メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

ゲイリー・ヒューズ

Babylon / Ten (2000)

0348Babylon









イギリスのメロディアス・ハードロック・バンドTenの5thアルバム。バンド・メンバーとしてクレジットされているのは、リーダーのゲイリー・ヒューズ(vo)の他、ヴィニー・バーンズ(gt)、ジョン・ハリウェル(gt)、スティーヴ・マッケンナ(ba)、グレッグ・モーガン(ds)の5人。キーボードのジェド・ライランズが抜け、替わりにゲストとしてドン・エイリー(!)が参加しています。本作はコンセプト・アルバムということで、内容は「世界大戦後の近未来で恋人を殺された男の復讐劇」というストーリーだそうです。ちょっとマンガチックなお話だし、ジャケットもダサ過ぎ。まあ、テーマやコンセプトがあっても別に構わないのですが、曲間のセリフ(ナレーション?)は勘弁して欲しい。音楽だけ聴きたいリスナーにとって、いちいちセリフが入るのはなんとも邪魔です。

音の方はいつもながらのTenで、そこは安定しています。ブルージーで叙情的なメロディとブリティッシュ・バンドらしいサウンドが堪能できます。ゲイリー・ヒューズの憂いを帯びた歌声、ヴィニー・バーンズのエモーショナルなギター、今回も実に素晴らしいです。楽曲も概ね佳曲揃いと言えると思います。ただし、MSG"Into the Arena"クリソツな#9"Thunder in Heaven"はいただけない。なんでよりによってあんな有名曲をパクるの。それから#10"Valentine"の出だしは「ゴッドファーザー 愛のテーマ」じゃん。暴走族か。最初聴いたとき吹き出してしまいましたよ。極めつけは、リリース直前に収録曲から外されたという"Dawn Star"。再発盤にはボーナスとして収録されているのですが、これのリフは丸っきりパープルの"Burn"です。元々Tenの曲はなんとなくどこかで聴いたことある感が漂っているのが多いとは言え、今回は度を越しているというか余りに稚拙かな。というわけで、「セリフ入り」「パクリ過ぎ」で残念ながら減点2です。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Stranger
02. Barricade
03. Give in This Time
04. Love Became the Law
05. The Heat
06. Silent Rain
07. Timeless
08. Black Hearted Woman
09. Thunder in Heaven
10. Valentine
All songs written by Gary Hughes,

■Personnel
Gary Hughes – vocals
Vinny Burns – guitars
John Halliwell – guitars
Steve McKenna – bass guitar
Greg Morgan – drums

Don Airey - keyboards

Producer - Gary Hughes 

Gary Hughes / Gary Hughes (1992)

0306Gary Hughes









Tenのリーダーでボーカリストのゲイリー・ヒューズが、まだソロで活動していた時代にリリースした2枚目のアルバムです。前作よりハードロック色が強まり、よりTenに近いサウンドとなっています。とは言ってもTenを特徴付けるウェットな叙情性はまだそれほど色濃くはなく、収録曲の半分ほどはアメリカン・ハードロックっぽい雰囲気。そんな中で、センチメンタルなバラード#3"I Won't Break Your Heart"、ブリティッシュ・ブルース・ロックの伝統を感じさせる#4"Blonde Angel '93"、ブルージーな哀愁バラード#7"Till the Rivers Run Dry"、これもブルース・ロック色の強い#11"Renegade"あたりは、Tenのアルバムに入っていてもおかしくないタイプの曲です。バックのミュージシャンはあまり聞いたことのない名前ばかりですが、ギター・ソロは速弾きに走らずいい感じで泣いていて筆者としては好印象。総じてTenのファンや、ゲイリー・ヒューズのボーカルが好きという人なら十分楽しめるアルバムではないかと思います。

なお、後年3作目のPrecious Onesとのカップリング盤も発売され、こちらにはボーナス・トラックとして"Look at the Rain"が収録されています。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. This Thing of Beauty
02. Seducer
03. I Won't Break Your Heart
04. Blonde Angel '93
05. Suspendered Animation
06. It Must Be Love
07. Till the Rivers Run Dry
08. Criminal
09. We Walk With Angels
10. Now or Never
11. Renegade
12. Look at the Rain [Bonus Track]
All songs, music and lyrics by Gary Hughes

■Personnel
Gary Hughes - Vocals. Guitars, Bass
Aziz Ibrahm - Guitars
Lee Revill - Guitars
Gary Frankland - Bass
Steve Steadman - Bass
David Hewson - Keyboards
Howard Smith - Keyboards
Darren Lamberron - Drums
Darren Wilcock - Drums
Steve Frankland - Drums

Producer - Gary Hughes, Simon Humphrey

Strength of Heart / Gary Hughes (1990)

