トミー・ラファーティを中心とするアメリカのメロハー・バンドFrom the Fireの1stアルバムです。トミー・ラファーティは、80年代からジーン・ボーヴァーのソロ作やVoodoo Xに参加、またFrom the Fireの後にはCrown of Thornsのメンバーとなるなど、何かとジーン・ボーヴァーとの縁が深い人で、本作 Thirty Days and Dirty Nights のプロデュースもジーン・ボーヴァーが担当しています。バンド・メンバーは5人がクレジットされており、ブックレットにあしらわれた写真にも同じ名前のメンバーが写っていますが、曲ごとのクレジットを見るとキーボードとベースは別人です。よくあることですが、レコーディング後にメンバー・チェンジしたんでしょうね。なお、From the Fireは本作をリリースして解散、前述の通りトミー・ラファーティはジーン・ボーヴァーのCrown of Thornsに合流します。そして、なんと20数年後に突如バンド復活、2014年に2nd、2016年に3rdアルバムを発表することになります。本作と、この2nd、3rdをパッケージングした3枚組コンピ盤もリリースされており、CD購入の際には選択肢になると思います。
音のほうはメロハー・ファンなら満足がいく内容だと思います。特にお気に入りの曲をいくつかピックアップしてみます。
01. Hold On
ミドル・テンポの哀愁メロハー。いきなりの名曲レベルで、ツカミはOKという感じです。
02. Same Song
ファンキーなリズムとマイナー・キーのメロディが非常に魅力的です。
04. Over Your Head
これもマイナー・キーの哀愁メロハー。ブリッジ~サビのメロディ展開が特にカッコいい!
06. Lovestruck
本作の中では一番ハードな曲。哀愁という感じではないですが、やはりマイナー・キーのメロディが印象的です。
07. Spark and Flame
アップ・テンポでノリノリ、しかも哀愁たっぷり!女性ボーカルとのデュエット曲です。これも名曲レベルではないでしょうか。この女性ボーカリストは全然知らない人ですが、はすっぱな歌い方が超好みです!
08. Go All the Way
Raspberries(ラズベリーズ)の1972年の大ヒット曲のカバーです。書いたのはもちろんエリック・カルメン。典型的・古典的な爽快系ハード・ポップということで、他の曲との釣り合いは「?」ですが、良い曲なのでまあいいかと。
評価 ★★★★☆
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。■Tracks
01. Hold On (Nadine Arel)
02. Same Song (Tommy Lafferty, Jean Beauvoir)
03. Tears Cried in the Rain (J.D. Kelly, B. McDermott)
04. Over Your Head (J.D. Kelly, C. Castro)
05. Take My Heart (Nadine Arel)
06. Lovestruck (From the Fire)
07. Spark and Flame (Nadine Arel)
08. Go All the Way (Eric Carmen)
09. Where Are You Now? (Eric Carmen)
09. Where Are You Now? (Eric Carmen)
■Personnel
J.D. Kelly - Lead Vocals, Keyboards
Tommy Lafferty - Guitar, Backing Vocals
Michael Sciotto - Drums, Backing Vocals
Paul Morris - Keyboards, Backing Vocals
Thaddeus Castanis - Bass Guitar, Backing Vocals
Nadine Arel - Keyboards
Paul St. James - Bass Guitar
Pat Regan - Keyboards on #1Paul Morris - Keyboards, Backing Vocals
Thaddeus Castanis - Bass Guitar, Backing Vocals
Nadine Arel - Keyboards
Paul St. James - Bass Guitar
Jimmy Z - Sax Solo on #3
Theresa Straley - Additional Vocals on #7
Producer - Jean Beauvoir