メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

ジョーイ・テンペスト

Secret Society / Europe (2006)

0439Secret Society









Europeの7thアルバム、再結成後としては2枚目の作品です。元々の北欧メロディアスハードに、オルタナティヴ・ロックの要素、70年代ハード・ロックやブルース・ロックの要素を混ぜ込んで、ヘヴィでソリッドなサウンドを作り上げた前作Start From the Darkの路線を踏襲しています。再出発して2作目ともなると、彼らの新しい音楽性もこなれてきたようです。浮ついたところの無い「ホンモノ」の手応え、年齢を重ねたからこその深みのある表現に感銘を受けました。美しいメロディにはそこはかとなく寂寞感が漂い、ソング・ライティングの妙を感じます。クレジットを見ると、曲作りはやはりジョーイ・テンペストが主導しているようですが、ジョン・レヴィンが1曲、ジョン・ノーラムが3曲、そしてミック・ミカエリが4曲とメンバーそれぞれが共作者となっていて、特にミック・ミカエリの関与が目を引きます。ただし、演奏面では相変わらずキーボードの比重が軽くて、存在感は希薄なままなのが気になります。

余談になりますが、再結成後のEuropeの作品を聴いて思うのは、同じスウェーデンのベニー・セーデルベリ率いるFortuneの3rdアルバムLord of Fliesのこと。北欧メロディアスハードにオルタナティヴ・ロックと70年代ハード・ロックを融合させたような路線は、再結成Europeとかなり近いものを感じます。時期が早すぎたのか、知名度が違いすぎたのか、結局Fortuneは埋もれてしまいました。しかし、このSecret Societyがハード・ロック・ファンからそれなりに高い評価を得るなら、Lord of Fliesにも再度光があたってほしいとか、またベニー・セーデルベリの復活してくれたら嬉しいとか思ってしまいます。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Secret Society (Tempest)
02. Always the Pretenders (Tempest, Levén)
03. The Getaway Plan (Tempest, Norum)
04. Wish I Could Believe (Tempest, Michaeli)
05. Let the Children Play (Tempest, Michaeli)
06. Human After All (Tempest, Norum)
07. Love Is Not the Enemy (Tempest, Norum)
08. A Mother's Son (Tempest)
09. Forever Travelling (Tempest, Michaeli)
10. Brave and Beautiful Soul (Tempest)
11. Devil Sings the Blues (Tempest, Michaeli)
[Bonus Track for Japan]
12. Start From the Dark (Live at Shibuya AX) (Tempest, Norum)

■Personnel
Joey Tempest - Vocals
John Norum - Guitars
John Levén - Bass
Mic Michaeli - Keyboards
Ian Haugland - Drums

Archie Lamprell - Guest Vocals on #5

Producer - Europe
Secret Society
Europe
T & T
2012-05-08

 

Start From the Dark / Europe (2004)

0353Start From the Dark









再結成(再始動)Europeの第一弾、通算6枚目のオリジナル・アルバムです。メンバーはジョーイ・テンペスト(vo)、ジョン・ノーラム(g)、ミック・ミカエリ(key)、ジョン・レヴィン(b)イアン・ホーグランド(ds)。初期の典型的北欧メタルとも、3rdアルバムThe Final Countdown 以降のアメリカナイズされたポップなハードロックとも違う暗く重い音になっており、まさにStart From the Darkというタイトル通りの作品です。ジョン・ノーラムのギターは、初期のストラトの硬質で煌びやかな音からレスポールの図太い音に変わり、フレーズもペンタ主体のブルージーなものになりました。ミック・ミカエリが参加しているのにほとんどキーボードの音が聴こえず、その存在感は希薄になってしまいました。というようにかつてのEuropeのイメージとはかけ離れてはいますが、ジョーイ・テンペストの直近のソロ作Joey Tempest のオルタナ寄りのサウンドと、ジョン・ノーラムのAnother Destination以降のヘヴィなブルース・ロックを聴いていれば、予想できる範囲内の変貌だとは思います。単純にオルタナ化したという感じではなく、ヘヴィで無機質的なリフやうねるベースが70年代ハードロック、特にBlack Sabbathを想起させるのも面白いところ。ただ、そこかしこにジョーイ・テンペストらしいメロディアスさは残っており、やっぱりこれはEuropeのアルバムなんだと感じさせてくれます。

