メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

ケリー・ケイギー

Big Life / Night Ranger (1987)

0290Big Life









アメリカのハードロック・バンドNight Ranger(ナイト・レンジャー)の4thアルバムです。前2作がプラチナ・ディスクを獲得してきたのと比べゴールド止まりで、チャートではアルバム自体もシングル・カット曲も苦戦。彼らの爆発的な人気にも陰りが見えてきた時期の作品であり、最後のヒット作となったアルバムということになります。

しかしまあ、当時「ポッブだ」「売れ線狙いだ」「キーボードが前面に出すぎ」とか言われたらしいのですが、そんなの最初っからじゃん。元々ゴリゴリのHR/HMバンドじゃないから。歌ものだし、バラード多いし、キーボード鳴ってるし、シングルいっぱい出してるし。何を今さらって感じです。マイケル・J・フォックスの映画「The Secret Of My Success(摩天楼はバラ色に)」のサントラとして作られた#5のイメージが強いからでしょうか。デヴィッド・フォスターやマイケル・ランドウが曲作りに参加しているこの曲、確かにNight Rangerとしてはやや異色なハネものですが、バンドのカラーと全然違うとは思えません。それにとても良い曲ですよね、これ。他の曲もインスト・パートはかなりハードだし、ギター・ソロも過去作に比べてよりエキサイティング。ケヴィン・エルソンのプロデュースということで、全盛期JourneyやEuropeのThe Final Countdown に通じる80年代風のゴージャス感溢れるサウンド・プロダクションなわけですが、好みは別として仕上がりは極めてハイクォリティ。筆者としてはむしろ過去3作よりこのアルバムの方が好きだなぁ。

どんな世界でも栄枯盛衰は常のこと。人気が下降線をたどった理由は後付的に色々言われますが、メロハー目線で見れば本作は秀逸なメロディアス・ロック・アルバムであることは間違いありません。目まぐるしく変わる流行だとか、移ろいやすい人気だとかは横目で眺めて、それぞれが自分のお気に入りの音楽を見つけていけばいいのだと思います。

最後にゲスト・ミュージシャンについて。"The Secret Of My Success"にはデヴィッド・フォスターがキーボードで、ビル・チャンプリンがバッキング・ボーカルで参加しています。ビル・チャンプリンは80年代以降のChicagoのボーカルですね。デヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドンとの関係が深いのでその人脈からの参加と思われます。また、どの曲で歌っているのかは分かりませんが、ケヴィン・チャルファント、マックス・ハスケットもバッキング・ボーカルとしてクレジットされています。ケヴィン・チャルファントはThe Storm 、Two Firesのあの人ですね。マックス・ハスケットは、ジャック・ブレイズ、ブラッド・ギルス、ケリー・ケイギーが在籍していたRubiconのメンバー。いわば友情出演でしょう。
 
評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

01. Big Life (Brad Gillis, Jack Blades)
02. Color Of Your Smile (Jack Blades)
03. Love Is Standing Near (Alan Fitzgerald, Jack Blades, Kelly Keagy)
04. Rain Comes Crashing Down (Jack Blades)
05. The Secret Of My Success (David Foster, Jack Blades, Michael Landau, Tom Keane)
06. Carry On (Jack Blades, Kelly Keagy)
07. Better Let It Go (Jack Blades, Kelly Keagy)
08. I Know Tonight (Jack Blades)
09. Hearts Away (Jack Blades)

■Personnel
Jack Blades - Bass, Lead & Backing Vocals
Jeff Watson - Lead & Rhythm Guitars
Brad Gillis - Lead & Rhythm Guitars, Backing Vocals
Alan Fitzgerald - Keyboards, Piano
Kelly Keagy - Drums, Percussion, Lead Vocals

Kevin Chalfant - Additional Backing Vocals
Max Haskett - Additional Backing Vocals
David Foster - Keyboards on #5
Bill Champlin - Backing Vocals on #5

Producer – Night Ranger, Kevin Elson
except #5 produced by David Foster


【番外編】 Rubicon

Night Ranger(ナイト・レンジャー)のブラッド・ギルス、ジャック・ブレイズが在籍し、ケリー・ケイギーもツアー・メンバーとして関わっていたファンク・ロック・バンドRubicon(ルビコン)。Sly & The Family Stoneのジェリー・マルティーニを中心に結成され、Rubicon(1978)、America Dreams(1979)という2枚のアルバムを残して消えていったバンドです。また、1978年のカリフォルニア・ジャム2に出演し、その映像は日本のTVでも放映されました。筆者はLP時代に聴き倒し、カリフォルニア・ジャム2も出はじめのベータ・ビデオで録画して何度も見た記憶があります。長らくLPでしか聴くことができなかった彼らのアルバムが、ようやく2009年にRenaissance Recordsから1stと2ndを1枚のディスクに合わせて収録したCDが出されて、気軽に楽しめるようになったのは嬉しい限りです。

