メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

クリス・ウーズィー

Snakecharmer / Snakecharmer (2013)

0321Snakecharmer









元Whitesnakeのミッキー・ムーディ(Gt)、ニール・マーレイ(Ba)、元Wishbone Ashのローリー・ワイズフィールド(Gt)、Heartlandのクリス・ウーズィー(Vo)、Thunderのハリー・ジェイムズ(Ds)、そしてリック・ウェイクマンの息子でBlack Sabbathなどでプレイしているアダム・ウェイクマン(Key)という、錚々たる顔ぶれによって結成されたSnakecharmerの1stアルバム。バンド名から分かるように、初期Whitesnakeを支えたメンバーがやってきた一連の「スネイクなんちゃら」というバンドの最新版ですね。もういい加減「スネイク」は卒業すればいいのにと思いますが、いかがなものでしょうか。あと、ローリー・ワイズフィールドがまだ現役だったのには驚きました(失礼)。音のほうは、初期WhitesnakeやBad Companyなどを髣髴とさせるもの。つまりブルース、R&Bに根ざした伝統的なブリティッシュ・ハードロック以外の何物でもありません。1970年代にはブリティッシュ・ブルース出身のミュージシャンがワンサカいて、こういうサウンドはありふれていたわけですが、今となっては逆に新鮮に感じてしまいます。まあとにかく嬉しい作品です。

まず、クリス・ウーズィーが素晴らしい。奇をてらったところが全くないシンプルでナチュラルなブルース・ロックこそがやはりこの人にはピッタリで、水を得た魚のように伸び伸びとした歌唱を披露しています。いや~、Heartlandを聴くたびに感じていたモヤモヤが嘘のよう。渋くてブルージーなのに何故かHeartlandよりメロディアスに感じられるのが不思議です。もっと早くこのメンツでやって欲しかったなぁ。ミッキー・ムーディとローリー・ワイズフィールドのギターもいい感じです。ほとんどペンタトニック一発勝負。タッピングでピロピロとかアーミングとかも一切やってません。リズム・セクションもキーボードもさすがに安定感抜群で文句の付けようがないです。メンバーの皆さんは結構高齢者も多いので、もう余計なことはしないでこのバンドに集中してアルバム制作してほしいし、できればツアーもやってもらいたいですね。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. My Angel (Moody, Ousey, Wisefield)
02. Accident Prone (Wisefield, Ousey)
03. To The Rescue (Wisefield, Ousey)
04. Falling Leaves (Wisefield, Ousey)
05. A Little Rock & Roll (Ousey, Moody, Wherry, Moody)
06. Turn Of The Screw (James, Moody, Murray, Ousey, Wakeman, Wisefield)
07. Smoking Gun (Moody, Ousey)
08. Stand Up (James, Ousey)
09. Guilty As Charged (Wisefield, Ousey)
10. Nothing To Lose (James, Moody, Murray, Ousey, Wakeman, Wisefield)
11. Cover Me In You (Ousey, Moody, Wherry, Moody)
12. White Boy Blues [Bonus Track] (Moody, Ousey)

■Personnel
Chris Ousey - Lead Vocals
Micky Moody - Guitars, Vocals
Laurie Wisefield - Guitars, Vocals
Adam Wakeman - Hammond Organ, Keyboards
Neil Murray - Bass
Harry James - Drums

Gareth Roberts - Additional Percussion

Producer - Snakecharmer

Bridge of Fools / Heartland (1997)

0194Bridge of Fools










イギリスのメロディック・ロック・グループ、ハートランドの4作目。ハートランドってジャケットのダサいバンドっていうイメージが、もう自分の中で定着してしまってますけど、それにしてもこのジャケット酷すぎ。国内盤はまだましですが。

2ndと3rdは実質クリス・ウーズィーのソロ作品で、しかもリズム・パートは打ち込み多用という、ほとんど宅録自主制作状態だったため、なんとも不完全燃焼の感がありました。本作では、オリジナル・メンバーだったドラムのスティーヴ・ギブソンが戻り、ベースとキーボードにも専任メンバーを加え、久しぶりにバンドらしいサウンドが展開されています。クリス・ウーズィーのボーカルも、バンドの音に乗ってようやく躍動感を取り戻しました。出だしの#1"Tomorrow Won't Wait"、#2"Castles in the Sand"とノリの良い曲が続き、この人ならではのダイナミックな歌唱にワクワクしてきます。哀愁たっぷりの#5"Elena"、#9"Hardworking Man"など楽曲も概ね出来が良いという印象です。