本作リリース当時ファンの間でも賛否両論があったようです。この後のアルバムも基本的に本作のサウンドを踏襲していることを考えれば、これは時流を意識した一時的な路線転換ではなく、再結成Europeの確固とした音楽性を示しているのだと受け止めざるを得ません。かつての栄光に捉われずに、等身大の音楽、地に足の付いたバンド活動を指向しての再出発にエールを送りたいと思いました。しかしながら正直言って筆者としてはやはり解散前のEuropeの方が好みです。そんなわけで、ボーナス・トラックとしてライブ録音が収録されている初期の代表曲"Seven Doors Hotel"と"Wings of Tomorrow"には、不覚にもうるっとしてしまいました。

 評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Got to Have Faith (Tempest, Norum)
02. Start From the Dark (Tempest, Norum)
03. Flames (Tempest)
04. Hero (Tempest)
05. Wake Up Call (Tempest, Norum)
06. Reason (Tempest, Michaeli)
07. Song No. 12 (Tempest, Norum)
08. Roll With You (Tempest, Norum)
09. Sucker (Tempest)
10. Spirit of the Underdog (Tempest)
11. America (Tempest)
12. Settle for Love (Tempest, Norum)
Bonus Tracks (Live at Sweden Rock Festival 12/06/2004)
13. Seven Doors Hotel (Tempest)
14. Wings of Tomorrow (Tempest)

■Personnel
Joey Tempest – Vocals
John Norum – Guitars
John Levén – Bass
Mic Michaeli – Keyboards
Ian Haugland – Drums

Producer - Kevin Elson, Europe

Start From The Dark
ヨーロッパ
ビクターエンタテインメント
2004-09-22

 

Rock the Night - The Very Best of Europe / Europe (2004)

0300The Very Best Of Europe









活動休止(実質解散)状態だったEurope(ヨーロッパ)の再始動に合わせて2004年にリリースされたベスト盤です。1993年のベスト盤1982–1992が年代順に収録されていたのに対して、本作は発表順にこだわらずランダムに曲が並べられています。代表曲に加えて、Prisoners in Paradiseのアウトテイク2曲、ライブ音源2曲(日本盤は4曲)、シングルB面3曲、全32曲(日本盤は34曲)がディスク2枚に収録されたボリュームたっぷりのベスト・アルバムとなっています。本作収録の"Seven Doors Hotel"は1stアルバム収録のものではなく、シングル"Rock the Night"のB面用として1985年に再録音されたバージョンで、特にレア度が高いと言えるでしょう。当然ドラムはトニー・レノではなくイアン・ホーグランドで、ミック・ミカエリのキーボードも入っています。そんなわけで、ヨーロッパに興味はあるけれどあまり曲を知らないという人はもちろん、オリジナル・アルバムを聴き込んでいる人でも持っていて損のないベスト盤だと思います。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
Disc 1
01. Rock the Night (J. Tempest)
02. Superstitious (J. Tempest)
03. I'll Cry for You [acoustic version] (J. Tempest/N. Graham)
04. Cherokee (J. Tempest)
05. Stormwind (J. Tempest)
06. Sweet Love Child  [single B-side] (J. Tempest/K. Marcello/M. Michaeli)
07. In the Future to Come (J. Tempest)
08. Here Comes fhe Night [outtake from Prisoners in Paradise sessin] (J. Tempest)
09. Sign of the Times (J. Tempest)
10. Dreamer (J. Tempest)
11. Seventh Sign (J. Tempest/K. Marcello/M. Michaeli)
12. Yesterday's News (J. Tempest/K. Marcello/J. Levén/I. Haugland/M. Michaeli)
13. Got Your Mind in the Gutter (J. Tempest/B. Hill/K. Marcello)
14. Ready or Not (J. Tempest)
15. Aphasia (J. Norum)
16. Time Has Come [Live at Solnahallen, Stockholm 1986] (J. Tempest)
17. Ninja [Live at Solnahallen, Stockholm 1986] (J. Tempest)
Disc 2
01. The Final Countdown (J. Tempest)
02. Halfway to Heaven (J. Tempest/J. Vallance)
03. Open Your Heart (J. Tempest)
04. Long Time Coming [single B-side] (J. Tempest/K. Marcello)
05. Mr. Government Man [outtake from Prisoners in Paradise sessin] (J. Tempest/B. Hill)
06. Carrie (J. Tempest/M. Michaeli)
07. Seven Doors Hotel  [single B-side] (J. Tempest)
08. Girl From Lebanon (J. Tempest)
09. The King Will Return (J. Tempest)
10. More Than Meets the Eye (J. Tempest/M. Michaeli/K. Marcello)
11. Prisoners in Paradise (J. Tempest)
12. Wings of Tomorrow (J. Tempest)
13. On Broken Wings (J. Tempest)
14. Scream of Anger (J. Tempest/M. Jacob)
15. Heart of Stone (J. Tempest)
16. Let the Good Times Rock [Live at Ahoy Stadium, Rotterdam 1989] (J. Tempest)
17. On the Loose [Live at Solnahallen, Stockholm 1986] (J. Tempest)

