メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

ジェイムズ・クリスチャン

MMVII / Voices of Rock (2007)

0463MMVII









ドイツのミュージシャン、マイケル・ヴォス(Mad Max, Casanova etc)とクリス・ラウスマン(Bonfire, Affair etc)の2人を中心とするプロジェクトVoices of Rockの1stアルバム。この2人とドイツのベテラン・ドラマーであるバートラム・エンゲルで基本オケを作り、そこに10人のボーカリストが歌を乗せるという趣向となっています。個別には曲ごとに触れますが、綺羅星のごとく豪華なメンバーがずらっと並んでいて、メロハー・ファンとしては実に魅力的です。更にゲスト・ギタリストとして、トミー・デナンダーとエンジェル・シュライファーがそれぞれ1曲がつ参加しています。これまた嬉しい限り!

01. Voodoo Woman
一番手のボーカリストはジェイムズ・クリスチャン(House of Lords )。ミドルテンポの歯切れのいいリフと重厚なサウンド、そしてジェイムズ・クリスチャンの風格あるボーカルが素晴らしいの一言。おまけにエンジェル・シュライファーのカッコいいギター・ソロまで!いきなりの名曲・名演です。

02. Wild Thing
ボーカルはジーン・ボーヴァー(Crown of Thorns)。メロディアスでスピード感あふれる曲にジーン・ボーヴァーの伸びのある歌声がピッタリです。Crown of Thornsより良いくらいですね、これは。

03. Nightingale
お次はテリー・ブロック(Strangeways, Giant)。一転してしっとりとしたAOR風バラード。この人もため息が出るほど上手いです。

04. Over and Done
ボーカルはダン・リード(Dan Reed Network)。ミドル・テンポのポップな曲で、本作の中ではやや軽めなサウンドです。昔のDan Reed Networkの頃より声が渋くなっていて味わい深いです。

05. Phoenix Rising
ボーカルはジョニー・ジョエリ(Hardline)です。ミドル・テンポのハードAORといった曲調で、これも歌い手に良く合っていると感じました。

06. Irresistible
ハリー・ヘス(Harem Scarem)登場!ザクザクとしたリフと切ないメロディが最高です。本作中で一、二を争う出来だと思います。

07. China in Your Hands
ヨラン・エドマンが担当するのは軽快でキャッチーなハード・ポップ。どこかにも書いたけれど、おじさんの歌う明るいポップスってのは実にいいもんですな。聴けば聴くほど大好きな曲になりました。

08. Underloved
唯一の女性ボーカル、ロビン・ベックが歌うハード・ポップ。うっすら漂うカントリー・フレイバーがいい感じです。ギター・ソロはトミー・デナンダーで、いつも通り弾きまくっております。

09. Slip Away
メジャー・キーのポップな曲が続きます。ボーカルはスティーヴ・オーヴァーランド(FM)。この人は何を歌わせても味わいがあるというか、曲の味わいを引き出してしまうというか、とにかく上手いですね。

10. Love Is Blind
締めくくりはなんとゲイリー・バーデン(MSG, Silver)です!1曲目と似た感じのリフが引っ張るミドル・テンポのハードロック。ゲイリー・バーデンは色々言われてきましたが、こうやって聴くと(少なくともスタジオ録音では)中々の名ボーカリストですね。

なお、日本国内盤には11曲目にボーナストラックとしてマイケル・ヴォス自身が歌う"Maniac"が収録されているようですが、未聴のため詳細は分かりません。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Voodoo Woman
02. Wild Thing
03. Nightingale
04. Over and Done
05. Phoenix Rising
06. Irresistible
07. China in Your Hands
08. Underloved
09. Slip Away
10. Love Is Blind
Words & Music By Chris Lausmann & Michael Voss

■Personnel
Michael Voss - Lead Guitars, Acoustic Guitars, Backing Vocals
Chris Lausmann - Guitars, Bass, Keyboards

