メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

クラッシュ

Address the Nation / H.E.A.T (2012)

0407Address The Nation









スウェーデンのメロディアス・ハードロック・バンドH.E.A.Tの3rdアルバム。ボーカルのケニー・レクレモは脱退、替わりにTV番組「IDOL」優勝者でソロ・アルバム2枚をリリースしていたエリック・グロンウォールが加入しています。この新ボーカリストはジョン・ボン・ジョヴィとジーン・ボーヴァーを足して二で割ったようなタイプで、歌唱力は抜群、おまけにルックスも含めて華がある。おっさん臭さい(失礼)前任者と比べて、よりバンドに合っていると思います。このメンバー・チェンジによるパワー・アップに引っ張られて演奏面も更に強化され、おまけに外部ライターを動員した成果もあって楽曲もこれまで以上に充実、文句無しの傑作となりました。EuropeやHardcore Superstarを手がけてきたプロデューサーのトビアス・リンデルの手腕もあるのでしょう。アリーナやスタジアムが似つかわしいまさに超Aクラスのバンドの音です。

※最近(2020年10月)になって、エリック・グロンウォールの脱退、ケニー・レクレモ再加入が発表されました。
※本作は通常盤CDの他に、ライブ音源など5曲を収録した2枚組の「Collector's Edition」も発売されています。

1. Breaking the Silence (H.E.A.T)
アルバム全体のイントロダクション的なナンバー。単純な曲ですが景気づけにはもってこい。ワクワク感が堪りません。

2. Living on the Run (Sharon Vaughn, Fredrik Thomander, Peter Månsson, H.E.A.T)
本作のハイライトとなるアップ・テンポの超強力ナンバー。高揚感に満ちたメロディ、張りと伸びが素晴らしい歌唱、全てが最高です。シングル・カットもされたようです。

3. Falling Down (Magnus "Adde" Andreasson, Martin Sandvik, H.E.A.T)
2曲目と同傾向のハイ・テンションで強力な曲。流麗でありながら力強いメロディが印象的です。

4. The One and Only (Jakke Erixson, H.E.A.T)
ちょっと一息つくタイミングでのバラード。多人数でのバック・ボーカルの効果もあって、壮大な雰囲気のパワー・バラードになっています。ソウルフルな歌いまわしがエリック・グロンウォールの力量をまざまざと示しています。

5. Better Off Alone (H.E.A.T)
これまたテンションの高いアップ・テンポのナンバー。エッジの効いたサウンドとメロディ・ラインがEclipseを思わせます。

6. In and Out of Trouble (Sharon Vaughn, H.E.A.T)
珍しくサックス入りのAOR風の曲です。キャッチーなメロディが一発で気に入りました。特にサビが秀逸です。

7. Need Her (H.E.A.T)
明るくキラキラしたハード・ポップ。この曲もサビが最高です。昔だったら「アメリカナイズ」とか言われそうですが、今時アメリカからこんな音は聴こえてきませんね。

8. Heartbreaker (H.E.A.T)
「ウォーウォーウォー」というコーラスも、メロディもBon Joviっぽいナンバー。うーん、この曲カッコよすぎです。

9. It's All About Tonight (Per Aldeheim, H.E.A.T)
跳ねるリズムとリフが、かつてのDanger DangerやBon Joviを思わせる曲。若干の泥臭さもあって本作の中ではやや異色かな。

10. Downtown (H.E.A.T)
ふんわり、ゆったりした感じのナンバー。起伏に乏しく、他の曲に比べてやや落ちる印象。

11. Back Into Your Arms [Bonus Track] (H.E.A.T)
明るくドラマチックなメロディ展開が印象的なアップ・テンポのナンバー。この曲もEclipseに通じるテイストがあります。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Personnel
Erik Grönwall - Vocals
Dave Dalone - Guitar
Eric Rivers - Guitar
Jona Tee - Keyboards
Jimmy Jay - Bass
Crash - Drums

Tomas Jonsson - Saxophone on #6
Malin Ljungeskog - Backing Vocals on #4
Sophie Wittmeyer - Backing Vocals on #4
Fillip Williams - Backing Vocals on #4
Doreal Williams - Backing Vocals on #4
Melisha Linnell - Backing Vocals on #4
Zandile Zulu - Backing Vocals on #4

Producer – Tobias Lindell
アドレス・ザ・ネイション
H.E.A.T
マーキー・インコーポレイティド
2012-04-18

アドレス・ザ・ネイション(コレクターズ・エディション)
H.E.A.T
マーキー・インコーポレイティド
2013-09-18

 

Freedom Rock / H.E.A.T. (2010)


