メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

ジェイミー・ボーガー

BaltimooreⅢ Double Density / Baltimoore (1992)

0297Double Density











ビョルン・ローディン率いるBaltimooreの3枚目のアルバム。本作から相方としてブルガリア人のニコロ・コツェフが迎えられています。後にBrazen Abbotで活躍する凄腕ギタリストですね。音のほうは、煮え切らないZep風なものから、スピードとキレを重視したスタイリッシュなハードロックへと一新されました。前身バンドのSix Feet Underの路線へと先祖帰りしたのかというとそうではありません。あれはモロにDeep Purpleでしたが、今度はRainbowスタイルです。ニコロ・コツェフの書いた曲はもちろん、アレンジとプロデュースにニコロさんが加わっているせいかビョルン・ローディンの曲もそっちに寄っています。ボーカルは相変わらずロバート・プラントのまんまなので、ちょっと面白いサウンドになってますね。

特筆すべきはやはりニコロ・コツェフのギターで、アーミング、タップ、スウィーブを駆使して凄まじいまでのプレイを聴かせます。Brazen Abbotの時よりもむしろ好き勝手に弾きまくっている印象です。#7"Snakefight "なんていうギター・インスト曲まで収録されています。ただ、インストだとあまり面白くないのが不思議です。それから、ドラムはジェイミー・ボーガーでこれがまた上手い。バンドの音の安定感とスリリング感の両立に大きく寄与していると感じました。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. My Kind of Woman (Kotzev, Lodin)
02. Do Another (Lodin)
03. Never Gonna Let You In (Kotzev, Lodin)
04. Pain & Pleasure (Lodin)
05. Hello Again (Lodin)
06. Love Me or Leave Me (Kotzev, Lodin)
07. Snakefight (Kotzev)
08. Outdo (Lodin)
09. 'Til the End of Day (Lodin)
10. Wish I Could Do Better (Kotzev, Lodin)
11. Bite By Bait (Kotzev, Lodin)
12. My Blue Moon (Larsson, Hjalmarsson)

■Personnel
Björn Lodin - vocals
Nikolo Kotzev - guitars, keyboards
Koko & Weine Johansson - bass
Jamie Borger - drums

Producer - Björn Lodin, Nikolo Kotzev

Life / Talisman (1995)

0259Life










1995年にリリースされたTalisman(タリスマン)の4thアルバム。前作Humanimal同様、ファンキーでアグレッシブ、かつメロディアスなTalisman独自のハードロックが目いっぱいに詰め込まれた一枚となっています。曲間の無音部が無く、息つく暇もなく曲が続く怒涛の展開。アルバム全体が異常なまでにハイテンションです。これをバンド全体のセッションもなく、別々の場所、別々の日時に録音したというのだから驚かされます。メロディを作る才能、緊張感あるアレンジ・アンサンプルを組み立てるセンス、高度な歌唱・演奏力、生々しいパフォーマンスを録音に刻み込む気迫、全てがフルテンに達しているものすごいバンドになりました。というわけで、聴かなきゃ人生損してるくらいの大名盤に決定!

バンド・メンバーは前作と同じく、ジェフ・スコット・ソート、マルセル・ヤコブ、ジェイミー・ボーガー、フレドリック・オーケソン。プロダクションはヤコブ&ソートですが、レコーディングとミキシングにマッツ・リンドフォースが協力しています。なお、このアルバムの本編は#1~#10の10曲で、#11~#16は言わばオマケで出来はソコソコ。このアルバムには下記のように大きく分けて3種類の盤が存在しますが、熱心なファンやコレクター以外は無理してオマケ入りを手に入れることもないかなと思います。
(1)1995年にリリースされた英(Now & Then)・独(Polydor)・スウェーデン(Empire)盤。いったん完了したミックスにマルセル・ヤコブが納得がいかず、ミックス作業がやり直されています。この記事のトラック・リストでは#1~#10の10曲を収録。
(2)1995年にゼロ・コーポレーションからリリースされた日本国内盤。ミックスは当初のまま。曲順は(1)と異なっており、また#11、#12がボーナストラックとして追加されて全12曲収録となっています。
(3)2004年にスウェーデンのGMRレーベルから再発された5 Out Of 5とのカップリング盤。曲順・ミックスは(1)と同じですが、(2)のボーナストラック2曲に加え、#13"Love’s Gone"、および#1、#4、#9のデモ・バージョンが追加され、計16曲収録となっています。さらに近年Talismanの再発盤を立て続けにリリースしているスウェーデンのSun Hill Productionから、このエディションのリマスター盤が2013年に発売されているようですが、音質の変化など詳細は不明です。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Tears In The Sky
02. Crazy
03. Body
04. Temptation
05. Loveblind
06. Soul 2 Soul
07. All That Really Matters
08. A Life
09. Sympathy
10. So Long
11. Hands Of Time
12. How Was I To Know 
13. Love’s Gone
14. Tears In The Sky (demo)
15. Sympathy (demo)
16. Temptation (demo)
All songs written by Jeff Scott Soto/Marcel Jacob
except "Crazy" by Seal, "How Was I To Know" by Soto/Borger, "Love’s Gone" by Bernhardt/Jacob/Soto

