メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

エリック・モーテンソン

The Truth And A Little More / Eclipse (2001)

0323The Truth And A Little More









スウェーデンのメロハー・バンドEclipseの1stアルバム。このところ、ジェフ・スコット・ソート、ロバート・サールとのW.E.T.や、ロニー・アトキンスとのNordic Unionの他、プロデューサー、ソングライターとしても八面六臂の活躍を示し、すっかりシーンのキー・パーソンの一人となったエリック・モーテンソンのリーダー・バンドのデビュー作です。メンバーは、ボーカル、リズム・ギター、ベースを兼任するエリック・モーテンソンの他、リード・ギターのマグナス・ヘンリクソン、ドラムとキーボードのアンダース・ベルリンというトリオ編成。不完全な編成なのでメンバーだけではライブが出来ませんね。Work of Artといい、Houstonといい、近年のスウェーデンのバンドはこういう形態が多いのは何故なのかな。なお、本作はチェコのレーベルZ Recordsからリリースされましたが、既に廃盤となっていて再発もされず、長い間非常に入手しづらい状況が続いています。

さて音のほうですが、いかにも北欧風のすっきりしたメロディアス・ハードロック。先行するスウェーデンのバンドのエッセンスをあちこちに感じます。一番近いと思ったのはOut of This World、Prisoners in ParadiseのころのEuropeで、エリック・モーテンソンの声質と歌唱スタイルもその当時のジョーイ・テンペストを思わせるものがあります。もちろん曲ごとのバラエティは豊富で、様々なタイプの楽曲が楽しめます。特徴的なのは、曲のアレンジが凝っていてスタイリッシュなこと。これがこのバンドを個性的に感じさせるポイントでしょうか。メロディ・ラインよりアレンジ、アンサンブルが耳に残る感じです。その点ではWork of Artにも通じていると思いました。全曲が佳曲以上の出来で、デビュー作にしてこの充実ぶりはさすがはエリック・モーテンソンです。ただ、文句なしの名曲というレベルの楽曲はないのが残念。

リード・ギターのマグナス・ヘンリクソンは、上手い上にちょっとトリッキーなとろもあって中々面白いと感じました。#8"Songs Of Yesterday"ではゲストのキー・マルセロ(ex-Europe)がエモーショナルなギター・ソロを聴かせてくれ、マグナス・ヘンリクソンとの違いが見えて興味深いです。ゲストと言えば、マッツ・オラウソンが一部の曲でキーボードを弾いていますが、この人2015年に亡くなっていたんですね。知りませんでした。

 評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Midnight Train (Erik Mårtensson/Magnus Henriksson)
02. The Truth (Erik Mårtensson)
03. The Only One (Anders Berlin/Erik Mårtensson)
04. Message Of Love (Erik Mårtensson)
05. I Believe In You (Magnus Henriksson/Erik Mårtensson/Anders Berlin)
06. I Thought I Had It All (Erik Mårtensson)
07. The Way I Feel (Erik Mårtensson/Anders Berlin)
08. Songs Of Yesterday (Erik Mårtensson/Magnus Henriksson)
09. A Little More (Erik Mårtensson)
10. Too Far (Magnus Henriksson/Erik Mårtensson)
11. How Many Times (Erik Mårtensson)
12. I Won´t Hide (Erik Mårtensson)

■Personnel
Erik Mårtensson - Vocals, All Rhythm Guitars, Bass
Anders Berlin - Hammond Organ, Keyboards, Drums, Percussion
Magnus Henriksson - Lead Guitars

Mats Olausson - Lead Keyboards on #11, All Keyboards on #9
Kee Marcello  - Lead Guitar on #8
David "Galen Gotlänning"Wallin - Backing Vocals
Madeleine Johansson - Cello on #8, #12
Anneli Magnusson - Backing Vocals on #10, #12

Producer - Eclipse, Fredrik Folkare

Shining Line / Shining Line (2010)

