メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

ジョー・リン・ターナー

Under Cover / Joe Lynn Turner (1997)

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ジョー・リン・ターナーのソロ三作目はカヴァー・アルバムです。これ、選曲も中々オツだし、もちろん歌唱も演奏も磐石で大いに楽しめます。バンドは、リズム隊は前作Nothing's Changedと同じグレッグ・スミス(b.)&ジョン・オライリー(dr.)、キーボードも同じゲイリー・コーベット、ギターはトニー・ブルーノ・レイ(ex-Saraya/Danger Danger etc)。前作でギターを担当したアル・ピトレリ(ex-Danger Danger/Alice Cooper etc)は今回は2曲でギター・ソロを弾いています。同じく部分参加のカール・コクラン(ESP/Voodooland etc)は、この後もコンスタントにJLTのギタリストを勤めます。バック・ボーカルの一人サンディ・サラヤはトニー・ブルーノ・レイのいたSarayaの女性シンガーです。プロデュースはボブ・ヘルドで、JLTの他にもJoe Bonamassaなどのプロデュースを手がけています。

#1"We're An American Band"は1973年グランド・ファンクのヒット曲で、多くのバンドにカバーされているスタンダード。JLTもノリノリで出だしは快調です。
#2"Freedom"は1971年ジミヘンの死後リリースされたThe Cry of Loveからのシングルカット曲。ファンキーでカッコいい。リズム・ギターのガシガシした感じ、リード・ギターの甘い音色がすごく良いです。
#3"Fire And Water"は1970年フリーの3rdアルバムのタイトル曲。元々ミドル・テンポのヘヴィな曲ですが、ウィルソン・ピケットがファンキーなR&B調にアレンジしてヒットさせています。JLTのはこのバージョンのカヴァーっぽい。ウィルソン・ピケットの影響大のポール・ロジャースの曲をウィルソン・ピケットがカヴァーし、それをポール・ロジャースの影響大のJLTがカヴァーするという面白い趣向。
#4"Street of Dreams"は1983年レインボーのBent Out of Shapeからのシングル曲。つまりJLTのセルフカヴァー。テンポを落としたバラード・ナンバーになっています。いや~名曲。しかし、改めて思うけどディオ時代のレインボーからは想像つかない曲ですね。
#5"Fortunate Son"は1969年CCRのヒット曲。反戦歌として数多くのミュージシャンにカヴァーされてきた曲。勢いのあるロックン・ロールに仕上がっていてカッコいいです。
#6"Vehicle"は1970年アイズ・オブ・マーチのヒット曲。アイズ・オブ・マーチはジム・ピートリックの在籍したブラスロック・バンドですが、筆者この曲猛烈に好きなんでJLTがカヴァーしてくれて嬉しかったです。
#7"Hush"は1968年のロッド・エヴァンス在籍時の第一期ディープ・パープルのヒット曲。サイケ+ファンクですな。元曲はジョー・サウス、この曲も色んな人にカヴァーされ続けてますね。
#8"Unchained Melody"は1965年ライチャス・ブラザーズのヒット曲。元曲は1955年の映画主題歌。史上もっともカヴァー録音された曲だそうで、500以上のバージョンがあるらしい。
#9"Chained"は1968年マーヴィン・ゲイのヒット曲。元々ファンクですがJLTは更にグルーヴを効かせています。出だしのギター・ソロが#2と同じでバドカンの"Rock Steady"かと思っちゃう。
#10"Gimme Some Lovin’/I’m A Man"はスペンサー・ディヴィス・グループのメドレー。"Gimme Some Lovin’"は1966年のヒット・シングルで超有名曲、"I’m A Man"は1967年のヒット曲。
#11"Thief In The Night"はレインボー加入前にJLTが在籍したファンダンゴの1979年の曲で、これもセルフ・カヴァー。バドカンみたいですが、元曲もこんな感じです。
#12"Deal With The Preacher"はポール・ロジャース持ち歌2曲目、1975年バッド・カンパニーのStraight Shooter収録曲。以前は途中テンポ落として静かになる展開がかったるかったのですが、今はそこが好き。歌唱力のある人じゃないと歌えないですね。
#13"Sunshine Of Your Love"は言わずと知れたクリームの代表曲の一つ。1967年のDisraeli Gears収録曲で、1968年にシングルカットされてヒットしています。この曲は日本盤ボーナストラックですが、日本の音楽雑誌のリクエスト投票結果からJLTが選んで録音されたとのこと。