■Personnel
Jeff Scott Soto - Vocals
Marcel Jacob - Bass
Fredrik Åkesson - Guitar
Jamie Borger - Drums

Producer - Marcel Jacob & Jeff Scott Soto

Saturn Skyline / Last Autumn's Dream (2006)

0177Saturn Skyline










2007年にリリースされたLADの4作目。メンバーは前作と同じくミカエル・アーランドソン(Vo)、アンディ・マレツェク(Gt)、マルセル・ヤコブ(Ba)、ジェイミー・ボーガー(Dr)の4人です。アンディ・マレツェクは相変わらずギター・ソロのみの参加で、他のギター・パートはマルセル・ヤコブと ヨエル・スタランダーが担当しています。

ジェイミー・ボーガーとマッツ・レヴィン作の#2"After Tomorrow´s Gone"、ボーナストラックの日本のバンドBeagle Hatの書き下ろし作#12"Skyscraper"以外は、全てミカエル・アーランドソン、クラエス・アンドレアソン、トルビョルン・ヴァッセニウスのチームの楽曲。3rdで1曲にまで減ったドイツ側(アンディ・マレツェク、リック・ブライトマン)の曲は、この4thではとうとう無くなってしまいました。アーランドソン&マレツェクの2枚看板でスタートしたLADですが、実質ミカエル・アーランドソンのソロ・プロジェクト化したようです。彼のソロ・アルバムが、LADの1stと2ndの合間の2003年のThe Gift 以来リリースされていないことからもそれが伺えます。そんなわけで、ミカエル・アーランドソンの元々の好みらしいビートルズやELO、60~70年代ポップスからの影響が顕著なのは前作以上です。ただ、前作でやや鼻についた甘さが「微糖」程度に抑えられているのと、何より曲の出来が良いので、筆者としてはかなり好きなアルバムです。元々このバンドの楽曲は、メロハー/AOR界隈で主流的な位置を占めるJourney、TOTO、Survivor、Bostonといったバンドのフォロワー達とは異なるユニークなもので、その点を高く評価したいと思っています。

名曲・佳曲ぞろいの本作の中でも一番のお気に入りは、#9"American Girl"。初期から中期のビートルズ+ビーチ・ボーイズ+バブルガム・サウンド+ダンヒル・サウンド+ジャパニーズ歌謡曲+ハードロック÷6ですよ。筆者どストライク!こういう曲が聴きたかった!珠玉のメロディ、ミカエル・アーランドソンのロマンチックでセンチメンタルで爽やかで切ないボーカル、アンディ・マレツェクの歌心溢れるギター・ソロ、Talismanコンビの躍動するリズム、まさに完璧です!数あるメロハーの名曲の中でも屈指の名曲ですってば!!あ、曲を聴きながら書いていたらどんどん興奮してしまいますた。。。歌謡曲と言えば、クラエス・アンドレアソン&トルビョルン・ヴァッセニウスは、中山優馬というジャニーズ・タレントの曲なんかも書いているんですよね。リッチー・ズィトーやジョン・オバニオンと仕事をしてきたジョーイ・カーボーンも、少年隊、SMAPその他数多くの歌謡曲を手がけているし。このブログに時折書いていますが、やはりメロハーと日本の歌謡曲には相通じるものがあるようです。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. For The Young And The Wild (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
02. After Tomorrow´s Gone (J. Borger, M. Levén)
03. Pages (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
04. Rock´N´Roll Is Saving My Soul (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
05. I Know A Lot About Love (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
06. Critical (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
07. Supersonic (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
08. Frozen Heart (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
09. American Girl (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
10. Domino (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
11. Still On The Run (C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)
12. Skyscraper [bonus]  (H. Tanaka, T.Kurashina, C. Andreasson, M. Erlandsson, T. Wassenius)

