ジーノ・ロート率いるメロディアス・ハードロック・グループ(プロジェクトか)、Zenoの通算5枚目のアルバム。Zenology 、Zenology II は未発表音源集だったので、オリジナル・アルバムとしては1998年のListen to the Light 以来8年ぶりの第3作目ということになります。そうそう、ジャケットのイラストを描いたのは、お仲間だったFair Warningのウレ・リトゲンなんだそうです。
ジーノ・ロート
ジーノ・ロート率いるメロディアス・ハードロック・グループ(プロジェクトか)、Zenoの通算5枚目のアルバム。Zenology 、Zenology II は未発表音源集だったので、オリジナル・アルバムとしては1998年のListen to the Light 以来8年ぶりの第3作目ということになります。そうそう、ジャケットのイラストを描いたのは、お仲間だったFair Warningのウレ・リトゲンなんだそうです。
Producer - Zeno
Producer - Zeno Roth
1stアルバムZenoから9年経ってリリースされたジーノのアルバム。ただし、ジーノというバンドは1stリリース後の1989年に解散しており、Zenologyと名づけられたこのアルバムは、解散以前にレコーディングしたもの、解散後に仲間を集めてレコーディングしたもの、このアルバム製作過程で新たにレコーディングしたものを収録した、録音時期がバラバラな未発表音源集という性格のものです。そういう意味でジーノの2ndアルバムは、バンド復活後に録音されたListen to the Light(1998)まで待たなければなりません。
1stのレビューでは「神々し過ぎて疲れる」的なことを書きましたが、本作では賛美歌みたいな曲やおかしな中華風メロディもなく、オーソドックスなメロディアス・ハードロックを聴くことができ、またサウンド・プロダクションの違いのせいか、ギターやボーカルがキンキンうるさくなくて好感度はぐっとアップしました。音を隙間なく詰め込んだような印象のある1stに比較して全体的にザックリしたサウンドで、メロディの良さとジーノ・ロートのギターのエモーショナルさが素直に伝わってきて筆者としては非常に聴きやすかったです。
録音時期がバラバラなため、曲によってジーノ・ロート以外のメンバーも微妙に異なりますが、ほとんどがジーノのオリジナル・メンバーと、後継バンドであるフェア・ウォーニングのメンバーで占められています。ボーカル・パートは、1stで歌っていたマイケル・フレクシグ、フェア・ウォーニングのボーカリストのトミー・ハート、ギタリストのヘルゲ・エンゲルケの3人が担当しています。マイケル・フレクシグのボーカルは、前述したように1stよりずっと聴きやすく、そのクリスタルボイスを十分堪能できました。トミー・ハートはもちろん大好きなボーカリストなので大満足です。心なしかフェア・ウォーニングよりテンションが高いように感じるほどの熱唱です。問題はヘルゲ・エンゲルケ。リード・ボーカルやるほどの歌唱力ないでしょ、どう考えても。明らかにアルバムのクォリティを下げてますよ。なんでマイケル・フレクシグかトミー・ハートに歌わせなかったのか。謎ですね。。。ドラムは全曲C.C.ベーレンス、ベースはウレ・リトゲン、ヘルゲ・エンゲルケ、ジーノ・ロートが担当しています。一部の曲でキーボードを弾いているライナー・プシュヴァーラは、ジーノの兄ウリ・ジョン・ロート率いるエレクトリック・サンのアルバムBeyond the Astral Skies(1985)に参加していたミュージシャンです。なお、同アルバムにはジーノ・ロート、マイケル・フレクシグ、ウレ・リトゲンも参加していました。
収録されている曲のうち、#1"Heat of Emotion"は、フェア・ウォーニングのレパートリーとしておなじみだし、分派のラスト・オータムズ・ドリームの2ndにも収録されています。ただ、このアルバムとフェア・ウォーニングの1stではジーノ・ロート作曲となっているのに、ラスト・オータムズ・ドリームのアルバムではウレ・リトゲン作とされています。どっちが正しいのでしょうか??また、#7"Man on the Run"と#9"You Got Me Down"は、ドイツのバンドVictoryがアルバムで取り上げています。
評価 ★★★☆☆
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。
■Tracks
01. Heat of Emotion
02. Is It Love
03. Together
04. Surviving the Night
05. In the Dark
06. Let There Be Heaven
07. Man on the Run
08. Out in the Night