ただし、相変わらず音があまり良くない。ベールを被ったようにこもっていて、どうにももどかしい音です。Escapeレーベルのもとで制作環境は整っていたはずなのに、なんでこうなるのでしょうか。それから、前作でも感じたことですが、スティーヴ・モリスは確かにギターは上手いのものの、音色に魅力がないんです。それは特にディストーションをかけた音に顕著です。また、ギターのアンサンブルに精緻さはあっても、スケールの大きさが感じられない。1st、2ndのゲイリー・シャープが大自然を感じさせたのに比べて、まるで良く出来た箱庭のようなチマチマしたイメージ。申し訳ないけど、やっぱりゲイリー・シャープのほうが良かったなぁ。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Tomorrow Won't Wait
02. Castles in the Sand
03. Where the Pieces Fall
04. I Will Wait for You
05. Elena
06. Front Page News
07. Only a Heartbeat Away
08. Not Till Heaven Falls
09. Hardworking Man
10. Feels Like Magic
11. Still Got my Feet on the Ground
12. Don't Let the Fire Die
13. These are the Days [Bonus Track]
All songs by Steve Morris/Chris Ousey

■Personnel
Chris Ousey - vocals
Steve Morris - guitars, keyboards
Chris Lloyd - keyboards
Steve Gibson - drums
Tim A Duncan - bass

Producer - Steve Morris
Executive Producer - Khalil Turk, Chris Ousey

III / Heartland (1995)


128Heartland III










イギリスのメロディック・ロック・グループ、ハートランドの3rdアルバム。当初メジャー・レーベルから鳴り物入りで売り出されたハートランドですが商業的には成績を残せず、ドイツのマイナー・レーベルからリリースされた2ndアルバムの時点でメンバーは3人に減り、実質はクリス・ウーズィーのソロ・プロジェクトの自主制作盤でした。3rdアルバム制作の経緯は詳しくは分かりませんが、メロハー/AORに特化したレーベルであるEscape Musicのカリル・タークがクリス・ウーズィーにスティーヴ・モリス(Export、Gillan)を紹介し、ウーズィーとモリス二人だけで録音されたようです。これも実質ソロ・プロジェクトみたいなものだと思われます。以降彼らの作品はEscapeからコンスタントにリリースされることになります。

このアルバムを聴いた最初の印象は、サウンドがせせこましいということ。水平線の彼方に沈む夕陽、満天の星、霧の立ち込める森、そんな情景が良く似合う、ゴージャスの極致だった1stから一気に落ちて、4畳半で宅録したかのようにショボくなった2nd。今度もおそらく自主制作デモに手を入れた程度のものだと思いますが、さらにショボくなりました。2ndもリズムにはプログラミングが用いられていたものの、ドラマーが残っていた分まだ良かった。この3rdはドラム完全打ち込み、しかもあまり巧みではない。カラオケ・ボックスで熱唱するクリス・ウーズィーといった風情です。可哀相過ぎるじゃありませんか。筆者はサウンド・プロダクションにはあまりうるさくない方ですが、ハートランドというとあの1stのイメージが強すぎて。。。一度知った快感は忘れられないものです。

楽曲は従来通りかなり良いです。テンポのいい勢いある曲から、渋いバラードまで曲調のバリエーションも文句ありません。ブルージーでクセのあるクリス・ウーズィーのボーカルも相変わらずで評価の分かれるところですが、何度も言うように筆者は結構好きです。ゲイリー・シャープに替わって相方となったスティーヴ・モリス、この人は才人ですね。この場面でこのフレーズ、このカッティング、この音色と非常に的確で職人的なギターを弾きます。引き出しが多いんでしょうね。曲のアレンジ能力・センスも抜群だと思います。ただし、ゲイリー・シャープのギターが忘れられない。一度知った快感は(ry