■Personnel
Mikael Erlandsson – lead vocals, keyboards
Andy Malecek – guitars
Marcel Jacob – bass, additional instruments
Jamie Borger – drums

Joel Starander - additional instruments
Torbjörn Wassenius - additional instruments

Producer - Torbjörn Wassenius, Claes Andreasson
Executive Producer - Ulf Wahlberg

Humanimal [Part 1 & 2] / Talisman (1994)

0158Humanimal










1994年にリリースされたタリスマンの3rdアルバム。オリジナル国内盤と欧州盤は収録曲が一部異なり、国内盤に入っていない曲を集めたHumanimal Part 2もリリースされています。変則的なリリースで若干混乱するのですが、ここではHumanimal制作時にレコーディングされた全曲を収録したHumanimal Part 1 & 2を取り上げたいと思います。

北欧メロハーのイメージ通りの1st、ファンク要素を取り入れ変化の兆しを見せた2nd、それに続く本作ではファンキーなグルーヴが更に強調されてタリスマン独自のサウンドが完成の域に達しました。一部の曲ではミクスチャー・ロックと言って差し支えないところまできています。旧来のタリスマン・ファンの中には、ジェフ・スコット・ソートのラップに面食らい、あるいはタリスマンもオルタナ化したと失望する向きもあったかもしれません。しかし筆者は最初にこのアルバムを聴いたときから違和感はなく、ごく自然に受け入れて愛聴してきました。「HR/HMも歌えるソウル・シンガー」ジェフ・スコット・ソートと、「HR/HMにおけるベース・プレイに過剰なまでの自己主張を持ち込みたい」マルセル・ヤコブの化学反応、そういう内的要因がサウンドの変化をもたらしているのは明白です。少なくない数のHR/HMバンドが、流行に乗り遅れたくないという外的要因だけで恥も外聞もなくオルタナ/グランジ化したのとは違い、たとえオルタナ/グランジ・ブームが無かったとしても、ジェフとマルセルの共振は腰の据わった重心の低いグルーヴとなり、Humanimalを世に問うことになったに違いないと思うのです。ジェフはマルセルの自死に際して、「君がいなくなって寂しいよ、俺の『共犯者』マルセル!」と呼びかけました。そこには深い思いがあるのだろうと想像します。ロック創成期の60年代なら、ストックホルム生まれの天才変態ベーシストと、ブルックリン生まれLA育ちのプエルト・リコ系ソウル・シンガーが出会うことすらなかったかもしれません。Humanimalは二人の邂逅が生んだHR/HM史に残る名盤でしょう。

前述したようにこのHumanimal Part 1 & 2は言わば完全版で、本来ならアウトテイクとなるものまで収録されているのでしょうが、つまらないと感じる曲はありません。ファンキーな曲以外にもフォーク・ソウル風の"All + All"、"To Know Someone Deeply Is to Know Someone Softly"など不思議な味わいがあるし、アコースティカルなバラード"Since You've Gone"、サム・クックやスモーキー・ロビンソンが歌いそうなレトロなソウル"Doin' Time wit' My baby"も素晴らしい。哀愁メロハー"Lonely World"、ぬけぬけとポップな"My Best Friend's Girl"などは1stに入っていてもおかしくない曲。そして、タイトル曲"Humanimal"は攻撃的なスピード・チューンで、バンド一体となって突進する様が快感。というように、曲数は多いものの全く飽きさせません。

