メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

ケヴィン・エルソン

Strangeways / Strangeways (1985)

0303Strangeways










イギリス(スコットランド)のメロディアス・ハードロック・バンド、ストレンジウェイズ(Strangeways)の1stアルバム。Strangewaysというと、後にGiantのボーカリストとなるテリー・ブロックが在籍したことが知られていますが、この1stではトニー・リドルという人がボーカルを担当しています。他のメンバーはイアン・J・スチュワート(Gt)、デイヴ・スチュワート(B)、ジム・ドラモンド(Ds)、アラン・トムソン(Key)。プロデュースはJourneyなどを手がけ80~90年代の売れっ子プロデューサーだったケヴィン・エルソン。

跳ねたリズムの曲が多く、ちょっとオシャレなハードAORという路線でしょうか。しかし、このオシャレ感が今となっては逆に陳腐な印象となってしまっています。80年代特有の深い残響音が災いして、各パートの音にベールを被せたようでこれもマイナス・ポイント。好みもありますが、ボーカリストの苦しげな金切り声もいただけないなぁ。ただ、よく聴くとメロディ・ラインはかなり魅力的だと思いました。なお、筆者の聴いているのは、イギリスの再発レーベルRock Candyによる2011年リマスター再発盤で、ボーナス・トラックとして5曲のデモ音源が収録されています。デモなので音質はより悪く、熱心なファンでなければオマケとしての価値は高くはないでしょう。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Kid Needs Love
02. Hold Back Your Love
03. Close To The Edge
04. Heartbreak Zone
05. Cry Out
06. Power Play
07. Breakin’ Down The Barriers
08. Now It’s Gone
09. More Than Promises
10. Hold Tight
Bonus Tracks
11. All The Wrong Reasons (Demo)
12. Hold On (Demo)
13. Close To The Edge (Demo)
14. Breakin’ Down The Barriers (Demo)
15. Streets On Fire (Demo)
All songs written by Ian J. Stewart 

■Personnel
Ian J. Stewart - Lead Guitar, Background Vocals
David Stewart - Bass Guitar, Background Vocals
Tony Liddell - Lead Vocals
Jim Drummond - Drums, Background Vocals
Alan Thomson - Keyboards

Tony Rivers - Additional Background Vocals
Alan Carvell - Additional Background Vocals

Producer – Kevin Elson

Big Life / Night Ranger (1987)

0290Big Life









アメリカのハードロック・バンドNight Ranger(ナイト・レンジャー)の4thアルバムです。前2作がプラチナ・ディスクを獲得してきたのと比べゴールド止まりで、チャートではアルバム自体もシングル・カット曲も苦戦。彼らの爆発的な人気にも陰りが見えてきた時期の作品であり、最後のヒット作となったアルバムということになります。

しかしまあ、当時「ポッブだ」「売れ線狙いだ」「キーボードが前面に出すぎ」とか言われたらしいのですが、そんなの最初っからじゃん。元々ゴリゴリのHR/HMバンドじゃないから。歌ものだし、バラード多いし、キーボード鳴ってるし、シングルいっぱい出してるし。何を今さらって感じです。マイケル・J・フォックスの映画「The Secret Of My Success(摩天楼はバラ色に)」のサントラとして作られた#5のイメージが強いからでしょうか。デヴィッド・フォスターやマイケル・ランドウが曲作りに参加しているこの曲、確かにNight Rangerとしてはやや異色なハネものですが、バンドのカラーと全然違うとは思えません。それにとても良い曲ですよね、これ。他の曲もインスト・パートはかなりハードだし、ギター・ソロも過去作に比べてよりエキサイティング。ケヴィン・エルソンのプロデュースということで、全盛期JourneyやEuropeのThe Final Countdown に通じる80年代風のゴージャス感溢れるサウンド・プロダクションなわけですが、好みは別として仕上がりは極めてハイクォリティ。筆者としてはむしろ過去3作よりこのアルバムの方が好きだなぁ。

どんな世界でも栄枯盛衰は常のこと。人気が下降線をたどった理由は後付的に色々言われますが、メロハー目線で見れば本作は秀逸なメロディアス・ロック・アルバムであることは間違いありません。目まぐるしく変わる流行だとか、移ろいやすい人気だとかは横目で眺めて、それぞれが自分のお気に入りの音楽を見つけていけばいいのだと思います。