0295Shining Line











メロハー/AORプロジェクトShining Lineのアルバムです。リリースはメロハー/AORに特化したドイツのインディズ・レーベルAvenue Of Alliesから。Shining Lineの作品は今のところこのアルバムのみですが、楽曲面でも演奏面でも非常に充実していて、まさにメロハー/AORの理想形の一つだと感じました。核となるメンバーはピエールパオロ・モンティ(D)とアモス・モンティ(B)で兄弟と思われます。この二人にアレッサンドロ・デル・ヴェッキオ(Key)、マルコ・ダンドレア(G)、マリオ・ペルクダーニ(G)が加わり、ベースとなるトラックが制作されているようです。全員イタリア人で数多くのメロハー系バンド、プロジェクトに参加している面々です。更に曲ごとに異なるヴォーカリストとギタリスト等がゲスト参加、実に豪華なメンバーが揃っています。人数が多すぎてタグに収めきれないので、各曲ごとに簡単に記しておきたいと思います。

01. Highway of Love (words&music : P. Monti)
哀愁メロディが印象的なAORハード。ヴォーカルはエリック・モーテンソン(Eclipse)、ギター・ソロはタンクレーディ・パラマラ(The LoveCrave)。

02. Amy (words : P. Monti - Harry Hess / music : P. Monti)
女性の名前をタイトルにしたロマンチックでポップな曲。ヴォーカルはハリー・ヘス(Harem Scarem)、キーボード・ソロはマイケル・T・ロス(Hardline)。

03. Strong Enough (words&music : P. Monti)
タイトルにピッタリなロビー・ラブランク(Blanc Faces)の力強い歌唱が活かされた曲。バック・ヴォーカルにブライアン・ラブランクも参加しています。ギター・ソロはトミー・エルモッリ(Khymera)、キーボード・オーケストラはダグラス・R・ドッカー(Docker's Guild)。

04. Heaven's Paths (music : A. Del Vecchio)
05. Heat of the Light (words&music : P. Monti)
イントロ的な小曲に続いてロビン・ベックが切々と歌い上げるパワー・バラード。ギターはマルコ・ダンドレアが担当。

06. Can't Stop the Rock (words : P. Monti - A. Del Vecchio / music : P. Monti)
どこか懐かしい感じのポップでメロディアスなロックンロール曲。筆者の一番のーお気に入りです。ヴォーカルはミカエル・アーランドソン(Last Autumn's Dream)で、彼のソロ・アルバムの曲と言われても違和感ないほどハマっています。ギター・ソロはマイケル・ヴォス(Mad Max, Casanova)で、これがまたかっこいい。

07. The Meaning of My Lonely Words (words : I. Varsi - A. Del Vecchio / music : I. Varsi)
マイケル・ショットン(Von Groove)が粘っこいヴォーカルを聴かせるソウル・バラード。ギターはイヴァン・ヴァルシ。

08. The Infinity in Us (words : P. Monti / music : P. Monti - A. Re)
ミドル・テンポの哀愁メロハー。リード・ヴォーカルにマイケル・ヴォス、バック・ヴォーカルにカールステン・リザード・シュルツ(Evidence One, Domain)、ギターはヴィニー・バーンズ(Ten)。

09. Still in Your Heart (words : P. Monti / music : P. Monti - A. Re)
ボブ・ハリス(Axe, Edge of Forever)、スー・ウィレッツ(Dante Fox)が歌うパワー・バラード。ギター・ソロはティム・マンフォード(Dante Fox)。

10. Homeless' Lullaby (words&music : P. Monti)
収録曲の中ではハードロック色が強い曲。ウルリッヒ・カールソン(M.ILL.ION)、カールステン・リザード・シュルツがリード・ヴォーカル、ヨハン・バリクイストン(M.ILL.ION)がバック・ヴォーカル。ギター・ソロはマルコ・パヴィック(Pavic)。

11. Follow the Stars (words&music : P. Monti)
AOR風味のゆったりしたバラード。歌うのはフィル・ヴィンセント(Tragik, Legion)、ギター・ソロはマット・フィリッピーニ(Moonstone Project)とマイケル・ヴォス。

