メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

ティノ・トロイ

Nowhere to Hide / Praying Mantis (2000)

0354Nowhere To Hide









イギリスのメロディアス・ハードロック・バンドPraying Mantisの6枚目のオリジナル・アルバム。前作Forever in Time で起用されたトニー・オホーラが引き続きボーカルを担当しており、同じボーカリストが2枚連続して歌うプレマン初の作品となっています。他のメンバーも不動のラインナップで、ティノ・トロイ(g)、クリス・トロイ(b)、デニス・ストラットン(g)、ブルース・ビスランド(ds)、プロデュースはデニス・ストラットンのバンドLionheartのメンバーだったスティーヴ・マンが務めています。

Praying Mantisは大好きなバンドなのですが、これまでの名作と比べるとやや失速気味と感じてしまいました。プレマンらしい叙情的なメロディはふんだんに詰め込まれているものの、曲の構成に不安を感じたり、メロディの繋がりにちょっとした違和感があったり、いま一つ歯車がかみ合っていない印象があるのです。更に、テンポや曲調が似通っている点、ギターのミュート音でリフを刻むパターンが多すぎる点も気になります。今までは気にならなかった6分を超える長尺の曲も、冗長に感じてしまう場面がありました。しかし、そうは言ってもそこはプレマン、良い曲はもちろんあります。特に#5"Future of the World"は本作のハイライトとなる名曲でしょう。メロディ・ラインも、インスト・パートの組み立てもまさにパーフェクト。ただ、これがデニス・ストラットン作というのが、バンドの中核たるトロイ兄弟の不調を何より象徴的に示していると思うのです。サウンド・プロダクション的には、今回なぜかドラムの音が小さくてパンチに欠けるのもマイナス・ポイント。そのせいかいつもよりベースが前に出ていて、クリス・トロイのプレイヤーとしての力量の高さがよく分かるは良かったです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Nowhere to Hide (music C. Troy/T. Troy - lyrics C. Troy)
02. Cruel Winter (music C. Troy/T. Troy - lyrics C. Troy)
03. The Clocktower (music C. Troy - lyrics C. Troy)
04. Can't Stop the Fire (music C. Troy - lyrics D. Stratton)
05. Future of the World (music D. Stratton - lyrics D. Stratton)
06. Whenever I'm Lost (music D. Stratton - lyrics D. Stratton)
07. You'll Never Know (music C. Troy - lyrics C. Troy)
08. River of Hope (music C. Troy/Bisland/O'Hora/T. Troy/Stratton - lyrics C. Troy)
09. S.O.S. (music T. Troy/C. Troy - lyrics T. Troy)

■Personnel
Dennis Stratton - Guitars, Backing Vocals
Tino Troy - Guitars, Backing Vocals, Keyboards
Tony O'Hora - Lead and Backing Vocals
Bruce Bisland - Drums, Percussion, Backing Vocals
Chris Troy - Bass Guitar, Backing Vocals, Keyboards

Joe Di Libero - Additional Backing Vocals

Producer - Steve Mann, Tino Troy
 

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Demorabilia / Praying Mantis (1999)