■Personnel
Joey Tempest – Lead Vocals, Backing Vocals,  Acoustic Guitar, Keyboards
John Norum – Guitar, Backing Vocals
Kee Marcello – Guitar, Backing Vocals
John Levén – Bass
Mic Michaeli – Keyboards, Backing Vocals
Tony Reno – Drums
Ian Haugland – Drums, Backing Vocals

ROCK THE NIGHT-VERY BEST
EUROPE
SONY
2004-05-24

 

Face the Truth / John Norum (1992)

0278Face The Truth









1992年にリリースされたジョン・ノーラムの2ndソロ・アルバム。90年代初頭、彼はDon Dokkenのバンド・メンバーとなりアルバムUp From the Ashesの録音にも参加していました。その縁からか本作にはDon Dokkenで共にプレイしたミュージシャンが大挙参加しています。そしてボーカルはグレン・ヒューズ、ドラック中毒から抜け出して初の本格復帰作となりました。Dokken絡みのメンバーとグレン・ヒューズ(Up From the Ashesにもバック・コーラスで参加)、そしてプロデュースもUp From the Ashesと同じウィン・デイヴィスということで、スウェーデンのミュージシャンで固めた前作Total Controlと比べると、「北欧風」という要素はほとんどない図太いハードロック・アルバムに仕上がっています。楽曲・実演ともに完成度が高く、ジョン・ノーラムの最高傑作であり、名盤の名に恥じない作品でしょう。

#1"Face the Truth"
スリリングなリフ、縦横無尽なグレン・ヒューズのボーカル、水を得た魚のようなジョン・ノーラムのソロ、とにかく隅から隅までカッコいいスピード・チューン。本作のハイライトであると同時にジョンのベスト曲の一つです。

#2"Night Buzz"
ちょっと変わったギター・フレーズからスタートするミドル・テンポのヘヴィなナンバー。ボーカルはジョン・ノーラム自身。

#3"In Your Eyes"
叙情的なメロディが印象的なバラード。廃人寸前だったとされるグレン・ヒューズの歌唱は、そんなことを全く感じさせないほどに見事です。

#4"Opium Trail"
お約束のThin Lizzyカバー。Bad Reputation収録曲です。歌うのはもちろんジョン・ノーラムで、フィル・リノットになりきったボーカル・スタイルが微笑ましい。

#5"We Will Be Strong"
いきなりジョーイ・テンペストの声が聴こえたときは、Europeかと思いました。Out of This Worldに入っていてもおかしくないような、ポップでゴージャスなハードロック。ジョン・ノーラムの歌うパートもあって、ケンカ別れしたはずが意外に仲良しな感じ。

#6"Good Man Shining"
ブリティッシュ・バンドのようなブルージーで粘っこいナンバー。近年のジョン・ノーラムの路線に近いかな。グレン・ヒューズのボーカルも、ジョンのギター・ソロも圧巻です。

#7"Time Will Find the Answer"
ゲイリー・ムーアのような泣きのギター・ソロから始まる、王道の哀愁ハードロックです。ボーカルはグレン・ヒューズ。曲も歌唱も演奏も完璧。#1と並ぶ本作のベスト曲。

#8"Counting on Your Love"
変則的なリフが印象的で、ほんのりクラシカル。クレジットを見るとヨラン・エドマンとピーター・ハーマンソンの名前があるので、もしかしたら1st用のマテリアルだったのかもしれません。ボーカルはグレン・ヒューズですが、ヨラン・エドマンが歌ってもイケるような曲です。

#9"Endica"
ミドル・テンポのギター・インスト。もう止まらないぜっ!て感じでジョン・ノーラム氏が弾きまくり倒しています。

#10"Still the Night"
グレン・ヒューズとパット・スロールが書いた曲。ハードロック・プロジェクトPhenomenaの第1作に収録されており、グレン・ヒューズからするとセルフ・カバーということになります。

#11"Distant Voices"
ややメタル寄りの猛烈な勢いのあるスピード・チューン。ボーカルはグレン・ヒューズ。ここではジョン・ノーラムのギターがとにかく凄まじい。アルバム全体に言えることですが、本作でのプレイは、Europe時代も含め彼のキャリアを通してベストではないかと思います。

