メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

サイモン・カーク

Mick Jones / Mick Jones (1989)

0124Mick Jones










Spooky Tooth、Foreignerのミック・ジョーンズの2014年現在唯一のソロ・アルバム。発表されたのは1988年ですから、コマーシャル路線を突き進むミック・ジョーンズと、それに反発するルー・グラムの対立が深刻化してForeignerの活動が停滞していた時期にあたります。せっかくのソロ・アルバムなんだから、自分の思い通りにForeigner以上にキャッチーな音にするか、Foreignerとは全然違うテイストの音にするかどちらかだと思うのですが、このアルバムなんだか中途半端な仕上がりになってしまいました。煮え切らないForeignerって感じ。まず楽曲がね、よく言えば渋い、ありていに言えばイマイチのものが多い。それからミック・ジョーンズのボーカルがダメ。リード・ボーカルとれるほど上手くないし味もないんだから、何も自分で歌わなくたっていいのに。なんだかな~。。。

普段ならこれで終わってしまうのですが、どっかのレビューでミック・ジョーンズとケヴィン・ジョーンズの二人で作ったとか、打ち込みで作ったとか、イアン・ハンターがリード・ボーカルをとってる曲があるとか、不正確なことを書いてあるのを見かけてしまったので、一念発起して色々書いてみますよ。このアルバム、実演(ミック・ジョーンズの歌以外)とサウンド的には悪くないんです。だって超一流のミュージシャンが惜しげもなく動員されているんですから。このブログは自分の感想を綴るのが目的の第一ですが、第二は縁あってたまたま読んでくれた人が、「あー、このアルバムでこのミュージシャンがこんな演奏してるのか、じゃ、その人が参加しているあのアルバムも聴いてみよう」っていう風に、新しい音と出会えることがあったら望外の喜びって密かに思っているのです。自分自身もそうやってどこかの誰かのおかげで耳を肥やしてきたので。音楽っつーのは一期一会だよ皆の衆!

曲ごとの詳しい参加メンバーはトラック・リストを見ていただくとして、ここではパートごとに主なミュージシャンについて触れておきます。まずリードボーカルですが、2曲を除いてミック・ジョーンズ自身が担当しています。#2"Save Me Tonight"はジョー・リン・ターナー、#5"4 Wheels Turnin' "はフォリナーのバックボーカルの常連イアン・ロイドです。ギターは当然ミック・ジョーンズですが、一部の曲ではセッション・ギタリストのケヴィン・ジョーンズとヒュー・マクラッケンもプレイしています。ヒュー・マクラッケンはジョン・レノンやポール・マッカトニー、ボブ・ディランなど超大物のレコーディング・セッションに参加してきた著名なプレイヤーですが、2013年に亡くなっています。キーボードは1991~2007までフォリナーのメンバーとなるジェフ・ジェイコブス、さらにセッション・ミュージシャンのジェフ・ボーヴァがプレイしています。#1"Just Wanna Hold"のピアノはMott The Hoopleのイアン・ハンターで、この曲のソング・ライティングにもクレジットされています。#6"Everything That Comes Around"のピアノは、60年代からピアニスト、ソングライター、プロデューサーとして活躍している レオン・ペンダーヴィスです。ベースには、セッション・ミュージシャンのシャイラー・ディール、ロブ・サビーノ、そしてフォリナーのリック・ウィルス。ドラムには、セッション・ミュージシャンのリバティ・デヴィート、スティーヴ・フェロー二、フォリナーのデニス・エリオット、それからなんと、Sly & The Family Stoneのドラマーであり、ベースのウィリー・ウィークスとの鉄壁のリズム・コンビで数々のレコーディング・セッションで活躍したアンディ・ニューマークまで参加しています(#7"You Are My Friend")。それからそれから、#8"Danielle"はサイモン・カーク(Free、Bad Company、Wildlife)ですよ!また何曲かスペシャル・ゲストとしてビリー・ジョエルとカーリー・サイモンがクレジットされています。これだけのメンバーが参加しているのですから、演奏自体はつまらない訳はないですよね~。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Just Wanna Hold (I. Hunter / M. Phillips / M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Guitar, Bass – Mick Jones
   Bass – Schuyler Deale
   Drums – Dennis Elliott
   Keyboards – Jeff Jacobs
   Percussion, Backing Vocals – Crystal Taliefero
   Piano, Backing Vocals – Ian Hunter
   Featuring Special Guest – Billy Joel
02. Save Me Tonight (D. Warren / J. Brooks / M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Keyboards – Mick Jones
   Bass, Keyboards, Guitar, Percussion – Kevin Jones
   Drums – Liberty DeVitto
   Keyboards – Jeff Jacobs
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Lead Vocals, Backing Vocals – Joe Lynn Turner
03. That's The Way My Love Is (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Keyboards, Bass, Percussion – Mick Jones
   Drums – Steve Ferrone
   Acoustic Guitar – Hugh McCracken
   Guitar, Percussion – Kevin Jones
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Featuring Special Guest – Carly Simon
04. The Wrong Side Of The Law (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Guitar, Bass – Mick Jones
   Drums – Dennis Elliott
   Keyboards, Percussion – Kevin Jones
   Additional Programming – John Mahoney
05. 4 Wheels Turnin' (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Rhythm Guitar – Mick Jones
   Drums – Dennis Elliott
   Guitar, Percussion – Kevin Jones
   Lead Vocals, Backing Vocals – Ian Lloyd
06. Everything That Comes Around (J. Brooks / M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Guitar, Piano, Keyboards, Bass – Mick Jones
   Drums, Percussion – Kevin Jones
   Piano – Leon Pendarvis
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Choir – Timothy Wright Concert Choir
   Additional Programming – John Mahoney
07. You Are My Friend (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Guitar, Keyboards – Mick Jones
   Bass – Rob Sabino
   Drums – Andy Newmark
   Additional Keyboards – Jeff Bova
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Percussion – Kevin Jones
08. Danielle (J. Brooks / M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Acoustic Guitar, Keyboards – Mick Jones
   Bass – Rick Wills
   Drums – Simon Kirke
   Keyboards – Kevin Jones
   Slide Guitar – Hugh McCracken
   Backing Vocals – Ian Lloyd
09. Write Tonight (M. Jones)
   Lead Vocals, Backing Vocals, Lead Guitar, Acoustic Guitar, Bass, Keyboards – Mick Jones
   Drums, Guitar, Percussion – Kevin Jones
   Backing Vocals – Ian Lloyd
   Saxophone – Lenny Pickett
   Featuring Special Guest – Carly Simon
10. Johnny (Part 1) (M. Jones)
   Lead Vocals, Keyboards – Mick Jones