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Praying Mantisのデビュー20周年を記念して日本で企画・リリースされたコンピレーション盤。いまだに日本盤しか出ていないと思われます。中身は、1981年の1stアルバムTime Tells No Lies と1991年の2ndPredator in Disguise の間の空白期間に制作されたデモ音源集です。具体的には、1981年8月録音の旧メンバーでの幻の2ndアルバム用音源から、1983年11月録音のバーニー・ショウとクライヴ・バー参加の新バンドEscapeのデモまで、2枚のCDに全27曲が収録されています。録音時期、録音場所も多岐に渡り、またクォリティにバラつきがありますが、StratusのThrowing Shapes とともにバンドのミッシングリンクを埋める貴重な音源集と言えるもの。年代順に収録されていないのが難点と言えば難点ですが、トロイ兄弟による懇切丁寧な解説があるので年代を追いかけながら聴くことも可能です。ああ、この曲はあの曲の原曲だなとか、このキメはあの曲でも出てくるなとか、聴いていると色々気付くのも楽しい。80年代初頭のステージ写真満載のブックレット、ティノ・トロイが書き記した詳細なバンド系譜図という嬉しいオマケまで付いてきて、熱心なプレマン・ファンなら必ず入手して家宝にしているであろう作品集だと思います。逆に言えば、そこまで熱心なファンでなければ、他に聴くべきものはあるということになりますが。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
disc 1
01. One of These Days
02. Wasted Love
03. Fantasy
04. Woman of the Night
05. I Don't Take Prisoners
06. Born Evil
07. The Horn
08. Top of the Mountain
09. All Over Again
10. Romancer
11. Your Number
12. Give Me a Reason
13. Heartache
disc 2
01. A Question of Time
02. I Need Your Loving
03. Battle Royal
04. Time Slipping Away
05. Got to Get It
06. Over and Over
07. Never Say No
08. Heat of the Moment
09. Whose Life Is It Anyway?
10. Enough Is Enough
11. Raining in Kensington
12. Nightmares
13. Give Me a Reason
14. The Story

■Personnel
Bernie Shaw - Lead vocal
Tom Jackson - Lead vocal
Tino Troy - Guitar, Keyboards
Steve Carroll - Guitar, Lead vocal
Chris Troy - Bass, Lead vocal
Clive Burr - Drums
Dave Potts - Drums
Don Garbett - Keyboards
Jon Bavin - Keyboards
 

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Forever in Time / Praying Mantis (1998)

0273Forever In Time









1998年リリースされたPraying Mantis(プレイング・マンティス)の5thアルバム。前作To the Power of Ten は、ダミ声で歌い回しも個性的なゲイリー・バーデンを起用し、楽曲もこれまでのマンティスからするとやや異色で、ちょっと冒険的要素のあるアルバムでしたが、本作はいかにもマンティスらしい作品となっています。新ボーカルのトニー・オホーラは、癖のない伸びやかな歌唱でA Cry for the New World のコリン・ピールと同タイプ、楽曲も叙情的で哀愁に満ちた完全マンティス路線で、ファンには堪えられません。流麗なツイン・リード・ギター、分厚いハーモニー・ボーカルは、伝説の1stTime Tells No Lies を思わせ、メロディ・ラインの美しさ、クサさはA Cry for the New World に匹敵。これはもうマンティス史上屈指の名作と断言できます。ただ、あまりにプレマン度が高く、期待通りの楽曲が揃っているため、マンティス愛の深すぎる筆者としては「予定調和」という言葉が脳裏に浮かびました。マンティスらしさを保ちつつも、期待を裏切って欲しい、過去の名盤を凌駕して欲しい、このアンビバレンツな思いを共有していただける方はいるかなぁ。。。まあそんなわけで、以下はどうしてもマンティスだと力が入ってしまう各曲レビューです。

#1"Wasted Years"
柔らかなキーボードに導かれてスタートする、典型的マンティス流叙情メロハー。いいメロディだなぁ。しかし全曲そうなんですが、ドラムの音が軽く、スネアに至ってはデンデン太鼓のようで情けないことこの上ない。対照的にベースはゴリゴリし過ぎ。本作唯一の欠点です。プロデューサーのクリス・タンガリーディス、責任取れ!

#2"The Messiah"
うっとりするようなツインリードに続いて、中近東風な音階を使った暗めの歌い出し、そして明るい雰囲気のブリッジから美しく力強いコーラスへというドラマチックな展開が秀逸。終盤のギター・ソロもリリカルで美しい。作詞はゲイリー・バーデンなので、彼が在籍時に出来ていた曲と思われます。ゲイリー・バージョンがもしあるのなら、それも聴いてみたいような、みたくないような。。。