James Christian - Vocals on #1
Jean Beauvoir - Vocals on #2
Terry Brock - Vocals on #3
Dan Reed - Vocals on #4
Johnny Gioeli - Vocals on #5
Harry Hess - Vocals on #6
Göran Edman - Vocals on #7
Robin Beck - Vocals on #8
Steve Overland - Vocals on #9
Gary Barden - Vocals on #10

Bertram Engel - Drums
Angel Schleifer - Lead Guitars on #1
Tommy Denander - Lead Guitars on #8

Producer - Chris Lausmann & Michael Voss

MMVII
ヴォイシズ・オヴ・ロック
マーキー・インコーポレイティド
2007-08-22





 

Taken / Radioactive (2005)

0458Taken









トミー・デナンダーのメロハー/AORプロジェクトRadioactiveの3rdアルバム。これまで通りTOTOの影響下にあるAORハード路線を中心に、多彩な楽曲が詰め込まれています。ただ、楽曲の平均点は前作の方が上かもしれません。今回も多数のボーカリスト、プレイヤーを動員していますが、それにしても実に豪華な顔ぶれですね~。人数が多すぎてタグ数が間に合わないので、曲順を追って簡単に記しておきます。なお、本作オリジナル盤はドイツのMTMから2005年にリリースされていますが、2013年になってRadioactiveの1st~3rdにそれぞれボーナス・トラック2曲(1曲は日本盤ボーナス・トラックだったもの、1曲は未発表曲)ずつを追加したリイッシュー3枚組Legacyが英国Escape Musicから発売されています。一部の曲のパートが差し替えられてリミックスも行なわれているようですが、レビューはこのLegacyのバージョンについてのものです。

01. C.O.W. (Tommy Denander)
オープニングのギター・インスト。曲というより景気づけにギター弾きまくってるという感じです。

02. Taken (Tommy Denander, Bobby Kimball)
タイトル曲はいかにもT.デナンダーらしいAORハード。ボーカルはボビー・キンボールです。

03. Stronger Than Yesterday (Tommy Denander)
温か味のあるしっとりしたAORナンバー。ボーカルはスウェーデン出身で現在は米国でソングライター&プロデューサーとして活躍しているアンドレアス・カールソン。他の曲と異なり、ジェフ・ポーカロ(Ds)、ディーン・パークス(G)、グレッグ・フィリンゲインズ(Key)、スティーヴ・ポーカロ(Key)がバックを固めています。ジェフ・ポーカロが92年に亡くなっていることも考え合わせると、元々の録音は相当古いと推測されます。

04. Hit Her Where It Hurts (Tommy Denander, Björn Lindbom)
キャッチーなメロディが印象的なAORナンバーで、リード・ボーカルはゲイリー・バーデン、バック・ボーカルはマイケル・ヴォス。色々言われることの多いG.バーデンですが、ここでは問題無いどころか貫禄さえ感じさせる歌いっぷりです。

05. Easy's Gettin' Harder (Tommy Denander, Björn Lindbom)
M7thコードの響きがオシャレな雰囲気を醸し出すシティ・ポップス風の曲。ボーカルはジェイムズ・クリスチャン&ロビン・ベック、夫婦で気持ち良さそうに歌っております。

06. This I Promise You (Tommy Denander, Björn Lindbom)
ミカエル・アーランドソンがボーカルを担当した甘く切ない系バラードです。

07. Forgivness (Tommy Denander, Christian Ingebrigtsen, Marjorie Maye)
ノルウェー出身のシンガー、クリスチャン・インゲブリグトセンが歌う、ポップでメロディアスな哀愁系AORナンバーです。アコースティック・ギターでブルース・ガイチが加わっています。

08. Shattered (Tommy Denander, Marjorie Maye)
跳ねるリズムがカッコいいメロハー/AORで、ボーカルはフィリップ・バードウェル。ギター・ソロはなんとイングヴェイ・マルムスティーンなんですが、無理やり入れ込んだ感が否めません。

09. Premonition (Tommy Denander, Fergie Frederiksen, Jim Peterik)
ハードロック寄りのスピーディな曲。ボーカルはファーギー・フレデリクセン、ギター・ソロはブルース・キューリックです。