本作からジェイミー・ボーガーが専任ドラマーとしてレコーディングに加わっていますが、彼がタリスマン・サウンドの確立に果たした役割は大きいと思います。マルセルとの相性は抜群で、実に生々しく強靭なグルーヴを生み出しています。ギターのフレドリック・オーケソンは前作から引き続きの参加です。後にArch Enemy加入時に「タリスマンのファンキーなところが嫌だった」なんて言ってたらしいですが、その割にはいい仕事してるじゃないですか。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
Disc 1 [Humanimal Part 1]
01. 3233 + Colour My XTC
02. Fabricated War
03. Tainted Pages
04. Tv Reality
05. Seasons
06. All + All
07. D.O.A.P.S
08. Blissful Garden
09. Lonely World
10. Delusions of Grandeur
11. Since You've Gone
12. Humanimal
13. Doin' Time wit' My baby

Disc 2 [Humanimal Part 2]
01. Animal Ritual
02. You Cannot Escape the Revelation of the Identical by Seeking Refuge in the Illusion of the Multiple
03. My Best Friend's Girl
04. Dear God
05. Hypocrite
06. Wasting R Time
07. To Know Someone Deeply Is to Know Someone Softly
08. Todo y Todo
09. Colour My xtc (Video)
All songs written by Jacob/Soto
except "Blissful Garden" (Åkesson/Soto), "3233" and "Humanimal" (Jacob)

■Personnel
Jeff Scott Soto - lead and backing vocals, wurlitzer piano
Marcel Jacob - bass guitar, rhythm guitar, acoustic guitar
Fredrik Åkesson - lead and rhythm guitars
Jamie Borger - drums, percussion

Julie Greaux - backing vocals
Ronny Lahti - funky wah-guitar on "Seasons"

Producer - Marcel Jacob & Jeff Scott Soto 

 

Five Out Of Five / Talisman (1994)

0112Five Out Of Five
1993年9月の川崎クラブチッタでの初来日公演を収録したタリスマンのライブ・アルバム。正式メンバーとなったばかりのドラムのジェイミー・ボーガー初お披露目アルバムでもあります。まだ1stと2ndしか出ていない時期なので、収録曲は全てこの2枚のアルバムからとなっています。

このアルバム、残念ながら音質はそれほど良くないのですが、ライブ・パフォーマンスの臨場感が伝わる中々の好盤です。ジェフ・スコット・ソートのボーカルはスタジオ盤以上に豪快で自由奔放。ラップ入れたり、自在にフェイクしてどんどん盛り上げるタイプなので、この人ライブ録音のほうが本領発揮だと思います。マルセル・ヤコブもここぞとばかりに超絶インプロヴィゼーションを繰り出し、いや~凄いのなんの。ギターのフレドリック・オーケソンは、クリアー・トーンでのカッティングとディストーション・サウンドを目まぐるしく切り替えながら、正確かつ情感豊かなプレイを披露しています。トリート解散のためタリスマンに加入したばかりのジェイミー・ボーガーは、まだバンドに馴染んでいないせいかややおとなし目ですが、それでもさすがにタイトなドラムでサウンドを締めています。1st、2ndアルバムでは打ち込みだった曲も、より生き生きと躍動しているように感じられます。やはり打ち込みじゃこのノリは出せませんよね。

なお、オリジナル国内盤は1994年にゼロ・コーポレーションからリリースされていますが、輸入盤で4thアルバムLife とカップリングされた2枚組のものもあり、こちらも購入の際の選択肢の一つだと思います。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Mysterious (This Time It's Serious)  (Jacob, Soto)
02. Standin' On Fire (Jacob, Soto)
03. Comin' Home (Jacob)
04. If U Would Only Be My Friend (Jacob)
05. I'll Be Waiting (Jacob, Soto)
06. Time After Time (Jacob, Soto)
07. All I Want (Jacob, Soto)
08. Dangerous (Jacob)
09. U Done Me Wrong (Jacob, Soto)
10. Break Your Chains (Jacob, Jakobsson)
11. Just Between Us (Jacob, Soto)
12. All Or Nothing (Jacob, Soto)

■Personnel
Jeff Scott Soto – lead vocals
Marcel Jacob – bass
Fredrick Åkesson – guitar
Jamie Borger – drums

Producer - Talisman 



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