#3"Best Years"
イントロのツインリード・ギター・フレーズからしてこれでもかというくらい感傷的で、ヴァースもコーラスもメロディはあまりにクサく、あまりに歌謡曲的。これは褒め言葉です。80年代にチェッカーズとかが日本語でカバーしたら、ザ・ベストテン連続4週1位間違いなしでしょう。本作のハイライト曲であり、マンティスの数多い名曲の中でも1、2を争う出来。マジにうっすら涙ぐんでしまうことがある曲です。クレジットを見ると、デニス・ストラットンが作曲のイニシアチブをとっているんですね。過ぎ去った青春を追想するほろ苦い歌詞も彼の書いたもの。ライオンハートやPredator in Disguise の良くないイメージがあったけど、見直したぜ、デニス!!
「この曲を聴け!」というサイトで、筆者と同じようにマンティス病に罹患した人達が色々書いていますが、一々納得で思わず笑ってしまいました。

#4"Blood of an Angels"
この曲もメロディが素晴らしいです。ブリッジ部分や、コーラスが特に印象的で、一度聴いたら忘れられません。ライブでみんなで大合唱したくなる名曲です。

#5"Valley of the Kings"
歌詞の壮大なテーマにふさわしいスケールの大きな曲。後半テンポ・アップしてからのツイン・リード・ギターと、"ride on warrior~"と繰り返すコーラスは、曲調は違うもののツイン・リードの先輩格Wishbone Ashの"Warrior"を思い出させます。

#6"Changes"
これもジャパニーズ歌謡曲的で、耳にしっくり馴染みます。サビがちょっと弱いけれど、ヴァース部分のメロディはかなり良いです。曲の最後のほうで、ボーカルとギターが絡み合うところが哀愁も高揚感も最高潮でグッと来るなぁ。

#7"Man Behind the Mask"
#2"The Messiah"と同様、作詞がゲイリー・バーデンなので、彼が歌うのを前提に作られたのでしょう。そのせいか、なんとなくTo the Power of Ten の作風に近いものを感じます。この曲はなんと言ってもサビの"あーい、あーい"が最高。やはりライブで大合唱したくなる曲です。リード・ギターも壮絶なプレイを聴かせるというより、楽曲のアンサンブルに組み込まれていて、そこがマンティスらしくて好ましいです。

#8"Remember My Name"
このアルバム唯一のスローなバラード曲。ここまでずっと名曲の目白押しで息もつけない展開でしたが、ちょっと一段落です。書いたのはトニー・オホーラで、やはりトロイ兄弟の楽曲とは違う感じがしますね。このアルバムは6分、7分の長尺の曲が多く、この曲も6分以上あります。悪くないメロディですが、この曲に限っては長尺ゆえの冗長感が否めないのが惜しい。

#9"The Day the Sun Turned Cold"
ムード歌謡ですかっていう甘いイントロから一気に加速して、マンティスには珍しいケルティックなメロディへ、そしてフラメンコ風のギター・パートへと、目まぐるしくドラマチックに変化する曲展開が素晴らしい。

#10"Forever in Time"
怒涛のように名曲・佳曲が続いた本作を締めくくるのはタイトル・トラックで、これまたマンティス史上に残る名曲。トロイ兄弟が亡くしたばかりの父親に捧げた曲で、美しく、哀しく、劇的で、しかもスケールが大きい。最後のサビで一度だけ歌われる、"forever, forever, forever, forever in time"というフレーズに込められた万感の思いに、魂を揺さぶられてしまいます。一生の宝物になる歌に出会えて良かった。 

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Wasted Years (music : C. Troy/T. Troy lyrics : C. Troy)
02. The Messiah (music : C. Troy/T. Troy lyrics : G. Barden)
03. Best Years (music : D. Stratton/T. Troy/C. Troy lyrics : D. Stratton)
04. Blood of an Angels (music : C. Troy lyrics : C. Troy)
05. Valley of the Kings (music : C. Troy/T. Troy lyrics : C. Troy)
06. Changes (music : T. Troy/C. Troy lyrics : C. Troy)
07. Man Behind the Mask (music : C. Troy/T. Troy lyrics : G. Barden)
08. Remember My Name (music : T. O'Hora lyrics : T. O'Hora)
09. The Day the Sun Turned Cold (music : C. Troy lyrics : C. Troy)
10. Forever in Time (music : C. Troy lyrics : C. Troy)