最後にゲスト・ミュージシャンについて。"The Secret Of My Success"にはデヴィッド・フォスターがキーボードで、ビル・チャンプリンがバッキング・ボーカルで参加しています。ビル・チャンプリンは80年代以降のChicagoのボーカルですね。デヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドンとの関係が深いのでその人脈からの参加と思われます。また、どの曲で歌っているのかは分かりませんが、ケヴィン・チャルファント、マックス・ハスケットもバッキング・ボーカルとしてクレジットされています。ケヴィン・チャルファントはThe Storm 、Two Firesのあの人ですね。マックス・ハスケットは、ジャック・ブレイズ、ブラッド・ギルス、ケリー・ケイギーが在籍していたRubiconのメンバー。いわば友情出演でしょう。
 
評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

01. Big Life (Brad Gillis, Jack Blades)
02. Color Of Your Smile (Jack Blades)
03. Love Is Standing Near (Alan Fitzgerald, Jack Blades, Kelly Keagy)
04. Rain Comes Crashing Down (Jack Blades)
05. The Secret Of My Success (David Foster, Jack Blades, Michael Landau, Tom Keane)
06. Carry On (Jack Blades, Kelly Keagy)
07. Better Let It Go (Jack Blades, Kelly Keagy)
08. I Know Tonight (Jack Blades)
09. Hearts Away (Jack Blades)

■Personnel
Jack Blades - Bass, Lead & Backing Vocals
Jeff Watson - Lead & Rhythm Guitars
Brad Gillis - Lead & Rhythm Guitars, Backing Vocals
Alan Fitzgerald - Keyboards, Piano
Kelly Keagy - Drums, Percussion, Lead Vocals

Kevin Chalfant - Additional Backing Vocals
Max Haskett - Additional Backing Vocals
David Foster - Keyboards on #5
Bill Champlin - Backing Vocals on #5

Producer – Night Ranger, Kevin Elson
except #5 produced by David Foster


Strength in Numbers / Tyketto (1994)

0238Strength in Numbers










アメリカのハードロック・バンド、タイケットの2ndアルバムです。ライナー・ノートによると、1992年中にはほぼレコーディングを完了しリリース直前だった段階でゲフィン・レコードから契約を切られ、あわやお蔵入りになりそうなところ、1年近く経ってなんとか日本のレーベルからリリースすることができたといういわく付きの作品のようです。90年代初頭は多くのHR/HM系バンドが同様に契約を切られたらしく、ブームが去ったという事情があったにせよ、レコード会社というのはずいぶん酷いことするもんだなと思いました。

さて、レコーディング・メンバーですが、ダニー・ヴォーン(vo)、マイケル・クレイトン(dr.)、ブルック・セント・ジェイムス(gt.)は1stと変わらず、ベースのみジェイミー・スコットにチェンジしています。プロデューサーは、Journey、Europe、Night Rangerといった超メジャー・バンドを多く手がけているケヴィン・エルソン。さすがにクリアーでダイナミックな良い音に仕上がっています。曲のほうは1stの延長線上の明るいもので、マイナー・キーでもジメっとしないところがいかにもアメリカン。この辺は面白いところで、たとえばタイケットのレパートリーをテンが演奏したら、その逆にテンのレパートリーをタイケットが演奏したら、曲のイメージは随分違うだろうと想像します。特にダニー・ヴォーンの元気ハツラツの歌唱は、どうやっても暗くなりようがないんじゃないかと思います。バッキングのギターもドラムもベースもタイトなプレイで、ウラのキメとかビシビシ決まって全くもってゾクゾクさせられます。こういう細かいアレンジ、仕掛けの積み重ねで、曲のメリハリがしっかりついているのはAクラス(センスとテクニックの面で)のバンドの証でしょうね。B級、C級バンドはそこまで気が回らずダラーっとしちゃってること、よくあります。

ただし。1stの"Forever Young"に匹敵するような曲が無い。あの名曲の印象があまりにも強くて、本作だってどの曲も出来がいいんだけれどそこそこに聴こえてしまうんですよね。タイケットの皆さん、申し訳ない。。。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Stength In Numbers (Vaughn, St. James , Clayton)
02. Rescue Me (Vaughn, St. James , Clayton)
03. The End Of The Summer Days (Vaughn, St. James , Clayton)
04. Ain't That Love (Vaughn, St. James , Clayton)
05. Catch My Fall (Vaughn, Clayton, St. James, M. Hudson)
06. The Last Sunset (Vaughn, St. James , Clayton)
07. All Over Me (Vaughn, Clayton, St. James, J. Lomenzo)
08. Write Your Name In The Sky (Vaughn, St. James , Clayton)
09. Meet Me In The Night (Vaughn, St. James , Clayton)
10. Why Do You Cry? (Vaughn, Clayton, St. James, J. Kennedy)
11. Inherit The Wind (Vaughn, St. James , Clayton)
12. Standing Alone ( '94 Remix) (Vaughn, Clayton, St. James, J. Kennedy)
13. Wait Forever  (Japan Only Bonus Track) (Vaughn, Clayton, St. James, Briley)