Freedom Rock









スウェーデンのメロハー・バンドH.E.A.Tの2ndアルバム。メンバーは、1sと変わらずケニー・レクレモ(Vo)、エリック・リヴァース(Gt)、デイヴ・ダロン(Gt)、ジミー・ジェイ(Ba)、クラッシュ(Dr)、ヨナ・ティー(Key)の6人編成。前作も素晴らしい作品でしたが、本作では楽曲の出来が更に良くなり、演奏面でのレベル・アップもうかがえます。このバンドはメンバー全員曲が書けるようなので、アルバムの統一感を保ちつつ各曲の表情が豊かなのが強みですね。また、ハーモニー・ボーカルを全面にフィーチャーして一段とスケールの大きなサウンドになっています。こうなると、ボーカルの魅力がイマイチなのが気になってきます。この後のボーカリスト交代劇につながる要因でしょうね。それから、せっかくのツイン・リード・ギターのハモが聴けなくなってしまったのも惜しまれます。しかしいずれにしても本作は、若々しく溌剌としたこのバンドの魅力が十分に感じられる好盤であることは間違いありません。

なお、国内盤にはボーナス・トラックが2曲収録されていて、2曲とも良い曲なので聴くなら国内盤をお薦めします。また、コレクターズ・エディションとして1stとのカップリング2枚組も発売されているようです。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Beg Beg Beg (D. Dalone, J. Tee, K. Leckremo) 
02. Black Night (D. Dalone, J. Tee, K. Leckremo) 
03. Danger Road (D. Dalone, J. Tee, K. Leckremo) 
04. Shelter (J. Tee) 
05. We're Gonna Make It to the End (Crash)
06. Stay (J. Tee) 
07. Nobody Loves You (Like I Do) (D. Dalone)
08. Everybody Wants to Be Someone (D. Dalone, J. Tee)
09. I Know What It Takes (D. Dalone, J. Tee, K. Leckremo) 
10. Living in a Memory [Japanese Bonus Track] (K. Leckremo) 
11. Cast Away (E. Rivers, Leckremo) 
12. I Can't Look the Other Way (J. Jay)
13. Who Will Stop the Rain (D. Dalone, J. Tee, K. Leckremo) 
14. Tonight [Japanese Bonus Track]  (D. Dalone, J. Tee, K. Leckremo) 

■Personnel
Kenny Leckremo - Vocals
Dave Dalone - Guitars
Eric Rivers - Guitars
Jona Tee - Keyboards
Jimmy Jay - Bass
Crash - Drums

Producer – Michael Vail Blum

フリーダム・ロック
ヒート
マーキー・インコーポレイティド
2010-04-21

 

H.E.A.T / H.E.A.T (2008)

0028HEAT

スウェーデンのメロディアス・ハードロックの新星、H.E.A.Tのデビュー・アルバム。学生バンドを母体に結成され、スウェーデンのロック・フェスティバルで注目を集めて、メジャー・デビューにつながったとのこと。メンバーは、ケニー・レクレモ(Vo)、エリック・リヴァース(Gt)、デイヴ・ダロン(Gt)、ジミー・ジェイ(Ba)、クラッシュ(Ds)、ヨナ・ティー(Key)。2008年アルバム・リリース当時みな22~3歳というのがいいですね。やっぱりロックは本来若者の音楽だし。出てくる音が、若々しく溌剌としていて気持ちがいい。"Intro"のSEに続く、オープニング曲"There for You"のドラマチックなギターから、もうワクワクさせてくれます。収録されている曲は全てメンバーの書き下ろしで、高揚感に満ちた素晴らしいメロディが目白押し。メロハーバンドで意外に少ないツイン・リード編成のハモりも美しい。メロハー者がイメージする「北欧の音」ピッタリです。ブックレットや、ウェブで見る限り、ルックスも中々にいい線いってます。難を言えば、ボーカルがやや不安定か。とにかく、今現在このようなメロディを大事にした音楽が、残念なことに多くの人々から支持を得られない中で、新鮮なメロディアス・ハードロックを聴かせてくれるグループが新たに登場したことが何よりうれしいと思います。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Intro
02. There for You (H.E.A.T)
03. Never Let Go (Dave Dalone, Jona Tee)
04. Late Night Lady (Dave Dalone, Jona Tee, Kenny Leckremo)
05. Keep on Dreaming (Dave Dalone, Jona Tee)
06. Follow Me (Dave Dalone, Jona Tee, Kenny Leckremo)
07. Straight for Your Heart (Dave Dalone, Jona Tee)
08. Cry (Dave Dalone, Jona Tee)
09. Feel It Again (Kenny Leckremo, Crash)
10. Straight Up (Dave Dalone, Kenny Leckremo, Crash)
11. Bring the Stars (Dave Dalone, Jona Tee)
12. You're Lying (Dave Dalone, Jona Tee)
13. Feel the H.E.A.T (Kenny Leckremo)
14. Stay (2008 version) [bonus track] (Jona Tee)

■Personnel
Kenny Leckremo - Vocals
Dave Dalone - Guitars
Eric Rivers - Guitars
Jona Tee - Keyboards
Jimmy Jay - Bass
Crash - Drums

Producer – H.E.A.T & Michael Vail Blum

H.E.A.T.
H.E.A.T.
STORMVOX
2009-02-01

ヒート(ツアー・エディション)
ヒート
マーキー・インコーポレイティド
2009-09-16

 
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