12. Unbreakable Wire (words&music : P. Monti)
これもハードロック色の強いアップ・テンポのナンバー。ヴォーカルはブルーノロック(Brunorock)、ジャック・メイエ(Tygers of Pan Tang )、グラツィアノ・デムルタス、ギター・ソロはウォルター・カリアロとイタリア人で固めています。

13. Under Silent Walls - Part I - Blossom: From Night to Dawn (music : A. Re)
14. Under Silent Walls - Part II - Alone (words&music : A. Re / P. Monti)
15. Under Silent Walls - Part III - Overture: Death of Cupid (music : A. Re)
ラストは組曲形式で、ギター・インストに挟まれた本編はマイケル・ボーマン(Jaded Heart, Zeno)が歌っています。極上のメロディのバラードとなっています。イントロの情感豊かなギター・ソロはマルコ・タンシーニ(Moonshine, Shanatoa)。

収録曲のほとんどを書いているピエールパオロ・モンティの才能はすごいですね。楽曲の出来が良い上に、歌い手を決めてから作曲したかのようにそれぞれのヴォーカリストの個性にピッタリです。ヴォーカリストの見本市のようなアルバムなので、どんな歌い手か試しに聴いてみたいというような方にはうってつけの一枚だと思いました。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Personnel
Pierpaolo Monti - Drums & Percussion
Amos Monti - Bass

Alessandro Del Vecchio - Keyboards & Vocals
Marco D'Andrea - Guitars
Mario Percudani - Guitars

Erik Martensson - Lead & Backing Vocals
Harry Hess - Lead & Backing Vocals
Robbie Lablanc - Lead & Backing Vocals
Brian Lablanc - Backing Vocals
Robin Beck - Lead Vocals
Mikael Erlandsson - Lead & Backing Vocals
Michael Shotton - Lead & Backing Vocals
Elisa Paganelli - Backing Vocals
Michael Voss - Lead & Backing Vocals, Guitar Solo
Carsten 'Lizard' Schulz - Lead & Backing Vocals
Bob Harris - Lead & Backing Vocals
Sue Willetts - Lead Vocals
Ulrich Carlsson - Lead Vocals
Johan Bergquist - Backing Vocals
Phil Vincent - Lead & Backing Vocals
Brunorock - Lead & Backing Vocals
Jack Meille - Lead & Backing Vocals
Graziano De Murtas - Lead & Backing Vocals
Michael Bormann - Lead & Backing Vocals
Tank Palamara - Guitar Solo
Tommy Ermolli - Guitar Solo
Ivan Varsi - Guitars
Vinny Burns - Guitar Solo
Tim Manford - Guitar Solo
Marko Pavic - Guitar Solo
Matt Filippini - Guitar Solo
Walter Caliaro - Guitar Solo
Marko Tansini - Lead Guitar
Michael T. Ross - Keyboard Solo
Douglas R. Docker - Keyboard Orchestra

Producer - Alessandro Del Vecchio


Rise Up / W.E.T. (2013)

0266Rise Up










Work of Artのロバート・サール、Eclipseのエリック・モーテンソン、Talismanのジェフ・スコット・ソートによるメロハー・プロジェクトW.E.Tの2ndアルバム。単発で終るものと思っていたら意外にも2枚目が出たので、これには嬉しい驚きを感じました。そしてこの作品も前作に勝るとも劣らない傑作に仕上がっていて狂喜乱舞です。暗めのヴァースから仄かに光の射すブリッジを経て、一気に解き放たれて高く舞い上がるコーラスへという展開に悶絶する#1"Walk Away"から始まって、各曲に緻密なドラマが仕込まれています。捨て曲が無いどころか、全収録曲が名曲・佳曲のレベル。どの曲も2~3回聴けばコーラス部分が耳に馴染んで口ずさめるというキャッチーさ加減、これって何気にスゴイと思うんですよね。しかも、メンバー+ライターの幾通りもの組み合わせで曲が書かれており(今回はJSSも参加)、各曲の持つ表情が変化に富んでいる。百聞は一見に如かず、Work Of Art、Eclipse、Talismanのファンの方でまだ未聴の方は一度聴いてみることをお薦めします。なお、日本盤ボーナス・トラック#13"Victorious"は、まさに北欧メロディック・メタルど真ん中の曲で、今回はこれが聴ける国内盤が断然良いです。