09. You Got Me Down
10. Ticket to Nowhere
11. In Love With an Angel
12. Crystal Dreams
All songs were written by Zeno Roth, except "In Love With an Angel"(Zeno Roth, Michael Flexig)
■Personnel
Zeno Roth - guitars, bass (8, 10), keyboards (5, 11, 12), backing vocals
Tommy Heart – vocals (2, 4, 8), backing vocals
Michael Flexig - vocals (1, 3, 5, 6, 11), backing vocals
Helge Engelke – vocals (7, 9, 10), backing vocals, guitars (6, 7, 9, 11), bass (5, 6, 7, 9, 11, 12), keyboards (5, 11, 12)
Ule Winsomie Ritgen - bass (1, 2, 3, 4), backing vocals
C. C. Behrens – drums
Rainer Przywara – keyboards (1, 2, 3, 4), backing vocals
Susanne Schätzle – backing vocals
Joal – backing vocals
Susann Ohlendolf – backing vocals
Producer - Zeno Roth, Helge Engelke
ジーノはジーノ・ロートを中心にしたドイツのメロディアス・ハードロック・グループです。ギターのジーノ・ロートは、元スコーピオンズのギタリストである ウリ・ロートの弟、ベースのウレ・リトゲン(現フェア・ウォーニング)はジーノ・ロートの幼馴染で、ウリ・ロートのエレクトリック・サンでもベースを担当 しています。この二人に、ボーカルのマイケル・フレクシグが加わり、ジーノは結成されました。彼らのデモ・テープには複数のメジャー・レーベルが興味を持 ち食指を動かしたようですが、最終的に、100万ドルというドイツのバンドとしては破格の契約金でEMIとレコーディング契約を結び、1986年に本作がリリースされました。
3人のメンバー以外でレコーディングに起用されたミュージシャンでは、元コックニー・レベルで、アラン・パーソンズ・プロジェクトやケイト・ブッシュとのレコーディングで知られるスチュワート・エリオット(Ds)、元レインボー組のチャック・バーギ(Ds)とドン・ エイリー(Key)、そしてバッキング・ボーカルのクリス・トンプソン(Manfred Mann's Earth Band)が有名どころでしょう。プロデュースには、バンドとともにテリー・マニングがクレジットされています。プロデューサー、エンジニアとして、ツェッペリン、ZZ Topなど多くのアーティストと仕事をしてきたベテランです。ただし、ライナーによるとレコーディング途中で降りてしまい、ジョン・マサイアスが仕事を引 き継いだようです。ジョン・マサイアスはマノウォーなどのプロデュースをしている人ですが、このアルバムではアソシエイト・プロデューサー、エンジニア、ミキサーとしてクレジットされています。なお、今回取り上げたCDは、ジーノ・ロート自身によってリマスターされ、デモ音源を5曲追加収録して再発された ものです。
このアルバムは日本のメロハー・ファンの間では名盤中の名盤、傑作中の傑作として絶賛され続けてきました。確かに、他の HR/HM系のグループとは一線を画する唯一無二の美しいメロディは神々しいまでです。しかし、その神々しさに疲れるというか。。。ヨーロッパ的な、あるいはクラシック音楽的なメロディというものに、筆者はそれほど感応しにくいようです。マイケル・フレクシグのハイトーンボイス、ジーノ・ロートのギターはもちろん、全体に高音成分が多いこと、音に隙間がないこと、残響音が深すぎること、これらが重なってどうしても耳が疲れてしまうのです。ジーノさん、ごめ んなさい。
評価 ★★★☆☆
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。
01. Eastern Sun (Zeno Roth)
02. A Little More Love (Ule Winsomie Ritgen)
03. Love Will Live (Zeno Roth)
04. Signs on the Sky (Zeno Roth)
05. Far Away (Zeno Roth)