10. Carry On (Frédéric Slama, Tommy Denander)
クレジットにはリード・ボーカルとしてミカエル・アーランドソンとケリー・ケイギーの2人が記されていますが、ミカエル・アーランドソンの声しか聴こえません。また、ギターにニール・ショーン(イントロのトーク・ボックス)、マイケル・ランドウ、マイケル・トンプソン、フレデリック・スラマ、他にもジョン・ロビンソン(Ds)、エイブラハム・ラボリエル(B)、トム・キーン(Key)など数多くのプレイヤーの記載があります。

11. Love Is on Your Mind (Tommy Denander, Kristoffer Lagerström)
本作の中ではもっともハードロック的な曲。メロディアスな佳曲です。これもクレジット上のリード・ボーカルがハリー・ヘス、バック・ボーカルがトーマス・ヴィクストロムとなっていますが、リード・ボーカルはトーマス・ヴィクストロムに聴こえます。うーむ、オレの耳がおかしいのか?クレジットが間違っているのか?謎です。

12. Sinner (Tommy Denander, Björn Lindbom)
ジェフ・パリスが歌うAORハードで、これも佳曲だと思います。

13. Never Gonna Let Her Go (Frédéric Slama)
典型的なウェスト・コースト風ライトAOR曲。これは元々フレデリック・スラマ(AOR)の曲でオリジナルは歌入りですが、ボーカル・パートをカットしてギター・インスト曲に仕立てています。ギターはもちろんT.デナンダー、ただし元曲の間奏部分はスティーヴ・ルカサーが弾いていてこれもそのまま残っています。他のインスト・パートは、マイケル・ランドウ(G)、デヴィッド・ディッグス(Key)、トム・サヴィアーノ(Sax)、フセイン・ジフリー(B)、ヴィニー・カリウタ(Ds)と豪華です。

14. The Darkness Inside (Tommy Denander, Björn Lindbom)
オリジナル日本盤ボーナス・トラックで、ボーカルはジェフ・パリス。タイトル通りちょっとダークな雰囲気の曲です。

15. Feel My Heart Again (Tommy Denander)
Legacyのボーナス・トラックとして収録された未発表曲。歌は上手いしナチュラルなメロディが心地良く、えらく気に入ってしまいました。ボーカルはVic Heartと表記がありますが、知らない人なので調べてみるとスウェーデンのシンガー、ヴィクトル・クロネという人でした。1992年生まれと若いので、Legacy用に録音された新曲か、はたまたお蔵入り曲のボーカルを差し替えたのかどちらかでしょう。Legacyのクレジットでは、この曲に至っては2ndYeahのボーナス・トラック"Juliet"と取り違えられています。せっかくのクレジットなのになんだか当てになりません。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Personnel
Tommy Denander - Guitars,Keyboards, Piano, Loops, Bass

Bobby Kimball - Lead Vocals (2)
Andreas Carlsson - Lead Vocals (3)
Gary Barden - Lead Vocals (4)
Robin Beck - Lead Vocals (5)
James Christian - Lead Vocals (5)
Mikael Erlandsson - Lead & Backing Vocals (6, 10)
Christian Ingebrigtsen - Lead Vocals (7)
Philip Bardowell - Lead & Backing Vocals (8)
Fergie Frederiksen - Lead Vocals (9)
Kelly Keagy - Lead Vocals (10)
Harry Hess - Lead Vocals (11)
Jeff Paris - Lead Vocals (12, 14)
Vic Heart - Lead Vocals (15)
Thomas Vikström - Backing Vocals (2, 5, 7, 9, 11, 12, 14)
Michael Voss - Backing Vocals (4)
Steve George - Backing Vocals (10)
Hank Erix - Backing Vocals (15)
Dean Parks - Guitars (3)
Bruce Gaitsch - Acoustic Guitars (7)
Yngwie Malmsteen - Guitar Solo (8)
Bruce Kulick - Guitar Solo (9)
Neal Schon - Talk Box Intro (10)
Michael Landau - Guitars (10, 13)
Michael Thompson - Guitars (10)
Frédéric Slama - Guitars (10)
Steve Lukather - Solos (13)
Steve Porcaro - Keyboards, Strings (3)
Greg Phillinganes - Keyboard Fills (3)
Tom Keane- Keyboards (10)
David Diggs- Keyboards (13)
Abraham Laboriel - Bass (10)
Husaain Jiffry - Bass (13)
Vinny Heter - Drums (2, 4, 5, 6, 7, 8, 11, 12, 14)
Jeff Porcaro - Drums (3)
John Robinson - Drums (10)
Vinnie Colaiuta - Drums (13)
Pat Thern- Drums (15)
Tom Saviano - Sax (13)

