な感慨を呼び起こされる名曲でしょう。この曲などに顕著ですが、他のメロディック・ロックのバンドと比べて、Praying Mantisの最も特徴的な点は曲の余韻が残ることだと思っています。他の曲もマンティス節全開で嬉しい限りですが、とりわけ高揚感に満ちた#4"So High"、もの哀しいメロディが心に残る#5"Turn the Tide"などは出色の出来。更に、新メンバーだけで書かれた#7"Threshold of a Dream"はマンティスに新しい魅力を付け加えているし、今までになくポップでAOR風の#10"Highway"も音楽性の幅を広げることに成功しています。音楽性を激変させたり、バラード・バンドになってしまったりして、がっかりさせられるバンドも多い中で、Praying Mantisはアルバムによって多少の出来・不出来はありますが、基本路線はしっかり維持しつつマンネリを回避するという、実は最も難しいことをやっているんじゃないかと思います。いつまでも応援したいバンドです。
評価 ★★★★★
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. In Time (C. Troy, Freeland)
02. Restless Heart (Freeland, C. & T. Troy, Burgess)
03. Tears in the Rain (C. & T. Troy, Freeland, Burgess)
04. So High (C. & T. Troy, Freeland)
05. Turn the Tide (C. & T. Troy, Burgess, Freeland)
06. Touch the Rainbow (C. Troy)
07. Threshold of a Dream (Burgess, Freeland)
08. Playing God (C. & T. Troy, Burgess)
09. Broken Chains [Bonus Track] (C. Troy)
10. Highway (Burgess, Freeland, T. Troy)
11. Sanctuary (C. & T. Troy, Burgess)
10. Highway (Burgess, Freeland, T. Troy)
11. Sanctuary (C. & T. Troy, Burgess)
■Personnel
Mike Freeland - Lead Vocals
Chris Troy - Bass, Vocals, Keyboards
Benjy Reid - Drums, Verse
Andy Burgess - Guitars, Vocals, Keyboards
Tino Troy - Guitars, Vocals, Keyboards
Mike Freeland - Lead Vocals
Chris Troy - Bass, Vocals, Keyboards
Benjy Reid - Drums, Verse
Andy Burgess - Guitars, Vocals, Keyboards
Tino Troy - Guitars, Vocals, Keyboards
Producer - Andy Reilly, Praying Mantis