なお、日本盤・ヨーロッパ盤とアメリカ盤は曲順・収録曲が異なっています。アメリカ盤には"We Will Be Strong"と"Still the Night"が省かれ、代わりにEPLive in Stockholm収録曲"Don't Believe a Word"、"Free Birds in Flight"が入っています。
 
評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Face the Truth (J. Norum/G. Hughes)
02. Night Buzz (J. Norum/H. Hildén/M. Meldrum)
03. In Your Eyes (J. Norum/P. Baltes/G. Hughes)
04. Opium Trail (S. Gorham/P. Lynott/B. Downey)
05. We Will Be Strong (J. Norum/J. Tempest/B. Haggerty)
06. Good Man Shining (J. Norum/G. Hughes/M. Höglund/M. Attaque/T. Broman)
07. Time Will Find the Answer (J. Norum/B. White/G. Hughes)
08. Counting on Your Love (J. Norum/G. Hughes/J. Tempest/G. Edman/P. Hermansson)
09. Endica (J. Norum/P. Baltes)
10. Still the Night (G. Hughes/P. Thrall)
11. Distant Voices (J. Norum/G. Hughes/P. Baltes/B. White)

■Personnel
John Norum - Guitar, Vocals
Glenn Hughes - Vocals
Peter Baltes - Bass Guitar
Hempo - Drums

Joey Tempest - Vocals on "We Will Be Strong"
Billy White - Rhythm Guitar on "Time Will Find the Answer"
John Schreiner - Keyboards
Andy Lorber - Additional Backing Vocals
Mikkey Dee - Drums on "Distant Voices"

Producer - John Norum, Wyn Davis

Face the Truth
Norum, John
Music on CD
2014-01-30

 

1982 - 1992 / Europe (1993)

0269-1982-1992









Prisoners in Paradise
発表後に活動休止(実質解散)となったEurope(ヨーロッパ)ですが、その活動休止中の1993年にリリースされたベスト・アルバム1982 - 1992はワールド・ワイドで発売され、本国スウェーデンやフランスではゴールド・ディスクを獲得するなど、このバンドの人気の根強さを示すこととなりました。

収録曲は解散前の5枚のオリジナル・アルバムからバランスよくセレクトされて年代順に並べられており、ベスト盤であると同時に、タイトルが示すように1982年から1992年までのEuropeの音楽の変遷を確かめられる企画盤となっています。また、オリジナル・アルバムを全て聴いてきているリスナーにとっても、何曲かのレア・トラックに興味を惹かれます。#8"On Broken Wings"は、シングルThe Final CountdownB面に収められた曲で、スムーズなサウンドとキャッチーなメロディはいかにもこの時期のEuropeらしい。#14"Prisoners in Paradise (Single Edit)"はタイトルどおりのシングル・バージョン。#15"I'll Cry for You (Acoustic Version)"はストックホルムでのアコースティック・ライブで、カントリー・テイストのカラっとした音には元バージョンとはまた違う味があります。#16"Sweet Love Child"はアルバム未収録の渋いバラードで、いわばこのアルバムの目玉。ジョーイ・テンペストの切々とした歌唱、キー・マルセロのよく歌うギター・ソロが秀逸で、これは名曲レベルでしょう。#17"Yesterday's News"はPrisoners in Paradise日本盤ボーナス・トラックだったジミヘン風の曲。

なお、後年"The Final Countdown (2000 Edit)"を追加して1982 - 2000というタイトルで再リリースもされています。この"2000 Edit"はくだらないダンス・ミックスで、このバンドのファンやHR/HMリスナーにとっては無用の長物以外の何物でもありません。

 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. In the Future to Come (J. Tempest)
02. Seven Doors Hotel (J. Tempest)
03. Stormwind (J. Tempest)
04. Open Your Heart (J. Tempest)
05. Scream of Anger (J. Tempest/M. Jacob)
06. Dreamer (J. Tempest)
07. The Final Countdown (J. Tempest)
08. On Broken Wings (J. Tempest)
09. Rock the Night (J. Tempest)
10. Carrie (J. Tempest/M. Michaeli)
11. Cherokee (J. Tempest)
12. Superstitious (J. Tempest)
13. Ready or Not (J. Tempest)
14. Prisoners in Paradise (Single Edit) (J. Tempest)
15. I'll Cry for You (Acoustic Version) (J. Tempest/N. Graham)
16. Sweet Love Child (J. Tempest/K. Marcello/M. Michaeli)
17. Yesterday's News (J. Tempest/K. Marcello/J. Levén/I. Haugland/M. Michaeli)