上記の3人以外のレコーディング・メンバーは、リード・ギターにマグナス・ヘンリクソン、ドラムにロバン・バックのEclipse組、1stと全く同じメンツです。また制作面の一切をエリック・モーテンソンが手がけているのも1stと同様です。全曲のソング・ライティングにタッチしているし、実演面でも#2"Learn To Live Again"で聴けるJSSとのツイン・ボーカルなんか、ものすごくカッコいいし。この人はほんと底知れない才能の持ち主ですね。もうすっかりメロハー界の顔役という存在になりました。


 評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Walk Away (Erik Mårtensson/Robert Säll/Magnus Henriksson/Jeff Scott Soto)
02. Learn To Live Again (Robert Säll/Erik Mårtensson/Jeff Scott Soto/Johan Becker)
03. Rise Up (Erik Mårtensson/Robert Säll/Magnus Henriksson/Jeff Scott Soto)
04. Love Heals (Robert Säll/Erik Mårtensson/Miqael Persson)
05. What You Want (Erik Mårtensson/Miqael Persson)
06. The Moment (Erik Mårtensson/Magnus Henriksson/Jeff Scott Soto)
07. Bad Boy (Robert Säll/Erik Mårtensson/Miqael Persson/Johan Becker)
08. On The Run (Erik Mårtensson/Jeff Scott Soto)
09. Broken Wings (Erik Mårtensson/Miqael Persson/Johan Becker)
10. Shot (Robert Säll/Erik Mårtensson/Miqael Persson)
11. Still Believe (Erik Mårtensson/Miqael Persson/Jeff Scott Soto)
12. Still Unbroken (Erik Mårtensson/Jeff Scott Soto/Robert Säll)
13. Victorious (Robert Säll/Erik Mårtensson/Miqael Persson) [bonus track]

■Personnel
Jeff Scott Soto – Lead Vocals
Erik Mårtensson - Rhythm & Lead Guitar, Bass, Keyboards, Backing Vocals
Robert Säll - Keyboards, Lead Guitar on #6
Magnus Henriksson - Lead Guitar
Robban Bäck - Drums

Producer - Erik Mårtensson
Executive Producer - Serafino Perugino

Mercury's Down / Toby Hitchcock (2011)

0162Mercury's Down










Pride of Lionsのボーカリスト、トビー・ヒッチコックの1stソロ作。とは言うものの、Frontiersレーベルが量産するメロハー/AOR企画ものの一枚。Eclipseのエリック・モーテンソンが制作の指揮を執り、全ての曲作りに関与、ほとんどの楽器とバック・ボーカルを担当、プロデュースもこなすという活躍ぶりです。ボーナス・トラックですが、#13"Strong Enough"ではトビー・ヒッチコックとのデュエットまでやっています。トビー・ヒッチコック自身は作詞作曲・アレンジ等にタッチせず、エリック・モーテンソンの作ったカラオケにリード・ボーカルを吹き込んだだけ。やはりエリック・モーテンソン・チームが制作したジミ・ジェイソンのNever Too Lateと言い、本作と言い、こんなんでソロ・アルバムと言っていいものか若干疑問です。同じチームでジェフ・スコット・ソートがボーカルを担当したW.E.Tのように、プロジェクト名を冠して発表されるべき作品ではないかと思います。

ただし、アルバム自体の出来は大変素晴らしい。W.E.Tと似た雰囲気の歌メロは流麗で美しく、計算しつくされたアレンジとアンサンブルが一曲一曲をドラマチックなものにしています。もう名曲・佳曲のオンパレード状態です。エリック・モーテンソン恐るべし。彼の作る楽曲ももちろん先人の影響を受けているのでしょうが、よくある80年代懐古趣味が不思議と感じられず、「現在進行形のメロディアス・ハードロック」という印象を受けます。あ、トビー・ヒッチコックの歌唱も伸び伸びとしていて気持ちがいいですよ。なお、他の参加ミュージシャンは、ギターにマグナス・ヘンリクソン(Eclipse)とフレドリック・フォルケ(Unleashed)、ドラムにマグナス・ウルフステット(Eclipse/Torch)。バック・ボーカルのミカエル・ぺールソンは、エリック・モーテンソンとコンビを組んでEclipse、First Signal、Giant、W.E.Tなどの楽曲を書いている人。