全体を通して聴くと、意外にR&B、ファンク寄りの曲が多い印象です。JLTは歌マネも上手いのですが、このアルバムではオリジナルの歌唱を表現しながら自分の味も出すという、結構芸の細かいことをやってるな~と思いました。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. We're An American Band (Brewer)
02. Freedom (Hendrix)
03. Fire And Water (Fraser/Rodgers)
04. Street of Dreams (Blackmore/Turner)
05. Fortunate Son (Fogerty)
06. Vehicle (Peterik)
07. Hush (South)
08. Unchained Melody (Zaret/North)
09. Chained (Wilson)
10. Gimme Some Lovin’(Winwood/Winwood/Davis) / I’m A Man (Winwood/Miller)
11. Thief In The Night (Blakemore/Turner/Larue)
12. Deal With The Preacher (Rodgers/Ralphs)
13. Sunshine Of Your Love (Bruce/Brown/Clapton)

■Personnel
Joe Lynn Turner – lead vocals, background vocals on 1, 2, 3, 5, 6, 7, 9, 10, 11
Tony "Bruno" Rey - guitars, 2nd guitar solo on 12, background vocals on 2, 5
Greg Smith – bass
John O'Reilly – drums
Gary Corbett – keyboards

Al Pitrelli – guitar solos on 1, 11
Karl Cochran - 1st guitar solo on 12, guitar solos on 13, background vocals on 2, 5
Katie Mac - background vocals on 1
Kaz Kojima - background vocals on 2,
Nancy Bender - background vocals on 3, 4, 10
Dina Miller - background vocals on 3, 4, 10
Sandy Saraya - background vocals on 5, 7, 9
Janet Raines - background vocals on 5, 7, 9
Steve Murphy - background vocals on 6, 10, 11
Peter Baron - background vocals on 6, 10, 11
Mark Wexler - percussion on 1, 10
Louie Appel - percussion on 4
Bob Held - percussion on 10
Don Harris - trumpet on 6
Bill Harris - saxophone on 6
John Fumalosi - trombone on 6

Producer - Bob Held, Fernando Kral, Joe Lynn Turner
Executive Producer - Mark Wexler 

Mick Jones / Mick Jones (1989)

0124Mick Jones










Spooky Tooth、Foreignerのミック・ジョーンズの2014年現在唯一のソロ・アルバム。発表されたのは1988年ですから、コマーシャル路線を突き進むミック・ジョーンズと、それに反発するルー・グラムの対立が深刻化してForeignerの活動が停滞していた時期にあたります。せっかくのソロ・アルバムなんだから、自分の思い通りにForeigner以上にキャッチーな音にするか、Foreignerとは全然違うテイストの音にするかどちらかだと思うのですが、このアルバムなんだか中途半端な仕上がりになってしまいました。煮え切らないForeignerって感じ。まず楽曲がね、よく言えば渋い、ありていに言えばイマイチのものが多い。それからミック・ジョーンズのボーカルがダメ。リード・ボーカルとれるほど上手くないし味もないんだから、何も自分で歌わなくたっていいのに。なんだかな~。。。

普段ならこれで終わってしまうのですが、どっかのレビューでミック・ジョーンズとケヴィン・ジョーンズの二人で作ったとか、打ち込みで作ったとか、イアン・ハンターがリード・ボーカルをとってる曲があるとか、不正確なことを書いてあるのを見かけてしまったので、一念発起して色々書いてみますよ。このアルバム、実演(ミック・ジョーンズの歌以外)とサウンド的には悪くないんです。だって超一流のミュージシャンが惜しげもなく動員されているんですから。このブログは自分の感想を綴るのが目的の第一ですが、第二は縁あってたまたま読んでくれた人が、「あー、このアルバムでこのミュージシャンがこんな演奏してるのか、じゃ、その人が参加しているあのアルバムも聴いてみよう」っていう風に、新しい音と出会えることがあったら望外の喜びって密かに思っているのです。自分自身もそうやってどこかの誰かのおかげで耳を肥やしてきたので。音楽っつーのは一期一会だよ皆の衆!