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. The Way of the Buffalo
02. Voodoo Eyes
03. Ready to Receive
04. Law of the Jungle
05. Don't Say Goodbye
06. Nothing Left to Loose
07. Broken Angel
08. Until the Last Man Falls
09. One Step at a Time
10. When Angels Call
11. Waiting for the Big One
12. Stranger in This City
All songs by Steve Morris/Chris Ousey

■Personnel
Chris Ousey - vocals
Steve Morris -  guitars, bass, keyboards, programming

Producer - Steve Morris 

Continuum / Change of Heart (2000)

0094Continuum
イギリスのメロハー・バンド、チェンジ・オブ・ハートの2ndアルバム。1作目はそれなりに良いメロディが耳に残る作品でしたが、キーボードをはじめアレンジのチープさもあり、全体にパッとしない印象でした。そんなわけで、本作にもあまり期待していなかったのですが、ところがどっこい驚くほどの素晴らしさ!オープニングのムーディなインストに続いて突然始まる#2"Blinded"でいきなりやられてしまいました。息苦しくなるほど切ないメロディ、何かを振り切ろうとするかのように突っ走るリズム、胸騒ぎをかき立てるギター・ソロ、なんだこれは?このバンド化けたか??

続く#3"I Don't Want To Be Lonely"もメジャー調の曲でありながら、一抹の苦味とともになんとも言えない寂寥感を孕んだ秀逸な曲。#4"When Love Gets In The Way"は、そのものずばりの必殺哀愁バラード。#5"You Can't Hide"は普通なら「爽やか系メロハー」の一言で片付けられそうな曲ですがどこか寂しさが漂うのが印象的。ピアノを含めキーボードの使い方が前作より非常に巧みになっています。#6"Call Of The Wild"は一度聴いたら忘れなれないドラマチックなサビが出色な哀愁チューン。#7"Take Me From A Ride"はアーシーでブルージーな佳曲。リード・ボーカルとバッキング・ボーカルの絡みがカッコいいな~。#8"Hands On My Heart"はピアノと生ギターを中心としたアコースティカルなアンサンブルが心地よい。歌メロもナチュラルで好感が持てます。中盤から後半にかけてアーシーな曲が続きますが、#9"Say That You Want Me"も引き続いてウエストコースト・サウンドを思わせる曲。ただEaglesやDoobiesのようにカラっとしないのがいかにも英国流。#10"Love On The Line"は一転してマイナー・キーの曲。哀しみを予感させるようなバッキング・ボーカルのアレンジがほんとに上手いですね。#11"Run From The Storm"は、#2"Blinded"に通じる胸をかきむしられるような歌メロ、キーボードとギターが掛け合うソロが素晴らしい。ここまではボーカルのアラン・クラークを中心にしたバンドの自作曲でしたが、#12"Mysteries"はダーシー・ドイチュとケニー・ケイオス・ロニーのPokerfaceコンビの提供曲。レトロなポップ・ソウル風とも言うべき楽しい曲調ですが、アルバムの中で違和感なく馴染んでいると思います。最後はボーナス・トラック#13"(When Are You) Coming Home"。静かな喪失感や空しさを湛えたバラードです。

全体としてHeartlandの影響を感じさせるドラマチックな曲調、ソウル・フィーリングに溢れた歌唱は前作と同様です。ただしHeartlandと比べるとメロディ・ラインの輪郭がはっきりしているので、Heartlandより受け入れやすいかもしれません。バンド・メンバーは、アラン・クラーク(vo)、ジョン・フッティット(gt)、デイヴ・チャップマン(key)の3人は前作と変わりませんが、ドラムはトレヴァー・ハート、ベースはゲイリー・ハウにチェンジしています。同じEscapeレーベルのHeartlandとThe Distance絡みの面々、クリス・ウーズィー、ロブ・カーツライター、デイヴ・ホピア、ケニー・ケイオス・ロニーが演奏とプロデュースでサポートに入っているのは前作と同じです。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作 
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Call To Prayer (D. Chapman)
02. Blinded (A. Clark)
03. I Don't Want To Be Lonely (A. Clark, J. Footit)
04. When Love Gets In The Way (A. Clark)
05. You Can't Hide (A. Clark, D. Chapman)
06. Call Of The Wild (A. Clark)
07. Take Me From A Ride (A. Clark, D. Chapman)
08. Hands On My Heart (A. Clark)
09. Say That You Want Me (A. Clark, J. Footit)
10. Love On The Line (A. Clark, D. Chapman)
11. Run From The Storm (A. Clark)
12. Mysteries (D.Deutsch, K. Loney)
13. (When Are You) Coming Home [bonus] (A. Clark)