蛇足ですが"This Is The Moment (Official Video)"で全然別の人がバンドの当てフリしてますけど、せめてPVくらい本物が顔合わせして撮影すればいいのに。さらに蛇足ですが、とてもミュージシャンに見えないトビー・ヒッチコックと対照的に、相手役(?)の女性が超カワイイので何度も見ちゃいました。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. This Is The Moment (Erik Mårtensson/Miqael Persson)
02. Strong Enough (Erik Mårtensson/Magnus Henriksson/Miqael Persson)
03. How To Stop (Erik Mårtensson/Miqael Persson)
04. Let Go (Erik Mårtensson/Miqael Persson)
05. One Day I'll Stop Loving You (Erik Mårtensson/Miqael Persson)
06. I Should Have Said... (Erik Mårtensson/Miqael Persson)
07. If It's To Be (It's Up To Me) (Erik Mårtensson/Miqael Persson)
08. Just Say Goodbye (Erik Mårtensson/Lasse Andersson/Miqael Persson)
09. Summernights In Cabo (Erik Mårtensson/Miqael Persson)
10. Tear Down The Barricades (Erik Mårtensson/Miqael Persson)
11. A Different Drum (Erik Mårtensson/Miqael Persson)
12. Mercury's Down (Erik Mårtensson/Miqael Persson)
13. Strong Enough (Duet with Erik Mårtensson) [bonus track]

■Personnel
Toby Hitchcock - Lead Vocals
Erik Mårtensson - Background Vocals, Rhythm & Lead Guitars, Bass, Keyboards, Drums
Magnus Henriksson - Lead Guitars on 2, 9, 13
Fredrik Folkare - Lead Guitars on 8, 12
Magnus Ulfstedt - Drums on 3, 6, 11
Miqael Persson - Background Vocals on 11

Producer - Erik Mårtensson
Executive Producer - Serafino Perugino 

 

W.E.T / W.E.T (2009)

0056WET

Work Of Artのロバート・サール(Robert Säll)、Eclipseのエリック・モーテンソン(Erik Mårtensson)、Talismanのジェフ・スコット・ソート(Jeff Scott Soto)が組んだメロハー・プロジェクト、それぞれの所属バンド名の頭文字をとりW.E.Tと名づけられました。ロバート・サールは1曲だけリード・ギターを弾いていますが、主にソング・ライティングでの参加。メイン・リード・ギターのマグナス・ヘンリクソン(Magnus Henriksson)とドラムのロバン・バック(Robban Bäck)はEclipseのメンバーだし、エリック・モーテンソンは全曲のライティングに関わり、ギター、ベース、キーボード、バッキング・ボーカルを全てこなし、更にプロデュースとミックスまで担当していることから、実態はEclipseをバックにジェフ・スコット・ソートが歌っていると考えたほうがいいかも知れません。なお、ソング・ライティングに加わっているミカエル・ぺルソン(Miqael Persson)は、メロハー/AOR界隈ではよく名前を見かけるソングライター、エグゼクティブ・プロデューサーのセラフィーノ・ペルジーノ(Serafino Perugino)はリリース元のFrontiers Recordsの社長さんですね。

スウェーデンの代表的なメロハー・バンドが集まって作られたプロジェクトだけに、いかにも北欧らしい透明感を漂わせた叙情的なメロディが堪能できます。楽曲・アレンジ・演奏は折り紙つきの一級品。実質的にこのプロジェクトを主導したであろうエリック・モーテンソンの才能には舌を巻かざるを得ません。そしてまた、ジェフ・スコット・ソートのボーカルが素晴らしい。Talismanの初期のころのような瑞々しさはないものの、年齢を重ねて深みを増した声そのものに説得力があります。歌いまわしもいよいよ円熟の境地に達し、名唱という言葉がふさわしいものとなっています。総じて、間違いなくメロディアス・ハードロックの歴史に残る名盤の一つに数えられるべき仕上がりだと思います。