さて、このRubiconは、Sly & The Family Stone、Cold Blood、Tower of Powerといったベイエリアのファンク・バンド(いわゆるオークランド・ファンク)のお仲間なわけですが、珍しくハードロック的要素を持っているのが特色で、一方AOR/メロハーっぽいポップでメロディアスな曲もあったりします。その辺がNight Rangerにつながる要素なのかなと。ジャック・ブレイズのスラッピング(当時はチッョパー・ベースと言っていた)はジェリー・マルティーニ請われて加入しただけあって最高にカッコよく、二十歳そこそこのブラッド・ギルスも最初っから上手いです。普通にファンクとしてハイ・クォリティだし、Night Rangerの中核メンバーがキャリアの初期にどんな音楽をやっていたのかという興味の持ち方でも聴けるし、また米米クラブとか好きな方にもお薦めできるようなバンドです。筆者なんかはNight Rangerよりこっちの方が好きだったりします。

■Personnel
Jerry Martini - Sax
Max Haskett - Trumpet
Dennis Marcellino - Sax
Jim Pugh - Keyboards
Greg Eckler - Drums
Jack Blades - Bass
Brad Gillis - Guitars



※筆者は前述のRenaissance Recordsのニコイチ盤を購入しましたが、その後2011年に日本のAir Mail Recordingsから、1st「シスコの熱風」、2nd「夢のアメリカ」とLP時代の邦題で、リマスター&紙ジャケ仕様のCDも発売されています。


※カリフォルニア・ジャム2のライヴ盤。2曲のみRubiconが収録されています。DVDもあるはずなんですが、Amazonでは扱っていないようです。


7 Wishes / Night Ranger (1985)

0276Seven Wishes









80年代を代表するアメリカのハードロック・バンドの一つであるNight Ranger(ナイト・レンジャー)の3rdアルバム。前作に続き本作もプラチナ・ディスクとなり、シングル・カットされた3曲もヒットするなど、相変わらずの人気を博しました。ポップになり過ぎたといった批判も当時はあったようですが、ハードロック・バンドではあるものの元々ポップ指向だったわけで、本作が過去作と比較して取り立てて売れ線狙いになったとは筆者には感じられません。バラードはシングル・カットされた#5"Sentimental Street"と#10"Goodbye"の2曲だけだし。ギター・ソロをはじめ、パフォーマンス的にはむしろ今までより充実して、ロック感が増してる感じすら受けます。

しかし、同じ「メロディアスなHR/HM」とはいっても、筆者はたとえばプレイング・マンティスやフェア・ウォーニングのようにはナイト・レンジャーにのめり込めません。ファイアーハウス、タイケット、デンジャー・デンジャーなんかは大好物なんで、アメリカン嫌いというわけじゃない。なんでかなぁ。まあ、感性とか好みは人それぞれとしか言い様がないということで。
 
評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Seven Wishes (Blades)
02. Faces (Keagy, Blades, Fitzgerald)
03. Four in the Morning (Blades)
04. I Need a Woman (Blades)
05. Sentimental Street (Blades)
06. This Boy Needs to Rock (Blades, Gillis)
07. I Will Follow You (Fitzgerald, Blades)
08. Interstate Love Affair (Blades)
09. Night Machine (Blades, Keagy, Gillis)
10. Goodbye (Watson, Blades)

■Personnel
Jack Blades - Bass, Lead Vocals
Jeff Watson - Lead and Rhythm Guitars
Brad Gillis - Lead and Rhythm Guitars
Alan Fitzgerald - Keyboards, Synthesizers, Piano, Vocals
Kelly Keagy - Drums, Percussion, Lead Vocals

Background Vocals on "Night Machine"
Vince Neil, Tommy Lee, Kevin Charles, David Sykes, Fishdog

Producer – Pat Glasser

 

Midnight Madness / Night Ranger (1983)

0214Midnight Madness










1983年リリースのナイト・レンジャーの2ndアルバム。シングル・カットされた3曲のうち、"Sister Christian"が全米チャート2位、アルバム自体も15位を記録し、プラチナ・ディクスを獲得するヒット作となりました。前作Dawn Patrol 、次作7 Wishes と並んでナイト・レンジャー全盛期のアルバムであり、80年代初頭のアメリカン・ハードロックを代表する作品です。メンバーは1stと変化なく、ジャック・ブレイズ(ba)、ブラッド・ギルス(gt)、ジェフ・ワトソン(gt)、ケリー・ケイギー(dr)、アラン・フィッツジェラルド(key)の5人。プロデュースも同じくパット・グラッサーです。