Producer - Tommy Denander
except #13 David Diggs
テイクン
レディオアクティヴ
キングレコード
2006-01-25

Taken (w/DVD)
Radioactive
Mtm
2005-11-14

 

Demons Down / House of Lords (1992)

0304Demons Down









アメリカのハードロック・バンドHouse of Lordsの3rdアルバム。またまたメンバー・チェンジが行なわれ、グレッグ・ジェフリア(key)とジェイムズ・クリスチャン(vo)以外は総入れ替えとなっています。リズム・セクションは元Whitesnakeのトミー・アルドリッジ(ds)と元Quiet Riotのショーン・マクナブ(b)、ギターは元V.V.S.IのChick(デニス・チック)という布陣です。他にもティム・ピアースとダニー・ジェイコブスの2人のギタリストと、Kissのポール・スタンレー、前身バンドGiuffriaのボーカリストだったデヴィッド・グレン・アイズレー、女性ボーカリストのフィオナ、アイナがバック・ボーカルでクレジットされています。プロデューサーはこれまでのアンディ・ジョンズから、前作でミックスを担当していたデヴィッド・ソナーに交代。また、レーベルもRCA, Simmons Recordsを離れてVictoryからのリリースとなっています。

さて本作は、ジェフリア&クリスチャンに加えて外部ライターを数多く起用したせいか、楽曲の充実度は前2作を上回り、文句の付けようのない傑作ハードロック・アルバムとなりました。まさに名曲のすし詰め状態。ツワモノ揃いのメンバーによるどっしりとしてスケールの大きなサウンドが素晴らしすぎます。しかしながら商業的には成功を収めることができず、2000年代に復活するまでバンドは活動停止(解散?)に追い込まれてしまいます。なんとも不運というか残念な結末です。

01. O Father (J. Christian, G. Giuffria, M. Baker, B. Marlett)
荘重なキーボードに導かれてスタートするミドル・テンポのナンバー。最高のオープニング曲です。曲作りにはマーク・ベイカーとボブ・マーレットという2人のソング・ライターが参加しています。マーク・ベイカーはSignalなどへの曲提供でも知られています。ボブ・マーレットの方はThe Stormなどに曲提供しています。

02. Demons Down (J. Christian, G. Giuffria, M. Baker)
タイトル・トラックです。乾いたアコギが印象的に残るブルージーな曲で、ギター・ソロもメチャクチャカッコいいです。これもマーク・ベイカーとの共作曲。彼は本作収録曲中8曲でクレジットされています。

03. What's Forever For (,M. Baker, J. Christian, G. Giuffria)
哀感漂うメロディとゴスペル風のコーラスが印象的なバラード。ジェイムズ・クリスチャンの上手さが光る名曲です。この曲もマーク・ベイカーとの共作となっています。

04. Talkin' 'Bout Love (G. Giuffria, J. Christian, S. Johnstad, T. Aldridge, M. Baker)
ツェッペリンの影響を感じさせるヘヴィでドラマチックなナンバー。共作者の一人スティーヴ・ジョンスタッドは1stでも"I Wanna Be Loved"を書いています。