06. Emergency (Zeno Roth, Ule Winsomie Ritgen)
07. Don't Tell the Wind (Zeno Roth)
08. Heart on the Wing (Zeno Roth)
09. Circles of Dawn (Zeno Roth)
10. Sent by Heaven (Zeno Roth)
11. Sunset (Uie Winsomie Ritgen)
※bonus tracks
12. Don't Count Me Out (Zeno Roth)
13. Signs on the Sky [Earlier Version[
14. Far Away [Earlier Version[
15. Don't Tell the Wind [Earlier Version[
16. Love Will Live [Earlier Version[
■Personnel
Zeno Roth - All Guitars, Harmony Vocals
Michael Flexig - Lead & Harmony Vocals
Ule Winsomie Ritgen - All Basses, Harmony Vocals
Stuart Elliot - Drums, Percussion
Chuck Burgi - Drums on "Eastern Sun"
Rudy Kae - Drums on "Circles of Dawn"
Carl Marsh - Keyboards
Don Airey - Keyboards
Chris Thompson - Background Vocals
Martin Jay - Background Vocals
John 'Puk' Quist - Background Vocals
David Austin - Background Vocals
Producer - Terry Manning & Zeno
- C.C.ベーレンス
- C.J.スネア
- アラン・オーウェン
- アルフレッド・コフラー
- アル・ピトレリ
- アンダース・テオ・ティアンデル
- アンディ・ティモンズ
- アンディ・バーネット
- アンディ・マレツェク
- イアン・ホーグランド
- イアン・ロイド
- ウレ・リトゲン
- エリック・モーテンソン
- ガナー・ネルソン
- クラウス・レスマン
- クリス・ウーズィー
- クリス・トロイ
- クリス・フォン・ローア
- グレッグ・ジェフリア
- グレッグ・モーガン
- ケリー・ケイギー
- ケン・ハマー
- ゲイリー・ヒューズ
- コスタ・ツァフィリオ
- ジェイミー・ボーガー
- ジェスィーノ・デローザス
- ジェフ・スコット・ソート
- ジェフ・ワトソン
- ジム・ピートリック
- ジャック・ブレイズ
- ジョン・サイクス
- ジョン・ノーラム
- ジョン・レヴィン
- ジョーイ・テンペスト
- ジョー・リン・ターナー
- ジーン・ボーヴァー
- スティーヴ・ウエスト
- スティーヴ・オーヴァーランド
- スティーヴ・モリス
- スティーヴ・リー
- ダグ・ストッケ
- ダレン・スミス
- ティノ・トロイ
- デニス・エリオット
- デニス・ストラットン
- デニス・ワード
- トニー・ハーネル
- トニー・ブルーノ・レイ
- トニー・ミルズ
- トミー・オスティーン
- トミー・デナンダー
- トミー・ハート
- トミー・ファンダーバーク
- トーマス・ヴィクストロム
- ニコロ・コツェフ
- ハリー・ヘス
- パトリック・シモンセン
- ビル・レヴァティ
- ピート・サンドベリ
- ピート・ジャップ
- ピート・レスペランス
- ファブリツィオ・グロッシ
- フレッド・ヘンドリックス
- フレドリック・オーケソン
- ブラッド・ギルス
- ブルース・ビスランド
- ブルーノ・ラヴェル
- ヘナ・ハーベッガー
- ヘルゲ・エンゲルケ
- ペリー・リチャードソン
- ボビー・ロック
- マイク・スラマー
- マイケル・ショットン
- マイケル・フォスター
- マイケル・ペイジ
- マグナス・ヘンリクソン
- マシュー・ジェラード
- マシュー・ネルソン
- マッツ・オラウソン
- マルコ・メンドーサ
- マルセル・ヤコブ
- マーク・リン
- マーヴ・ゴールズワーシー
- ミカエル・アーランドソン
- ミック・ジョーンズ
- ミック・ミカエリ
- ムラデン
- モーティ・ブラック
- ヨナス・レインゴールド
- ヨラン・エドマン
- ヨルグ・ダイジンガー
- ラーズ・サフサンド
- ルー・グラム
- レオ・レオーニ
- ロニー・アトキンス
- ロニー・ル・テクロ
- ロバート・サール
- ロン・ヘンドリックス
- ヴィニー・バーンズ
- 梶山章