メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。 メロディック・ロックのアルバムをレビューしていくブログです。

カーマイン・アピス

Raid / Atsushi Yokozeki Project (1993)

0232Raid









日本人ギタリスト横関敦がアメリカのミュージシャンとコラボレートした作品。参加メンバーの詳細はパーソネルの項を見ていただくとして、カーマイン・アピス&ティム・ボガートとか、ケン・メリー&チャック・ライトとか、とにかく錚々たるメンツです。全10曲中、ギター・インストが5曲、歌ものが5曲という構成になっています。この人の他の作品は未聴ですが全てインスト・アルバムのようです。本作のインスト曲、筆者にはピンと来ませんでした。もともとシュラプネル系のギター・インスト作など、最初はおっ!と思うもののすぐ飽きちゃうので、こういう音楽(フュージョン・メタルっていうの?)はやや苦手分野だし。その上本作のインスト曲に関しては、プレイはともかく、申し訳ないけど曲が全然面白くない。ところが、歌ものは素晴らしいんですよ、これがまた。

#2."More Than Enough"は、ミドル・テンポのAORハード風の曲で、極上メロディが味わえます。本作の中で最も筆者が好きな曲。ボーカルはケリー・ハンセン(Hurricane、Foreigner)。上手いですね~この人。ベースはルディ・サーゾ(Quiet Riot、Whitesnake)、ドラムはフランキー・バナリ(Quiet Riot、W.A.S.P.)、このリズム隊がまた素晴らしい。ほんとにワクワク、ドキドキさせてくれます。
#3"Straight to Your Heart"、ボーカルはデヴィッド・グレン・アイズレー(Giuffria)、ベースはジェフ・ピルソン(Dokken、Foreigner)ドラムはジェイムス・コタック(Kingdom Come、Scorpions)。アメリカンなメロディアス・ハードロック。ボーカルも力強く、演奏もカッコいいです。
#5"All the Way to Heaven"、ジェフ・ピルソンの歌うバラード。本作の中では地味な曲ですが、しみじみと味わい深い。
#7"A Little Bit More"、ボーカルはなんと元The Runawaysのシェリー・カーリー!チェリー・ボムですな。明るく楽しいハード・ポップで、シェリー・カーリーにピッタリの曲です。リズムのジェフ・ピルソン&ジェイムス・コタックがドカドカうるさくて最高。
#8"Heartbreak"、ボーカルは故レイ・ギラン(Black Sabbath、Badlands)、リズム隊はHouse of Lordsのケン・メリー&チャック・ライト。ハードなロックン・ロールでとにかくカッコいい。完璧です。
 
評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks & Personnel
01. Tears of Sphinx(Atsushi Yokozeki, Satoshi Mishiba)
02. More Than Enough (Brian X, Dennis Belfield)
03. Straight to Your Heart (Brian X, Dennis Belfield)
04. Camel (Atsushi Yokozeki, Satoshi Mishiba)
05. All the Way to Heaven (Brian X, Jeff Carruthers)
06. Silence, Storm and Sunrise (Atsushi Yokozeki, Satoshi Mishiba)
07. A Little Bit More (Brian X, Kathi Pinto, Dennis Belfield)
08. Heartbreak (Brian X, Jeff Carruthers)
09. Mama Again (Atsushi Yokozeki, Satoshi Mishiba)
10. Raid (Atsushi Yokozeki, Satoshi Mishiba)

■Personnel
Atsushi Yokozeki - guitars

Kelly Hansen - lead & backing vocasl on 2
David Glen Eisley - lead & backing vocasl on 3, backing vocasl on8
Jeff Pilson -  vocasl on 5, bass on 3, 7
Cherie Currie -  vocasl on 7
Ray Gillen  -  vocasl on 8
Brad Gillis - 1st guitar solo on 4
Jake E. Lee - guitar solo on 9
Graig Goldy - 1st guitar solo on 10
Brian Becver - keyboards on 1, 4, 6, 9, 10
Joey Carbone - keyboards on 2, 3, 5, 7, 8, 9, backing vocasl on 7, 8
Tim Bogert - bass on 1, 10
Rudy Sarzo - bass on 2, 9
Greg Chaisson - bass on 4, 5
Chuck Wright - bass on 6, 8
Carmine Appice - drums on 1, 10
Frankie Banali - drums on 2, 9
James Kottak - drums on 3, 7
Bobby Blotzer - drums on 4, 5
Ken Mary - drums on 6, 8
Shaun Mariani - backing vocasl on 2, 7, 8
Joseph Williams - backing vocasl on 2, 3, 8
Kim Carnes - backing vocasl on 5, 7

Producer - Joey Carbone
Executive Producer - Keisuke Tsukimitsu

Nothin' but Trouble / Blue Murder (1993)

0224Nothin' But Trouble









1993年にリリースされたジョン・サイクス率いるBlue Murderの2ndアルバム。前作から4年が経過してのリリースで、その間にカーマイン・アピスとトニー・フランクリンは脱退しており、「スーパー・トリオ」としてのブルー・マーダーは既に崩壊。本作では、当時無名だったマルコ・メンドーサ(Ba)とトミー・オスティーン(Ds)がバンドの新メンバーとなっています。まあこのバンドは実質的にはジョン・サイクスのソロ・プロジェクトなわけで、リズム・セクションの交代によって路線やサウンドに大幅な変化がもたらされてはいません。しかも音を聴く限り、ほとんどの曲はカーマイン・アピスとトニー・フランクリンがプレイしているようで、少なくともリズム・トラックはかなり早い段階でレコーディングされたものと思われます。