05. Spirit of Love (M. Spiro, G. Giuffria, J. Christian, T. Pierce)
ハウス・オブ・ローズには珍しく洗練されたAORっぽい雰囲気のバラード。著名なソング・ライターであるマーク・スピロと、ゲスト・ギタリストのティム・ピアースがクレジットされています。リード・ギターはティム・ピアースかもしれませんね。

06. Down, Down, Down (J. Christian, M. Baker, G. Giuffria, B. Marlett)
ヘヴィでワイルドなロックン・ロール。ちょっとAerosmith風かな。マーク・ベイカー&ボブ・マーレットとの共作曲。

07. Metallic Blue (G. Giuffria, J. Christian, M. Baker, M. Slamer)
これもハウス・オブ・ローズには珍しいポップでちょっとオシャレなスピード・チューン。文句なしにカッコいいです。ギター・ソロも出色の出来。マーク・ベイカーとマイク・スラマーが作者としてクレジットされていますが、後にマイク・スラマーは自身のバンドSteelhouse LaneのアルバムMetallic Blueでセルフ・カバーしています。本作と同じ時期にリリースされたHardlineの1st収録曲"Dr. Love"はやはりマイク・スラマーとマーク・ベイカーの共作曲で、これも同じくMetallic Blueでカバーされています。

08. Inside You (M. Spiro, A. Pasqua, G. Giuffria, J. Christian)
ストリングスをバックに切々と歌われるバラード曲。並みのシンガーだったら冗長に感じられそうですが、さすがはジェイムズ・クリスチャンです。マーク・スピロと共に、ジャズ・ピアニストでGiantのメンバーだったアラン・パスクアが共作者に名前を連ねているのが目を引きます。そう言えばGiantのLast of the Runawaysでもこの2人の共作曲が何曲もありました。

09. Johnny's Got a Mind of His Own (J. Christian, M. Baker, G. Giuffria)
一転してシンプルでタイトなロックン・ロール。こういう曲だとトミー・アルドリッジのドラムの凄さがよく分かりますね。

10. Can't Fight Love (M. Baker, M. Slamer, J. Christian, G. Giuffria)
ラストはいかにもこのバンドらしい、グッとテンポを落としたハードロック・ナンバーです。タメにタメたリズムがゾクゾクするほどカッコいい。マーク・ベイカーとマイク・スラマーとの共作曲です。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Personnel
James Christian - lead vocals
Gregg Giuffria - keyboards, background vocals
Tommy Aldridge - drums, background vocals
Sean McNabb - bass guitars, background vocals
Chick - guitars, background vocals

Tim Pierce - guest guitars
Danny Jacobs - guest guitars
Paul Stanley - guest background vocals
Fiona - guest background vocals
Aina - guest background vocals
David Glen Eisley - guest background vocals
Billy Trudel - guest background vocals

Producer – David Thoener, House of Lords

アマゾン商品ページのリンク
Demons Down / House of Lords
 

Sahara / House of Lords (1990)

0237Sahara









1990年リリースされたHouse of Lordsの2ndアルバム。1stで素晴らしいギターを弾いていたラニー・コードラが抜けて、新ギタリストとして元Shark Islandのマイケル・ガイがクレジットされています。しかし、実際のレコーディングではほとんどダグ・アルドリッジがプレイしているらしい。また、#4"Heart on the Line" では作曲者であるCheap Trickのリック・ニールセンが、#6"Sahara" では「高速ギタリスト」クリス・インペリテリが弾いているようです。その他にギターにマンディ・メイヤー(Cobra、Asia、Gotthard etc)、バック・ボーカルにロビン・ザンダー(Cheap Trick)、マイク・トランプ(White Lion)他多くのミュージシャンがクレジットされています。