■Personnel
Tony O'Hora - Lead and Backing Vocals
Chris Troy - Bass Guitar, Backing Vocals, Keyboards
Bruce Bisland - Drums, Percussion
Dennis Stratton - Guitars, Backing Vocals
Tino Troy - Guitars, Backing Vocals, Keyboards

Jazz O'Hora - Additional Backing Vocals
Jan Parker - Additional Backing Vocals
Paul Heeren - Additional Backing Vocals

Producer - Chris Tsangarides, Praying Mantis
 

Captured Alive in Tokyo City / Praying Mantis (1996)

0166Captured Alive in Tokyo City









1995年11月プレイング・マンティス来日公演を収録したライヴ盤。4thアルバムTo the Power of Tenリリース直後ということでリード・ボーカルはゲイリー・バーデン、またブルース・ビスランドのピンチヒッターとして今は亡きクライヴ・バーがドラムを担当しています。ゲイリー・バーデン擁護派を自認する筆者でも、ライヴ・パフォーマンスに関しては話は別です。音程がフラつく、変なところで声が裏返る、高い音が出ないのをフェイクでごまかす、サビはちょいちょいバック・ボーカルにまかせて自分は歌わない。。。ま、MSGのライヴでも同じなんですが。なんでよりによってゲイリー・バーデン期にライヴ・アルバム出したんだろう?プレマン+メイデン+MSGという、見ようによっては「スーパー・グループ」と言えなくもない編成だったからでしょうか?その元メイデン組のクライヴ・バーは、かつてストレイタスでトロイ兄弟と苦楽を共にした仲。ブルース・ビスランドより上手いドラマーだとは思います。リズムにキレはあるし、オカズなんかゾクゾクするほどカッコいいのですが、なんだか思い切り叩けてない。やはり曲に慣れていないのかな。もう一人の元メイデン組のデニス・ストラットンはすっかりプレマンに溶け込んでいます。元アイアン・メイデンという肩書きはもういらないですね。ティノ・トロイとのツイン・リードの息もぴったり。ただ、微妙に二人のピッチがあってなかったりしますが。。

そういう細かいことは映像を見れば気にならなくなります。このライヴはDVDでもリリースされているし、今はyoutubeでも見ることができます。CD聴いてブーたれるより、動画を見てライヴの臨場感を味わうほうが健全だと思います。とにかく曲は天下一品のプレイング・マンティスなんですから。特に幻と言われてきた1stの名曲には鳥肌が立ちます。アンコール鳴り止まない中メンバーが再登場し、ステージを降りて観客と握手やハイタッチする場面は、プレマンと日本のファンとの絆の深さが見て取れてなんだか妙に感動してしまいます。

なお、このアルバムは抜粋版と、2枚組の完全版とがあります。当時も今もプレイング・マンティスのCDを買うのは少数のファンしかいないだろうし、ファンなら完全版を買うだろうから、抜粋版を出す意味が分かりませんけど。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
DISC 1
01. Victory (Troy/Troy)
02. A Cry for the New World (Praying Mantis)
03. Can’t See the Angels (Troy/Troy)
04. Bring on the Night (Troy/Troy/Stratton/Barden/Bisland)
05. Only the Children Cry (Troy/Troy/Stratton)
06. To the Power of Ten (Troy/Troy/Stratton/Barden/Bisland/Goodman)
07. The Horn (Troy/Troy/Burr/Potts/Shaw)
08. Dream On (Jackson/Dangschat/Praying Mantis)
09. Welcome to My Hollywood (Troy/Troy)
10. Turn the Tables (Troy/Troy)
11. Children of the Earth (Troy/Troy)
DISC 2
01. Angry Man (Jackson/Troy/Troy/Stratton/Bisland/Barden)
02. Don’t Be Afraid of the Dark (Troy/Troy)
03. Cheated (Carroll/T.Troy)
04. Letting Go (Troy/Troy)
05. Lovers to the Grave (Troy/Troy)
06. Flirting With Suicide (Troy/Carroll/Troy/Potts)
07. Rise up Again (Jackson/Dangschat/Praying Mantis)
08. Armed and Ready (Schenker/Barden)
09. Captured City (Troy/Troy)
■Personnel
Gary Barden - Lead Vocals
Clive Burr - Drums
Dennis Stratton - Guitars, Vocals
Chris Troy - Bass Guitar, Vocals
Tino Troy - Guitars, Vocals