■Personnel
Joey Tempest – Vocals, Acoustic Guitar (#1-6), Keyboardsr(#1-6)
John Norum – Guitar (#1-11)
Kee Marcello – Guitar (#12-17)
John Levén – Bass
Mic Michaeli – Keyboards (#7-17)
Tony Reno – Drums (#1-6)
Ian Haugland – Drums (#7-17)

Producer – Europe (#1, 2, 15), Leif Mases (#3-6), Kevin Elson (#7-11), Ron Nevison (#12, 13), Beau Hill (#14, 16, 17)

Europe 1982-1992
Europe
Epic
1996-02-05

 

Prisoners in Paradise / Europe (1991)

0213Prisoners in Paradise









スウェーデンを代表するHR/HMグループの一つであるヨーロッパの5枚目のアルバムです。アメリカ市場を意識した3rdThe Final Countdown の大ヒットで一躍スターダムにのし上がったヨーロッパは、ジョン・ノーラムの脱退という代償を払いながら、原点である北欧メタル・サウンドからの脱却を図り、更なる成功を目指して4ttOut of This World で徹底的なポップ化を推し進めました。しかし、狙いは外れてセールスはThe Final Countdown には及ばず、起死回生をかけて制作されたのが本作Prisoners in Paradise ということになります。結果は前作以上のセールス不振で、全米ゴールド・ディスク(50万枚)止まり。とは言っても、The Final Countdown の300万枚、Out of This World の100万枚と比べれば落ちてはいるけれど、今の感覚からすると結構売れてるじゃんって思いますが。いずれにしても、本作の不振、不評はついにバンドを解散に追い込むことになります。ご多分に漏れずヨーロッパも後に再結成しますが、筆者はどのバンドでも最初の解散でその生命は尽きたものと考えています。ほとんどのロック・バンドは再結成後の方が長続きしますが、それってつまり「大人の事情」を端的に示しているわけで。

閑話休題。ヨーロッパのラスト・アルバムとなったPrisoners in Paradise 、ポップ化を軌道修正して前作よりハードになっています。ボー・ヒルを起用してのサウンド・プロダクションも、前作の過剰なまでのゴージャス指向から一転して、緻密ではあるもののシンプルな音像。リリース当時、アメリカのバンドの音になってしまったという批判もあったようですが、むしろ前作よりアメリカ色は薄れているのではないかと感じます。1曲目の"All or Nothing"がモロLAメタルだったり、外部ライターが多数参加したりしているので、「アメリカナイズ」という評価があったのかもしれません。しかし、そもそもエリック・マーティンやフィオナ、ジム・ヴァランスなど外部ライターが関わっているのは、歌詞の一部、それと曲の一部をバンド・メンバーと共作しているというのがほとんどです。まあ、いずれにしてもジョーイ・テンペストが能天気に「ナ~ナ~ナナナ~」とか歌ったり、妙にブルージーな歌いまわしをするのに、拭いがたい違和感があるのは確かですが。

本作のリリースから4半世紀近く経っており、あらためてじっくり聴いてみれば、LAメタルっぽい数曲を除いて名曲・佳曲揃いだと筆者は思います。#6"Seventh Sign"、#11"'Til My Heart Beats Down Your Door"、#12."Girl From Lebanon"、これらはホワイトスネイク的なブリティッシュ・ハード風味でシビれます。ボブ・ディランやイアン・ハンターを思わせる歌いまわしの#7"Prisoners in Paradise"と#9"Homeland"もいい曲です。泥臭い#10"Got Your Mind in the Gutter"だって、過去のヨーロッパを忘れて聴けば十分カッコいい。何故かボーナス・トラック扱いの#13"Break Free"は出色の正統派ハードロックだし、#14" Yesterday's News"はジミヘン風リフとグルーヴが最高。全体に演奏も充実しており、特にキー・マルセロのギターはよく歌っています。名盤とまでは言えないにしても、優れたハードロック・アルバムであることは間違いないでしょう。90年代初頭アメリカでHR/HMそのものが売れなくなっていく状況の中、このバンドも栄光の頂点から一転して、苦戦を強いられることになり結局解散に至るわけで、なんとも同情を禁じえません。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. All or Nothing (Words by E. Martin/A. Pessis/J. Tempest, Music by J. Tempest)
02. Halfway to Heaven (Words and  Music by J. Tempest/J. Vallance)
03. I'll Cry for You (Words and  Music by J. Tempest/N. Graham)
04. Little Bit of Lovin (Words by J. Tempest, Music by J. Tempest/K. Marcello)
05. Talk to Me (Words by J. Tempest/M. Michaeli, Music by M. Michaeli/J. Tempest)
06. Seventh Sign (Words by J. Tempest, Music by K. Marcello/J. Tempest/M. Michaeli)
07. Prisoners in Paradise (Words and  Music by J. Tempest)
08. Bad Blood (Words by J. Tempest/M. Michaeli, Music by K. Marcello/J. Tempest)
09. Homeland (Words by J. Tempest/M. Michaeli, Music by J. Tempest/M. Michaeli/K. Marcello)
10. Got Your Mind in the Gutter (Words by J. Tempest/B. Hill, Music by K. Marcello/B. Hill)
11. 'Til My Heart Beats Down Your Door (Words by B. McDonald/Fiona, Music by J. Tempest/M. Michaeli)
12. Girl From Lebanon (Words and  Music by J. Tempest)
13. Break Free [Japanese Bonus Track] (Words by J. Tempest, Music by K. Marcello/J. Tempest)
14. Yesterday's News [Japanese Bonus Track] (Words by J. Tempest, Music by Europe/I. Haugland)

