イギリスのメロハー・バンドDare(デアー)の1991年にリリースされた2ndアルバムです。Dareはハードロックと呼ぶにはいささか静かでふんわりしたサウンドが特徴なわけですが、どういうわけかこのアルバムだけはギンギンのハードロックをやってます。それが災いしたのかどうか、本作リリース後DareはA&Mから切られて解散(活動休止?)となり、数年後に独立系レーベルで復活作を発表と、多くのHR/HM系バンドと同じ道を歩むことになります。
さてこのアルバムは、心に響くケルト風メロディと劇的な曲展開が印象的な#1"Wings of Fire"、#2"We Don't Need A Reason"で、まずガツンとやられます。続く、哀愁メロハーと言うには力強すぎる#3"Surrender"では、ヴィニー・バーンズのギターもマイケル・シェンカーばりに歌いまくり、泣きまくりです。ここまでハードなサウンドだと、ダレン・ウォートンのか細いボーカルではちょっとツライものがありますが、とにかく出だしの3曲は上出来です。ところが、ところが。。。その後はずっとヴァン・ヘイレン+ボン・ジョビ状態になります。アメリカン・ロック風のメロディと乾いたサウンドだったり、妙に明るく燥いだ感じだったりしてがっかりです。Dareにこういう音は求めていないんだよなぁ。なんか無理してる感じがつきまとってるし。頭3曲と残り7曲の差が有り過ぎです。
バンドのメンバーは、リーダーのダレン・ウォートン(Vo)、ヴィニー・バーンズ(Gt)、ブライアン・コックス(Key)の3人は1stと変わらず。ベースはナイジェル・クラッターバックに、ドラムはグレッグ・モーガンにチェンジしています。また、Additional musicianとして、ドラムにジェイムス・コタック、ベースにジェフ・ピルソン、バック・ボーカルにトミー・ファンダーバークとジョン・レヴェックがクレジットされています。プロデューサーはキース・オルセン、エンジニアはシャイ・ベイビー。ダレン・ウォートンは1991年Wild Horsesというバンドで、コタック、ピルソン、レヴェックと共にアルバムを1枚出しており、こちらもプロデューサーはオルセン、エンジニアはシャイ・ベイビー。まんま横すべりのメンツです。
蛇足ながら、このブログ記事を書くに当たって初めてyoutubeにある当時のビデオを見たのですが、ナリもフリもまるでヘア・メタル・バンドのようではありませんか!Dareってこうだったの?気恥ずかしいことこの上ない。今はウォートン氏をはじめ皆さんデブっちょのオッサンと化しているので、この落差に軽く眩暈がします。。。
評価 ★★★☆☆
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 秀作
★★★☆☆ 佳作
★★☆☆☆ 凡作
★☆☆☆☆ 駄作
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■Tracks
01. Wings of Fire (Darren Wharton)
02. We Don't Need a Reason (Darren Wharton)
03. Surrender (Darren Wharton)
04. Chains (Darren Wharton/Vinny Burns)
05. Lies (Darren Wharton/Vinny Burns)
06. Live to Fight Another Day (Darren Wharton/Vinny Burns)
07. Cry Wolf (Darren Wharton/Vinny Burns)
08. Break Out (Darren Wharton/Vinny Burns)
09. Wild Heart (Darren Wharton/Vinny Burns)
10. Real Love (Darren Wharton)
■Personnel
Darren Wharton - Vocals
Vinny Burns - Guitars
Brian Cox - Keyboards
Nigel Clutterbuck - Bass
Greg Morgan - Drums
James Kottak - Drums
Jeff Pilson - Bass
Tommy Funderburk
John Levesque
Producer - Keith Olsen