Michael Scherchen - Keyboards

Producer - Norman Goodman, Tino Troy 

 

Throwing Shapes / Stratus (1984)

0150Throwing Shapes









元Iron Maidenのクライヴ・バー(Ds)と、元Praying Mantisのティノ・トロイ(Gt)とクリス・トロイ(Ba)、元Grand Prixのバーニー・ショウ(Vo)、元Stampedeのアラン・ネルソン(Key)によるHR/HMグループStratusが唯一残したアルバム。本作レコーディングまでの経過を整理しておくと、Praying Mantisは1981年に1stアルバムTime Tells No Lies発表後にバーニー・ショウを専任ボーカリストに迎え、82年にはシングルTurn the Tableをリリース。それ以降もデモ・レコーディングを地道に続けるも陽の目を見ず結局83年にPraying Mantisは解散。Iron Maiden脱退直後のクライヴ・バーが、トロイ兄弟、バーニー・ショウと合流してEscapeを結成。デビューに向けてデモ・レコーディングを開始。同名のバンドが既に存在することが分かりバンド名をStratusに変更、最終的にアラン・ネルソンが加わり84年に本番レコーディング終了。プロデュースはこの後も何度かPraying Mantisを手がけるノーマン・グッドマン。なお末期Praying MantisとEscape時代のデモ音源は、Praying Mantis名義のアルバムDemorabiliaにまとめられて1999年にリリースされています。プレマン・ファンの立場からすると、本作はDemorabiliaとともに、Time Tells No Lies(1981)とPredator in Disguise(1991)の間をつなぐミッシングリンクということになります。

楽曲は全てストレイタス作となっているのですが、メロディの特徴からトロイ兄弟がメインで書いていると思われます。実質的にプレイング・マンティスのアルバムでしょう。ただ、Time Tells No Liesと比較するとかなり明るめでアメリカンハードに近い感じ。そういう意味では面白いことに再編成プレマンに合流するデニス・ストラットンのLionheartに似ています。サウンドのほうも、キーボードが全面にフィーチャーされ、おかしな効果音や女性のセリフなども入り、リバーブかけ過ぎて風呂場で録音したような音。つまり典型的な80年代バブリー・サウンド。曲によってはトロイ兄弟らしいキラリと光る旋律やハーモニーがあるのですが、アルバム全体を特徴付けるアメリカン・ロック的なメロディと装飾過多で軽薄なサウンドが、トロイ兄弟に合っているとは筆者には思えません。ところで、#9"So Tired"の出だしのリフがY&Tの"Hurricane"にクリソツ。これもいただけない。

なお、このアルバムのマスター・テープは紛失しており、CDはLPレコードからの盤起こしのようです。それが原因なのか、元からそうなのかは不明ですが音はかなりひどいです。薄っぺらで妙にこもっていたり、ところどころ音割れもあり、高音が耳障り。それでもこういう歴史に埋もれてしまったアルバムがCD化されるのは非常にうれしいことです。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Back Street Lovers
02. Gimme Something
03. Even If It Takes
04. Give Me One More Chance
05. Never Say No
06. Romancer
07. Enough Is Enough
08. Run for Your Life
09. So Tired
All songs written by Stratus

■Personnel
Tino Troy — lead guitar, vocals
Bernie Shaw - lead vocals
Clive Burr - drums, vocals
Chris Troy — bass, vocals
Alan Nelson — keyboards

Producer – Norman Goodman 

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