■Personnel
Joey Tempest – vocals
Kee Marcello – guitars
Mic Michaeli – keyboards
John Levén – bass
Ian Haugland – drums

Nate Winger – background vocals
Paul Winger – background vocals

Producer - Beau Hill

プリズナーズ・イン・パラダイス
ヨーロッパ
エピックレコードジャパン
1991-09-30

Out of This World / Europe (1988)

0170Out of This World









世界的大ヒットとなったThe Final Countdownに続くヨーロッパの4枚目のアルバム。バンドのポップ化に反発して脱退したジョン・ノーラムの後任ギタリストには、元イージー・アクションのキー・マルセロが迎えられています。音は前作以上にアメリカナイズされ徹底的にポップ化が進行しました。#3"Open Your Heart"は2nd収録曲の新バージョンですが、オリジナルのひっかかるような角が取れてスムーズに生まれ変わっており、サウンドの変化をはっきりと示しています。全12曲中スピード・チューンは#6"Ready or Not"のみで、後は全てミドル・テンポの曲とバラードというのも今までと違う点。また、時にキラキラとした、時に包み込むようなシンセ・サウンドも大きな特徴です。ジョーイ・テンペストの歌唱力に関しては、危なっかしかった初期とは比べ物にならないくらい向上しています。歌メロそのものも、節回しもブルージーになり、"Seven Doors Hotel"とは全くタイプの異なる旋律です。ちょっと聴くとLAメタルのよう。かといって泥臭さや下品さとは無縁なのがいかにもヨーロッパらしい。キー・マルセロはジョン・ノーラムと違うタイプのギタリストで、フレージングが流麗で非常に滑らか。あくまで歌ものバンドのギターに徹しているのも好印象です。

総じて曲の出来も良く、サヴァイヴァー、ハート、キッスなどを手がけてきたロン・ネヴィソンをプロデューサーに起用したこともあって、サウンドは見事なまでにゴージャス&スムーズ、これはこれで文句の付けようはありません。しかし、ここまでコマーシャルな作品に仕上がっているのにも関わらず、皮肉なことにセールス的には前作を下回ることになりました。90年代以降はアメリカでHR/HMジャンルそのものが「時代遅れ」視されるので、ヨーロッパも鳴かず飛ばずになります。ポップ化=「産業ロック」=アメリカ市場での成功という図式が崩壊していく過程に翻弄されるバンドの姿には、ほろ苦いものを感じてしまいます。田舎臭く青臭く垢抜けないけれど、高貴ささえ漂わせ、壊れやすいクリスタルを思わせる1st~2ndのサウンドを、北欧メタルの代名詞のような曲調を、もし変えなかったとしたら、ヨーロッパというバンドは、ジョーイ・テンペストとジョン・ノーラムは、その後どんな風にロック・シーンに足跡を残したでしょうか。。。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Superstitious (Tempest)
02. Let the Good Times Rock (Tempest)
03. Open Your Heart (Tempest)
04. More Than Meets the Eye (Tempest, Marcello, Michaeli)
05. Coast to Coast (Tempest, Marcello, Michaeli)
06. Ready or Not (Tempest)
07. Sign of the Times (Tempest)
08. Just the Beginning (Marcello, Tempest)
09. Never Say Die (Tempest)
10. Lights and Shadows (Tempest)
11. Tower's Callin' (Tempest)
12. Tomorrow (Tempest)

■Personnel
Joey Tempest – vocals, grand piano on "Tomorrow"
Kee Marcello – guitars, background vocals
John Levén – bass guitar
Mic Michaeli – keyboards, background vocals
Ian Haugland – drums, background vocals

Keith Murrell – background vocals on "Coast to Coast" and "Just the Beginning"