アメリカのバンドながら、かつてのブリティッシュ・ハードロックの王道を行くようなサウンド、メロディアスな曲調は1stと変わりません。どっしり感とスリル感が両立したリズム隊、荘厳さを醸し出すキーボード、デヴィッド・カヴァーデイル+ロバート・プラントといった風情のジェイムズ・クリスチャンの歌唱、全て安定していてハードロックの醍醐味を堪能させてくれます。#1"Shoot"、#2"Chains of Love"、#5"Laydown Staydown"、#6"Sahara"、#7"It Ain't Love"、#9"American Babylon"とミドル・テンポの曲が多く、こういった曲調でこのバンドの魅力が最大に発揮されていると感じます。Blind Faithのカヴァー#3"Can't Find My Way Home"もちょっとアーシーで良い雰囲気だし、ラストの#10"Kiss of Fire"は凄まじいスピードとパワーで一部の隙無しです。全体として1stより曲の出来はさらに良くなっていると思いました。ただ筆者としては、Cheap Trick風の#4"Heart on the Line"、変に明るく冗長な#8"Remember My Name"は、あんまり面白くなかったなぁ。まあ、ひたすら重め、暗めで攻めると、通しで聴くと飽きちゃうのかもしれませんが。

プロデューサーは前作と同じく重鎮アンディ・ジョンズとバンド自身。前作はイマイチ音が良くなかったけど、今回はメジャー感が際立つサウンド・プロダクションに言うこと無し。なおエグゼクティヴ・プロデューサーに前作と同じくレーベルのオーナーであるジーン・シモンズがクレジットされています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Shoot (K. Mary/J. Christian/C. Wright/G. Giuffria)
02. Chains of Love (J. Christian/L. Cordola/J. Purdell/C. Wright/K. Mary/G. Giuffria)
03. Can't Find My Way Home (S. Winwood)
04. Heart on the Line (R. Nielsen)
05. Laydown Staydown (K. Mary/J. Christian/C. Wright/G. Giuffria)
06. Sahara (G. Giuffria/J. Christian/K. Mary/C. Wright)
07. It Ain't Love (G. Giuffria/J. Christian/K. Mary/C. Wright)
08. Remember My Name (N. Graham/B. Mitchell)
09. American Babylon (C. Wright/L. Cordola/J. Christian/K. Mary/G. Giuffria)
10. Kiss of Fire (C. Wright/J. Christian/K. Mary/G. Giuffria)

■Personnel
James Christian - lead vocals, additional guitars
Gregg Giuffria - keyboards, background vocals
Chuck Wright - 4, 8, and fretless basses, background vocals
Ken Mary - acoustic and electronic drums, background vocals
Michael Guy - guitars, background vocals

Rick Nielsen - additional guitars, additional background vocals
Chris Impellitteri - additional guitars
Doug Aldrich - additional guitars
Mandy Meyer - additional guitars
Robin Zander - additional background vocals
Mike Tramp - additional background vocals
David Glen Eisley - additional background vocals
Steve Plunkett - additional background vocals
Steve Isham - additional background vocals
Ron Keel - additional background vocals
S.S. Priest - additional background vocals
Billy Dior - additional background vocals
Robbie Snow - additional background vocals
Cheri Martin - additional background vocals
Melony Barnet - additional background vocals
Bruce Flohr - additional background vocals
David Sluts - additional background vocals
Shannon Wolak - additional background vocals
Margie Rist - additional background vocals
Erin Perry - additional background vocals
Kimberly Gold - additional background vocals
Aina Olson - additional background vocals
Breta Troyer - additional background vocals

Producer – Andy Johns, House of Lords
Executive Producer – Gene Simmons

Sahara
House of Lords
RCA
1990-08-21

House of Lords / House of Lords (1988)