作風は前作の延長線上の、80年代らしい明るく華やかなアメリカン・ロック。一般的には名盤という評価が高いと思いますが、筆者にはどうもピンと来ません。シングル・カットされバンドの代表曲ともなった#1"(You Can Still) Rock in America"は、あまりにあっけらかんとし過ぎて好みではないし、最大のヒット曲#4"Sister Christian"もそんなにいい曲だと思わない。まあ、感性は人それぞれですから。それにしても、アメリカ人のバラード好きも困ったもので、"Sister Christian"が大ヒットしたためにレコード会社から同じようなバラードを求められ続け、バンドの失速の一因となってしまいます。哀愁味が濃厚でギターのハモりもカッコいい#3"Why Does Love Have to Change"、ガツンとハードなリフの#5"Touch of Madness"、メロハーそのものの#6"Passion Play"や#8"Chippin' Away"、アメリカン・ロックの伝統を感じさせるアコースティカルな#9"Let Him Run"など、他にいい曲がたくさん入っているのになぁ。。。ビジネスとして成り立たなければバンド活動が続けけられないし、ビジネスを優先し過ぎればバンドの音楽表現に歪が出る。ロック・バンドも苦労が多いものだと思います。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. (You Can Still) Rock in America (Blades, Gillis)
02. Rumours in the Air (Blades)
03. Why Does Love Have to Change (Blades)
04. Sister Christian (Keagy)
05. Touch of Madness (Blades)
06. Passion Play (Blades)
07. When You Close Your Eyes (Blades, Fitzgerald, Gillis)
08. Chippin' Away (Blades, Gillis)
09. Let Him Run (Blades, Keagy, Watson)

■Personnel
Jack Blades - Bass, Lead Vocals
Jeff Watson - Guitars
Brad Gillis - Guitars, Vocals
Alan Fitzgerald - Keyboards, Vocals
Kelly Keagy - Drums, Lead Vocals

Glenn Hughes - Backing Vocals on "(You Can Still) Rock in America"

Producer - Pat Glasser

Hollywood Underground (1996)

0206Hollywood Underground










Warrantのエリック・ターナーとジェリー・ディクソン主宰による、LAメタル同窓会セッション・アルバムです。参加しているのはWarrant、Keel、Southgang、Roxy Blue、Black’N’ BlueなどのLAメタル系バンドのメンバー、元メンバーたち。筆者はLAメタルには関心が薄いので、知っている名前はケリー・ケイギーとジェイムス・コタック、それにブッチ・ウォーカー程度でした。じゃあ、なんで買ったのかというと、ジェフ・スコット・ソートが1曲("Arms Of Love")だけ歌っているから。Eyewitnessの1枚目でトッド・プラントが歌っている哀愁メロハーです。レコーディングの順番からすると本作のほうが後なので、おそらくEyewitnessに提供した曲なんでしょうね。トッド・プラント・バージョンもいいのですが、やっぱりジェフ・スコット・ソートは一味違います。ハリのあるソウルフルな歌い回しで哀愁度二割増しです。他にもLAメタルとメロハーの両方の要素をもつ曲が多くて意外に楽しめました。アコギの使い方も、いかにもアメリカンっぽくて好印象です。ただラストの曲だけはなんだか変に「モダン」で、アルバムの趣旨に合っておらず浮いている感じ。それから、全体にサウンド・プロダクションが酷すぎます。シロウトじゃないんだから、いくらなんでもこの音質はないでしょう。。。。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Honey (Erik Turner, Butch Walker)
02. Arms Of Love (Jerry Dixon, Galen Walker)
03. Does It Matter (Jerry Dixon, Erik Turner, Joey Cagle, Strven Chamberlin, Todd Poole)
04. Faraway Eyes (Erik Turner, Tommy Thayer, Jani Lane)
05. Cry Baby (Erik Turner, Brad Bailey)
06. Girl (Erik Turner, Butch Walker)
07. Feel (Jerry Dixon, Erik Turner, Joey Cagle, Strven Chamberlin, Lee Kaights)
08. I'll Get By (Jerry Dixon, Erik Turner, Joey Cagle, Strven Chamberlin, Pat Briggs)
09. Lap Of Luxury (Jerry Dixon, Erik Turner, Joey Cagle, Strven Chamberlin, Pat Briggs)
10. Best I Can (Erik Turner, Todd Meager)
11. When Will It End  (Rick Steier, Todd Pinnock, Bruce Nauman)
12. In Confusion (Mark Ferrari, Michael Mulholland, Danny Gill)

■Personnel
Jeff Scott Soto - vocals
Butch Walker - guitar
Todd Poole - vocals
Joey Allen - guitar
Tommy Thayer - guitar
Brad Bailey - guitar
Jerry Dixon - bass
Erik Turner - guitar
Pat Briggs - vocals
Lee Kaights - vocals
David Brookes - vocals
Jani Lane - vocals
Galen Walker - guitar
Kelly Keagy - drums, vocals
Jesse Hart - vocals
James Kottak - drums
Bruce Nauman - vocals
Rick Steier - guitar
Mark Ferrari - guitar
Michael Mulholland - vocals

Producer - Erik Turner, Jerry Dixon
Excutive produce - Obi Steinman

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