英国メロハー・バンドHeartlandの6枚目のアルバム。今回はアコースティック企画盤で、既発曲と書き下ろし曲がアコースティック・アレンジで計14曲収録されています。レコーディング・メンバーは、クリス・ウーズィー(vo)とスティーヴ・モリス(g)に加えてスティーヴ・ギブソン(ds)となっています。で、その出来栄えは、まさにエクセレント!名盤1st以降、どこか不満の残るアルバムが続きましたが、これは素晴らしいです。シンプルなアコースティック・アレンジが、クリス・ウーズィーの本来の旨さを際立たせています。スティーヴ・モリスは相変わらず重ね録りしまくっていますが、エレキと違って音の壁になっておらず奥行きとか空気感が感じられるし、スティーヴ・ギブソンの小気味良いドラムも秀逸の一言。いや~、いいですね!
01. Carrie Ann (Ousey/Sharp)
1stアルバムHeartland(1991)収録曲。オリジナルは雄大な景色が目の前に広がるようなサウンド、クリス・ウーズィーの熱唱が印象的な名曲でした。アコースティック・ハージョンは小ぢんまりとしつつも独特の空気感があって、これまたいいです。
02. Knife Edge (Ousey/Bold)
クリス・ウーズィーがHeartland以前に在籍していたVirginia Wolfの1stアルバムVirginia Wolf(1986)収録曲。オリジナルは結構派手目なサウンドですが、ここではちょっとジャズっぽい渋い仕上がりになっています。
03. Never Never Land (Ousey/Morris)
本作のための書き下ろし曲。グルーヴィなノリがカッコいいです。
04. Wide Open (Ousey/Sharp)
2ndアルバムWide Open(1994)のタイトル曲。アコースティック・アレンジに加えて若干テンポが速くなってずいぶんイメージが変わりました。オリジナルの粘っこさが薄れて、フォークロックのような味わいが出ています。
05. Indian Ground (Ousey/Sharp)
これもWide Open収録曲。静謐なバラードですが、パーカッションが良いアクセントになっています。
06. Try Me (Ousey/Morris)
Wide Open収録曲が続きます。オリジナルはレトロ感のあるハードポップでお気に入りの曲でした。本作のバージョンは更に歌唱に味わいが増して最高です。なお、インナースリーヴに記されたクレジットにOusey/Morrisとありますが、Ousey/Sharpの間違いだと思います。
07. Keeping the Faith Alive (Ousey/Morris)
またまたWide Open収録曲。オリジナルもアコースティカルだったので、あまりイメージは変わっていません。これもOusey/Morris作ではなくOusey/Sharp作でしょう。
08. One Night (Ousey/Bold)
Virginia Wolfの2ndアルバムPush(1987)収録曲。AORとかシティ・ポップとか呼ばれるオシャレ系の音で、オリジナルの雰囲気がアコースティックで上手く再現されています。
09. Voodoo Eyes (Ousey/Morris)
3rdアルバムIII(1995)収録曲。タイトル通りブルージーでダークな曲調が魅力的なナンバー。オリジナルはリズム打ち込みだしギターはくどいし、断然こっちの方が良いです。
10. When Angels Call (Ousey/Morris)
これも3rdアルバムIII収録曲。元々いい曲ですが、やはりリズムが生なので更に良くなりました。抑え気味の歌唱にクリス・ウーズィーの上手さが光ります。本バージョンは名曲レベルですね。
11. Carved in Stone (Ousey/Morris)
本作のための書き下ろし曲。軽めのグルーヴ感、都会的なAOR風の曲調がいいですね~。
12. Make It Tonight (Ousey/Bold)
Virginia Wolf収録曲。オリジナルはあまり面白くない曲でしたが、新アレンジでStaple Singersが歌いそうな、ソウルフルで味わい深い曲になりました。
13. I Count the Days (Ousey/Morris)
5thアルバムMiracles by Design(1998)に入っていた曲。他の収録曲とちょっと音質が違うのは、ライナーによれば元々日本のラジオ局での放送用に録音された音源だからだそうです。
14. Only Time Will Tell (Ousey/Morris)
ラストは書き下ろし新曲です。悪くないけれど、これはちょっと地味すぎるかな。
評価 ★★★★★
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。
■Personnel
Chris Ousey - Vocals
Steve Morris - Guitars, Bass, Keyboards
Steve Gibson - Drums, Percussion
Steve Gibson - Drums, Percussion
Producer - Steve Morris
Co-producer - Chris Ousey
Executive-producer - Khalil Turk
Co-producer - Chris Ousey
Executive-producer - Khalil Turk