メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

ジョン・オライリー

Under Cover / Joe Lynn Turner (1997)

138Undercover










ジョー・リン・ターナーのソロ三作目はカヴァー・アルバムです。これ、選曲も中々オツだし、もちろん歌唱も演奏も磐石で大いに楽しめます。バンドは、リズム隊は前作Nothing's Changedと同じグレッグ・スミス(b.)&ジョン・オライリー(dr.)、キーボードも同じゲイリー・コーベット、ギターはトニー・ブルーノ・レイ(ex-Saraya/Danger Danger etc)。前作でギターを担当したアル・ピトレリ(ex-Danger Danger/Alice Cooper etc)は今回は2曲でギター・ソロを弾いています。同じく部分参加のカール・コクラン(ESP/Voodooland etc)は、この後もコンスタントにJLTのギタリストを勤めます。バック・ボーカルの一人サンディ・サラヤはトニー・ブルーノ・レイのいたSarayaの女性シンガーです。プロデュースはボブ・ヘルドで、JLTの他にもJoe Bonamassaなどのプロデュースを手がけています。

#1"We're An American Band"は1973年グランド・ファンクのヒット曲で、多くのバンドにカバーされているスタンダード。JLTもノリノリで出だしは快調です。
#2"Freedom"は1971年ジミヘンの死後リリースされたThe Cry of Loveからのシングルカット曲。ファンキーでカッコいい。リズム・ギターのガシガシした感じ、リード・ギターの甘い音色がすごく良いです。
#3"Fire And Water"は1970年フリーの3rdアルバムのタイトル曲。元々ミドル・テンポのヘヴィな曲ですが、ウィルソン・ピケットがファンキーなR&B調にアレンジしてヒットさせています。JLTのはこのバージョンのカヴァーっぽい。ウィルソン・ピケットの影響大のポール・ロジャースの曲をウィルソン・ピケットがカヴァーし、それをポール・ロジャースの影響大のJLTがカヴァーするという面白い趣向。
#4"Street of Dreams"は1983年レインボーのBent Out of Shapeからのシングル曲。つまりJLTのセルフカヴァー。テンポを落としたバラード・ナンバーになっています。いや~名曲。しかし、改めて思うけどディオ時代のレインボーからは想像つかない曲ですね。
#5"Fortunate Son"は1969年CCRのヒット曲。反戦歌として数多くのミュージシャンにカヴァーされてきた曲。勢いのあるロックン・ロールに仕上がっていてカッコいいです。
#6"Vehicle"は1970年アイズ・オブ・マーチのヒット曲。アイズ・オブ・マーチはジム・ピートリックの在籍したブラスロック・バンドですが、筆者この曲猛烈に好きなんでJLTがカヴァーしてくれて嬉しかったです。
#7"Hush"は1968年のロッド・エヴァンス在籍時の第一期ディープ・パープルのヒット曲。サイケ+ファンクですな。元曲はジョー・サウス、この曲も色んな人にカヴァーされ続けてますね。
#8"Unchained Melody"は1965年ライチャス・ブラザーズのヒット曲。元曲は1955年の映画主題歌。史上もっともカヴァー録音された曲だそうで、500以上のバージョンがあるらしい。
#9"Chained"は1968年マーヴィン・ゲイのヒット曲。元々ファンクですがJLTは更にグルーヴを効かせています。出だしのギター・ソロが#2と同じでバドカンの"Rock Steady"かと思っちゃう。
#10"Gimme Some Lovin’/I’m A Man"はスペンサー・ディヴィス・グループのメドレー。"Gimme Some Lovin’"は1966年のヒット・シングルで超有名曲、"I’m A Man"は1967年のヒット曲。
#11"Thief In The Night"はレインボー加入前にJLTが在籍したファンダンゴの1979年の曲で、これもセルフ・カヴァー。バドカンみたいですが、元曲もこんな感じです。
#12"Deal With The Preacher"はポール・ロジャース持ち歌2曲目、1975年バッド・カンパニーのStraight Shooter収録曲。以前は途中テンポ落として静かになる展開がかったるかったのですが、今はそこが好き。歌唱力のある人じゃないと歌えないですね。
#13"Sunshine Of Your Love"は言わずと知れたクリームの代表曲の一つ。1967年のDisraeli Gears収録曲で、1968年にシングルカットされてヒットしています。この曲は日本盤ボーナストラックですが、日本の音楽雑誌のリクエスト投票結果からJLTが選んで録音されたとのこと。

全体を通して聴くと、意外にR&B、ファンク寄りの曲が多い印象です。JLTは歌マネも上手いのですが、このアルバムではオリジナルの歌唱を表現しながら自分の味も出すという、結構芸の細かいことをやってるな~と思いました。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. We're An American Band (Brewer)
02. Freedom (Hendrix)
03. Fire And Water (Fraser/Rodgers)
04. Street of Dreams (Blackmore/Turner)
05. Fortunate Son (Fogerty)
06. Vehicle (Peterik)
07. Hush (South)
08. Unchained Melody (Zaret/North)
09. Chained (Wilson)
10. Gimme Some Lovin’(Winwood/Winwood/Davis) / I’m A Man (Winwood/Miller)
11. Thief In The Night (Blakemore/Turner/Larue)
12. Deal With The Preacher (Rodgers/Ralphs)
13. Sunshine Of Your Love (Bruce/Brown/Clapton)

■Personnel
Joe Lynn Turner – lead vocals, background vocals on 1, 2, 3, 5, 6, 7, 9, 10, 11
Tony "Bruno" Rey - guitars, 2nd guitar solo on 12, background vocals on 2, 5
Greg Smith – bass
John O'Reilly – drums
Gary Corbett – keyboards