0244Strength Of Heart









Ten結成以前、ソロ・シンガー時代のゲイリー・ヒューズの1stアルバム。1989年にPolygram (Germany)からリリースされたBig Bad Wolf に3曲を追加、曲順とタイトルを変更して翌1990年Mercury/Polygram (Norway)から発売されたのがこのアルバムです。Tenの1stが1996年ですから、7年前の録音ということになりますが、声がずいぶん若くて溌剌としています。ジャケットの写真も若々しくて中々のイケメン。

さて本作は、Tenほどハードではないものの、メロディ・ライン、ボーカル・スタイルはやはりTenを思い起こさせるものとなっています。ただし、収録曲は玉石混交。#2"Only True Love Lasts Forever"、#7"Man Behind the Mask"、#9"Hammer Your Heart"などは、Tenに通じるメロディアスな佳曲ですが、ありきたりなバラード、まったく魅力の感じられないポップ・ソング、ノリの悪いロックン・ロールもあり、全体の印象はやや散漫と言わざるを得ません。サウンド的には、打ち込みを多用したエレクトロ・ポップ風なリズムに、キラキラシンセ音と歪んだギターが乗っかるというスタイル。よく言えば80年代の残り香が感じられるレトロな音、悪く言えば古臭くて陳腐な音です。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Some Kind of Evil
02. Only True Love Lasts Forever
03. Strength of Heart
04. Bringin' All of Your Love to Me
05. Big Bad Wolf
06. Helen's Eyes
07. Man Behind the Mask
08. Christine
09. Hammer Your Heart
10. Can't Get You Out of My Head
11. Photograph
12. Stay
13. Vigilante
14. Helen's Eyes (Reprise)
All songs, music and lyrics written by Gary Hughes

■Personnel
Gary Hughes - Lead Vocals, Backing Vocals, Electric Guitar, Acoustic Guitar, Fretless Bass, Drum Programming
Simon Humphrey - Fretted Bass, Drum and Bass Programming
David Hewson - Keyboards, Synthesizers
Howard Smith - Additional Keyboards
Ian Kirkham - Saxophone

Producer - David Hewson, Simon Humphrey

Spellbound / Ten (1999)

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イギリスのメロディアス・ハードロック・バンド、Tenの4th(ライブ盤を含めると5th)アルバム。1999年リリースとなっていますが、日本国内盤は先行して1998年に発売されています。メロハー・ファンにとってTenは安心のブランド、このアルバムも期待を裏切らない作品となっています。哀愁を感じさせる適度にウェットなメロディはいつも通り、ゲイリー・ヒューズの落ち着いたボーカルとヴィニー・バーンズの泣きのギターもいつも通りです。他のメンバーも前作のライブ盤Never Say Goodbyeと変わらず、ジョン・ハリウェル(gt)、ジェド・ライランズ(key)、グレッグ・モーガン(ds)、スティーヴ・マッケンナ(ba)の4人。バッキング・ボーカルにはお馴染みのジェイソン・サノスの他、Dante Foxのスー・ウィレッツ、Magnumのボブ・カトレイも加わっています。

ゲイリー・ヒューズは歴史や叙事詩が好きらしく、これまでもそんな趣味を伺わせる曲がありましたが、本作ではその傾向は一層強まっています。勇壮でシンフォニックなオープニングから#2"Fear the Force"への流れがドラマティックで印象的です。また、#5"We Rule the Night"、#6"Remembrance for the Brave"、#7"Red"と、トラッド・ミュージックの旋律を取り入れた曲が挿入されることで、より伝統だとか歴史物語といったテーマが際立ち、あたかもコンセプト・アルバムのような統一感が生まれています。その一方で過去作で垣間見られた過剰な大作志向が抑制され、長いものでも6分程度と楽曲がコンパクト化しているのも好印象。さらに筆者としては、#9"Wonderland"に1stで見られた瑞々しいポップ・フィーリングが戻っているのも嬉しかったです。また、ミックスが1st~3rdのマイク・ストーンから、GiantやFair Warningを手がけてきたレイフ・マッケンナに変わったせいか、奥行きを感じさせるサウンドに仕上がっています。総合的にとても出来の良いアルバムだと思いました。

ただ、トラディショナルなのはいいとして、ファンタジーRPGに夢中になっている中学生みたいな歌詞は興ざめ。正直勘弁してもらいたいなと。ドラゴンが滑ったの転んだの、魔法使いがどうしたこうした、復讐だ!反逆だ!なんてのがHR/HMには何故かよく出てきますけど、もうそれだけでバカっぽく見えちゃうの。