0152House of Lords









アメリカのハードロック・グループHouse of Lords(ハウス・オブ・ローズ)が1988年にリリースした1stアルバムです。このバンドの前身は、元Angelのキーボード奏者グレッグ・ジェフリア率いるGiuffria。1stは売れたものの2ndがコケてレコード会社から切られたGiuffriaは、Angel時代に縁のあったKissのジーン・シモンズと接触します。ジーン・シモンズは自身が立ち上げたレーベルSimmons Recordsとの契約に同意したものの、バンド名とリード・ボーカルを変えることを指示。新ボーカルには、ジェフ・カンタナのバンドJasper Wrathや、Jasper Wrathの残党が結成したEyesで歌っていたジェイムズ・クリスチャンが決定。また、Giuffriaを離れQuiet Riotでプレイしていたベーシストのチャック・ライトも再合流。ギターのラニー・コードラ、ドラムのケン・メリーはそのままGiuffriaから横すべり。こうしてGiuffriaはHouse of Lordsとして再出発することになります。録音が始まっていたGiuffriaの3rdアルバムのデモ音源は、デヴィッド・グレン・アイズレー(お払い箱になったGiuffriaのボーカリスト)が2001年にリリースしたThe Lost Tapesで聴くことができます。そこには本作収録曲"Pleasure Palace"、"Slip of the Tongue"、"Jealous Heart"のオリジナル・バージョンも含まれています。余談ですが、このデヴィッド・グレン・アイズレーという人はミュージシャンになる前はサンフランシスコ・ジャイアンツ所属の野球選手で、近年では俳優としても活躍しているらしい。それから奥さんはあのオリビア・ハッセーらしい。いや、まったく余談でした。

さて音のほうですが、いたってオーソドックスなハードロックです。威風堂々として重厚なサウンドと、デヴィッド・カヴァーデイルやロバート・プラントを思わせるジェイムズ・クリスチャンのブルージーな歌唱が相まって、まるっきりブリティッシュ・ハードロック。とてもアメリカのバンドとは思えません。そしてバンドの実力は超一流。アルバムの中では異色の曲ですが、Deep Purple風シャッフル#4"Lookin' for Strange"を聴けば一発で並のバンドではないことが分かります。ドラムとベースはパワー感とスリリングさが尋常でなく、ハードロックのリズム隊としてまさにパーフェクト。ギターはテクニカルかつエモーショナル。このラニー・コードラというギタリストは、時にジャズっぽいフレーズを交えるなど巧者でありながら、延々とテク見せびらかしに走らないのが好ましい。グレッグ・ジェフリアのキーボードも必要以上に前に出すぎず、それでいてサウンドを格調高くするのに役立っています。いや~ベタほめです。しかし、1曲だけまったくもってつまらない#8"Under Blue Skies"、これで興をそがれるのがなんとも残念です。

本作のプロデュースはアンディ・ジョンズ。2013年に亡くなっていますが、ロック・ミュージック分野のプロデューサー/エンジニアとしては最も著名な人物の一人でしょう。Humble Pie、Free、Cinderella、Van Halen、L.A. Guns、Chickenfootと枚挙に暇が無いほど多くのアルバム制作に携わっています。また、バック・ボーカルにジェフ・スコット・ソートがクレジットされているのが意外です。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Pleasure Palace (Gregg Giuffria/David Glen Eisley)
02. I Wanna be Loved (Mandy Meyer, Steve Johnstad)
03. Edge of Your Life (Lanny Cordola/Chuck Wright/Brett Alstadt)
04. Lookin' for Strange (Lanny Cordola/Chuck Wright/James Christian/Gregg Giuffria)
05. Love Don't Lie (Stan Bush)
06. Slip of the Tongue (Gregg Giuffria/David Glen Eisley/Rick Nielsen)
07. Hearts of the World (Gregg Giuffria/Lanny Cordola/Chuck Wright)
08. Under Blue Skies (Gregg Giuffria/David Glen Eisley/Johnny Warman)
09. Call My Name (Gregg Giuffria/Chuck Wright/James Christian/Lanny Cordola)
10. Jealous Heart (Gregg Giuffria/David Glen Eisley/David Roberts)

■Personnel
James Christian - lead vocals
Gregg Giuffria - keyboards
Lanny Cordola - guitars
Chuck Wright - bass
Ken Mary - drums

Jeff Scott Soto - backing vocals

Producer – Andy Johns, Gregg Giuffria
Executive Producer – Gene Simmons

House of Lords
House of Lords
Music on CD
2013-04-25

 
記事検索
カテゴリ別アーカイブ
読者登録
LINE読者登録QRコード
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