曲ごとの詳しい参加メンバーはトラック・リストを見ていただくとして、ここではパートごとに主なミュージシャンについて触れておきます。まずリードボーカルですが、2曲を除いてミック・ジョーンズ自身が担当しています。#2"Save Me Tonight"はジョー・リン・ターナー、#5"4 Wheels Turnin' "はフォリナーのバックボーカルの常連イアン・ロイドです。ギターは当然ミック・ジョーンズですが、一部の曲ではセッション・ギタリストのケヴィン・ジョーンズとヒュー・マクラッケンもプレイしています。ヒュー・マクラッケンはジョン・レノンやポール・マッカトニー、ボブ・ディランなど超大物のレコーディング・セッションに参加してきた著名なプレイヤーですが、2013年に亡くなっています。キーボードは1991~2007までフォリナーのメンバーとなるジェフ・ジェイコブス、さらにセッション・ミュージシャンのジェフ・ボーヴァがプレイしています。#1"Just Wanna Hold"のピアノはMott The Hoopleのイアン・ハンターで、この曲のソング・ライティングにもクレジットされています。#6"Everything That Comes Around"のピアノは、60年代からピアニスト、ソングライター、プロデューサーとして活躍している レオン・ペンダーヴィスです。ベースには、セッション・ミュージシャンのシャイラー・ディール、ロブ・サビーノ、そしてフォリナーのリック・ウィルス。ドラムには、セッション・ミュージシャンのリバティ・デヴィート、スティーヴ・フェロー二、フォリナーのデニス・エリオット、それからなんと、Sly & The Family Stoneのドラマーであり、ベースのウィリー・ウィークスとの鉄壁のリズム・コンビで数々のレコーディング・セッションで活躍したアンディ・ニューマークまで参加しています(#7"You Are My Friend")。それからそれから、#8"Danielle"はサイモン・カーク(Free、Bad Company、Wildlife)ですよ!また何曲かスペシャル・ゲストとしてビリー・ジョエルとカーリー・サイモンがクレジットされています。これだけのメンバーが参加しているのですから、演奏自体はつまらない訳はないですよね~。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Just Wanna Hold (I. Hunter / M. Phillips / M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Guitar, Bass – Mick Jones
   Bass – Schuyler Deale
   Drums – Dennis Elliott
   Keyboards – Jeff Jacobs
   Percussion, Backing Vocals – Crystal Taliefero
   Piano, Backing Vocals – Ian Hunter
   Featuring Special Guest – Billy Joel
02. Save Me Tonight (D. Warren / J. Brooks / M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Keyboards – Mick Jones
   Bass, Keyboards, Guitar, Percussion – Kevin Jones
   Drums – Liberty DeVitto
   Keyboards – Jeff Jacobs
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Lead Vocals, Backing Vocals – Joe Lynn Turner
03. That's The Way My Love Is (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Keyboards, Bass, Percussion – Mick Jones
   Drums – Steve Ferrone
   Acoustic Guitar – Hugh McCracken
   Guitar, Percussion – Kevin Jones
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Featuring Special Guest – Carly Simon
04. The Wrong Side Of The Law (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Guitar, Bass – Mick Jones
   Drums – Dennis Elliott
   Keyboards, Percussion – Kevin Jones
   Additional Programming – John Mahoney
05. 4 Wheels Turnin' (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Rhythm Guitar – Mick Jones
   Drums – Dennis Elliott
   Guitar, Percussion – Kevin Jones
   Lead Vocals, Backing Vocals – Ian Lloyd
06. Everything That Comes Around (J. Brooks / M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Guitar, Piano, Keyboards, Bass – Mick Jones
   Drums, Percussion – Kevin Jones
   Piano – Leon Pendarvis
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Choir – Timothy Wright Concert Choir
   Additional Programming – John Mahoney
07. You Are My Friend (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Guitar, Keyboards – Mick Jones
   Bass – Rob Sabino
   Drums – Andy Newmark
   Additional Keyboards – Jeff Bova
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Percussion – Kevin Jones
08. Danielle (J. Brooks / M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Acoustic Guitar, Keyboards – Mick Jones
   Bass – Rick Wills
   Drums – Simon Kirke
   Keyboards – Kevin Jones
   Slide Guitar – Hugh McCracken
   Backing Vocals – Ian Lloyd
09. Write Tonight (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Acoustic Guitar, Bass, Keyboards – Mick Jones
   Drums, Guitar, Percussion – Kevin Jones
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Saxophone – Lenny Pickett
   Featuring Special Guest – Carly Simon
10. Johnny (Part 1) (M. Jones)
   Lead Vocals, Keyboards – Mick Jones