Producer - Mick Jones

Wildlife / Wildlife (1983)

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元フリー、バッド・カンパニーのサイモン・カーク(Dr)が、後にFMを結成するスティーヴ・オーヴァーランド(Vo)とクリス・オーヴァーランド (Gt)、さらにフィル・スーサン(Ba)、マーク・ブーティ(Key)と組んだワイルドライフの唯一のアルバム。プロデュースはバドカンのミック・ラルフス、リリースはレッド・ツェッペリンのSwan Songレーベルからです。フリー、バドカン好きの筆者はサイモン・カークの新バンドと聞いて当時LPを買ったクチですが、これが中々の好盤です。

音のほうは明らかにオーヴァーランド兄弟が主導しているので、バドカンよりFMに近い、メロハー寄りの音です。ボトムの重いFMというイメージでしょうか。 ロックの基本は8ビートですが、サイモン・カークは変な言い方ですがその「基本」の名手です。派手なことは一切せず、やや後ノリ気味に、どっしりしたシンプルな8ビートを叩き続ける。このアルバムでも、シンプルだからこそ、頭でなく体で感じるロック・ミュージックならではグルーヴが生々しく伝わってきます。

スティーヴ・オーヴァーランドのボーカルは、この時点で既に出来上がっています。最初から上手すぎます。ブルースやR&Bからの影響が濃厚な、ソウルフルで渋い歌いまわしは、やややマイルドなポール・ロジャースという感じ。おそらくサイモン・カークがスティーヴ・オーヴァーラ ンドと組んだ理由は、彼がポール・ロジャース・スタイルのシンガーだからでしょう。クリス・オーヴァーランドのギターも、もしかしたら少しポール・コゾフ やミック・ラルフスを意識したのかもしれないと思わせるような、非常にシンプルながら味のあるプレイです。全体として、ゴテゴテしたデコレーションやギミックのない、80年代のハードロックとしては貴重なほど飾り気のないサウンドだと思います。シンプル・イズ・ベスト!

このアルバム1枚を残してバンドは解散、サイモン・カークはポール・ロジャース抜きでのバドカン再開、オーヴァーランド兄弟はFM結成、このころまだ駆け出しだったフィ ル・スーサンは、オジー・オズボーンなど数多くのアーティストとのセッションの仕事へと、メンバーはそれぞれの道を歩んでいくことになります。


評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Somewhere in the Night (Steve Overland, Chris Overland)
02. Just a Friend (Steve Overland, Chris Overland)
03. Surrender (Steve Overland, Chris Overland)
04. Charity (Simon Kirke)
05. One Last Chance (Steve Overland, Chris Overland)
06. Taking a Chance (Steve Overland, Chris Overland)
07. Haven't You Heard the News (Steve Overland, Chris Overland)
08. Midnight Stranger (Steve Overland, Chris Overland)
09. Rock and Roll Dreams (Steve Overland, Chris Overland)
10. Downtown Heartbreak (Steve Overland, Chris Overland)

■Personnel
Simon Kirke - drums, percussion, sax on "Charity"
Chris Overland - lead guitar
Phil Soussan - bass, backing vocals
Mark Booty - keyboards, backing vocals
Steve Overland - lead and backing vocals, guitar

Producer - Mick Ralphs

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