国内版はCDのみですが、輸入盤にはボーナスDVDが付属している上に値段が安いので、断然輸入盤のほうがお勧めです。DVDには、ミュージック・ビデオ3曲分とEPK(宣伝用映像資料)が収録されています。ミュージック・ビデオには、このアルバムがリリースされた同じ年、2009年7月21日に自ら命を絶ったマルセル・ヤコブが最後にベースを持ちプレイする姿が残されています。マルセルはW.E.Tのメンバーではありませんが、盟友ジェフ・スコット・ソートの懇願に応えビデオ出演したとのことです。Talismanのファン、マルセル・ヤコブの音楽を愛した者なら、必ず見ておくべきものでしょう。今でこそ、マルセルが長年深刻なリウマチの症状に悩み続け、ついに自死を遂げた事情は広く知られていますが、筆者は当時全く知りませんでした。ジェフの後ろでベースをプレイするマルセルの姿もさることながら、スナップ映像を納めた"Brothers In Arms"で、いつも控えめだった彼の最後の笑顔を見ると思わず目頭が熱くなってしまうのです。マルセルの死の直後、Talismanサイトに掲載されたジェフの文章(今は見ることができないようです)には次のようなくだりがありました。「来週は、友人とともに仕事をするためにスウェーデンに行くのではなく、彼を葬るためにそこに行くことになる」 「私は長年、多くのインタビューで、マルセルと私が生きている限りTalismanは存続し続けると言ってきました。こんな状況でバンドの終焉を迎えるとは思ってもみませんでした。この文章を締めくくろうという時になって、涙があふれ出してきました。書けば書くほど、彼が逝ってしまったことが実感されてきたようです。しかし、どの曲の、どの本の、どの歌詞の終わりもそうであるように、締めくくりというのは暗転を予感させるものです。君がいなくなって寂しいよ、俺の「共犯者」、マルセル! ジェフ」
参照 【R.I.P.】マルセルヤコブ自殺【TALISMAN】

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Invincible (Erik Mårtensson, Miqael Persson, Robert Säll)
02. One Love (Erik Mårtensson, Vivien Searcy)
03. Brothers In Arms (Erik Mårtensson, Magnus Henriksson, Miqael Persson)
04. Come Down Like Rain (Erik Mårtensson, Miqael Persson)
05. Running From The Heartache (Erik Mårtensson, Miqael Persson, Robert Säll)
06. I'll Be There (Erik Mårtensson, Miqael Persson, Robert Säll)
07. Damage Is Done (Erik Mårtensson, Miqael Persson, Robert Säll)
08. Put Your Money Where Your Mouth Is (Erik Mårtensson, Miqael Persson)
09. One Day At A Time (Erik Mårtensson, Miqael Persson)
10. Just Go (Erik Mårtensson, Miqael Persson, Robert Säll)
11. My Everything (Erik Mårtensson, Miqael Persson, Robert Säll)
12. If I Fall (Erik Mårtensson, Magnus Henriksson, Robert Säll, Miqael Persson)

■Bonus DVD
01. Comes Down Like Rain (Music Video)
02. One Love (Music Video)
03. Brothers In Arms (Music Video)
04. EPK

■Personnel
Robert Säll - Lead guitar on 5
Erik Mårtensson - Rhythm guitar, Lead guitar on 1, 7, 8, 9, 10, 11, Keyboards, Bass, Backing vocals
Jeff Scott Soto – Lead & backing vocals

Magnus Henriksson - Lead guitar on 2, 3, 4, 6, 9, 10, 12
Robban Bäck - Drums
Marcel Jacob - Bass in videos

Producer - Erik Mårtensson
Executive Producer - Serafino Perugino

記事検索
カテゴリ別アーカイブ
プロフィール

トンキチ

タグクラウド
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