閑話休題。本作で聴けるトラッド風メロディは、アイリッシュっぽいとは思いました。ただ、この方面の知識に乏しいので正確には不明です。同じケルト系のアイルランド、スコットランド、ウェールズ、コーンウォールの音楽にどのような差異があるのか分からないのです。イングランド(アングロサクソン)系とケルト系の違いだって怪しいものです。そもそもゲイリー・ヒューズがイギリス国内のどのようなエスニック・グループに帰属意識を持っているのかさえ分かりません。カトリックかプロテスタントかも知りません。イギリスのトラッド音楽を聴くと、ブリテン島と北アイルランドに住む人々を十把一絡げに、のっぺらぼうな「イギリス人」としてしか理解出来ていないことを痛感してしまいます。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. March of the Argonauts (Instrumental)
02. Fear the Force
03. Inside the Pyramid of Light
04. Spellbound
05. We Rule the Night
06. Remembrance for the Brave (Instrumental)
07. Red
08. The Alchemist
09. Wonderland
10. Eclipse
11. The Phantom
12. Till the End of Time
All songs written by Gary Hughes,
except " Inside the Pyramid of Light" written by Gary Hughes and Vinny Burns

■Personnel
Gary Hughes – vocals
Vinny Burns – guitars
Ged Rylands – keyboards
John Halliwell – guitars
Steve McKenna – bass guitar
Greg Morgan – drums and percussion

Francis Cummings – violin
Fiona Payne – violin
Anne Morrison – viola
Anna Frazer – cello
Mike McGoldric – uilleann pipes, low whistle, bamboo flute​
Jason Thanos – additional backing vocals
Sue Willets – additional backing vocals (Track 5)
Bob Catley – additional backing vocals (Track 5)
Rafe McKenna – additional backing vocals (Track 5)

Producer - Gary Hughes 

 

Never Say Goodbye / Ten (1998)

0103Never Say Goodbye
イギリスのメロハー・バンドTenの2枚組ライブ盤。国内盤と輸入盤、オリジナルと再発盤といくつかのバージョンがあって一部収録曲が異なるようです。ここでは1998年にゼロ・コーポーレーションから発売されたオリジナル国内盤を取り上げています。

ブックレットには日本でのコンサートの写真があしらわれていますが、1997~98年のヨーロッパ・ツアーを収録しているようです。この時点でリリースされていた1stから3rdまでのアルバムから24曲とかなりのボリューム。しかも元々どの曲も曲調やサウンドが似通っているバンドなので、1枚でもお腹一杯になるんじゃないかと思いましたが、筆者は意外にダレずに聴くことができました。曲順も妥当だし、途中にアコースティック・セットが入っているのも飽きさせない工夫かなと思いました。ちょっと曲数の多いベスト盤といった感じです。ただ、大幅にアレンジが変わるとか、アドリブがふんだんに入っているとかいうこともなく、言ってしまえばスタジオ盤を忠実に再現しているだけ、またカバー曲などもないので、ライブ盤ならではの醍醐味というものはあまり感じられません。ゲイリー・ヒューズのボーカルも、ヴィニー・バーンズのギターも、スタジオ盤と大きく変わるところなく、したがって魅力の増減もなし。一番気になるのは録音が音割れ気味なこと。もうちょっときれいに録ってほしかったなー。そんなわけで、Tenの熱心なファンでなければ、手に入れる優先順位はどうしても低くなってしまう作品だと言わざるを得ません。

ラインナップは、ゲイリー・ヒューズとヴィニー・バーンズのほか、サイド・ギターのジョン・ハリウェル、キーボードのジェド・ライランズ、ドラムのグレッグ・モーガンと従来どおり。ベースだけは新メンバーのスティーヴ・マッケンナにチェンジしています。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
Disc - 1
01. The Robe
02. Bright on the Blade
03. Wildest Dreams
04. The Torch
05. Yesterday Lies in the Flames
06. The Rainbow
07. Goodnight Saigon
08. Arcadia
09. You're in My Heart (acoustic)
10. Close Your Eyes and Dream (acoustic)
11. Turn Around (acoustic)
12. The Loneliest Place in the World

Disc - 2
01. The Crusades
02. Don't Cry
03. Ten Fathoms Deep
04. After the Love Has Gone
05. Stay With Me
06. Standing on the Edge of Time
07. Fly Like an Eagle
08. Drum Solo
09. Battlelines
10. The Pharaoh's Prelude
11. Wait for You
12. The Name of the Rose

All songs written by Gary Hughes
except "The Crusades" and "Standing on the Edge of Time" written by Gary Hughes and Vinny Burns 

■Personnel
Gary Hughes – vocals
Vinny Burns – guitars
John Halliwell – guitars, backing vocals
Ged Rylands – keyboards, backing vocals
Steve McKenna – bass guitar, backing vocals
Greg Morgan – drums


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