Producer - Mick Jones

Nothing's Changed / Joe Lynn Turner (1995)

0120Nothings Changed










ジョー・リン・ターナーのソロ・アルバム第2弾。前作Rescue YouがRainbow解散後すぐの1985年のリリースですから、10年ぶりの2ndアルバムということになります。いや~この10年の間に色々ありました。80年代後半はイングヴェイ・マルムスティーンに引っ張られ、そして89年衝撃のパープル加入とアルバム1枚での脱退(解雇)、93年にジェフ・ワトソンやカーマイン・アピスとともにスーパーグループMother's Army結成。そんな激動の10年を経て制作された2ndソロは、1stとはずいぶん色合いの異なる作品となりました。前作はいかにも80年代っぽいゴージャス感溢れるハードポップでしたが、本作は70年代回帰的とも言えるナチュラルなロック・サウンドです。#1"Promise of Love"からいきなりBad Companyみたいなざっくりしたロックン・ロールだし、#6"Satisfy Me"は引きずるボーカルとうねるオルガンが最末期Freeを思わせます。必殺のバラード#4" Imagination"の切なさ、タイトル曲#9"Nothing's Changed"の土臭さ、ジョーの幼い娘リヴィアナの声をイントロに置いた#11"The Last Thing"のなんとも言えない優しい感じ、うーんどの曲もすばらしい!ジョーの声も渋みが増して歌唱力にも磨きがかかり、聴いていて全然飽きません。下記にあるようにバンドも手堅い巧者ばかりで演奏も非常に安定しており、これは文句のつけようのない名盤ですな。

このアルバムのレコーディング・セッション参加メンバーの中核は、ジョーがパープル脱退後にJoe Lynn Turner Bandとしてライヴを行っていてた頃のバンド・メンバーであるアル・ピトレリ(gt.)、グレッグ・スミス(b.)、ジョン・オライリー(dr.)、ゲイリー・コーベット(key.)です。アル・ピトレリは極初期のDanger Danger、Alice Cooper、Asia、Widowmaker、Morning Woodなどでプレイしてきたギター職人で、2000年代に入ってからはMegadethのメンバーともなっています。グレッグ・スミスも一時期Alice Cooperのバンドに在籍し、その縁でピトレリと知り合いJoe Lynn Turner Bandに合流しました。それ以前には元Rainbow組のデイヴ・ローゼンタール、チャック・バーギのRed Dawnに参加したりしています。ジョン・オライリーは元々フュージョン系のドラマーで、ピトレリとCPR(Coven, Pitrelli, Reilly)というグループでアルバムをリリースしています。また、グレッグ・スミスとジョン・オライリーは、再結成Rainbow(1994年)のリズム隊としてリッチーにスカウトされています。ゲイリー・コーベットは、ジョーの1stソロでギターを担当した元Starzのボビー・メッサーノのアルバムや、Cinderella、最近ではNelsonなどのレコーディングに参加しているプレイヤー。デレク・シェリニアンはご存知Dream Theaterのキーボーディストですが、彼も一時期Alice Cooperのバンドにいて、ピトレリ、グレッグ・スミスと接点があったようです。最後にパーカッションのジェラルド・ヴェレス、この人はジミヘンのJimi Hendrix Experienceに参加して1969年のウッドストック・フェスに出演したという古強者。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Promise of Love (Turner/Tyler/Keys)
02. I Believe (Shwersky/Midnight/Cross/Gian)
03. Bad Blood (Turner/de Carvalho/Borrelli/Kowal)
04. Imagination (de Carvalho/Borrell/Lafalce)
05. Baby's Got a Habit (Turner/Byrd/Mohawk)
06. Satisfy Me (Shwersky/Cross)
07. All or Nothing at All (Turner/Pitrelli/Cross)
08. Save a Place (Turner/Sabu/House)
09. Nothing's Changed (Turner/Pitrelli/Held)
10. Liviana's Intro (Turner)
11. The Last Thing (Turner/Shwersky/Cross)
12. Let Me Love You Again (Turner/Pitrelli/Held/Brown)
13. Knock Knock (Turner/Pitrelli/Held)