Producer - Ron Nevison 

OUT OF THIS WORLD
EUROPE
ROCCA
2018-11-23

   

The Final Countdown / Europe (1986)

0098The Final Countdown
1986年にリリースされヨーロッパの出世作となった3枚目のアルバムThe Final Countdown です。今にして思えば、このアルバムとシングルカットされた曲が爆発的に売れたことで、良くも悪くもこのバンドの行く末を決定づけることになりました。ど頭のタイトル曲"The Final Countdown"を聴いただけで、1st、2ndからのサウンドの変化はすぐに分かります。曲を引っ張るのはギター・リフではなくキーボードのキャッチーなフレーズ。また、歌メロからクラシカルな旋律はほとんど消えました。ジョーイ・テンペストの歌唱もメタル的な力みが取れ、よりスムーズなものになっています。アメリカ市場を狙ってポップ化を進めたたのは明らかです。果たしてこの曲は全米チャート8位を記録しただけでなく、フランス、ドイツ、アイルランド、オランダ、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、イタリアで1位を獲得する大ヒットとなりました。このアルバムからは他に4曲がシングル・カットされています。アルバムはアメリカだけで300万枚以上を売り上げてチャート最高8位、スウェーデン、スイス、フランスで1位、カナダ、イタリアで2位、ノルウェー4位、オーストラリア5位、ドイツ6位、イギリス9位と、まさに世界的な成功を収めることとなりました。

専任キーボード奏者を加入させてサウンドの装飾性を強め、楽曲もよりキャッチーさを追求して工夫を凝らし、一部の好事家だけにしか受け入れられない北欧メタルから、一般受けするアメリカナイズされたハードロックへ。この変身が大成功をもたらしたわけですが、かといってこのバンドが、よくあるアメリカのバンドのようにギラギラしたり、あっけらかんとしたサウンドになったわけではありません。ヨーロッパの特色だったリリシズムや気品、愛すべきイモ臭さはまだ残っています。ジョーイ・テンペストと並ぶ看板であるジョン・ノーラムのギターも、1st、2ndと遜色ないほど流麗に歌いまくっています。しかし、彼はサウンドの変化に不満を募らせ、このアルバムを最後にヨーロッパを脱退。そしてジョン・ノーラムが去った後、バンドのポップ化には一段と拍車がかかることとなります。

バンド・メンバーは、ジョーイ・テンペスト(vo)、ジョン・ノーラム(gt)、ジョン・レヴィン(ba)の3人は、1st、2ndと変わらず。ドラムはトニー・レノからイアン・ホーグランドに交代、それから前述したようにキーボードのミック・ミカエリが新メンバーとして加わっています。プロデューサーには、80年代黄金期ジャーニーの作品群を手がけてきたケヴィン・エルソンが迎えられています。なおボーナス・トラック3曲は、1987年ロンドンのハマースミス・オデオンでのライブを収録したビデオからのものです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Final Countdown
02. Rock the Night
03. Carrie
04. Danger on the Track
05. Ninja
06. Cherokee
07. Time Has Come
08. Heart of Stone
09. On the Loose
10. Love Chaser
11. The Final Countdown (Live) [bonus]
12. Danger on the Track (Live) [bonus]
13. Carrie (Live) [bonus]
All songs written by Joey Tempest except "Carrie" written by Joey Tempest and Mic Michaeli

■Personnel
Joey Tempest – vocals
John Norum – guitars, backing vocals
John Levén – bass guitar.
Mic Michaeli – keyboards, backing vocals
Ian Haugland – drums, backing vocals

Producer - Kevin Elson 

Final Countdown -Deluxe-
Europe
Rock Candy
2019-08-16


 

Wings of Tomorrow / Europe (1984)

0083Wings of Tomorrow
1984年にリリースされたヨーロッパの2ndアルバム。1stの延長線上の透明感と気品に満ちた、北欧メロディック・メタルの典型的サウンドを聴くことができます。1stでは正直言ってヘタくそだったジョーイ・テンペストのボーカルもずいぶんマシになり、サウンド・プロダクションも向上、楽曲もより練り込まれたものが多くなるなど、全般的なレベル・アップが感じられる仕上がりです。また、1stに比べいわゆる様式美的な要素が薄くなり、よりストレートなサウンドとなっています。次作の3rdアルバムFinal Countdownは、サウンド、楽曲ともにメロハー色、ポップ色が強くなるので、メタリックな初期ヨーロッパを締めくくるアルバムでもあります。

