メロディアス・ハードロック名盤探訪 別館

哀愁・叙情・爽快...メロハー、AOR、ハード・ポップ、メロディック・メタルの傑作との出会いを求めて。

エリック・コーネン

Say Yeah / Aquila (2001)

0287Say Yeah










オランダのメロハー・バンドAquila(アクイラ)の1stアルバム。リーダーでボーカリストのフレッド・ヘンドリックス自身が書いたライナー・ノーツによれば、レコード会社との間にトラブルがあってTerra Nova(テラ・ノヴァ)の新作作りが困難となり、一旦Terra Novaは解散。フレッド・ヘンドリックスのソロ・プロジェクト的なバンドとしてAquilaを始動させたとのことです。しかし、フレッドが曲を書いて歌い、弟のロン・ヘンドリックス(Key)とジェスィーノ・デローザス(Gt)というTerra Nova中核メンバーが録音に参加しているわけで、実質的にはTerra Novaの別名義での作品です。リズム・セクションはセッション・プレイヤーとのことですが、日本盤と海外盤とで表記が異なるらしく、アディショナル・ミュージシャンにも複数のドラマー、ベーシストが記載されていて、実際に誰がどの曲でプレイしているのか不明です。

というわけで、本作もTerra Nova同様の明るいメロディが特徴のハード・ポップが詰め込まれています。Terra Nova4作目用のマテリアルも含まれており、メロディの素性は当然Terra Novaと同じ。ただ、Terra Novaのサウンドがハードロック然とした分厚いものだったのに比べて、アコースティック・ギターが多用され、エレキもクランチ・サウンド、リズム・セクションもゆったりとしており、全体としてライトでカジュアルな印象。ミカエル・アーランドソンのソロ作やNelsonに通じる心地良いサウンドです。筆者のお気に入りは、リラックス・ムードの#2"Wide Open"、#3"Forgive Me"、#8"Sometimes"、#12"I Run"、#13"The End"、溌剌とした#4"Young And Restless"、#6"Everyday"、#7"Here I Am"、#10"Say Yeah"。パンキッシュな#11"The Kids Wanna Rock"もいいですね。ほとんど全部だな。ただ、一番地味で面白みのないバラード"Cecelia"をオープニングにもってきたのはいかがなものか。これでアルバムの印象が地味になってしまったのがもったいない限りです。。。

評価 ★★★★☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks (All songs written by Fred Hendrix)
01. Cecelia
02. Wide Open
03. Forgive Me
04. Young And Restless
05. Nothing's Impossible Now
06. Everyday
07. Here I Am
08. Sometimes
09. I Share It With You
10. Say Yeah
11. The Kids Wanna Rock
12. I Run
13. The End
14. Where Is The Sun

■Personnel
Fred Hendrix - Lead Vocal, Guitar
Ron Hendrix - Organ, Keyboards, Backing Vocals
Gesuino Derosas - Guitar, Backing Vocals
René Creenmers -  Drums
Pieter Douma - Bass

Additional Musicians
Eric Coenen, Roiger van Wegberg, Arthur Lijten, Ad de Jong, Cor Muysers, Eric Derix, Lars Beuving,

Producer - Fred Hendrix


Make My Day / Terra Nova (1999)

0149Make My Day










オランダのメロハー・グループ、テラ・ノヴァの3rdアルバム。メンバーはフレッド・ヘンドリックス(vo)、ジェスィーノ・デローザス(gt)、ラルス・バウヴィンク(dr)、ロン・ヘンドリックス(key)の4人。前作までベースを弾いていたルシアン・マテウソンが抜けて、サポート・ベーシストとしてエリック・コーネンがクレジットされています。1stから変わらず一貫して明るくキャッチーなサウンドを聴かせてくれる彼らですが、本作はこれまででベストの仕上がり。フレッド・ヘンドリックスの書くメロディは一段と流麗となり、彼の歯切れの良い歌唱と相まって一度聴いたら忘れられないほど印象が強いものとなっています。

#1"Lovesick"、#2"Make My Day"、#6"Wild Thing"、#9"Where I Stand"、#11"Promise You Wait"はこのバンドのお家芸とも言えるメジャー・キーの爽やかなハード・ポップで、気持ちがウキウキするようなメロディがとにかく素晴らしい。まさに現代の(と言っても90年代ですが)バブルガム・サウンドでしょう。「バブルガム」というレッテルは、60年代後半~70年代前半にかけて流行ったティーン向けポップ・ミュージックに対する一種の悪口でしたが、楽曲の質には高いものがありました。今現在かつて流行ったようなポップス(大衆音楽)は言葉とは裏腹にポピュラリティ(大衆性)を持っていません。かつてはアンダーグラウンドだったような音楽が今はメジャーであり、ラジオ・テレビをつければいつも流れていた音楽はマイナーな存在となっています。そういう逆転した状況を踏まえた上で、表向きのダークさやへヴィさによろめかずに、あえて「ポップ」とは何かを追求し続けるテラ・ノヴァは貴重な存在。筆者はニルヴァーナを聴きたいときはニルヴァーナを、レイジを聴きたいときにはレイジを聴きます。どのバンドも右へ倣えして同じような音を出されてしまっては、聴くほうの選択肢が減って困るんです。

このアルバムはこれまでのハード・ポップ路線から楽曲の幅を広げているのも特色です。#5"Anomaly"はジェスィーノ・デローザスのテクニカルなギターが炸裂するインスト曲。#10"I Will Be There"はなんとアコーディオン入りのレトロなワルツ。どうせならオランダ語で歌えばもっと雰囲気が出たんじゃないかな。それからアルバムの最後には短い隠しトラックがあって、見事なアカペラ・コーラスを聴かせてくれます。実に心憎い終わり方です。なお、このアルバムのリリース後、レーベルとのトラブルのためテラ・ノヴァというグループ名が使えずバンドは一度解散、アクイラ(Aquila)名義での活動を経て2005年になって再びテラ・ノヴァとしてアルバムEscapeを発表することになります。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Lovesick (Fred Hendrix)
02. Make My Day (Fred Hendrix)
03. Eye To Eye (Gesuino Derosas)
04. Here's To You (Fred Hendrix)
05. Anomaly (Gesuino Derosas)
06. Wild Thing (Fred Hendrix)
07. I Can't Wait (Fred Hendrix)
08. Nothing (Fred Hendrix)
09. Where I Stand (Fred Hendrix)
10. I Will Be There (Fred Hendrix)
11. Promise You Wait (Gesuino Derosas)
12. How (Fred Hendrix)

■Personnel
Fred Hendrix - Lead Vocals, Guitar
Gesuino Derosas - Lead Guitar, Backing Vocals
Lars Beuving - Drums, Backing Vocals
Ron Hendrix - Keyboards, Organ, Piano, Accordion, Backing Vocals

Eric Coenen - Bass Guitar
Jeroen RobRecht - Violin and Viola

Producer - Fred Hendrix 

 
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