■Personnel
Alan Clark - lead vocals
John Footit - lead guitars
Dave Chapman - keyboards, vocals
Trevor Hart  -Drums
Gary Howe - bass

Chris Ousey - backing vocals
Rob Kurzreiter - drums
Dave Hopia - bass
Kenny "Kaos" Loney - guitars 

Producer - Kenny "Kaos" Loney, Chris Ousey
Executive Producer - Khalil Turk

Wide Open / Heartland (1994)

0084Wide Open
A&Mとの契約が切られ、ドイツのマイナー・レーベルLong Island Recordsからリリースされたハートランドの2nd。メンバーとしてクレジットされているのは、中心人物のクリス・ウーズィー(Vo)とゲイリー・シャープ(Gt)、そしてスティーヴ・ギブソン(Dr)の3人だけになってしまいました。実はこのアルバムは、自分たちで制作した8トラックのデモ音源を若干手直したものなのだそうです。なんだか追い詰められ感が漂ってるような。。。1stと同傾向の楽曲だし、ハートランドらしい凝ったアレンジ、緻密なアンサンブルが聴いて取れるのに、サウンド・プロダクションがあまりにも違いすぎます。雄大な景色が目に浮かぶかのような1stの音と比較すると、全体にこじんまりとしてなんとも窮屈な感じ。名手フィル・ブラウンのベースもなく、リズムトラックは部分的に打ち込みでまかなっているようで、前作を特徴付けていたたゆとうような心地よいグルーヴは消滅してしまいました。音数が多いのに風通しが良く、ゴージャスなのに下品でない、1stのあの奇跡的なサウンドは、メジャー・レーベルが惜しみなく人とカネを投入したからこそ実現したマジックだったんですね。

さて、クリス・ウーズィーのボーカルについては1stのレビューで書いた通り好みの分かれるところですが、本作でも相変わらずのスタイルです。筆者としては素晴らしい熱唱だと思っています。彼らにしてはアーシーなタイトル曲#3"Wide Open"は特にいいですね。それから、#9"Try Me"は昔のR&Bやポップスによくあるコード進行と親しみやすい歌メロなんですが、だからこそクリス・ウーズィーの歌の上手さが際立っていると感じました。ま、端っから嫌いな人にはどれもクソ面白くない歌唱なんでしょうが。

前身バンドMonroe以来クリス・ウーズィーの相方だったゲイリー・シャープは、このアルバムをもってクリスと袂を分かつことになります。ホア~んとした浮遊感、独特の間のあるカッティングで、ハートランドのサウンド・イメージに大きな役割を果たしていたゲイリー・シャープの脱退は非常に残念です。後任のスティーヴ・モリスも上手いのですが、個性という点ではやはりゲイリー・シャープに一歩譲るかなと筆者は思っています。

なお、オリジナルのLong Island Records盤以外に、3rdで移籍したEscape Musicから再リリースされたものも出回っていますが、そちらは1st収録曲"Fight Fire With Fire"、"Wide Open"のそれぞれバージョン違いがボーナス・トラックとして追加収録されています。

評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。
評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作

01. Give Me a Reason
02. Whenever You Want Me
03. Wide Open
04. Losing to Love
05. Indian Ground
06. When I'm With You
07. A Town Called Pride
08. Running On Empty
09. Try Me
10. Burning the Bridges
11. Turning My Heart Right Over
12. All or Nothing
13. Keeping the Faith Alive
All songs by Chris Ousey & Gary Sharpe

■Personnel
Chris Ousey - vocals
Gary Sharpe - guitars, bass, keyboards, programming
Steve Gibson - drums, additional programming

Producer - Chris Ousey & Gary Sharpe 

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