本作も1stと同じようにThin LizzyとWhitesnakeをニコイチにしたようなサウンドが基本となっています。しかし、Small Facesのカバー#2"Itchycoo Park"や、明るめなロックン・ロール#5"Dance"、60~70年代っぽい#11"She Knows"、16ビートの#12"Bye Bye"などのため、ひたすらハードで重く暗い1stに比べるとやや印象は異なります。アメリカン過ぎるとか、散漫という声もあるようですが、ハードロックの金字塔とも言える1stと比べてしまえば、どうしても評価は厳しくなってしまいますよね。でも1曲1曲のクォリティは1stと遜色ありません。筆者としては、1stより良いとは言えないにせよ、それでもこのアルバムも十分聴き応えのある作品だと思います。特に、ジョン・サイクスのソング・ライターとしての才能を遺憾なく発揮した名曲、甘く切なく美しいソウル・バラード#7"Save My Love"の素晴らしさといったらありません。それから、1曲だけケリー・キーリング(ex-Baton Rouge)が歌っている#6"I'm on Fire"も、ハードロックのカッコよさと熱さが詰まった名曲、名パフォーマンス。いや~、いいアルバムですよ、やっぱり。中古CD屋で投売りされているのを見ると悲しくなりますが、誰でもこの名作を手に入れやすいってことでポジティヴに考えることにします。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. We All Fall Down (John Sykes)
02. Itchycoo Park (Ronnie Lane, Steve Marriott)
03. Cry for Love (John Sykes)
04. Runaway (John Sykes)
05. Dance (John Sykes)
06. I'm on Fire (John Sykes)
07. Save My Love (John Sykes)
08. Love Child (John Sykes)
09. Shouldn't Have Let You Go (John Sykes)
10. I Need an Angel (John Sykes)
11. She Knows (John Sykes)
12. Bye Bye [Japanese Bonus Track] (John Sykes)

■Personnel
John Sykes - vocals, guitars
Marco Mendoza - bass
Tommy O'Steen - drums, backing vocals
Nik Green - keyboards

Kelly Keeling - lead vocals on track 6, backing vocals
Tony Franklin - bass
Carmine Appice - drums
Jim Sitterly - violin

Producer - John Sykes

Blue Murder / Blue Murder (1989)

0179Blue Murder









ジョン・サイクスがホワイトスネイク脱退後に結成したブルー・マーダーの1stアルバムです。このバンド、HR/HMを聴く人なら知らない人は少ないだろうし、今さら感はありますが、メンバーはジョン・サイクスの他、ヴァニラ・ファッジ、カクタス、BBA、キング・コブラなど1960年代から豊富なキャリアを持つドラマーのカーマイン・アピス、ジミー・ペイジとポール・ロジャースのザ・ファームに在籍したトニー・フランクリン。当初ドラムにはコージー・パウエルが参加予定だったものの、ボーカリスト選定に手間取っている間に離脱、結局ドラムはカーマイン・アピス、ボーカルはジョン・サイクス自身が担当し本作はレコーディングされました。アディショナル・ミュージシャンは、キーボードにニック・グリーン、ジョン・ウェブスター、バック・ボーカルに、マーク・ラフランス、デヴィッド・スティール。プロデューサーは、本作以前だとキングダム・カム、以降だとモトリー・クルー、メタリカ、スキッド・ロウなどを手がけているボブ・ロックです。

サウンドはホワイトスネイク+シン・リジィ。ジョン・サイクスのキャリアそのまんまやんけ、という感じなのですが、これは古今東西数あるハードロック・アルバムの中でも屈指の名盤だと思います。雷鳴のごときカーマイン・アピスのドラム、ウネリまくりハネまくる暴風のようなトニー・フランクリンのフレットレス・ベース、そしてジョン・サイクスの集中豪雨的ギター・ソロ。これはまさにハリケーンです。タイフーンです。大変なことになっています。当初誰もが一抹の不安を抱いたジョン・サイクスのボーカルも完璧。なによ、歌すげー上手いじゃん!曲調はどれもブルージーでメロディアス、そして男が言うのもなんですがセクシーですな。音がややこもっているのですが、聴きなれると気になりませんし、ピッキング・ハーモニクスが厚雲の中で光る稲妻みたいで逆に雰囲気いいです。ちなみに筆者が聴いているのはオリジナル盤。リマスター盤だと音は良くなっているのかもしれませんが未確認です。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Riot (John Sykes)
02. Sex Child (John Sykes)
03. Valley of the Kings (John Sykes/Tony Martin)
04. Jelly Roll (John Sykes)
05. Blue Murder (John Sykes/Tony Franklin/Carmine Appice)
06. Out of Love (John Sykes)
07. Billy (John Sykes)
08. Ptolemy (John Sykes)
09. Black-Hearted Woman (John Sykes/Tony Franklin/Carmine Appice)

■Personnel
John Sykes - guitars, lead & background vocals
Tony Franklin - bass guitar, background vocals
Carmine Appice - drums, background vocals

Nik Green - keyboards
John Webster - additional keyboard progrmming
Mark LaFrance - additional background vocals
David Steele - additional background vocals

Producer - Bob Rock

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