■Personnel
Michael Clayton - drums, percussion, vocals
Brooke St. James - guitars, vocals, percussion
Danny Vaughn - lead vocals, acoustic guitar, harmonica, mandolin, percussion
Jaimie Scott - bass guitar, vocals, percussion

Paul Mirkovitch - keyboards on "Why Do You Cry?" and "All Over Me"
Jimi Kennedy - bass guitar on "Standing Alone ( '94 Remix)"

Producer - Kevin Elson
 

The Final Countdown / Europe (1986)

0098The Final Countdown
1986年にリリースされヨーロッパの出世作となった3枚目のアルバムThe Final Countdown です。今にして思えば、このアルバムとシングルカットされた曲が爆発的に売れたことで、良くも悪くもこのバンドの行く末を決定づけることになりました。ど頭のタイトル曲"The Final Countdown"を聴いただけで、1st、2ndからのサウンドの変化はすぐに分かります。曲を引っ張るのはギター・リフではなくキーボードのキャッチーなフレーズ。また、歌メロからクラシカルな旋律はほとんど消えました。ジョーイ・テンペストの歌唱もメタル的な力みが取れ、よりスムーズなものになっています。アメリカ市場を狙ってポップ化を進めたたのは明らかです。果たしてこの曲は全米チャート8位を記録しただけでなく、フランス、ドイツ、アイルランド、オランダ、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、イタリアで1位を獲得する大ヒットとなりました。このアルバムからは他に4曲がシングル・カットされています。アルバムはアメリカだけで300万枚以上を売り上げてチャート最高8位、スウェーデン、スイス、フランスで1位、カナダ、イタリアで2位、ノルウェー4位、オーストラリア5位、ドイツ6位、イギリス9位と、まさに世界的な成功を収めることとなりました。

専任キーボード奏者を加入させてサウンドの装飾性を強め、楽曲もよりキャッチーさを追求して工夫を凝らし、一部の好事家だけにしか受け入れられない北欧メタルから、一般受けするアメリカナイズされたハードロックへ。この変身が大成功をもたらしたわけですが、かといってこのバンドが、よくあるアメリカのバンドのようにギラギラしたり、あっけらかんとしたサウンドになったわけではありません。ヨーロッパの特色だったリリシズムや気品、愛すべきイモ臭さはまだ残っています。ジョーイ・テンペストと並ぶ看板であるジョン・ノーラムのギターも、1st、2ndと遜色ないほど流麗に歌いまくっています。しかし、彼はサウンドの変化に不満を募らせ、このアルバムを最後にヨーロッパを脱退。そしてジョン・ノーラムが去った後、バンドのポップ化には一段と拍車がかかることとなります。

バンド・メンバーは、ジョーイ・テンペスト(vo)、ジョン・ノーラム(gt)、ジョン・レヴィン(ba)の3人は、1st、2ndと変わらず。ドラムはトニー・レノからイアン・ホーグランドに交代、それから前述したようにキーボードのミック・ミカエリが新メンバーとして加わっています。プロデューサーには、80年代黄金期ジャーニーの作品群を手がけてきたケヴィン・エルソンが迎えられています。なおボーナス・トラック3曲は、1987年ロンドンのハマースミス・オデオンでのライブを収録したビデオからのものです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Final Countdown
02. Rock the Night
03. Carrie
04. Danger on the Track
05. Ninja
06. Cherokee
07. Time Has Come
08. Heart of Stone
09. On the Loose
10. Love Chaser
11. The Final Countdown (Live) [bonus]
12. Danger On The Track (Live) [bonus]
13. Carrie (Live) [bonus]
All songs written by Joey Tempest except "Carrie" written by Joey Tempest and Mic Michaeli

■Personnel
Joey Tempest – vocals
John Norum – guitars, backing vocals
John Levén – bass guitar.
Mic Michaeli – keyboards, backing vocals
Ian Haugland – drums, backing vocals

Producer - Kevin Elson 

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