■Personnel
Joe Lynn Turner – lead & background vocals
Al Pitrelli – guitars, keyboards
Greg Smith – bass
John O'Reilly – drums

Derek Sherinian – piano, keyboards (tracks 3, 7, 8, 11, 13)
Gary Corbett – keyboards (tracks 2, 5, 11, 12)
Wayne Hammerly – keyboards (tracks 4, 6, 9)
Gerardo Velez – percussion
Kati Mac, Nancy Bender, Elaine Caswell, Brit Savage, Liviana – background vocals

Producer - Al Pitrelli, Joe Lynn Turner
Executive Producer - Mark Wexler 

Eye of the Storm / Brazen Abbot (1996)

0113Eye of the Storm
ブルガリア出身のギタリスト、ニコロ・コツェフの主宰するHRプロジェクトの2作目。1作目のLive and Learn(1995) では、グレン・ヒューズ、ヨラン・エドマン、トーマス・ヴィクストロムの3人のボーカリストを押し立てて素晴らしいハードロックを聴かせてくれました。本作ではヨラン・エドマン、トーマス・ヴィクストロムは引き続きの参加、そしてグレン・ヒューズに替わってジョー・リン・ターナーが新たなボーカリストに迎えられ、またまた最高レベルのハードロック・アルバムに仕上がっています。演奏陣はヨーロッパのジョン・レヴィン(Ba)、イアン・ホーグランド(Dr)、ミック・ミカエリ(Key)。みんないい仕事しています。特にイアン・ホーグランドはヨーロッパよりいいプレイなんじゃないかと思うほど。ミック・ミカエリも故ジョン・ロードが乗り移ったかのような素晴らしいオルガンを聴かせてくれます。作曲、編曲はもちろん、プロデュースからミックスまで、マスタリング以外の全ての作業をニコロ・コツェフ自身が行っています。なお、作詞はその曲を歌うボーカリストが担当しています。

前作と同じく、パープル、レインボー風のスタイルを中心に、70年代ハードロックの様々なエッセンスが凝縮されています。曲ごとにボーカルが違うこともあって、まるで70年代ロックのベスト盤を聴いているような錯覚に陥ります。そういう意味では目新しさは皆無ですが、とにかく楽曲と歌唱・演奏が極上なのでとことん楽しめる作品となっています。前作と比較しての特徴は曲調によってボーカリストを決めていること。メインのパープル、レインボー的なスピード曲は、ジョー・リン・ターナー担当。やはりこの人はこういう曲を歌わせたらピカイチですね。#8"The Road to Hell"なんかパープル以上にパープルで思わず笑ってしまいます。とにかく、出がらしみたいな今のパープルよりよっぽどエキサイティングです。リズムが跳ねる曲はトーマス・ヴィクストロム。これが意外にいいんです。この人上手い上にほんと器用だわ。ヨラン・エドマンはどうやらこのプロジェクトではポール・ロジャース役を振られたらしく、メロウな曲、アーシーな渋い曲を受け持っています。リッチーがイアン・ギランの後任にポール・ロジャースを欲しがったというのは有名な話ですが、第三期パープルにもし代用品のデビカバじゃなくポール・ロジャースが入っていたら、なんてことを想像しながら聴くのも一興です。#11"Devil's Allegro"はインスト曲ですが、ニコロ・コツェフのテクニックとフィーリングの冴えが十二分に堪能できます。アクセル・ルディ・ペルに爪の垢を煎じて飲んでもらいたい。飲まないだろうけど。

国内盤ブックレットにはニコロ・コツェフ自身によるメンバー紹介、曲紹介が掲載されていますが、頻繁に出てくるフレーズは、「70年代のハードロック」、「仕事が速い」。そうか、ミュージシャンもやっぱり仕事が速くないといけないんだなー。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Eye of the Storm (L : Joe Lynn Turner, Robert Held)
02. Twist of Fate (L : Joe Lynn Turner, Robert Held)
03. Fool in Love (L : Göran Edman)
04. Line of Fire (L : Joe Lynn Turner, Robert Held)
05. Wake Up Everybody (L : Thomas Vikström)
06. Everything's Gonna Be Allright (L : Göran Edman)
07. Common People (L : Göran Edman)
08. The Road to Hell (L : Joe Lynn Turner)
09. Restless in Seattle (L : Göran Edman)
10. Highway Cindy (L : Thomas Vikström)
11. Devil's Allegro
12. I'll Be There for You (L : Göran Edman)
All music written by Nikolo Kotzev