マルセル・ヤコブとの共作曲#2"Scream of Anger"と、ジョン・ノーラムのインスト曲#5"Aphasia"を除いて、収録されている楽曲は今回も全てジョーイ・テンペストのペンによるものです。ヨーロッパが持つ気品や叙情性は、やはりジョーイ・テンペスト抜きでは有り得ないものなのだと再認識せざる得ません。それから、特筆すべきは前作以上にジョン・ノーラムのギター・ソロが充実していること。リッチー・ブラックモア、マイケル・シェンカー、レズリー・ウェストといった名前が思い浮かぶ、テクニカルでありながらメロディアスに歌うフレージングが実に見事です。また、当時おそらく全面的に使っていたであろうストラトキャスターの硬質な響きも、繊細かつ生硬な初期ヨーロッパのサウンド・イメージに決定的な影響を与えていると感じます。

この2ndアルバムのレコーディング・メンバーは前作と変わらず、ジョーイ・テンペスト(vo)、ジョン・ノーラム(gt)、ジョン・レヴィン(ba)、トニー・レノ(ds)の4人。プロデュースはレイフ・マーセス。スウェーデン出身のビッグネームABBA所有のポーラー・スタジオ(2004年閉鎖)所属で、本作のレコーディングはこのスタジオで行われました。過去に同スタジオで録音されたレッド・ツェッペリンのIn Through the Out Door(1979)でエンジニアを務めるなどの実績を持つ人です。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Stormwind (Joey Tempest)
02. Scream of Anger (Joey Tempest, Marcel Jacob)
03. Open Your Hear (Joey Tempest)
04. Treated Bad Again (Joey Tempest)
05. Aphasia (John Norum) 
06. Wings of Tomorrow (Joey Tempest)
07. Wasted Time (Joey Tempest)
08. Lyin' Eyes (Joey Tempest)
09. Dreamer (Joey Tempest)
10. Dance the Night Away (Joey Tempest)

■Personnel
Joey Tempest – vocals, acoustic guitars, keyboards
John Norum – guitars, background vocals
John Levén – bass
Tony Reno – drums

Producer - Leif Mases 

明日への翼
ヨーロッパ
SMJ
2013-10-09

 

Europe / Europe (1983)

0062Europe
スウェーデンのHR/HMを代表するバンド、ヨーロッパの1983年のデビュー作。このアルバムの時点でのメンバーは、ジョーイ・テンペスト(vo)、ジョン・ノーラム(gt)、ジョン・レヴィン(ba)、トニー・レノ(ds)の4人。ブルースやソウルからの直接的な影響を感じさせず、クラシック音楽的な様式美を備え、適度の湿り気と哀愁、透明感と垢抜けないイモ臭さが同居しているといった、「北欧メタル」という言葉から連想するイメージは、このアルバムで刷り込まれたような気がします。ヨーロッパというバンドのみならず、北欧HR/HMの出発点として非常に重要なアルバムでしょう。また、ワールド・ワイドなビッグ・ネームになる前に、日本での人気、評価が先行したのも印象に残ります。ボン・ジョビなども同様ですが、日本のHR/HMファンが発見・発掘したバンドが大きく成長することがしばしばあるのは興味深いことです。ま、日本だけの人気で終わってしまうということも、またしばしばあるわけですが。

どの曲もクリスタルのような透明感と気品あるメロディが印象的です。特に#3"Seven Doors Hotel"は名曲中の名曲です。ジャケットのイメージそのままに、いわくありげな古城のようなホテル、寒々とした夜の湖を渡る風、黒々とした果てしない森などが目に浮かぶようです。ジョーイ・テンペストの歌唱はややツラいものがありますが、ジョン・ノーラムの華麗でスリリングなギターは今でも十分にかっこいい名演です。ヨーロッパというと、大ヒットした"The Final Countdown"をすぐに連想しますが、初期の代表曲はなんと言っても"Seven Doors Hotel"でしょう。筆者はこちらのほうが好きです。しかし、あらためてクレジットを見ると、このアルバムほとんど全曲ジョーイ・テンペスト一人で書いているんですね。大したものだと思います。


評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. In the Future to Come
02. Farewell
03. Seven Doors Hotel
04. The King Will Return
05. Boyazont
06. Children of This Time
07. Words of Wisdom
08. Paradize Bay
09. Memories
All songs were written by Joey Tempest, except "Boyazont"(John Norum, Eddie Meduza)


■Personnel
Joey Tempest – vocals, acoustic guitars, keyboards
John Norum – guitars, background vocals
John Levén – bass
Tony Reno – drums

Producer - Europe, Erik Videgård, Thomas Erdtman

Europe
Europe ヨーロッパ
Music on CD
2013-07-02

 

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