Al Pitrelli – guitar solos on 1, 11
Karl Cochran - 1st guitar solo on 12, guitar solos on 13, background vocals on 2, 5
Katie Mac - background vocals on 1
Kaz Kojima - background vocals on 2,
Nancy Bender - background vocals on 3, 4, 10
Dina Miller - background vocals on 3, 4, 10
Sandy Saraya - background vocals on 5, 7, 9
Janet Raines - background vocals on 5, 7, 9
Steve Murphy - background vocals on 6, 10, 11
Peter Baron - background vocals on 6, 10, 11
Mark Wexler - percussion on 1, 10
Louie Appel - percussion on 4
Bob Held - percussion on 10
Don Harris - trumpet on 6
Bill Harris - saxophone on 6
John Fumalosi - trombone on 6

Producer - Bob Held, Fernando Kral, Joe Lynn Turner
Executive Producer - Mark Wexler 

Nothing's Changed / Joe Lynn Turner (1995)

0120Nothings Changed










ジョー・リン・ターナーのソロ・アルバム第2弾。前作Rescue YouがRainbow解散後すぐの1985年のリリースですから、10年ぶりの2ndアルバムということになります。いや~この10年の間に色々ありました。80年代後半はイングヴェイ・マルムスティーンに引っ張られ、そして89年衝撃のパープル加入とアルバム1枚での脱退(解雇)、93年にジェフ・ワトソンやカーマイン・アピスとともにスーパーグループMother's Army結成。そんな激動の10年を経て制作された2ndソロは、1stとはずいぶん色合いの異なる作品となりました。前作はいかにも80年代っぽいゴージャス感溢れるハードポップでしたが、本作は70年代回帰的とも言えるナチュラルなロック・サウンドです。#1"Promise of Love"からいきなりBad Companyみたいなざっくりしたロックン・ロールだし、#6"Satisfy Me"は引きずるボーカルとうねるオルガンが最末期Freeを思わせます。必殺のバラード#4" Imagination"の切なさ、タイトル曲#9"Nothing's Changed"の土臭さ、ジョーの幼い娘リヴィアナの声をイントロに置いた#11"The Last Thing"のなんとも言えない優しい感じ、うーんどの曲もすばらしい!ジョーの声も渋みが増して歌唱力にも磨きがかかり、聴いていて全然飽きません。下記にあるようにバンドも手堅い巧者ばかりで演奏も非常に安定しており、これは文句のつけようのない名盤ですな。

このアルバムのレコーディング・セッション参加メンバーの中核は、ジョーがパープル脱退後にJoe Lynn Turner Bandとしてライヴを行っていてた頃のバンド・メンバーであるアル・ピトレリ(gt.)、グレッグ・スミス(b.)、ジョン・オライリー(dr.)、ゲイリー・コーベット(key.)です。アル・ピトレリは極初期のDanger Danger、Alice Cooper、Asia、Widowmaker、Morning Woodなどでプレイしてきたギター職人で、2000年代に入ってからはMegadethのメンバーともなっています。グレッグ・スミスも一時期Alice Cooperのバンドに在籍し、その縁でピトレリと知り合いJoe Lynn Turner Bandに合流しました。それ以前には元Rainbow組のデイヴ・ローゼンタール、チャック・バーギのRed Dawnに参加したりしています。ジョン・オライリーは元々フュージョン系のドラマーで、ピトレリとCPR(Coven, Pitrelli, Reilly)というグループでアルバムをリリースしています。また、グレッグ・スミスとジョン・オライリーは、再結成Rainbow(1994年)のリズム隊としてリッチーにスカウトされています。ゲイリー・コーベットは、ジョーの1stソロでギターを担当した元Starzのボビー・メッサーノのアルバムや、Cinderella、最近ではNelsonなどのレコーディングに参加しているプレイヤー。デレク・シェリニアンはご存知Dream Theaterのキーボーディストですが、彼も一時期Alice Cooperのバンドにいて、ピトレリ、グレッグ・スミスと接点があったようです。最後にパーカッションのジェラルド・ヴェレス、この人はジミヘンのJimi Hendrix Experienceに参加して1969年のウッドストック・フェスに出演したという古強者。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Promise of Love (Turner/Tyler/Keys)
02. I Believe (Shwersky/Midnight/Cross/Gian)
03. Bad Blood (Turner/de Carvalho/Borrelli/Kowal)
04. Imagination (de Carvalho/Borrell/Lafalce)
05. Baby's Got a Habit (Turner/Byrd/Mohawk)
06. Satisfy Me (Shwersky/Cross)
07. All or Nothing at All (Turner/Pitrelli/Cross)
08. Save a Place (Turner/Sabu/House)
09. Nothing's Changed (Turner/Pitrelli/Held)
10. Liviana's Intro (Turner)
11. The Last Thing (Turner/Shwersky/Cross)
12. Let Me Love You Again (Turner/Pitrelli/Held/Brown)
13. Knock Knock (Turner/Pitrelli/Held)

■Personnel
Joe Lynn Turner – lead & background vocals
Al Pitrelli – guitars, keyboards
Greg Smith – bass
John O'Reilly – drums

Derek Sherinian – piano, keyboards (tracks 3, 7, 8, 11, 13)
Gary Corbett – keyboards (tracks 2, 5, 11, 12)
Wayne Hammerly – keyboards (tracks 4, 6, 9)
Gerardo Velez – percussion
Kati Mac, Nancy Bender, Elaine Caswell, Brit Savage, Liviana – background vocals

Producer - Al Pitrelli, Joe Lynn Turner
Executive Producer - Mark Wexler 

記事検索
カテゴリ別アーカイブ
プロフィール

トンキチ

タグクラウド
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