■Personnel
Nikolo Kotzev - guitars, keyboards, pianos, violin, percussion, bass on 11, organ on 11
Joe Lynn Turner - vocals on 1, 2, 4, 8
Thomas Vikström - vocals on 5, 10
Göran Edman - vocals on 3, 6, 7, 9, 12
Ian Haugland - drums
Mic Michaeli - organ
John Levén - bass

Producer - Nikolo Kotzev 

Realized Fantasies / TNT (1992)

0107Realized Fantasies
1992年にリリースされたノルウェーのHR/HMバンドTNTの5枚目のアルバム。1990年代初頭のグランジ・オルタナ・ブームに際して、多くのHR/HMが時流に乗り遅れまいとダーク&ヘヴィな方向に舵を切る中、TNTは何故かこのアルバムでLAメタル的な音にシフトしています。既にLAメタルも旧時代の遺物扱いされる時期なのに、どういう戦略なのか全く理解しがたい。もっとも次作Firefly (1997)でTNTも結局グランジ化するわけですが、1997年と言えばグランジ・オルタナ・ブームもとりあえず落ち着きを見せているわけで、このバンドどこかワン・テンポずれている感が否めません。

ジャケットの趣味は最悪だし、プロデューサーはホイットニー・ヒューストンやマライア・キャリーを手がけて実績はあるものの畑違いのリック・ウェイクだし、そんでもってなんで今更LAメタルなのか。謎は深まる一方ですが、筆者は世間で言われるほどこのアルバムを嫌いではありません。確かにメロディの質がモロにアメリカ指向になり、トニー・ハーネルもややガナリ気味に歌唱法を変えたことで、北欧HR/HM特有の水晶のごとく透明で美しいTell No TalesIntuition のイメージは大きく損なわれ、「汚れちまった悲しみ」を感じます。ニューヨークでのレコーディングのせいなのか、サウンドもやけにドライになりました。でも、 Firefly 以降別のバンドみたいになってしまった変化に比べたら、このバンドならではのメロディの輝きはまだまだ十分残っているし、とりわけラストの"Indian Summer"には過去の名曲に比肩しうる叙情性と美しさがあります。一般の悪評だけでこのアルバムを聴かないとしたら、それはすごくもったいないよな~。

ラインナップは、ロニー・ル・テクロ(gt)、トニー・ハーネル(vo)、モーティ・ブラック(ba)は前作と同じ。ドラムは前作に引き続きのメンバー・チェンジで、ケネス・オディーンからアメリカ人ドラマーのジョン・マカルーソに交代しています。サポート・ミュージシャンにまたジョー・リン・ターナーがクレジットされていますが、どの曲で歌っているのか今回も不明です。キーボードのダグ・ストッケは、この後レコーディングとライブの両方でTNTと行動を共にする準メンバー的な存在ですが、昨年(2011年)亡くなっています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Downhill Racer (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell, Morty Black)
02. Hard to Say Goodbye (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell)
03. Mother Warned Me (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell, Del James)
04. Lionheart (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell, Del James)
05. Rain (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell)
06. Purple Mountain's Majesty (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell, Dag Stokke)
07. Rock n' Roll Away (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell, Del James)
08. Easy Street(Ronni Le Tekrø, Tony Harnell, Borge Pedersen, Del James, Bobby Icon)
09. All You Need (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell, Morty Black)
10. Indian Summer (Ronni Le Tekrø, Tony Harnell)

■Personnel
Morty Black – bass
John Macaluso – drums
Ronni Le Tekrø – all guitars, additional keyboards, 1/4 stepper guitar
Tony Harnell – lead and harmony vocals

Dag Stokke – keyboards
Rich Tancredi – keyboards
T.J. Kopetic – keyboards
Peter Wood – piano on "Easy Street"
Kyf Brewer – harp on "All You Need"
Joe Lynn Turner – background vocals

Producer - Ric Wake 


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